GDPR の概要とガイダンス

IAB EU TCF v2.2 の実装に関するトラブルシューティング

Google はベンダーとして、IAB EU TCF v2.2 を使用する TC 文字列に対応しています。
  • TCF v2.1: TCF v2.1 文字列は引き続き利用可能ですが、業界が TCF v2.2 に移行するのに合わせて、CMP(同意管理プロバイダ)の皆様にはIAB ガイドラインの実装マイルストーンに沿って 実装を進めていただくことをおすすめします。
  • Google の同意管理ソリューション: Google の同意管理ソリューション(アド マネージャー、AdSense、AdMob の [プライバシーとメッセージ] タブで利用可能)では、CMP に対する IAB の最新の要件に沿って欧州の規制に関するメッセージを更新し、TCF v2.2 に対応しています。

IAB ヨーロッパの透明性と同意に関するフレームワーク v2.2 のリリースに関連するエラーや設定ミスに対応するパブリッシャーをサポートするため、Google では検出されたエラーのレポートを提供しています。


この記事では、TCF v2.2 の実装に関する次のようなエラーへの対処方法について説明します。


更新されたガイドライン

更新情報

一般的なエラーの修正

アド マネージャー、AdSense、AdMob でよくあるエラーの一部は、以下の方法でトラブルシューティングできます。

ポリシー センター

アプリまたはサイトが Google の同意管理に関する要件に準拠していない場合、ポリシー センターからパブリッシャーに通知が届きます。

エラーレポート

サイトやアプリに関連付けられた TC 文字列に問題がある場合は、該当サービスの管理画面でお知らせします。エラーが発生した場合、パブリッシャーはアカウントの [EU ユーザーの同意] ページで [TCF エラーレポートをダウンロード] をクリックして、過去 7 日間に検出されたエラーの詳細レポートをダウンロードできます。

ヒント: このレポートは、過去 7 日間にエラーが検出された場合にのみ利用できます。
[EU ユーザーの同意] ページと TCF エラーレポートにアクセスするには:
  • アド マネージャー: [管理者]、[EU ユーザーの同意] の順にクリックします。
  • AdMob および AdSense: [ブロックのコントロール]、[EU ユーザーの同意] の順にクリックします。

レポートには、検出された各エラーに関する次の情報が含まれます。

  • ドメイン / MobileAppID: 不適切な設定が検出されたサイトまたはモバイルアプリ。
  • 広告ユニットのパス: エラーに関連付けられている広告ユニット。
  • エラーコード: エラーに割り当てられたコード。
  • エラー数: 前週に検出されたエラーを含むクエリの数。
  • 最終検出日: エラーが最後に検出された日付。

パブリッシャーは、レポート上のエラーコードを次のトラブルシューティング表に照らし合わせ、エラー解決のために推奨される措置を調べることができます。

トラブルシューティング

パブリッシャーが IAB TCF v2.2 の統合を適切に設定できるように、一般的な TC 文字列のエラーの種類と推奨される対応策を下の表にまとめました。

この表を参照して、広告リクエストのレベルで発生する問題と、問題発生時のシステムの動作を確認してください。

制限付き同意のシナリオ

これらの 3 つのシナリオは、リクエストに複数のエラーがある場合でも、不適切な設定エラーよりも常に優先されます。

シナリオ 説明 推奨される措置
1.1 同意または正当な利益のもとで、Google がベンダーとして許可されていません。 ユーザーが意図的に Google をベンダーとして拒否したかどうか、CMP の実装エラーが発生したかどうか、またはパブリッシャー向け制限コンテンツがあるかどうかを確認します。
1.2 EEA 加盟国と英国で、目的 1 への同意がありません。

ユーザーが目的 1 を意図的に許可しなかったのか、それとも CMP 実装エラーが原因なのかを確認します。

スイスのパブリッシャーは、ユーザーに同意を求めない場合、PublisherCC フィールドと PurposeOneTreatment フィールドを正しく設定する必要があります。
 

ドイツの電気通信およびテレメディア データ保護法に基づく、ドイツから送信された広告リクエストの PurposeOneTreatment は、2021 年 12 月より対応いたしません。

1.3 目的 1 について同意が得られているが、基本広告の法的根拠がありません。

ユーザーが他の目的での正当な利益を拒否したのかどうか、または CMP の実装エラーが原因で発生したものかどうかを確認します。

不適切な設定

不適切な設定エラーがあると、広告リクエストに対して広告が返されません。

エラー 説明 推奨される措置
2.1a CMP ステータスが stubloading、または error であるため、タグまたは SDK が TC 文字列を受信していません。

広告をリクエストするのに手動で関数を呼び出している場合は、getTCData に対するレスポンスが TCData.eventStatus = 'tcloaded' または 'cmpuishown' + 'useractioncomplete' であることを確認してください。これらのステータスは、CMP が同意の選択肢をユーザーに提供できる状態にあることを示しています。

広告をリクエストする関数を手動で呼び出していない場合は、CMP で getTCData のサポートが実装されており、TCData.eventStatus = 'tcloaded' または 'cmpuishown' + 'useractioncomplete' が返されることを確認してください。これらのステータスは、ユーザーの同意が API を介して使用できる状態であることを示しています。

2.1b

次の両方の条件が満たされています。

  • CMP により &gdpr=1 に設定されている
  • &gdpr_consent= がリクエストに含まれているが、TC 文字列が空になっている。
IAB TCF 技術仕様に基づいて API が適切に実装されているかどうか、CMP に確認します。
2.2a

TC 文字列が base64 でエンコードされていないため、解析できません。

例: “2”

CMP(またはパブリッシャー)は、gdpr_consent= パラメータで base64 エンコード データのみを送信する必要があります。
2.2b

デコードエラーのため、TC 文字列を解析できません。

例: ビット数が正しくない

CMP が TC 文字列の実装エラーを解決する必要があります。
2.2c

データエラーのため、TC 文字列を解析できません。

例: タイムスタンプが間違っている、ベンダー ID が大きすぎる
 

CMP が TC 文字列の実装エラーを解決する必要があります。

TC 文字列に関する問題

広告リクエストに関連付けられた TC 文字列に問題がある場合、広告リクエストは削除され、広告が配信されなくなります。

エラー 説明 推奨される措置
3.1 CMP ID が無効です。

IAB 検証済みの CMP を使用していること、その CMP の ID が TC 文字列に正しく設定されていることを確認します。

TC 文字列の生成時に有効だった CMP がその後 IAB によって削除された場合は、有効な CMP を使用して同意を再取得する必要があります。

3.2 使用されなくなりました。 なし。使用時の意味: TC 文字列の作成日が 13 か月以上前です。

同意の再取得が必要

ユーザーから同意を得る必要があります。13 か月以上前にユーザーから同意を得ているか、Google がまだ含まれていない GVL のバージョンを使用している場合は、ユーザーの同意を再取得する必要があります。同意が得られなかった場合、広告リクエストは削除され、広告が配信されなくなります。

エラー 説明 推奨される措置
3.3 TC 文字列の最終更新日が 13 か月以上前です。

CMP が、古い TC 文字列を削除して同意を再取得する必要があります。

CMP で無効になったユーザーの同意を再取得する前に、期限切れの TC 文字列を含む広告リクエストが送信された場合、こうしたエラーが少数発生する可能性があります。

アプリで Google の同意管理ソリューションと UMP SDK を使用している場合は、UMP SDK が正しく実装され、requestConsentInfoUpdate がアプリの起動時に毎回呼び出されていることを確認してください。

4.1 TC 文字列が、まだ Google が含まれていない GVL のバージョンを使用して生成されています。 最新バージョンの GVL を使用して同意を再取得します。

グローバル スコープと帯域外スコープ

グローバル スコープと帯域外スコープ(アド マネージャーAdMobAdSense)に関する問題は次のとおりです。TC 文字列が「帯域外」または「グローバル スコープ」を示している場合、広告は配信されません。

エラー 説明 推奨される措置
5.1 TC 文字列で帯域外の同意が許可されています。 TC 文字列から帯域外シグナルを削除するよう CMP に指示します。
5.2 グローバル スコープの TC 文字列です。 サービス固有の文字列に更新するよう CMP に指示します。

制限付き広告の配信

制限付き広告が配信されます。

エラー 説明 推奨される措置
6.1 TC 文字列バージョンが 1 または 1.1(v1.0 文字列)です。 CMP が TCF v2.2 文字列を送信する必要があります。

Google が問題に対処

この問題が発生した場合、必要に応じて Google が自ら問題に対処し、通常の TCF の手続きに進みます。

エラー 説明 推奨される措置
7.1 gdprApplies が定義されていないか、無効または判読できない値に設定されていますが、有効な TC 文字列が存在します。 なし
7.2 TC 文字列が、Google の広告配信技術で認識されている現在のバージョンよりも新しい GVL バージョンで生成されています。 なし
7.3 範囲外(不明)の目的、機能、ベンダーがあります。 なし
7.4 TC 文字列の tcf_policy_version が、最新の GVL よりも古いものです。 CMP が、古い TC 文字列を削除し最新の GVL を使用して同意を再取得する必要があります。
7.5

リクエストに &gdpr=1 が含まれていますが、リクエスト URL に &gdpr_consent パラメータがまったく含まれていません。

なし
7.6 パブリッシャーの国コードが無効ですが、目的 1 への同意はあります。 CMP が TC 文字列の実装エラーを解決する必要があります。
7.7 言語コードが無効です。 CMP が TC 文字列の実装エラーを解決する必要があります。
7.8 TC 文字列のバージョン フィールドが 1 でも 2 でもありません。

無効な TC 文字列が検出された場合は、CMP が同意を新たに取得して、TC 文字列の実装エラーを解決する必要があります。

アプリで Google の同意管理ソリューションと UMP SDK を使用している場合は、UMP SDK が正しく実装され、requestConsentInfoUpdate がアプリの起動時に毎回呼び出されていることを確認してください。

7.9 AC 文字列のバージョンが 1 でも 2 でもありません。 CMP が AC 文字列のバージョンを 1 または 2 に設定する必要があります。

AC 文字列に関する問題

この種類のエラーが発生する場合、Google は追加同意(AC)文字列を無効として処理し、TC 文字列以外で追加されるベンダーは対象外となります。

エラー 説明 推奨される措置
8.1 AC 文字列で、バージョンの区切り文字(~)が使用されていません。 CMP は、AC 文字列の 2 番目の文字として「~」を使用し、同意済みのベンダーのリストとバージョン番号とを区切る必要があります。
8.2 AC 文字列に、適切な形式(「.」で区切られた int64 のリスト)に従っていないベンダーリストが含まれています。 CMP が AC 文字列の実装エラーを解消する必要があります。

CMP 認定

この種類のエラーが発生する場合、Google は非パーソナライズド広告(NPA)の配信を試みます。

エラー 説明 推奨される措置
9.1 リクエストに含まれる TCF CMP が Google に認定されていません。 CMP は Google に認定されている必要があります。

広告リクエストに TCF シグナルがない

この種類のエラーが発生する場合、Google は制限付き広告の配信を試みます。

エラー 説明 推奨される措置
10.1

リクエストは EEA、英国、スイスからのものであるにもかかわらず、TCF シグナルがありません。

パブリッシャーは、Google の認定を受けた TCF CMP を統合する必要があります。

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