スマート自動入札(旧「オークションごとの自動入札」)は、Google AI を使ってコンバージョン数重視またはコンバージョン値重視の最適化をオークションごとに実施できる入札戦略です。目標コンバージョン単価、目標広告費用対効果、コンバージョン数の最大化、コンバージョン値の最大化はいずれもスマート自動入札戦略です。
スマート自動入札戦略
ビジネス目標 | キャンペーンの目標 | スマート自動入札戦略 |
---|---|---|
売上や見込み顧客の増大 | 固定予算または固定広告費で、できるだけ多くのコンバージョンを獲得する | コンバージョン数の最大化、目標コンバージョン単価 |
利益の向上 | 固定予算または固定広告費用対効果(ROAS)で、できるだけ多くのコンバージョンを獲得する | 目標広告費用対効果、コンバージョン値の最大化 |
スマート自動入札のメリット
スマート自動入札には、時間の節約や掲載結果の改善に役立つ 4 つの特長があります。
高度な機械学習
単価設定では、機械学習アルゴリズムが極めて広範なデータを学習するため、さまざまな入札単価でのコンバージョン数やコンバージョン値をアカウントでより的確に予測できるようになります。このアルゴリズムでは、ユーザーが算出するよりも多様で、掲載結果に影響を与えるパラメータが考慮されます。
コンテキストに基づくさまざまなシグナル
オークションごとの自動入札機能では、入札単価の最適化の際にさまざまなシグナルが考慮されます。シグナルとは、個々のユーザーやオークション時のコンテキストを特定できる属性のことで、デバイスや地域など、手動の入札単価調整に利用できる属性のほか、スマート自動入札固有のシグナルとその組み合わせが該当します。以下に重要なシグナルをいくつかまとめておきます。
自動入札で使用されるシグナル
デバイス
説明: ユーザーの使用デバイス(モバイル、パソコン、タブレット)に基づき、目標コンバージョン単価または目標広告費用対効果を考慮して入札単価が最適化されます。
例: ある自動車販売店では、ユーザーがモバイル デバイスで検索していて、近くの店舗に来店を予約をする可能性が高い場合に、入札単価が調整されます。
所在地
説明: ユーザーの所在地(都市レベル)に基づいて入札単価が最適化されます。その際、広告主様のターゲット地域がそのレベルにまで設定されているかどうかは問いません。
例: ある銀行の場合、広告主様のターゲット地域が東京都に設定されていても、支店が密集する地域にいるユーザーが「新しい預金口座」と検索していれば、口座開設を申し込む可能性が高いため、入札単価の調整が行われます。
地域に関する意図
説明: ユーザーの所在地に加え、地域に関する意図にも基づいて入札単価が最適化されます。
例: ある旅行会社の場合、たとえ店舗付近にいないユーザーでも、その会社が取り扱っている旅行先について積極的に検索していれば(例: 「沖縄旅行 8 月」)、入札単価の調整が行われます。
曜日と時間帯
説明: ユーザーのタイムゾーンでの現地時間や曜日に基づいて入札単価が最適化されます。
例: あるレストランの場合、月曜日の午前 8 時と比較して、木曜日の午後 8 時に検索するユーザーは週末のための予約を行う可能性が高いため、入札単価の調整が行われます。
リマーケティング リスト
説明: ユーザーが登録されているリマーケティング リストに基づいて、検索キャンペーン、ディスプレイ キャンペーン、およびホテル キャンペーンの入札単価が最適化されます。検索キャンペーンとディスプレイ キャンペーンでは、ユーザーがそのリストに登録されてからの経過時間も考慮されます。検索キャンペーンでは、そのキャンペーンまたは広告グループでユーザーが登録されている個々のリストも考慮の対象となります。
例: あるオンラインの衣料小売業者の場合、サイト訪問者が商品を閲覧し、ショッピング カートに追加したのが先週であれば、先月だった場合よりも、近々購入に至る可能性が高いため、入札単価の調整が行われます。
広告の特性
説明: モバイルアプリ用かどうかも含め、表示される広告のパターンに基づいて入札単価が最適化されます。
例: ある通信事業者の場合、「最新の特別価格キャンペーン」や「柔軟なプラン」を宣伝する広告、またはモバイルサイトやモバイルアプリをリンク先とする広告が表示される際には、各パターンのコンバージョンに至る可能性の高さに応じて入札単価の調整が行われます。ディスプレイ キャンペーンの場合は、コンバージョンに至る可能性が高い広告のサイズとフォーマットを考慮して入札単価が調整されます。
表示言語
説明: ユーザーの言語設定に基づいて入札単価が最適化されます。
例: あるスペイン語学習サイトの場合、スペイン語ではなく日本語を設定しているユーザーが新しいチュートリアルを購入する可能性は低いため、「新しい言語 学習」という検索キーワードの入札単価の調整が行われます。
ブラウザ
説明: ユーザーが使用しているブラウザに基づいて入札単価が最適化されます。
例: 他のブラウザと比較して Chrome でのコンバージョン率が高い健康食品会社の場合、ユーザーが Chrome で検索したときには入札単価の調整が行われます。
OS
説明: ユーザーが使用しているオペレーティング システムに基づいて入札単価が最適化されます。
例: あるゲームアプリのデベロッパーの場合、最新のバージョンにアップグレードされている Android デバイスから Google Play で「パズルゲーム」を検索したユーザーは、旧バージョンの使用時と比べて、アプリをインストールする可能性が高いため、入札単価の調整が行われます。
実際の検索語句(検索キャンペーンとショッピング キャンペーン)
説明: 広告掲載の対象となった検索で、一致したキーワードだけでなく、実際の検索語句に基づいて入札単価が最適化されます。
例: ある靴の小売店の場合、「革のブーツ」と検索したユーザーは、キーワード「ブーツ」が同じく部分一致する「ブーツ 修理」と検索したユーザーよりも新しいブーツを購入する可能性が高いため、入札単価の調整が行われます。
検索ネットワーク パートナー(検索キャンペーンのみ)
説明: 広告が掲載される検索パートナー サイトに基づいて入札単価が最適化されます。
例: ある消費財ブランドの場合、ニュースサイトよりも e コマースサイトとの関連性が高い検索語句が発生していれば、コンバージョンに至る可能性がより高いため、入札単価の調整が行われます。
ウェブサイトのプレースメント(ディスプレイ キャンペーンのみ)
説明: 広告が掲載されるサイト プレースメントに基づいて入札単価が最適化されます。
例: ある消費財ブランドの場合、トラフィックの多い人気サイトに広告が掲載されると、コンバージョンに至る可能性が高いため、入札単価の調整が行われます。
サイトでの行動(ディスプレイ キャンペーンのみ)
説明: 閲覧したページ数や閲覧した商品の金額、コンバージョン プロセスにおける現在地、過去にアクセスした他のサイトなど、ユーザーのサイトでの行動に基づいて入札単価が最適化されます。
例: ある家具ブランドの場合、低価格帯の照明器具と比較して高額なソファをユーザーがいくつか閲覧していれば、入札単価の調整が行われます。
商品属性(ショッピング キャンペーンのみ)
説明: 価格、状態、ブランド、商品カテゴリなど、商品全体で類似する属性に基づいて入札単価が最適化されます。
例: アウトドア用品を販売する小売業者の場合、コンバージョンに至る可能性が高いテントと似たようなテントが商品データに新たに追加されると、入札単価の調整が行われます。
ホテルと旅行プランの属性(ホテル キャンペーンのみ)
説明: ホテル属性とユーザーが選択した旅行プランに基づいて入札単価が最適化されます。
例: あるホテルの場合、ユーザーから肯定的な評価を獲得していれば、ユーザーが選択したチェックインおよびチェックアウトの日付(デフォルトの日付ではなく)でホテルが予約される可能性が高いため、入札単価の調整が行われます。
モバイルアプリの評価(今後対応予定)
説明: アプリのレビューの効果と数に基づいて入札単価が最適化されます。
例: あるフィットネス関連のブランドの場合、販売しているアプリが好意的なレビューを多く獲得していれば、インストールされる可能性が高いため、入札単価の調整が行われます。
価格競争力(ショッピング キャンペーンとホテル キャンペーンのみ)
説明: 広告主様と同じオークションに参加している他の広告主様との商品価格の比較に基づいて入札単価が最適化されます。
例: 他の広告主様と比較して競争力のある価格でナイフセットを販売している調理器具の小売店の場合、入札単価の調整が行われます。
季節性(ショッピング キャンペーンのみ)
説明: 1 年における特定の時期の季節的な掲載結果の傾向に基づいて入札単価が最適化されます。
例: ある家電販売店の場合、年末商戦期に最新のテレビを検索しているユーザーは通常、コンバージョンに至る可能性が高いため、入札単価の調整が行われます。
掲載結果の柔軟な管理
スマート自動入札では、成果目標を設定できるほか、個々のビジネス目標に合わせて設定をカスタマイズすることも可能です。
- データドリブン アトリビューションを含め、選択したアトリビューション モデルに合わせて検索広告の入札単価を最適化します。
- 目標コンバージョン単価入札戦略でデバイス別(モバイル、パソコン、タブレット)の成果目標を設定します。
- 組み込まれている円滑化機能を使用して、特定の入札戦略を維持します。詳しくは、AI による検索広告を管理する方法をご覧ください。
透明性の高い掲載結果レポート
スマート自動入札では、入札の成果の詳細分析や問題の迅速な解決に役立つレポートツールが用意されています。下記はその一例です。
- 入札戦略レポート。スマート自動入札戦略の成果を把握できます。入札戦略レポートを確認するには、入札戦略レポートを表示するを参照してください。
- 詳細な入札戦略のステータス。入札戦略についてさらに詳しく把握できます。
- キャンペーンの下書きとテスト(検索キャンペーンとディスプレイ キャンペーン向け)。現在の単価設定と比較してのスマート自動入札の効果を容易に測定できます。
- シミュレーション。コンバージョン単価、広告費用対効果のターゲット設定、予算のいずれかを変更していた場合に、費用、コンバージョン、コンバージョン値、表示回数、クリック数といった主な指標に関する広告の掲載結果がどのように変わっていたかを推測します。
- アラートと通知。コンバージョン トラッキングに関する問題を報告し、解決するための明確な手順を示します。
対象
スマート自動入札は、大小さまざまな規模のビジネスに適しています。スマート自動入札を導入すると、すべてのキャンペーンのデータに基づいて最適化が行われるため、独自のデータがない新しいキャンペーンの場合でも掲載結果が向上します。掲載結果を正確に評価するには、1 か月以上の長い期間に 30 回以上のコンバージョン(目標広告費用対効果の場合は 50 回以上)を獲得していることが推奨されます。関連性の高いキーワードをトラフィックの少ないキャンペーンに追加すると、ターゲティングを拡大してコンバージョンを増やすことができます。
スマート自動入札を使用している広告主様は、適用される法的要件と Google 広告のポリシーに準拠する必要があります。たとえば、スマート自動入札をご利用になる場合、Google のパーソナライズド広告ポリシーに準拠する責任があります。スマート自動入札で使用されるコンテキストシグナルをよく理解し、スマート自動入札がご自分のビジネスに適しているか判断することが重要です。
スマート自動入札戦略を作成する
はじめに
スマート自動入札を使用するには、コンバージョン トラッキングを有効にする必要があります。詳しくは、さまざまなコンバージョン トラッキング方法をご覧ください。
この優れたエクスペリエンスにより、ユーザーは商品の購入、配信登録、カートへの商品の追加など、目的の操作をより簡単に完了することができます。さらに、Web to App Connect インターフェースでは、こうしたアプリ内コンバージョン アクションをトラッキングし、キャンペーンのパフォーマンスを高める方法についての最適化案を取得できます。
Web to App Connect を利用するには、以下の 3 つの手順を行います。
- Google 広告の管理画面でツールアイコン をクリックします。
- セクション メニューで [プランニング] プルダウンをクリックします。
- [アプリ広告ハブ] をクリックします。Web to App Connect インターフェースが表示されます。
1 つのキャンペーン(標準の入札戦略)または複数のキャンペーン(ポートフォリオ入札戦略)のスマート自動入札戦略は、次の方法で作成できます。
- 新しいキャンペーンで作成する
- キャンペーン設定から作成または変更する
- [入札戦略] から作成する
入札戦略を作成、確認、管理する手順は次のとおりです。
- Google 広告の管理画面でツールアイコン をクリックします。
- セクション メニューで [予算と入札単価] プルダウンをクリックします。
- [入札戦略] をクリックします。
スマート自動入札での動画広告コンバージョン アトリビューション
スマート自動入札を使用する動画広告に関しては、Google 広告では、お客様のキャンペーンのコンバージョン データに基づいて、動画広告に対するエンゲージメントがコンバージョンにつながる可能性を予測します。
TrueView アクション広告の場合、広告のクリックまたは 10 秒間の視聴が、広告に対するエンゲージメントとなります。この両方が発生した場合は、クリックのみがエンゲージメントとしてカウントされます。動画広告が 10 秒間以上視聴されてから 3 日以内にコンバージョンが発生すると、ウェブサイト コンバージョンとしてカウントされます。広告をクリックしたユーザーについては、お客様が指定された計測期間内にコンバージョンを達成した場合に、従来どおり広告のクリックに貢献度が割り当てられます。
部分一致キーワードでスマート自動入札キャンペーンを促進する
部分一致キーワードは、コンバージョン数の最大化、コンバージョン値の最大化、目標コンバージョン単価、目標広告費用対効果など、スマート自動入札戦略と組み合わせて使用すると効果的です。
最適化を促進するためにマッチタイプで分割する必要はありません。検索語句ごとにオークションの入札単価が設定され、検索語句の有効性に合わせて入札単価が調整されます。部分一致キーワードを適用すると、機械学習による学習速度が高まるため、成長目標達成に役立つさらに多くのオークションを特定できます。部分一致キーワードの詳細