キャンペーンのテストを活用すると、「コンバージョン値の最大化」入札戦略（必要に応じて目標広告費用対効果も設定可能）をテストし、既存の入札戦略と比較することができます。価値に基づく入札戦略の効果を確認するには、テストが最善の方法です。テストでは、他のすべての変数を一定に保って、価値に基づく新たな入札戦略（テスト群）の効果のみを浮き彫りにし、キャンペーンの現在の入札戦略（コントロール群）と比較できます。この方法により、信頼性の高いテスト結果が得られます。
価値に基づく入札戦略によって向上する成果を測定するため、一度にテストする変数は 1 つのみとします。このテストの場合、その変数は入札戦略になります。価値に基づく入札戦略をテストする前に最適化で重視しているコンバージョン アクションを変更したい場合は、テストを開始する前に入札対象のコンバージョン アクションを変更する手順を行ってください。
有意なテスト結果を得るため、以下のベスト プラクティスを実践してください。
テストの作成
注: ワンクリック テストを活用すると、「目標広告費用対効果」入札戦略のテストを簡単に作成することができます。推奨されるキャンペーンは、アカウントの [最適化案] セクションで確認できます。
- 価値に基づく入札戦略のテストに適した設定のキャンペーンを選ぶ。
- コンバージョン値: 価値に基づく入札戦略をテストするには、キャンペーンですでにコンバージョン値が測定されている必要があります（ゼロ以外の固有の値が 2 つ以上必要です）。
- 予算: 目標広告費用対効果を設定して「コンバージョン値の最大化」をテストする場合、キャンペーンは予算による制約を受けないようにする必要があります。目標広告費用対効果を設定せずに「コンバージョン値の最大化」をテストする場合は、予算パラメータの範囲内で価値を最大化するため、予算に上限を設定することができます。
- 入札対象のコンバージョン目標: キャンペーンでは、「メインのコンバージョン アクション」として設定されているコンバージョン アクションに入札する必要があります。このコンバージョン アクションには、アカウントのデフォルトのコンバージョン目標（簡単に設定できるため推奨されるアクション）か、キャンペーン固有のコンバージョン目標のいずれかを選択できます。
- コンバージョン数: コントロール群とテスト群の双方で十分なコンバージョン数を確保するため、キャンペーンの過去 30 日間のコンバージョン数は 50 件以上である必要があります。なお、この件数は、価値に基づく入札戦略を有効にする際に求められる一般的なコンバージョン数の最小要件とは異なります。
- 適切なテスト設定を選択する。
- 入札戦略と別の入札戦略を比較する「クリーン」なテスト: 一度に 1 つの変数のみをテストします。このテストの場合、その変数は入札戦略になります。入札戦略以外の設定は、コントロール群とテスト群ですべて同じである必要があります。
- たとえば、目標広告費用対効果を設定した「コンバージョン値の最大化」入札戦略を価値に基づかない入札戦略（目標コンバージョン単価を設定した「コンバージョン数の最大化」、「クリック数の最大化」、「目標インプレッション シェア」など）と比較する際に、入札戦略以外のパラメータ（入札対象のコンバージョン目標など）を変更することはおすすめしません。
- 同一のコンバージョン アクション: このテストおよび他のテストにおいても、コンバージョン アクションを他のコンバージョン アクションと比較することはできません。スマート自動入札では、テストの設定にかかわらず、[コンバージョン] 列に含まれるすべてのコンバージョンを基に学習が行われるため、コンバージョン アクション同士を比較しても有意なテスト結果は得られません。
- 均等な分割: コントロール群とテスト群は、50 対 50 で分割（Cookie またはトラフィック分割）してください。
- 変更の同期: テストを開始する前に「テストの同期」を有効にして、加えた変更がコントロール群とテスト群の両方に適用されるようにします。テストの同期を有効にしている場合でも、テスト中に大規模な変更（クリエイティブの大幅な入れ替え、新しいキーワードの大量追加など）を行うことは避けてください。
- 適正な目標設定: 価値に基づく入札戦略が十分なトラフィックを獲得して、入札のチャンスを得られるようにするには、目標広告費用対効果を設定していない「コンバージョン値の最大化」入札戦略と「コンバージョン数の最大化」入札戦略をテストすることをおすすめします。それ以外のケースで目標広告費用対効果と目標コンバージョン単価を比較する場合は、テスト群とコントロール群の目標値が同等であることを確認します。広告費用対効果の目標値には、コンバージョン単価キャンペーンが過去 4 週間で達成した広告費用対効果と同程度またはそれ以下の値を指定してください。テスト群のトラフィックをさらに増やしたい場合は、テストの期間中、広告費用対効果の目標値を引き下げてください。
- 入札戦略と別の入札戦略を比較する「クリーン」なテスト: 一度に 1 つの変数のみをテストします。このテストの場合、その変数は入札戦略になります。入札戦略以外の設定は、コントロール群とテスト群ですべて同じである必要があります。
テストのモニタリングと成果の評価
- 適切な成功指標を選択する。
- テストで重視する指標は、コンバージョン値と広告費用対効果です。価値に基づく入札戦略のテストにおいて、テスト群で「コンバージョン値の最大化」入札戦略（必要に応じて目標広告費用対効果も設定可能）を実施する場合、目指すのは予算の範囲内でより高いコンバージョン値を得ることです。コンバージョン単価やクリック数など、他の二次的な指標のパフォーマンスを考慮する必要はありません。
- 推奨されるテスト スケジュールに従う。
- 1 日目: 上記のベスト プラクティスに沿ってテストを開始します。テスト群で「コンバージョン値の最大化」（必要に応じて目標広告費用対効果も設定可能）をテストし、コントロール群では既存の入札戦略を使用します。
- 1～14 日目: 十分な立ち上げ期間を設けます。2 週間またはコンバージョン サイクル 3 回分（いずれか長いほう）を、立ち上げ期間とすることができます。パフォーマンスを評価する際は、必ずこの期間を除外してください。
- 14～44 日目: テストは少なくとも 30 日間、中断せずに実施します。
- コンバージョン達成までの期間を考慮: 結果を評価する際は、コンバージョン達成までの所要時間を考慮し、レポートされたコンバージョン数が 90% 未満である直近の数日間を除外してください。
- パフォーマンスの評価: コントロール群とテスト群で価値に関する指標を比較します。テスト群は、広告費用対効果の目標値またはそれ以上でコントロール群より高いコンバージョン値を獲得している必要があります。獲得できていない場合は、お客様のアカウント担当の Google チームにご相談いただくか、トラブルシューティング チケットをご提出ください。
- テスト結果をすべてのトラフィックに適用: 価値に基づく入札戦略をアカウントの他のキャンペーンにも拡大することをご検討ください。
- 注: このスケジュールが完了する前に、統計的に有意な結果が得られたと自動的に判断される場合があります。価値に基づく入札戦略のテストを実施する際は、上記のベスト プラクティスを実践してください。
複数のキャンペーンをテストする場合は、複数キャンペーンのテスト（ベータ版）を利用できる。
- コンバージョン数が少ない場合などは、一度に複数のキャンペーンをテストすることで、有意な結果を迅速に得ることができます。複数キャンペーンのテスト（ベータ版）では、2 つの設定のいずれかでテストを実施できます。ベータ版プログラムへの参加を希望される場合は、アカウント担当者またはサポートにお問い合わせください。
- コントロール群とテスト群でそれぞれ異なるポートフォリオ入札戦略を使用します。たとえば、以下のように設定します。
- コントロール群: 既存の「コンバージョン単価」ポートフォリオ入札戦略のすべてのキャンペーンを含む
- テスト群: 新しい「目標広告費用対効果」ポートフォリオ入札戦略のすべてのキャンペーンを含む
- ベスト プラクティス:
- キャンペーンをグループ化して、コントロール群とテスト群のポートフォリオ入札戦略に含めることができます。ただし、共有予算はこのテストに対応していません。
- テストできる変数は 1 つのみです。たとえば、テスト群のポートフォリオの広告費用対効果と、コントロール群の個々のコンバージョン単価キャンペーンの入札戦略をテストすることは、一度に 2 つの変数（ポートフォリオと入札戦略）をテストしていることになるため推奨されません。
- テストを作成する際は、開始日と終了日、Cookie の分割、分割の割合（50%）の設定を同じにします。これにより、対象ユーザーにはコントロール群のシナリオとテスト群のシナリオのいずれか一方のみの広告が表示されるため、よりクリーンなテストを実施できます。
- 結果を評価するときは、コントロール群と比較してテスト群で向上している価値に注目します。
- コントロール群とテスト群でそれぞれ異なるポートフォリオ入札戦略を使用します。たとえば、以下のように設定します。
