検索広告の入札単価設定をさらにスマートに

Google の入札アルゴリズムによる学習の仕組み


入札戦略を成功へ導くために

コンバージョン データを強固な基盤とする入札戦略は、迅速な成果向上に役立ちます。自社にとって価値のあるあらゆるコンバージョン アクションを測定し、データとして [コンバージョン] 列と [コンバージョン値] 列に組み込みましょう。スマート自動入札戦略「コンバージョン数の最大化」および「目標コンバージョン単価」では、コンバージョン数を基準にキャンペーンの運用を最適化できます。コンバージョン値を基準に投資収益率を最適化するスマート自動入札戦略「コンバージョン値の最大化」「目標広告費用対効果」なら、さらに優れた成果を実現可能です。コンバージョン トラッキングのセットアップ後は、アルゴリズムの調整期間が必要です。新しい入札戦略を導入するのは、コンバージョン サイクルが何周かしてからにしましょう。

コンバージョン サイクルとは、クリックの発生からコンバージョンの獲得までにかかる時間のことです。コンバージョン データを外部からインポートしている場合は、コンバージョンが Google 広告アカウントのデータに反映されるまでの時間も、コンバージョン サイクルに含める必要があります。たとえば、クリック発生からコンバージョン獲得までの所要時間が通常 2 日以内なら、システムがコンバージョン パフォーマンスの調整に要する期間は約 2 日となります。

入札戦略レポートを使用すると、顧客がコンバージョン達成に要する時間を確認できます。必要なデータが揃っている場合は、一般的なコンバージョン達成までの所要時間に基づく、今後カウントされるコンバージョンの件数の予想も確認可能です。

最適化スコア最適化案を参照すると、入札戦略選びや目標設定の参考になります過度に厳しい目標を設定すると、ボリューム自体が減ってしまい、入札戦略が成果を上げているかどうかわかりにくくなることがあります。これを避けるため、まずは過去のコンバージョン単価や広告費用対効果の実績値に合わせた目標を設定します。その際は、コンバージョン達成までの所要時間を考慮し、コンバージョンがこれから増える見込みのない期間を選んで参照しましょう。たとえば、コンバージョン達成までの所要時間が 2 日の場合は、直近 2 日間を評価対象から外し、その前の 28 日間のデータを参照します。

十分なデータがある場合は、スマート自動入札の最適化案とともに、採用した場合の影響の予想も表示されます。提案された入札戦略と目標値をキャンペーンに導入した場合、どのような結果になることが予想されるかを示したものです。影響の予想は、キャンペーンの 7 日間のパフォーマンス データをもとに、オークションの力学やご利用のアカウントおよびキャンペーンに特段の変化がないものと仮定して算出したものです。

スマート自動入札は常に学習を続けており、個別単価設定を使用しているキャンペーンも学習材料となっています。同じパフォーマンス目標を持つキャンペーンが複数ある場合は、ポートフォリオ入札戦略と共有予算を使ってまとめて管理することも可能です。スマート自動入札の運用開始後は、パフォーマンスに目を配り、必要に応じて調整を加えましょう。

下書きとテスト機能を使用すれば、キャンペーンに変更を加える前に影響を確認できます。まずは下書き機能でキャンペーンの変更内容を準備しましょう。準備ができたらそのまま適用するか、テストを作成して影響を調べます。スマート自動入札を導入する際もこの機能が便利です。

入札戦略レポートで内部的な動作の状態を分析

Google 広告の入札戦略レポートを使えば、自動入札戦略のパフォーマンスを詳しく確認できます。入札戦略の種類に応じて最も重要な情報を得られる指標が表示されており、その他にも入札戦略のステータスよく使われるシグナル目標値と予算のシミュレーション平均目標コンバージョン単価平均目標広告費用対効果コンバージョン達成までの所要時間といった重要な情報を参照可能です。

Example bid strategy report

利用できるコンバージョン データが少ない、あるいはまったくない場合も、スマート自動入札なら心配ありません。入札戦略の枠内に留まらないクエリレベルのデータを活用し、コンバージョン率推定の初期モデルを高い精度で構築できるため、根拠のある入札単価設定をすぐに始めることができます。その後は、より詳細なレベルのコンバージョン率データ(例: 特定の広告コピーやランディング ページとマッピングされた検索クエリのデータ)の蓄積が進むとともに、ベイズ学習によって常にモデルが改善されていきます。

Google 広告のデータドリブン アトリビューション(DDA)モデリングを使って、コンバージョン経路の経路における各キーワードの貢献度を分析することも可能です。データドリブン アトリビューションはスマート自動入札と完全に統合されています。自動入札戦略によるコンバージョン数やコンバージョン値の促進を行っている場合、入札単価にはこのデータが反映されています。

パフォーマンスの変化への対応

ビジネスの成長に合わせてキャンペーンに変更を加えると、それに伴うパフォーマンスの変化に合わせて、スマート自動入札が入札アルゴリズムをアップデートしていきます。パフォーマンスの変動は多くの場合、キーワードの追加、新たな広告コピーのテスト、ランディング ページのアップデートといった内部的な要素によるものです。このほかに、季節性や競合といった外部要素の影響も考えられます。パフォーマンスを評価するのは、十分な時間(最低でもコンバージョン サイクル 1 周分)が経過してからにしましょう。

ビジネス目標に応じた目標値の調整

目標値を調整する際は、必ず総合的なビジネス目標との整合性を意識しましょう。新しいパフォーマンス目標、予算、市場の状況といった要素を考慮する必要があります。コンバージョン単価や広告費用対効果の目標値は、頻繁に変更しても大幅に変更しても支障ありません。目標値に変更があれば、スマート自動入札は入札単価の調整によって即座に対応します。

コンバージョン単価や広告費用対効果の目標値を調整する際は、スマート自動入札シミュレーションなどのツールが便利です。スマート自動入札シミュレーションは、さまざまな目標値や予算の相互的な関係と、費用、コンバージョン数、コンバージョン値への影響を表示する機能で、目標値や予算を変更した場合のパフォーマンスへの影響を見積もることができます。また、Google 広告の [最適化案] ページでも、目標値や予算の調整によるコンバージョン促進が提案されることがあります。

スマート自動入札は、常に最適な入札単価を設定できるよう、新しいデータでのトレーニングを続けています。目標値を変更しても、ステータスが「学習中」に戻ってしまうことはなく、スマート自動入札がご利用のアカウントについてすでに学習した内容がリセットされることも一切ありません。また、目標値を変更すると、入札単価もすぐに変化します。たとえば、キャンペーンの投入費用を増やしたい場合は、入札単価を増額したい分だけコンバージョン単価の目標値を引き上げれば、すぐに効果が得られます。このように入札単価を自在に変更できるにもかかわらず、常に最も費用対効果の高いコンバージョンやコンバージョン値を発掘し続けられる点が、スマート自動入札の強みと言えます。

他の多くのキャンペーン最適化手法と同様に、入札戦略レポートを参照すれば、変更を加えた後のパフォーマンスを把握できます。稀なことですが、コンバージョン サイクル 1~2 周程度はパフォーマンスが安定しないこともあります。たとえば、目標値の大幅な変更によって、参加するオークションが大幅に変化した場合は、パフォーマンスも不安定になります。個別単価設定で急激に入札単価を引き上げた場合に生じる動きと同様です。パフォーマンスを評価する際は、コンバージョン達成までの所要時間を考慮し、未発生のコンバージョンが残らないようコンバージョン サイクル 1~2 周分の時間が経過するまで待ちましょう。

スマート自動入札では季節性があらかじめ考慮されており、特段の入力がなくても、季節によるトラフィック増加には自動的に対応できることが一般的です。一方で、コンバージョン率の大幅な変化があらかじめ予想される、広告主様のビジネス上特に重要なタイミングも存在するはずです(ブラック フライデーのセール、新商品の発売など)。

こういった短期的かつ予測可能なパフォーマンスの変化に対しては、セールの当日のみ目標値を変更することや、季節性の調整を作成することで対応できます。たとえば、週末に期間限定セールを予定しているとします。過去のデータによれば、同様のセール中はコンバージョン率が 50% 上昇することが見込まれます。この場合、季節性の調整で、予想されるコンバージョン率の変化をあらかじめ登録しておきましょう。その期間中のスマート自動入札の動作に反映することができます。

データの鮮度やコンバージョン達成までの所要時間を考慮した調整

Google のアルゴリズムは過去データの適応的な重み付けを行っており、入札単価を調整する際は最近のデータを重視するとともに、コンバージョン サイクルの長さも考慮する仕組みになっています。一般に、将来のパフォーマンスの予測材料としては最近のパフォーマンス データのほうが信頼できますが、所要時間の関係上まだコンバージョンに至っていない直近のクリックについてはその限りではないという認識です。

たとえば、コンバージョン サイクルの長い自動車ディーラーや旅行会社の場合、最近発生した広告のクリックはコンバージョンに至るまでに時間があるため、直近のデータの有用度は相対的に低くなります。このため、こういった業種の広告主様の場合は、コンバージョン サイクルの短い業種(衣料品販売、食品デリバリーなど)と比べて、新しいデータの重み付けを弱くしています。これにより、まだコンバージョンに至っていない最近のクリックに対する過剰反応と、それに伴う不必要な入札単価引き下げを防ぐことができます。また、広告主様がコンバージョン達成までの所要時間の手動計算や関連する調整を頻繁に行う必要がないよう、このプロセスは自動化されています。

 

 

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