入札単価調整とは、入札単価を増減する割合のことです。入札単価調整を使用すると、ユーザーが検索を行う場所、時間、方法に応じて、広告を表示する頻度を調整できます。たとえば、時間帯や場所によっては、他のデバイスよりスマートフォンで発生したクリックの方が価値が高い場合があります。広告の掲載結果に応じて入札単価を調整して、投資収益率(ROI)を改善することもできます。設定した値に基づいて入札単価が調整されるため、クリック単価はそのたびに変動しますが、1 日の平均予算は変わりません。
この記事では、さまざまな入札単価調整とその要件、複数の入札単価調整を設定した場合の動作、各キャンペーン タイプとの互換性について説明します。
はじめに
すべての入札戦略をすべてのキャンペーン タイプに使用できます。詳しくは、目標コンバージョン単価制、目標広告費用対効果、クリック数の最大化の各入札戦略、および入札単価調整を追加または削除する方法に関する記事をご覧ください。
入札単価調整の仕組み
たとえば、上限クリック単価を 100 円に設定したキャンペーンがあり、モバイル デバイスでの掲載結果が良好であるとします。より多くのモバイル ユーザーに広告を表示するには、モバイル デバイスでの検索時に掲載する広告の入札単価を 20% 引き上げ、最終的な入札単価を 120 円にします。計算式は次のとおりです。
基準の入札単価: 100 円
モバイル デバイスの単価調整: 100 円+(100 円 × 20%)=120 円
モバイル デバイスでの検索に対する最終的な入札単価: 120 円
今度は、現在 100 円に設定されている入札単価を引き下げてみましょう。入札単価を 80 円にするには、引き下げ率を 20% に設定します。
入札単価調整を表示する方法
ご利用の Google 広告アカウントで、左側のページメニューから入札単価調整を表示できます。
- 検索ネットワークの入札単価調整の場合:
- ディスプレイ ネットワークの入札単価調整の場合:
入札単価調整の種類
デバイス
対象
- キャンペーン
- 広告グループ
- 同じキャンペーンで、キャンペーンと広告グループの両方にデバイスの入札単価調整を設定した場合、広告グループの入札単価調整が適用されます。
範囲
- -100%~+900%
- 特定のデバイスに広告が表示されないようにするには、入札単価の引き下げ率を 100% に設定します。キャンペーン単位で特定のデバイスの入札単価引き下げ率を 100% にすると、そのデバイスに対して広告グループ単位で設定されている入札単価調整は適用されません。
地域
地域に基づく入札単価調整を使用すると、特定の国、都市、地域のユーザーに対して広告を表示する頻度を調整できます。また、住所アセットのターゲティング機能を使って入札単価を調整し、店舗の近くにいるユーザーに広告を表示することもできます。
対象
- キャンペーン
範囲
- -90%~+900%
広告のスケジュール設定
広告のスケジュール設定による入札単価調整を使用すると、特定の曜日や時間帯によって入札単価を引き上げる、または引き下げることができます。そのためには、事前に広告のスケジュール設定が必要です。
対象
- キャンペーン
範囲
- -90%~+900%
上位のコンテンツ(上級者向け)
注: 上位のコンテンツへの入札単価調整はご利用いただけなくなりました。
ターゲティング方法(上級者向け)
トピックやプレースメントなど、ディスプレイ ネットワークおよび検索ネットワークのターゲティング方法に対して入札単価調整を設定できます。詳しくは、広告グループにオーディエンス(インタレストとリマーケティング リスト)を追加する方法をご確認ください。
対象
- キャンペーン
- 広告グループ
範囲
- -90%~+900%
検索広告向けリマーケティング リスト(上級者向け)
広告グループのリマーケティング リストのユーザーに広告を掲載する場合は、リマーケティング リストに対して入札単価調整を設定します。たとえば、過去 30 日間に広告主様のウェブサイトを閲覧したユーザーを対象に、入札単価を 25% 引き上げることができます。リマーケティング リストの詳細については、検索広告向け Google 広告リマーケティング リストの概要をご確認ください。
対象
- キャンペーン
- 広告グループ
範囲
- -90%~+900%
インタラクション(通話に基づく入札単価調整)
モバイル デバイス向けの入札単価を引き上げることで、スマートフォン ユーザーに通話インタラクションを促す広告を頻繁に表示できるようになります。インタラクションの入札単価調整を使用すると、電話番号アセットと電話専用広告をユーザーに表示する頻度を調整し、ユーザーがお客様のビジネスと連絡を取る方法を細かく管理できます。
対象
- Google 広告リニューアル版のキャンペーン
範囲
- -90%~+900%
ユーザー属性(年齢、性別、世帯収入)
特定の性別、年齢層、所得の見込み顧客をターゲットにして入札単価を調整できます。年齢や性別の入札単価により、設定したユーザーに広告が表示される頻度が決まり、各インプレッションを最大限に活用できます。年齢や性別によるターゲティングの詳細
対象
- 新しい Google 広告のキャンペーンと広告グループ
範囲
- -90%~+900%
入札単価調整の要件(個別入札戦略)
右にスクロールすると表全体が表示されます。
キャンペーン タイプ | デバイス | 地域 | 広告のスケジュール設定 | ターゲティング方法 | 検索広告向けリマーケティング リスト(検索ネットワーク) | インタラクション(通話に基づく入札単価調整) | ユーザー属性 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
検索ネットワーク キャンペーン | |||||||
ディスプレイ ネットワーク キャンペーン | - | ||||||
ショッピング キャンペーン | - | ||||||
ディスプレイ ビデオ キャンペーン | - | ||||||
YouTube キャンペーン | - | ||||||
アプリ キャンペーン | - | - | - | - | - | - | - |
スマート アシスト キャンペーン | - | - | - | - | - | - | - |
P-MAX キャンペーン | - | - | - | - | - | - | - |
デマンド ジェネレーション キャンペーン | |||||||
ホテル キャンペーン | - | - | - | - | - | ||
旅行キャンペーン | - | - | - | - | - | - |
自動入札
- Google AI を活用したスマート自動入札戦略(目標コンバージョン単価、目標広告費用対効果、コンバージョン数の最大化、コンバージョン値の最大化など)を使用している場合、これらの入札戦略では顧客が指定したコンバージョン目標に合わせて自動的に入札単価が設定されるため、手動で調整する必要はありません。スマート自動入札戦略に個別の入札単価調整を設定する場合、サポートの対象外となります。
- 目標コンバージョン単価でデバイスの入札単価調整を使用すると、入札単価ではなく目標コンバージョン単価を変更できます。
自動入札戦略と、各戦略でサポートされている入札単価調整の種類を次の表にまとめます(右にスクロールすると表全体が表示されます)。
入札単価調整のタイプ | 100% 引き下げ | クリック数の最大化 | 目標インプレッション シェア | 目標コンバージョン単価 | 目標広告費用対効果 | コンバージョン数の最大化 | コンバージョン値の最大化 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
デバイス | 100% 引き下げのみ | * | 100% 引き下げのみ | 100% 引き下げのみ | 100% 引き下げのみ | ||
地域 | - | - | - | - | - | - | |
広告のスケジュール設定 | - | - | - | - | - | - | |
オーディエンス(RLSA を含む) | - | - | - | - | - | - | |
通話 | - | - | - | - | - | - | |
ユーザー属性 | - | - | - | - | - | - |
* = 目標が調整されます
複数の入札単価調整を同時に設定した場合
キャンペーンに複数の入札単価調整を設定すると、通常はそれらの値をすべて掛け合わせたものが実際の入札単価調整の値になります。ただし、デバイスの入札単価調整と地域に基づく入札単価調整では計算方法が異なります。
同時に設定した複数の入札単価調整の上限(引き上げ率)は 900% です。たとえば、当初の入札単価が 100 円で、デバイスの入札単価を 900% 引き上げ、同時に地域の入札単価を 900% 引き上げた場合でも、最終的な入札単価は 1,000 円になります。このような入札単価調整の下限は -90% です。
- 複数のデバイスの入札単価調整: キャンペーンでデバイスの入札単価調整を設定し、同じデバイスの入札単価調整を広告グループでも設定した場合、広告グループの入札単価調整に基づいて、そのデバイスの最終的な入札単価が決定されます。ただし、キャンペーンでデバイスの入札単価を 100% 引き下げた場合、そのデバイスに対して広告グループで設定した入札単価調整は使用されません。
- 複数の地域に基づく入札単価調整: 同じ地域に適用される入札単価調整が複数ある場合、その調整値は合算されません。たとえば日本に +50%、京都に +100% の調整比を設定した場合は、京都のユーザーからのトラフィックに対しては、最も細かい地域(ここでは京都)の調整比のみが適用されます。
- 異なる広告の種類に対する複数の入札単価調整: 異なる広告の種類に対しても、複数の入札単価調整が掛け合わされますが、条件の変化に応じて調整されます。以下の例をご確認ください。
例
日本をターゲット地域としてすべての曜日に広告を掲載しており、現在、広告グループの上限クリック単価を 100 円に設定しているとします。大阪の入札単価を 20% 引き上げ、土曜日の入札単価を 50% 引き下げたとすると、土曜日に大阪で検索が行われた場合の入札単価は 60 円になります。計算式は次のとおりです。
基準の入札単価: 100 円
大阪の単価調整: 100 円+(100 円 × 20%)=120 円
土曜日の単価調整: 100 円 × 1.2 × 0.50 = 60 円
大阪のユーザーに土曜日に表示する広告の入札単価: 60 円
大阪のユーザーに日曜日から金曜日に表示する広告の入札単価: 120 円
他の地域のユーザーに土曜日に表示する広告の入札単価: 50 円
他の地域のユーザーに日曜日から金曜日に表示する広告の入札単価: 100 円