Vault を使用して Gmail を検索する

Google Vault は管理者および法務担当者向けです。Vault を使用するには、事前に Google Workspace 管理者にアカウントを設定してもらう必要があります。管理者を確認する

Google Workspace データの電子情報開示プロジェクトの一環として、Vault を使用し、Gmail メッセージの検索、関心のあるアカウントの特定、メッセージの内容の確認と印刷、添付ファイルの表示とダウンロードを行うことができます。

組織で Gmail に Google Workspace クライアントサイド暗号化(CSE)を使用している場合、Vault を使用してクライアントサイド暗号化が適用された Gmail のメールを検索、ダウンロード、エクスポートできます。

検索する前に

メッセージを検索する前に、Vault でサポートされる Gmail のメールVault での検索に関するよくある質問をお読みになることをおすすめします。

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検索対象となるデータ

対象:

  • メッセージの最初の 1 MB のテキストと添付ファイル
  • 組織内のユーザーが送信した情報保護モードのメール
  • 組織外のユーザーから送信された情報保護モードのメールのヘッダーと件名
  • 下書き(破棄された下書きと自動保存された下書きを含む)
  • クライアントサイド暗号化が適用されたメールの暗号化されていないヘッダーと件名

対象外:

  • 組織外のユーザーから送信された情報保護モードのメールのコンテンツ
  • リンクされたファイル
  • メール レイアウト
  • Google カレンダーや Google ドキュメントなどの他の Google サービスから送信されたメール(包括的なメール ストレージをオンにしている場合を除く)
  • 動的メールの動的コンテンツ
  • クライアントサイド暗号化が適用されたメールの暗号化された本文
詳しくは、サポートされるサービスとデータタイプをご確認ください。
Vault 検索で、自動保存または破棄された下書きを除外するにはどうすればよいですか?

ユーザーの Gmail データには、3 種類の下書きメールが含まれている可能性があります。検索結果と書き出しでは、すべての下書きメールを除外することも、特定の種類の下書きメールのみを除外することもできます。

  • すべての種類の下書きを除外するには、[下書きを除外する] チェックボックスをオンにしてから検索します。プレビュー画面には自動保存された下書きメールが表示されますが、書き出す際には除外されます。
  • 自動保存された下書きを除外するには、検索キーワードに「-label:^r_ad」という演算子を追加します。
  • 破棄された下書きと自動保存された下書きを除外し、未送信の下書きのみを含めるには、検索キーワードに「-(label:^deleted AND label:drafts)」という演算子を追加します。プレビュー画面には自動保存された下書きメールが表示されますが、書き出す際には除外されます。
検疫されたメールを除外するにはどうすればよいですか?

検索キーワードに「-label:^admin_quarantine」という演算子を追加します。

詳しくは、管理者検疫についての記事をご覧ください。

未処理データを検索する理由

ケースに関連するすべてのデータを確実に見つけるには、未処理のデータを検索することをおすすめします。未処理のデータには次のものが含まれます。

  • Gmail によるインデックス登録がまだ完了していないメールおよび添付ファイルのコンテンツ。
  • サイズの大きなメールおよび添付ファイルで、最初の 1 MB のインデックス登録が終了している場合、その 1 MB に含まれていない残りのコンテンツ。
  • テキストに変換してインデックス登録することができなかった添付ファイル。
[すべてのデータ] または [保持データ] の検索で検索キーワードを入力した場合、Vault では、検索キーワードと未処理のデータの照合は行われません。検索キーワードと一致する可能性があるすべてのデータを確実に見つけるには、対象のアカウントまたは組織部門に関連する未処理のデータを検索してエクスポートし、別のツールを使用して、そのデータを対象にキーワード検索を実行してください。
クライアントサイド暗号化を適用したメールについて

Vault では、クライアントサイド暗号化が適用されたメールが他のファイルと同様に保持、記録保持(リティゲーション ホールド)されます。

  • メールの件名、送信者、受信者など、メールの暗号化されていないメタデータはプレビュー可能です。
  • 暗号化されているコンテンツは、smime.p7m または smime.p7s の添付ファイルとして検索プレビューに表示されます。そのコンテンツを表示するには、書き出しを行います。 書き出したファイルを mbox 形式で復号するには、復号ツール(ベータ版)を使用します。クライアントサイド暗号化が適用されたメールを PST 形式で表示するには、Microsoft Outlook で各ユーザーの p7m ファイルを読み込みます。
重要: Google Workspace サブスクリプションを解約しており、Vault のエクスポート内のクライアントサイド暗号化が適用されたメールを後で復号したい場合は、データ エクスポートを使用してユーザーの鍵マテリアルを書き出します。ユーザーの鍵マテリアルがなければ、メールを復号することはできません。

詳しくは、クライアントサイド暗号化についての記事をご覧ください。

Gmail メールの検索例

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特定のアカウントで送受信されたメールを検索する

ユーザーのアカウントにアクセスしなくても、そのユーザーのアカウントに関連するメールを検索できます。検索を開始するときに、次のパラメータを使用します。

  • ソースデータには [すべてのデータ] を選択します。
  • エンティティには [特定のアカウント] を選択し、ユーザーのメールアドレスを入力します。
  • (省略可)次のようにキーワードで検索を絞り込みます。
    • 特定のアカウントから送信されたメールのみを検索するには、「from:[メールアドレス]」と入力します。
    • 特定のアカウント宛のメールのみを検索するには、「to:[メールアドレス]」と入力します。この検索では、指定したアカウントが [to]、[cc]、または [bcc] に含まれているメールが返されます。そのアカウントで登録しているグループに送信されたメールは返されません。
特定のアカウント間で送信されたメールを検索する

特定のユーザー間で送信されたメールを検索することができます。次の例では 2 人のユーザーを対象としていますが、さらにアカウントを追加することもできます。検索を開始するときに、次のパラメータを使用します。

  • ソースデータには [すべてのデータ] を選択します。
  • エンティティには [特定のアカウント] を選択し、いずれかのユーザーのメールアドレスを入力します。この段階で両方を入力する必要はありません。
  • 次のようにキーワードで検索を絞り込みます。
    • 2 つのアカウント間でやりとりされたメールを検索するには、「from:([メールアドレス 1] OR [メールアドレス 2]) AND to:([メールアドレス 1] OR [メールアドレス 2])」と入力します。
    • 1 つのアカウントからもう 1 つのアカウントに送信されたメールを検索するには、「from:[送信者のメールアドレス] AND to:[受信者のメールアドレス]」と入力します。注: 対象のユーザーが複数のアカウントを所有している場合は、上記の例にならってそのユーザーのすべてのアカウントを入力して検索し、漏れがないようにしてください。
特定の外部ドメインとの間で送受信されたメールを検索する

他社のユーザーとの間でメールを送受信したアカウントを確認することができます。検索を開始するときに、次のパラメータを使用します。

  • ソースデータには [すべてのデータ] を選択します。
  • エンティティには [すべてのアカウント] を選択します。
  • 次のようにキーワードで検索を絞り込みます。
    • 他社のユーザーに送信されたメールを検索するには、「to:*@example.com」と入力します。この検索では、指定したドメインのアカウントが [to]、[cc]、または [bcc] に含まれているメールが返されます。
    • 他社のユーザーから組織内のユーザーに送信されたメールを検索するには、「from:*@example.com」と入力します。
グループ宛のメッセージを検索する

Gmail の検索でグループのメッセージを見つける場合、検索対象のアカウントとしてグループのメールを指定することはできません。代わりに、以下のパラメータを使用してください。

  • エンティティには [すべてのアカウント] を選択します。
  • キーワードには「from:[グループのメールアドレス]」と入力します。たとえば、グループ sales@solarmora.com 宛に送信されたメッセージを検索するには、「from:sales@solarmora.com」と入力します。

注: この方法では、1 人以上のユーザーがそのグループに登録していて、かつ要約またはダイジェストをメールで受け取るように設定されているだけでなく、そのメッセージが Vault で利用できる(削除、パージされていない)場合にのみ、メッセージが返されます。

特定の単語または添付ファイルを含むメールを検索する

特定の単語、フレーズ、または添付ファイルを含むメールを送受信したアカウントを確認できます。検索を開始するときに、次のパラメータを使用します。

  • ソースデータには [すべてのデータ] を選択します。
  • エンティティには [すべてのアカウント] を選択します。
  • 次のようにキーワードで検索を絞り込みます。
    • 特定の単語を含むメールを検索するには、[目的の単語] を入力します。複数の単語を入力すると、すべての単語を含むメールのみが返されます。Vault では先頭から 1 MB までのメッセージ テキストと添付ファイルが検索されます。添付ファイルのテキストまたはメッセージのテキストのみを検索することはできません。
    • 特定のフレーズを含むメールを検索するには、そのフレーズを二重引用符で囲みます(例: "project alpha")。検索では大文字と小文字は区別されないため、この例では「Project Alpha」、「Project alpha」、「project Alpha」、「project alpha」を含むメールがすべて返されます。
    • 添付ファイルがあるメールを検索するには、「has:attachment」と入力します。添付ファイルがあるメールを、ファイル名に含まれるキーワードで検索するには、「filename:[単語]」と入力します。

Gmail のメッセージを検索する

  1. vault.google.com にログインします。
  2. [案件] をクリックします。Vault プロジェクトのワークスペースである案件のデータを検索します。案件を使用すると、関連する記録保持(リティゲーション ホールド)、検索、エクスポートをグループ化できます。案件によって検索できるデータが制限されることはありません。どの案件からでも、アクセスが許可されているすべてのデータを検索できます。
  3. 検索クエリを実行する案件が存在する場合は、その案件をクリックして開くか、新しく案件を作成します。
    1. [作成] をクリックします。
    2. 案件の名前と、必要に応じて説明を入力します。
    3. [案件を新規作成] をクリックします。

    [検索] タブが開きます。

  4. [サービス] で [Gmail] を選択します。
  5. 検索するソースデータを選択します。
    • [すべてのデータ] - 組織内のすべてのメッセージを検索します。
    • [保持データ] - 指定した案件で記録保持の対象となっているデータのみを検索します。
    • [未処理データ] - Gmail で処理中またはインデックスに登録できないメッセージのみを検索します。詳しくは、このページの未処理データを検索する理由をご覧ください。
  6. 検索するエンティティを選択します。
    • [すべてのアカウント] - 組織内のすべてのアカウントを検索します。
    • [特定のアカウント] - アカウントのメールアドレスを入力します(最多 500 個まで入力可能)。指定したアカウントのエンベロープの送信者と受信者のアドレスが検索されます。ヘッダーや、送信者のアドレス、受信者のアドレスを対象に検索する場合は、[キーワード] に検索キーワードを入力します。
    • [組織部門] - 特定の組織部門内のアカウントを検索します。選択した組織部門に下位組織部門がある場合は、下位組織部門のアカウントも検索対象になります。
  7. (省略可)タイムゾーンを選択します。
  8. (省略可)[送信日] に期間を入力します。
    • 開始日を入力すると、その日以降に送信されたすべてのメッセージが返されます。
    • 終了日を入力すると、その日以前に送信されたすべてのメッセージが返されます。
  9. (省略可)[キーワード] に検索キーワードを入力します(複数可)。
    • メッセージ内の複数のキーワードを検索するには、単語をスペースで区切って入力します(例: project goals)。
    • フレーズを検索するには、複数の単語を引用符で囲みます(例: "project goals")。注: 検索においては、引用符内のフレーズの大文字と小文字は区別されず、句読点も無視されます。
    • アカウント、日付、メッセージのプロパティ、件名で検索するには、検索演算子を使用します。

    検索キーワードは 2,000 文字までで指定します。

  10. (省略可)下書きメッセージを検索対象から除外するには、[メールの下書きを除外する] をオンにします。このオプションがオフになっている場合は、クエリに一致するメッセージの下書きのすべて(自動保存された下書きを含む)が検索結果に表示されます。
  11. (省略可)クライアントサイド暗号化を適用したメールのみを検索するには、または検索対象から除外するには、[クライアントサイド暗号化状態] 次に [詳細オプション] をクリックして [クライアントサイド暗号化] を選択します。
    : このオプションは、Google Workspace クライアントサイド暗号化が有効になっている場合にのみ使用できます。
  12. 次のいずれかをクリックします。
    • [検索] - 検索を実行し、クエリに一致するメッセージのリストを返します。
    • [カウント] - クエリに一致するメッセージの件数と、一致するメッセージのあるアカウントの数が算出されます。クエリのカウントデータの CSV ファイルをダウンロードするには、[一致したアカウントをダウンロード] をクリックします。詳しくは、クエリの範囲の確認に関する記事をご覧ください。
    • [エクスポート] - 検索結果をプレビューせずに、すぐに書き出します。書き出しの詳細に関する記事をご覧ください。
  13. 検索、カウント、またはエクスポートが完了したら、次の操作を行うことができます。
    • 検索を編集するには、[展開する] をクリックします。
    • メッセージとそのスレッドのプレビューを開くには、メッセージをクリックします。
    • 検索結果を書き出すには、[エクスポート] をクリックします。詳細
    • クエリを保存するには、[保存] をクリックします。詳細
    • すべてのフィールドをクリアして新しい検索を開始するには、[クリア] をクリックします。

検索結果のメッセージをプレビューする

検索を実行した後、クエリに一致するメッセージの確認と印刷、添付ファイルの表示とダウンロードを行えます。

  1. 検索結果のリストで、メッセージをクリックします。スレッド内のメッセージのリストが開き、スレッド内の最新のメッセージの内容が自動的に表示されます。
    • の付いたメールには添付ファイルがあります。添付ファイルをダウンロードまたは表示するには、メッセージをクリックします。
    • の付いたメールは、Gmail の情報保護モードで送信されています。このようなメッセージは、プレビュー時と印刷時にメッセージ内容を表示または非表示にすることができます。詳細
    • "Encrypted" の付いたメールは、クライアントサイド暗号化が適用されています。
    • 長いスレッドの場合、プレビューには最新の 100 メッセージのみが含まれます。ただし、検索結果のエクスポートには、クエリに一致するすべてのメッセージ(プレビューに含まれていないメッセージも含む)が含まれます。
  2. 個々のメッセージの内容を表示するには、メッセージをクリックします。スレッド内のすべてのメッセージ内容を表示するには、すべて展開アイコン  をクリックします。
  3. メッセージとそのヘッダーの内容をすべて表示するには、[オリジナル] をクリックします。
  4. 個々のメッセージを印刷するには、[印刷] をクリックします。スレッド内のすべてのメッセージを印刷するには、スレッドを印刷アイコン  をクリックします。

クライアントサイド暗号化を適用したメールを書き出す

クライアントサイド暗号化を適用したメールを検索した後で、データのコピーを書き出し、ダウンロードして分析を進めることができます。mbox 形式のメールを復号するには、復号化ユーティリティ(ベータ版)を使用します。

暗号化されたメッセージに Google ドライブ ファイルへのリンクが含まれている場合、[リンクされたドライブ ファイルをエクスポート] を有効にしても、Vault ではリンクされたファイルを書き出すことができません。Vault は暗号化されたメッセージのコンテンツにアクセスできません。

データを書き出すには、案件の管理検索の管理エクスポートの管理の権限が必要です。

  1. [エクスポート] をクリックします。
  2. エクスポートの名前を入力します。
  3. 組織にデータ リージョン ポリシーがある場合は、書き出し先のデータ リージョンを選択します。

    詳しくは、Vault のエクスポートとデータ リージョンについての記事をご覧ください。

  4. ダウンロード ファイルの形式を選択してください。
  5. [エクスポート] をクリックします。

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