検索広告 360 入札戦略を使用してモバイル デバイス、パソコン、タブレットの入札単価調整の設定や推奨値の提示を行う際、入札戦略に対してデバイスタイプ別の「指示」を出すことができます。たとえば、パソコンやタブレットを通じたコンバージョンを重視しないのであれば、モバイル デバイスの入札単価調整を高く設定し、パソコンやタブレットの入札単価調整を低く設定するよう、入札戦略に指示することができます。
検索広告 360 内でこの種のデバイスタイプ別ターゲティングを行うには、入札戦略のコンバージョンの発生元として数式列を指定します。数式内で、各デバイスタイプの調整比(ウェイト)を定義し、各デバイスのコンバージョン ターゲットや収益ターゲットを指定します。
ウェイトを指定した数式列を使用する入札戦略は、他の入札戦略と同じように機能します。コンバージョン発生元の掲載結果履歴を評価し、ポートフォリオの掲載結果の最適化やターゲットの達成に向けて、入札単価や入札単価調整を管理します。検索広告 360 入札戦略で数式列を使用する手順についてご確認ください。
数式列でデバイス ターゲットを設定する
数式列で各タイプのデバイスの値を示すには、数式で for_device_type (type) 関数を使用します。
計算式の形式は次のとおりです。
(Column_1.for_device_type(“Mobile”) * m_1) + (Column_1.for_device_type(“Desktop”) * m_2) + (Column_1.for_device_type(“Tablet”) * m_3)
計算式内の各部分の内容は次のとおりです。
- 「Column_1」は、Floodlight 列または Google アナリティクス列です。
デバイスタイプ別のターゲットを設定する場合は、計算式のすべての部分で同一の列を使用することをおすすめします。たとえば、同一の [収益] 列または同一の [GA のトランザクション] 列を「Column_1」にします。
- 「m」は、デバイスタイプ別にウェイトを指定しターゲットを設定する正の数です。
数式内では Floodlight 列または Google アナリティクス列だけを使用する
Floodlight 列の場合、アクション数や、トランザクション数、収益をレポートする事前定義済みまたはカスタムの Floodlight 列を使用できます。アトリビューション モデルは問いません。また、クロス環境でのコンバージョンを含む Floodlight 列や、カスタム Floodlight 変数をレポートする Floodlight 列も使用できます。
Google アナリティクス列の場合、コンバージョン数や収益をレポートする以下の Google アナリティクス アクティビティ列を数式列に含めることができます。
- Google アナリティクス トランザクション
- Google アナリティクス収益
- Google アナリティクス目標完了数
- Google アナリティクス目標値
例
CPA デバイス ターゲット
コンバージョン目標が指定されている入札戦略で、モバイル デバイスの入札単価調整を高く設定したいとします。作成する数式列は、次のようになります。
(Actions.for_device_type ("Mobile") * 5.5)
+
(Actions.for_device_type ("Desktop") * 1)
+
(Actions.for_device_type ("Tablet") * 1)
収益デバイス ターゲット
タブレットをターゲットにして特定の ROAS を達成したい場合は、次のようになります。
(c:"Demo Revenue".for_device_type ("Mobile") * 1)
+
(c:"Demo Revenue".for_device_type ("Desktop") * 1)
+
(c:"Demo Revenue".for_device_type (“Tablet”) * 7.50)
検索広告 360 入札戦略内でターゲットを定義する
コンバージョン目標や収益目標を指定する他の検索広告 360 入札戦略と同様、デバイスタイプ別の入札戦略を設定する際は、目標 CPA や目標 ROAS(あるいは目標 ERS)のターゲットを指定します。
デバイスタイプ別入札戦略のターゲットと他の入札戦略のターゲットで異なるのは、目標 CPA や目標 ROAS の決定方法です。デバイスタイプ別入札戦略の場合、デバイスタイプ別にウェイトを指定する数式列がコンバージョン発生元になるため、そのデバイス ターゲット数式を使用して、入札戦略の目標 CPA または目標 ROAS を計算する必要があります。そのように設定しないと、各デバイスタイプに対してターゲットが効果を持たなくなる可能性があります。
デバイスタイプ別入札戦略の CPA 目標を計算する方法
引き続き、[アクション] 指標のウェイトをデバイスタイプ別に指定する上記の数式列を例に考えてみましょう。CPA 目標を指定するには、[費用÷[デバイス ターゲット数式]] 列を作成して、入札戦略を適用するキャンペーン レポートまたは広告グループ レポートに追加します。今回の例では、CPA 目標を計算する数式列の名前を「Avg CPA」としています。
例:
Avg CPA = $17,260 / [(Actions.for_device_type ("Mobile") *5.5) + (Actions.for_device_type (“Desktop”) * 1) + (Actions.for_device_type (“Tablet”) * 1)]
そして、スコアカードに表示された Avg CPA 値を、入札戦略の CPA 目標として設定します。
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広告主に移動します。
広告主への移動手順-
ナビゲーション バーをクリックしてナビゲーション オプションを表示します。
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[代理店] リストで、対象の広告主を含む代理店をクリックします。代理店を見つけるには、代理店名で検索するか、リストをスクロールします。
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[広告主] のリストで、該当する広告主をクリックします。
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[適用] をクリックするか、Enter キーを押します。
広告主のすべてのエンジン アカウントに関するデータを含む広告主ページが表示されます。
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左パネルで、[すべてのアカウント] をクリックします。
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[キャンペーン] タブをクリックします。
- 目的のキャンペーンのチェックボックスをオンにするか、レポートをフィルタリングして、検索広告 360 入札戦略に含めるキャンペーンだけを表示します。
- 上記の説明に沿って、デバイスタイプ別にウェイトを指定する数式列を作成します。
- 「費用÷デバイス ターゲット数式」を分割する別の数式列を作成して、レポートに追加します。
- 概要カードにレポートされた「Avg CPA」を、入札戦略の目標 CPA として入力します。
デバイスタイプ別入札戦略の ROAS 目標を計算する方法
収益をターゲットとする入札戦略の場合は、[デバイス ターゲット数式÷費用] 列を作成し、キャンペーン レポートまたは広告グループ レポートに追加することで、ROAS 目標を計算できます。
ERS 目標を計算するには、[デバイス ターゲット数式÷費用] 列を作成して追加します。
入札戦略を保存した後で、ターゲットを変更したり、別のコンバージョン発生元を選択したりすることができます。ただし、数式列自体は、入札戦略が使用している間は編集できません。
デバイス ターゲットを使用する際の入札戦略要件
[コンバージョン数]、[収益]、[詳細ターゲティング] のいずれかを目標とする入札戦略で、デバイスタイプ別数式列を指定できます。
デバイスタイプ別にウェイトを指定する数式列が入札戦略のコンバージョンの発生元になりますが、デバイスの入札単価調整の設定を行うのではなく、デバイスの入札単価調整の推奨値の提示のみを行うように入札戦略を設定できます。
また、入札戦略内でキーワード入札単価を設定する必要はありません。入札単価調整の設定だけを行うように入札戦略を設定できます。
コンバージョン発生元を変更することが可能
検索広告 360 入札戦略をキャンペーンや広告グループに適用した後でも、検索広告 360 入札戦略のコンバージョン発生元を変更することができます。以前は、入札戦略のコンバージョン発生元を編集することはできませんでした。
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入札戦略に移動します。
入札戦略への移動手順-
広告主に移動します。
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左側のナビゲーション パネルで、[入札戦略] をクリックします。
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レポート表で入札戦略名をクリックします。
または、次の方法もあります。
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ナビゲーション バーの端にあるその他アイコン をクリックしてナビゲーション オプションを表示します。
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[代理店] のリストで、該当する入札戦略を含む代理店をクリックします。代理店を見つけるには、代理店名で検索するか、リストをスクロールするかします。
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[広告主] のリストで、該当する入札戦略を含む広告主をクリックします。
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[入札戦略] のリストで、入札戦略をクリックします。
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[適用] をクリックするか、Enter キーを押します。
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検索広告 360 に入札戦略のページが表示されます。
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入札戦略の目標として、[コンバージョン数] または [収益] のチェックボックスをオンにします。
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[編集 ▼] をクリックして、[詳細の編集] をクリックします。
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[次へ] をクリックします。
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[コンバージョンの発生元] の横にある下矢印 ▼ をクリックして、[数式列] をクリックします。
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[数式列を選択] の横にある下矢印 ▼ をクリックして、目的の数式列をクリックします。
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必要に応じて、入札戦略内の他の設定を変更して、[入札戦略を保存] をクリックします。
デバイスタイプ別数式列の変更は変更履歴で確認できる
入札戦略のコンバージョン発生元(または他の入札戦略設定)を変更すると、変更履歴レポートの [変更の詳細] 列に記録されます。
たとえば、CPA 目標を指定している入札戦略のコンバージョン発生元を、選択していた Floodlight コンバージョンから数式列に変更した場合、変更履歴レポートには次のような情報が記録されます。
広告主の入札戦略を変更しました
CPA 目標が「選択していたアクション」から「数式列 000001」に変更されました
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広告主への移動手順-
ナビゲーション バーをクリックしてナビゲーション オプションを表示します。
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[代理店] リストで、対象の広告主を含む代理店をクリックします。代理店を見つけるには、代理店名で検索するか、リストをスクロールします。
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[広告主] のリストで、該当する広告主をクリックします。
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[適用] をクリックするか、Enter キーを押します。
広告主のすべてのエンジン アカウントに関するデータを含む広告主ページが表示されます。
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左パネルで、[変更履歴] をクリックして、アカウント内で行われた変更のリストを表示します。
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リストをフィルタリングして、入札戦略設定の変更を表示します。
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[フィルタ] をクリックします。
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[+ 属性を追加] をクリックして、[変更の種類] を選択します。
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[<数字> 件選択] の横にある矢印をクリックして、リストを表示します。
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選択を解除するには、[消去] をクリックします。
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[入札戦略の設定が変更されました] チェックボックスをオンにして、[OK] をクリックします。
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[フィルタを適用] をクリックします。
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デバイス ターゲット数式列は一部の検索広告 360 機能ではサポートされていない
デバイスタイプ別の数式列は、次の検索広告 360 機能では使用できません。
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コンバージョン目標。コンバージョン目標の場合、デバイス ターゲット数式列をコンバージョン発生元として選択することはできません。
デバイス ターゲット数式列は、コンバージョン目標を使用する以下の機能では使用できません。-
予算プラン(予算管理)
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手動キャンペーンおよびショッピング キャンペーン。コンバージョン目標を手動キャンペーンやショッピング キャンペーンに適用して、特定のタイプのターゲットの設定、推奨値の提示、最適化を行うことができます。
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デバイス ターゲット数式列では Google 広告コンバージョンを使用できません。
次のステップ
- デバイスタイプ別にウェイトを指定する数式列を作成します。
- キャンペーン レポートまたは広告グループ レポートに [費用÷デバイス ターゲット数式] 列を追加して、ターゲットの精度を高めます。
- 入札戦略を作成、編集し、コンバージョンの発生元としてデバイス ターゲット数式を選択します。
- キャンペーン、広告グループ、キーワードに入札戦略を適用します。
- 入札戦略の入札単価調整を表示します。