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プログラマティック保証型取引は自動化された購入ソリューションです。タグを使わずに入稿でき、高度なターゲティングが可能で、レポートと請求の機能が統合されています。
パブリッシャーの広告枠を直接購入できる一方、タグのやり取り、データの不一致の解決、複数の請求書の処理といった作業を手動で行う必要がなくなります。この取引では、オーディエンス ターゲティングを使って広告の配信先を絞り込むこともできます。多くの処理が自動化されるので、お客様はビジネスの最優先事項に集中できます。
なお、この取引を使用するには、アカウントでマーケットプレイスが有効になっている必要があります。詳しくは、アカウント マネージャーにお問い合わせください。
交渉の概要
交渉は、パブリッシャーがお客様にプロポーザルを送信した時点から始まります。お客様からパブリッシャーに提案依頼(RFP)を送信して開始することもできます。
プロポーザルには、広告枠や提案価格といったキャンペーンの詳細が含まれます。このプロポーザルをお客様とパブリッシャーの間で共有し、双方が合意に達するまでやり取りします。
プログラマティック保証型取引のプロポーザル リクエスト(RFP)
RFP は、お客様のようなメディア プランナーから広告枠提供元に送信する、広告掲載用に購入するメディア(広告枠)の情報をリクエストするドキュメントです。広告枠提供元であるパブリッシャーの多くは、RFP による問い合わせがある場合のみ、購入者に広告枠を提供しています。
ディスプレイ&ビデオ 360 を使用して、パブリッシャーに RFP を送信できます。RFP を送信すると、パブリッシャーにメール通知が届き、パブリッシャー側で内容が確認されます。RFP は、マーケットプレイスまたは [交渉] メニューから送信することができます。
マーケットプレイスから RFP を送信する
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[広告枠] > [マーケットプレイス] に移動します。
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プログラマティック保証型取引に対応しているパブリッシャーを表示するには、右側の [広告枠をフィルタ] で [契約] > [保証型] を選択します。
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RFP を送信するパブリッシャーを選択します。選択したパブリッシャーの画面が右に表示されます。
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[プロポーザルをリクエスト] をクリックします。
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フォームに希望の内容を入力します。広告枠タイプには [保証型] を選択してください。
RFP にオーディエンス ターゲティングを追加する場合は、オーディエンス ターゲティングとプロポーザル広告申込情報のターゲティングに矛盾がないように、パブリッシャーとの間で調整してください。 -
[送信] をクリックします。
送信すると、パブリッシャーにメール通知が届き、RFP が確認されます。パブリッシャーから返された RFP は [交渉] で確認できます([対応が必要] というステータスで表示されます)。確認後、プロポーザルを承認するか、変更を加えてさらに交渉を続けます。
[交渉] メニューから RFP を送信する
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[広告枠] > [交渉] に移動します。
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[新規] をクリックします。
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フォームに希望の内容を入力します。広告枠タイプには [保証型] を選択してください。RFP にオーディエンス ターゲティングを追加する場合は、オーディエンス ターゲティングとプロポーザル広告申込情報のターゲティングに矛盾がないように、パブリッシャーとの間で調整してください。
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[送信] ボタンをクリックします。
送信すると、RFP の確認を求めるメール通知がパブリッシャーに届きます。パブリッシャーはお客様のリクエストを確認し、プロポーザルを返します。
パブリッシャーからプロポーザルが返されたら、[広告枠] > [交渉] から RFP を開いて内容を確認できます(RFP は [対応が必要] というステータスで表示されます)。確認後、プロポーザルを承認するか、変更を加えてさらに交渉を続けます。
プロポーザルに変更を加える場合は、[プロポーザルを編集] をクリックします。
次の項目が交渉可能です。
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レート
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掲載時間帯(広告を配信する曜日と時間を指定)
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単位数(インプレッション数)
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開始日と終了日
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オーディエンス リスト
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ユーザー属性
パブリッシャーへのメッセージを追加し、変更を加えます。[審査に送信] をクリックすると、パブリッシャーの確認に向けて変更が送信されます。お客様とパブリッシャーの両方が変更に合意した時点で、パブリッシャーは取引成立の承認リクエストを送信します。お客様が [承認] をクリックすると、プロポーザルが確定します。
プロポーザルの確定後に変更を加える場合は、[再交渉] をクリックして変更を加えます。完了したら、パブリッシャーへのメッセージを追加し、[送信] をクリックして確認用にプロポーザルを送信します。
RFP の再交渉を行っている場合:
[オーダーは再交渉中です] という警告が [自分の広告枠] に表示されます。この場合は、[交渉] で新しい条件に同意してから、[自分の広告枠] で [クリエイティブの更新] を選択します。
契約数量とプログラマティック保証型取引
プログラマティック保証型取引では、パブリッシャーがペースを管理します。ペースとは、予算を消化する速度のことで、支出額または購入インプレッション数に基づいて測定されます。
プログラマティック保証型取引では、契約したインプレッション数または終了日に達すると配信が停止されますが、広告申込情報では配信インプレッション数をわずかに上回る場合があります。この原因としては、インプレッションのカウントに遅れが生じたか、上限に達したタイミングと同時に広告申込情報でリクエストが発生したことが考えられます。
この場合、購入者の請求には契約インプレッション数のみが含まれます。配信されたインプレッション数については、必要に応じてレポートを作成、確認できます。
プログラマティック保証型取引を設定する
お客様とパブリッシャーの双方がプロポーザルについて合意したら、次は取引の設定に進みます(この設定はパートナー レベルで行う必要があります)。
ここでは次の作業を行います。
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広告主、デフォルトの広告主、キャンペーンを選択する
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クリエイティブを割り当てる
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Floodlight アクティビティを割り当てる
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利益率を設定する
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パートナーの収益モデルを調整する
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パートナー費用を調整する
この手順を完了すると、選択したディスプレイ&ビデオ 360 の広告主にプログラマティック保証型広告掲載オーダーが自動的に設定されます。
取引を設定するには、左側のメニューで [広告枠] > [自分の広告枠] を選択します。[対応が必要] で取引を見つけ、右側で [操作] > [設定] を選択します。
クリエイティブの準備ができていない場合でも、事前に広告枠を確保することは可能です(数か月前に固定価格で特定の数量を確保しておくなど)。これを行うには、[交渉] で取引を承認します。取引の設定は、クリエイティブを作成した後で行うことができます。問題が生じた場合に備えて、開始の 1~2 日前には設定を行う必要があります。
取引の広告主を編集するには、[自分の広告枠] で取引をクリックします。デフォルトの広告主を変更すると、新しい広告主用の新しいクリエイティブ セットと収益モデルを選択する作業が必要になります。削除した広告主については、広告枠での配信が 1 時間以内に停止します。取引の編集は、取引に関連付けられているすべての広告主へのアクセス権限を持っている場合のみ可能です。
ここでは、基本情報を確認し、広告主とキャンペーンを選択します。
- [取引の詳細] を確認し、オーダーと商品名に変更が必要であれば変更を加えます。
- パートナーの収益モデルとパートナー費用を確認し、変更が必要であれば変更を加えます。
- この取引を編集したり設定したりできるユーザーを、パートナーのユーザーのみとするか、またはパートナーとデフォルトの広告主のユーザーの両方とするかを選択します。
次に、商品のターゲティングを許可する広告主を選択します。商品のターゲティングをすべての広告主に許可する場合は、[広告枠ソースをすべての広告主に割り当てる] をオンにします。完了したら、デフォルトの広告主を選択します。特に指定しない限り、デフォルトの広告主には保証型の広告枠が使用されます。 - キャンペーンを選択します。デフォルトの広告主のキャンペーンのみを選択できます。
ステップ 2: クリエイティブを選択する
ステップ 3: 設定(省略可)
ディスプレイ&ビデオ 360 では、コンバージョン トラッキングとリマーケティング リストへのユーザーの追加に、Floodlight アクティビティを使用します。この広告申込情報でコンバージョン トラッキングに使用する Floodlight アクティビティを選択してください。Floodlight アクティビティは、広告主の [Floodlight] > [Floodlight アクティビティ] で作成、管理できます。詳しくは、Floodlight アクティビティについての説明をご覧ください。
キャンペーン マネージャー 360 をお使いの場合、Floodlight アクティビティは Floodlight の設定で管理し、リンクされているディスプレイ&ビデオ 360 の広告主を通じて同期されます。
次に、パートナーの収益モデルとパートナー費用を指定します。
完了したら、[完了] をクリックします。[自分の広告枠] ページに取引が表示され、設定できるようになります。
Google アド マネージャーでのパブリッシャーとの
プログラマティック保証型取引
Google アド マネージャーでパブリッシャーとプログラマティック保証型取引の交渉や設定を行う場合は、以下の点にご注意ください。
クリエイティブ フォーマット
現在サポートされているクリエイティブ フォーマットをご確認ください。また、効果の高い広告フォーマットをプログラマティック保証型取引で利用できるカスタム クリエイティブについてもご検討ください。クリエイティブが不承認となる場合は、不承認となったクリエイティブの問題を解決する方法をご確認ください。
オーディエンス リストとユーザー属性の使用
交渉フェーズでは、購入者はプログラマティック保証型オーダーの予約取引ごとに、次のオーディエンスをターゲットに含めたり除外したりできます。
- 自社オーディエンスまたは第三者オーディエンス
- Google のアフィニティ
- Google の購買意向の強いオーディエンス リスト
パブリッシャーの予測ツールでは、購入者が選択したオーディエンス リストに一致する使用可能な広告枠が割り出されます。
- 購入者が含めるか除外したリストのセット内では「OR」のロジックが適用されます。
- 含めるか除外したリストのセット間では「AND」のロジックが適用されます。
- [広告主] レベルに移動します。
- 広告主を選択します。
- 左側メニューの [オーディエンス] > [すべてのオーディエンス] を展開して、オーディエンス リストのサイズを確認します。
購入者のオーディエンス リストはアド マネージャーの予測機能に組み込まれています。これによりパブリッシャーは、購入者がターゲットに設定している自社または第三者オーディエンス リストを含むプログラマティック保証型プロポーザルに関して予測を行うことができます。アド マネージャーでは予測や配信の際にリアルタイムで購入者のオーディエンス リストにアクセスできるため、オーディエンス リストに変更が加えられた場合も遅延は発生しません。予測の際、アド マネージャーではキャンペーンの残りの部分について、過去のデータと既存の重複する予約が考慮されます。
制限事項
- YouTube クロスセル取引ではサポートされていません。
スポンサーシップ
スポンサーシップは、広告キャンペーンの種類の 1 つで、広告主がアプリまたはウェブサイトの特定の広告枠への独占的なアクセス権を一定期間購入します。パブリッシャーのサイトのページビューのうち一定の割合を広告主が獲得することから、「広告シェア(SOV)」と呼ばれることもあります。
一般的に、スポンサーシップは、日別単価(CPD)またはインプレッション単価(CPM)に基づいて販売される時間ベースの広告です。スポンサーシップ広告申込情報では、すべてのターゲティング条件を使用できます。ターゲティング条件を指定する場合、割合の対象は一致するインプレッションが基準となります。
スポンサーシップの交渉と設定は、従来のプログラマティック保証型取引と同じ方法で行います。[広告シェア] 列には、広告配信の目標として、全体のインプレッション数に占める割合(%)が表示されます。
CPD に基づく予算とスポンサーシップ
CPD に基づく予算を使用する取引では、購入者が購入し、パブリッシャーが配信しなければならない 1 日あたりの最小インプレッション数を設定します。料金が発生するのは、パブリッシャーと合意したインプレッション数を超えたときのみです。そのため、最小インプレッション数を設定するにあたっては、パブリッシャーとよく話し合うことが重要です。
インプレッション数が 1 以上の値であっても、レポートに収益は表示されません。1 日の最小インプレッション数を購入すると、日別の CPD レートで請求が行われます。購入し、配信されたインプレッションの合計数が最小インプレッション数を超えていても、インプレッション数での請求は行われません。レポートでは、最小インプレッション数を購入した日について収益が表示されます。
CPD スポンサーシップは、期間中に購入者の広告のみが表示されることを保証するものではありません。まれに、アド マネージャーで購入者のクリエイティブを配信できないことがあります(クリエイティブがユーザーのブラウザでサポートされていない場合など)。このような場合、アド マネージャーではインプレッションで収益が得られるように、代わりに競合広告が配信されます。これは例外的なケースですが、100% の広告シェアを保証するものとして CPD スポンサーシップを販売することは控えてください。
CPM スポンサーシップ
CPM(インプレッション 1,000 回あたりの単価)スポンサーシップは CPD スポンサーシップと似ていますが、次の点が異なります。
- CPD スポンサーシップの購入者は、日別のレートでの配信に必要な最小インプレッション数を把握しています。
- CPM スポンサーシップの購入者は、購入に同意したインプレッション数の上限と、インプレッション 1,000 回あたりの支払いレートのみを把握しています(この取引ではインプレッション数が上限に達すると配信が停止されます)。合計費用は、そのレートにキャンペーンの終了日までに配信されたインプレッション数(ただし交渉した上限以内)を掛けた値となります。
制限事項
- [交渉] ページに表示される予算の概要には、同じオーダーの他のスポンサーシップの商品は含まれません。
- [基本情報] ページの [取引の詳細] に表示される合計インプレッション数の概要には、同じオーダーの他のスポンサーシップの商品は含まれません。
第三者エクスチェンジとのプログラマティック保証型取引
Google アド マネージャーでは、パブリッシャーとのプログラマティック保証型取引だけでなく、第三者エクスチェンジとのプログラマティック保証型取引も設定することができます。これにより、タグなしトランザクションや Google 管理対象の請求機能を活用しながら、プログラマティック保証型取引で予約可能な広告枠を増やすことができます。
プログラマティック保証型取引で利用可能な第三者エクスチェンジ:
ディスプレイと動画
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オーディオ
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*プログラマティック保証型取引のフリークエンシー管理に対応
パブリッシャーとの交渉を開始するには、提案依頼(RFP)を送信します。詳しくは、プログラマティック保証型取引の提案依頼(RFP)をご覧ください。お客様とパブリッシャーがオフラインで取引条件を交渉済みで、取引 ID もわかっている場合は、[自分の広告枠] で取引を作成できます。
ステップ 1: 商品と広告主を追加する
ここでは、1 つ以上の商品(パブリッシャーのプレースメント)を追加して、広告主を指定します。そして、パートナーの収益モデルを選択し、パートナー費用を入力して、商品のターゲティングを許可する広告主を指定します。
- ディスプレイ&ビデオ 360 にログインします。
- [広告枠] > [自分の広告枠] に移動します。
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[新規] > [新しい保証型広告枠] をクリックします。
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作成する広告掲載オーダーの名前とパブリッシャーの名前を入力します。
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トランザクション方式として [プログラマティック] を選択し、作成する取引で使用するエクスチェンジを指定します。
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商品を追加します。表に商品を入力し、各行に、パブリッシャー、あるいはエクスチェンジから提供された個々の取引 ID を含めます。
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パートナーの収益モデルを選択し、適切な割合を入力します。詳しくは、使用可能なさまざまなパートナーの収益モデルをご確認ください。
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パートナー費用を入力します。詳しくは、パートナー費用についてをご覧ください。
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商品のターゲティングを許可する広告主を選択します。商品のターゲティングをすべての広告主に許可する場合は、[広告枠ソースをすべての広告主に割り当てる] をオンにします。複数の広告主を選択している場合は、デフォルトの広告主を 1 つ指定します。
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手順 9 で指定したデフォルトの広告主の既存のキャンペーンを選択し、デフォルトの広告掲載オーダーと広告申込情報を含めます。
ステップ 2: クリエイティブを選択する
次は、商品のサイズや再生時間ごとに使用可能なクリエイティブ(複数可)を選択します。各サイズのクリエイティブを選択したら、[次へ] をクリックします。
ステップ 3: 設定(省略可)
ディスプレイ&ビデオ 360 では、コンバージョン トラッキングとリマーケティング リストへのユーザーの追加に、Floodlight アクティビティを使用します。この広告申込情報でコンバージョン トラッキングに使用する Floodlight アクティビティを選択してください。Floodlight アクティビティは、広告主の [Floodlight] > [Floodlight アクティビティ] で作成、管理できます。詳しくは、Floodlight アクティビティについての説明をご覧ください。
キャンペーン マネージャー 360 をお使いの場合、Floodlight アクティビティは Floodlight の設定で管理し、リンクされているディスプレイ&ビデオ 360 の広告主を通じて同期されます。
さらに、パートナーの収益モデルとパートナー費用を指定します。
必要な設定が終わったら、[完了] をクリックします。これで、[自分の広告枠] ページの [その他すべて] に取引が表示されるようになります。
広告枠を設定または編集するには、広告枠ソースにカーソルを合わせて右端のボタンをクリックします。なお、取引を公開するには、事前に設定しておく必要があります。
YouTube のプログラマティック保証型取引
詳しくは、YouTube のプログラマティック保証型取引の要件と設定についての説明をご覧ください。