Salesforce との統合をセットアップすると、オフライン コンバージョン イベント(リード獲得後)を測定し、Google 広告に直接インポートできるようになります。その結果、オフライン イベントの測定、レポート、最適化、および自動インポートのスケジュール設定が可能になります。この統合ではユーザー提供データ(メールアドレスなど)か GCLID の結合キーがサポートされているため、リードの拡張コンバージョンとオフライン コンバージョンのインポートを使ったコンバージョン ソリューションを利用できます。
このページの内容
リードの拡張コンバージョンをセットアップする方法
始める前に
- Salesforce アカウントに最低限必要な権限の要件を満たす Salesforce 認証情報がある。
- Salesforce アカウントで変更(API の有効化、項目履歴のトラッキングの有効化など)を加えることができる。
- Google タグを設定し Google タグ マネージャーを使用している(ウェブサイト コンバージョンとリードを適切に測定するため)。
- ウェブサイトのリードフォームでファースト パーティの顧客データ(メールアドレスと電話番号の少なくとも一方)が取得されることを確認します。
- Google 広告の顧客データに関するポリシーを確認したうえで、このポリシーを遵守している。
- リードの拡張コンバージョンをセットアップするには、ウェブサイトのリードフォームを特定し、リードを一意に識別する項目をそのフォームから選択する必要があります。ウェブサイトでリードの拡張コンバージョンを設定したり、コンバージョンを後からインポートしたりする際に、次の変数を少なくとも 1 つ指定する必要があります。
- メールアドレス(推奨)
- 先頭や末尾の空白文字を削除する。
- テキストを小文字に変換する。
- ドメイン名の前にあるすべてのピリオド(.)を削除する。
- 電話番号
- 電話番号を E164 規格の形式にする。
- 見込み顧客のメールアドレスは一意性の高い識別子であり、CRM で再フォーマットされる可能性が低いため、メールアドレスを使用することをおすすめします。電話番号を使用する場合、国コードを含める必要があります。記号とダッシュはタグによって削除されます。
オフライン コンバージョンのインポートをセットアップする方法
始める前に
- Salesforce アカウントに最低限必要な権限の要件を満たす Salesforce 認証情報がある。
- 適切な権限を伴うログイン情報で Salesforce Sales Cloud アカウントにログインできる。システム管理者権限があるアカウントを、デフォルトのアクセス設定のままで利用すれば、最も簡単にインポートのセットアップを済ませることができます。
- Google 広告アカウントで自動タグ設定を有効化している。
- ウェブサイトのコードを編集できる。ご自身でできない場合は、Google クリック ID(GCLID)を取得できるよう、ウェブ デベロッパーにコードの編集を依頼してください。
- Salesforce アカウントで変更(カスタム項目の作成、項目履歴のトラッキングの有効化など)を加えることができる。
- クリックからコンバージョンまでの期間が 90 日未満に設定されている。最後のクリックから 90 日を超過してアップロードされるコンバージョン データは Google 広告にインポートされず、コンバージョンの統計情報にも表示されません。
- Salesforce の Web-to-Lead 機能か別のソリューションを使ってリードの情報をウェブサイトから Salesforce に送信している。
手順
以下の手順に沿って、Salesforce アカウント、Google 広告アカウント、ウェブサイトで準備を整えてから、Salesforce と Google 広告のアカウントのリンクを設定してコンバージョンをインポートします。
広告主様の業種によって状況は変わります。ここでは基本的な手順をまとめていますが、Salesforce をどのような用途で利用しているかに合わせて適宜調整を加えてください。他のユーザーが Salesforce アカウントを管理している場合は、その方と協力して最適なセットアップ方法を判断してください。
ステップ 1: Salesforce アカウントで設定を行う
まず、Salesforce アカウントで以下の設定を確認します。Salesforce アカウントの管理を依頼している場合は、その管理者の協力を仰ぐことができます。
- 商談オブジェクトに以下の変更を加えます。
- 「Field Name」を GCLID(すべて大文字で引用符は不要)にしたカスタム項目を作成します。「Field Label」は自由に設定していただいてかまいません。項目の文字数は 255 文字に設定し、誤って変更されないように読み取り専用に設定します。
- 「Stage」項目で、項目履歴のトラッキングを有効にします。
- リード オブジェクトに以下の変更を加えます。
- 「Field Name」を GCLID(すべて大文字で引用符は不要)にしたカスタム項目を作成します。「Field Label」は自由に設定していただいてかまいません。項目の文字数は 255 文字に設定し、誤って変更されないように読み取り専用に設定します。
- 「Lead status」項目で、項目履歴のトラッキングを有効にします。
- 新しい「Opportunity.GCLID」項目に新しい「Lead.GCLID」項目をマッピングします。
ステップ 2: Salesforce の Web-to-Lead フォームを編集する
リードの情報とともに GCLID を保存するには、Web-to-Lead 送信フォームを編集し、すべての新規リードの情報に GCLID の値が含まれるようにします。この設定には、ウェブマスターや Salesforce の管理者のサポートが必要になる場合があります。
GCLID 項目を既存の Web-to-Lead フォームに追加する手順は以下のとおりです。
- 標準の Web-to-Lead フォームを生成し、見込み顧客に送信してもらう必要のある項目をすべて追加します。また、リード項目「GCLID」も非表示フィールドとして追加します。この変更の方法については、Salesforce の管理者またはウェブ デベロッパーにお問い合わせください。
- ウェブマスターは新しい GCLID 入力フィールドの ID をメモする必要があります。この ID はサイトで JavaScript を実装する次のステップで必要になります。
- 次に、新しいフォーム HTML コードを作成し、既存のフォームを更新します。これで、フォームによって GCLID 値がリードの情報とともに Sales Cloud に渡されるようになります。
これで、Salesforce とお客様のウェブページで、すべてのデータを収集する準備が整いました。次のステップでは、GCLID 値が自動的に新しい GCLID フォーム項目に渡されるように、サイトを更新します。
なお、Web-to-Lead フォームはウェブページの他の部分と同じドメインに配置してください。こうすると、JavaScript によって GCLID 値がフォームに適切に転送されます。
注: 他のシステムがリード情報の送信に関与する場合
ウェブフォームに入力されたリードの情報が別のシステムを経由して Salesforce に送られる場合は、最終的に Salesforce アカウントに GCLID の値が到達するように、リードの情報を処理する中継システムでも GCLID を渡すように設定します。つまり、ご利用の中継システムにもこの値を渡せる機能が必要になります。設定方法がわからない場合は、該当のサードパーティ ソリューションのサポート担当者までお問い合わせください。
ステップ 3: ウェブサイトを編集して Cookie にクリック ID を収集、保存するよう設定する
ユーザーが広告をクリックすると、Google 広告ではランディング ページに誘導する URL に「gcld」URL パラメータが追加されます。
このパラメータの値は、後で見込み顧客がリードフォームに個人情報を入力したときに取得できるように、取り込んで保存しておく必要があります。可能な場合、ウェブ デベロッパーにウェブコードの編集を手伝ってもらうことをおすすめします。
この編集を行うには、次の JavaScript コードを変更して埋め込む方法をおすすめします。コードを埋め込む前に、必ず 'var gclidFormFields'
行を更新して、前の手順で追加した新しい項目の項目 ID が含まれるようにしてください。これにより、JavaScript がどの項目に GCLID 値を格納するべきか判断できるようになります。この編集が済んだら、すべてのページの最後にある </body>
タグの直前にこのコードを埋め込みます。
<script>
function getParam(p) {
var match = RegExp('[?&]' + p + '=([^&]*)').exec(window.location.search);
return match && decodeURIComponent(match[1].replace(/\+/g, ' '));
}
function getExpiryRecord(value) {
var expiryPeriod = 90 * 24 * 60 * 60 * 1000; // 90 日の有効期限、単位はミリ秒
var expiryDate = new Date().getTime() + expiryPeriod;
return {
value: value,
expiryDate: expiryDate
};
}
function addGclid() {
var gclidParam = getParam('gclid');
var gclidFormFields = ['gclid_field', 'foobar']; // ここに使用可能なすべての GCLID のフォーム項目の ID を挿入
var gclidRecord = null;
var currGclidFormField;
var gclsrcParam = getParam('gclsrc');
var isGclsrcValid = !gclsrcParam || gclsrcParam.indexOf('aw') !== -1;
gclidFormFields.forEach(function (field) {
if (document.getElementById(field)) {
currGclidFormField = document.getElementById(field);
}
});
if (gclidParam && isGclsrcValid) {
gclidRecord = getExpiryRecord(gclidParam);
localStorage.setItem('gclid', JSON.stringify(gclidRecord));
}
var gclid = gclidRecord || JSON.parse(localStorage.getItem('gclid'));
var isGclidValid = gclid && new Date().getTime() < gclid.expiryDate;
if (currGclidFormField && isGclidValid) {
currGclidFormField.value = gclid.value;
}
}
window.addEventListener('load', addGclid);
</script>
このコードは、サイト上のすべてのページに挿入することを強くおすすめします。これにより、新しいランディング ページを設定した新しい広告を使用するたびにコードを追加する必要がなくなります。広告を使用して複数のランディング ページにトラフィックを誘導する場合でも、GCLID が確実に記録されます。そのため、ウェブページのテンプレート(フッターなどの共有されるページ要素)にこのコードを追加して、すべての新しいページに自動的に挿入されるようにすることをおすすめします。
ステップ 4: システムが適切に機能するかテストする
- ウェブサイトにアクセスし、URL にパラメータ「?gclid="test"」を追加します。
- 例: http://www.example.com?gclid="test"
- リードフォームにアクセスし、テスト用にリードフォームを送信します。
- Salesforce にログインしてこのテスト用の新しいリードの情報を確認し、カスタム項目の GCLID の値が「test」になっているかチェックします。
- テスト用のリードを商談に変換します。この新しい商談のカスタム項目の GCLID も値が「test」になります。
- すべてのリードフォームでステップ 2 から 4 を繰り返し、各フォームが適切に設定されているか確認します。
- すべてのリードフォームで生成されたリードと商談の GCLID 項目の値が test になっていることが確認できたら、アカウントのリンクを設定する準備は完了です。
ステップ 5: コンバージョン アクションをセットアップする
データソース内の値の変化(見込み顧客が評価された、有望になったなど)に基づいて、コンバージョン アクションを編集できます。作成を開始するには、候補をセットアップするか、カスタム イベントを追加してください。
- Google 広告の管理画面で目標アイコン をクリックします。
- セクション メニューで [コンバージョン] プルダウンをクリックします。
- [概要] をクリックします。
- [新しいコンバージョン アクション] をクリックします。
- 新しく開いた [コンバージョン アクション] ページで [インポート] を選択します。
- [CRM やファイルなどのデータソース] を選択して、[クリック経由のコンバージョンをトラッキング] を選択します。
- [データソース] セクションで、[新しいデータソースを接続する] を選択します。[続行] をクリックします。
- プルダウンから [Salesforce] を選択します。
- すでに Salesforce とのリンクがある場合は、[直接接続] を選択します。データソースに接続するには、ログインして Google とデータを共有するアカウントを承認します。接続は、データ マネージャーの [接続されたプロダクト] タブでいつでも管理できます。接続されていない場合は、[Zapier によるサードパーティ統合] を選択します。Zapier が提供するサードパーティ統合を使用して接続するには、追加の手順を行う必要があり、Zapier で料金が発生する場合があります。
- [承認] をクリックして、Salesforce と Google 広告間のリンクをセットアップします。
- Salesforce の承認フローが開きます。Salesforce アカウントで Salesforce の認証情報を入力します。ログイン ウィンドウを表示できない場合は、ads.google.com でポップアップを許可してください。[ログイン] をクリックします。
- [完了]、[続行] の順にクリックします。
- イベントの候補のリストが記載された表が表示され、必要に応じてカスタム イベントを追加できます。
- コンバージョン イベントの候補のいずれかを選択する場合は、対応するイベントで [Set up] をクリックします。カスタム イベントをセットアップする場合は、イベントの下でイベント条件を定義して [Set up] をクリックします。新しいカスタム イベントを定義する手順は次のとおりです。
- コンバージョン目標を選択し、[Set up] をクリックします。
- イベントで使用する Salesforce オブジェクトを選択します。
- フィルタタブで、イベントが発生したタイミングの条件を定義します。
- [Continue] をクリックします。
- Salesforce 項目をマッピングするには、データソースで使用する項目を選択し、インポートする項目を追加します。一部の項目はデータソースに基づいて自動的にマッピングされます。
- 注: マッピング画面で、Google 広告の項目に「GCLID」と表示されます。また、[conversion time] 欄を手動でマッピングする必要はありません。この値は、対応するリードまたは商談の項目の値が変化してインポートのイベント条件を満たしたときのタイムスタンプが履歴から取得され、自動的に決定されます。
- [Continue] をクリックします。
- デフォルトのデータ統合名とデータ統合の設定を最後に確認して変更してから、[Done] をクリックします。これで、新たに定義されたイベントを表示できるようになります。Salesforce とオフライン コンバージョンのインポートを統合した場合、[コンバージョンの発生元] 列には「ウェブサイト(クリックからのインポート)」と表示されます。コンバージョン アクション名は、指定したイベントの条件が反映されます(例: 「商談項目の [Stage] が [Closed Won] になった場合」)。
コンバージョン値をインポートした場合の計算方法
Salesforce との新しい統合では、Salesforce の任意の値項目([Source field])を Google 広告アカウントの [リンク先] 項目の値にマッピングすることでコンバージョン値が決定されます。どの項目も値項目にマッピングしていない場合、デフォルトのコンバージョン アクション動作が使用されます。ただし、値をマッピングした場合は、その値を使用してください。
Salesforce のコンバージョン アクションを編集する方法
- Google 広告の管理画面で目標アイコン をクリックします。
- セクション メニューで [コンバージョン] プルダウンをクリックします。
- [概要] をクリックします。
- 編集するコンバージョン アクションをクリックします。
- [データの統合] で、右側にある [管理] をクリックします。
- リンクを更新するには、[リンクを更新] をクリックします。Salesforce のログインページが表示されます。ログイン認証情報を入力し、リンクを更新します。
- 別のデータ統合名を指定するには、[名前を編集] をクリックして名前を追加し、[保存] をクリックします。
- 頻度、期間、開始時間、タイムゾーンを変更するには、[スケジュールを編集]、[保存] の順にクリックします。
- 項目マッピングを変更するには、[マッピングを編集]、[保存] の順にクリックします。
- コンバージョンとしてカウントするイベント条件を更新するには、イベントの条件で [編集] をクリックします。イベントの条件を更新して、[続行] をクリックします。
- [イベントを追加] をクリックして、既存のデータ統合に新しいイベント条件を追加することもできます。
- (省略可)次のスケジュールされた時刻を待たずにインポート ジョブを実行するには、[実行] セクションの右上にある [今すぐ実行] をクリックします。新しいコンバージョン アクションを作成した場合、このアクションのコンバージョン数をアップロードできるようになるまでには 4~6 時間ほどかかります。
インポート履歴を確認する方法
- Google 広告の管理画面で目標アイコン をクリックします。
- セクション メニューで [コンバージョン] プルダウンをクリックします。
- [設定] をクリックします。
- [データ統合を表示] をクリックして、インポート履歴を確認します。
- [インポートされた行] と [エラーのある行] の列を確認します。
- 正常にインポートされると、[インポートされた行] 列の下の数値が 1 以上になります。これは、Salesforce からイベントが正常に読み込まれたことを意味します(形式が正しく有効なデータ)。Google 以外のキャンペーンで獲得したリードは、コンバージョンとして表示されない場合があります。
- エラーが発生すると、[エラーのある行] 列の下の数値が 1 以上になります。形式が適切でない、または有効でないため(例: 項目の欠落など)、コンバージョンが CRM から正常にインポートされなかったことを意味します。
エラーの修正方法
Salesforce コンバージョンのアップロード中にエラーが発生した場合は、Salesforce との統合を使用して Salesforce コンバージョンをインポートする場合の問題を解決する方法をご覧ください。
ヒント
- 新しく作成したコンバージョン アクションについては、4~6 時間ほど待ってからデータをアップロードしてください。新しいコンバージョン アクションの作成後、すぐに統合を実行すると、エラーが発生することがあります。このエラーが原因でインポートに失敗したコンバージョンは、次回統合の実行時に再試行されます。
- 統合を日次スケジュールで行うよう設定します。
- 正常にインポートされた後でも、コンバージョンとしてレポートされるまでに 24 時間ほどかかる場合があります。
- 最初のインポートでは、14 日前までのインポート イベントのみが考慮されます。
- Salesforce イベントのインポートに失敗した場合、イベントの再試行とインポートは自動的には行われません。