この記事のガイドラインに沿った対応を行うことで、個人用 Gmail アカウントにメールが正常に送信、配信されるようになります。2024 年以降は、Gmail 個人用アカウントにメールを送信する場合に、こちらに記載の要件を満たす必要があります。個人用 Gmail アカウントとは、末尾が @gmail.com または @googlemail.com のアカウントを指します。
送信者の要件に関する最新情報については、メール送信者のガイドラインに関するよくある質問をご覧ください。
Google Workspace の送信者: Google Workspace を使用して大量のメールを送信する場合は、Gmail での迷惑メールや不正行為に関する規定をご確認ください。この規定は Google Workspace 利用規定の一部です。
送信者の要件の更新
次の表は、送信者のガイドラインと要件に対する更新の一覧です。
送信者の要件 | 追加日 |
---|---|
メールの送信に TLS 接続を使用する | 2023 年 12 月 |
送信者の要件とガイドライン
以下のガイドラインに沿った対応を行うと、メールが Gmail アカウントに確実に配信されるうえ、Gmail で送信レートが制限されることや、メールがブロックされたり、迷惑メールに振り分けられたりすることを防ぐことができます。
すべての送信者に適用される要件2024 年 2 月 1 日以降、Gmail アカウントにメールを送信するすべての送信者は、このセクションに示す要件を満たしている必要があります。
重要: Gmail アカウントに 1 日あたり 5,000 件を超えるメールを送信する場合は、1 日あたり 5,000 件以上のメールを送信する場合の要件を満たす必要があります。
- 送信元ドメインに SPF または DKIM メール認証を設定します。
- 送信元のドメインまたは IP に、有効なフォワードおよびリバース DNS レコード(PTR レコードとも呼ばれます)があることを確認します。詳細
- メールの送信に TLS 接続を使用します。Google Workspace で TLS を設定する手順については、メールのセキュアな接続を必須にする手順についてのヘルプ記事をご覧ください。
- Postmaster Tools で報告される迷惑メール率を 0.3% 未満に維持します。詳しくは、迷惑メール率の詳細をご覧ください。
- Internet Message Format 標準(RFC 5322)に準拠する形式でメールを作成します。
- Gmail の From: ヘッダーのなりすましはしないでください。Gmail では、DMARC の quarantine(検疫)適用ポリシーの使用が開始されます。Gmail の From: ヘッダーのなりすましをした場合、メール配信に影響する可能性があります。
- メーリング リストや受信ゲートウェイなどの転送サービスを管理する場合は、送信メールに ARC ヘッダーを追加します。ARC ヘッダーによって、メールが転送されたことが示され、送信者が転送者と見なされます。メーリング リストの送信者は、メーリング リストを指定する List-id: ヘッダーも送信メールに追加する必要があります。
2024 年 2 月 1 日以降、Gmail アカウントに 1 日あたり 5,000 件を超えるメールを送信する送信者は、このセクションに示す要件を満たしている必要があります。
- ドメインに SPF および DKIM メール認証を設定します。
- 送信元ドメインに DMARC メール認証を設定します。DMARC 適用ポリシーは none に設定できます。詳細
- 送信元のドメインまたは IP に、有効なフォワードおよびリバース DNS レコード(PTR レコードとも呼ばれます)があることを確認します。詳細
- メールの送信に TLS 接続を使用します。Google Workspace で TLS を設定する手順については、メールのセキュアな接続を必須にする手順についてのヘルプ記事をご覧ください。
- Postmaster Tools で報告される迷惑メール率を 0.3% 未満に維持します。詳しくは、迷惑メール率の詳細をご覧ください。
- Internet Message Format 標準(RFC 5322)に準拠する形式でメールを作成します。
- Gmail の From: ヘッダーのなりすましはしないでください。Gmail では、DMARC の quarantine(検疫)適用ポリシーの使用が開始されます。Gmail の From: ヘッダーのなりすましをした場合、メール配信に影響する可能性があります。
- メーリング リストや受信ゲートウェイなどの転送サービスを管理する場合は、送信メールに ARC ヘッダーを追加します。ARC ヘッダーによって、メールが転送されたことが示され、送信者が転送者と見なされます。メーリング リストの送信者は、メーリング リストを指定する List-id: ヘッダーも送信メールに追加する必要があります。
- ダイレクト メールの場合、送信者の From: ヘッダー内のドメインは、SPF ドメインまたは DKIM ドメインと一致している必要があります。これは DMARC アライメントに合格するために必要です。
- マーケティング目的のメールと配信登録されたメールは、ワンクリックで登録解除できるようにし、メッセージ本文に登録解除のリンクをわかりやすく表示する必要があります。詳細
2024 年 2 月 1 日より前に 1 日あたり 5,000 件を超えるメールを送信する場合も、できるだけ早くこの記事のガイドラインに沿って対応してください。この期限までに送信者の要件を満たすことで、メールが確実に配信される可能性が高まります。この記事の要件を満たしていない場合、メールが想定どおりに配信されなかったり、迷惑メールに分類されたりする可能性があります。メール配信に関して問題が発生した場合は、トラブルシューティングをご覧ください。
メール認証の要件とガイドライン
ドメインに、以下のようにメール認証方式を設定する必要があります。
- すべての送信者: SPF または DKIM
- 一括送信者: SPF、DKIM、DMARC
メールの認証には、次のような利点があります。
- なりすましメールやフィッシング メールなどの悪意のあるメールから受信者を保護できます。
- ご自身と組織をなりすましから保護できます。
- Gmail で拒否されたり、迷惑メールに分類されたりする可能性が低くなります。
ドメイン プロバイダで、送信元ドメインごとにメール認証を設定します。Google が提示する手順と、ドメイン プロバイダのメール認証に関するサポート情報をご利用ください。
Google では、メールが認証されていることを確認するために、Gmail アカウントに送信されたメールのチェックを行います。メールが確実に配信されるようにするには、ドメインに SPF、DKIM、DMARC を常に設定することをおすすめします。このページに記載されている認証の最小要件を満たしていることを確認してください。こうした方式で認証されていないメールは、迷惑メールに分類されたり、5.7.26 エラーで拒否されたりすることがあります。
メールサービス プロバイダを利用している場合は、プロバイダが SPF と DKIM でドメインのメールを認証していることを確認してください。
メールを定期的に転送したり、転送サービスを管理したりしている場合は、メールを Gmail に転送するおすすめの方法に沿って、転送されたメールが認証されるようにしてください。
公開しているご自身のウェブサイトをホストするドメインでも、必ずメール認証を設定することをおすすめします
SPF
SPF は、スパマーが未認証のメールをお客様のドメインからのものであると装って送信することを防ぎます。ドメインで SPF レコードを公開して SPF を設定します。ドメインの SPF レコードには、ご使用のドメインのすべてのメール送信元を含める必要があります。サードパーティ送信者が SPF レコードに含まれていない場合、この送信者から送信されたメールは、迷惑メールに分類される可能性が高くなります。詳しくは、SPF レコードを定義してドメインに追加する方法についての記事をご覧ください。
DKIM
メールを送信するドメインで DKIM を有効にします。受信サーバーは DKIM を使用して、実際にメールを送信したのがドメイン所有者であることを確認します。Google Workspace を使用してメールを送信する場合は、ドメインで DKIM を有効にする方法をご確認ください。Google Workspace を使用せずにメールを送信する場合は、利用可能なさまざまなインターネット ツールのいずれかを使用して DKIM 鍵を作成するか、ドメイン プロバイダにご確認ください。
重要: 個人用 Gmail アカウント宛てに送信するには、1,024 ビット以上の DKIM 鍵が必要です。セキュリティ上の理由から、2,048 ビットの鍵を使用することをおすすめします(ドメイン プロバイダが 2,048 ビットの鍵をサポートしている場合)。詳しくは、DKIM 鍵の長さについての記事をご覧ください。
DMARC
メールが SPF または DKIM の認証に合格しなかった場合、DMARC はそのようなメールの処理方法を受信サーバーに指示します。ドメインの DMARC レコードを公開して、DMARC を設定します。DMARC 認証に合格するには、メールが SPF または DKIM、あるいはその両方によって認証される必要があります。認証ドメインは、メールの From: ヘッダーに含まれているドメインと一致している必要があります。詳しくは、ドメインで DMARC レコードを追加する方法についての記事をご覧ください。
ご利用のドメインから送信されたメール、または送信されたと思われるメールを監視できるように、DMARC レポートを設定することをおすすめします。DMARC レポートは、ご利用のドメインになりすましている可能性のある送信者を特定するのに役立ちます。詳しくは、DMARC レポートをご覧ください。
ARC
ARC は、転送されたメールの以前の認証ステータスを確認します。転送されたメールが SPF または DKIM による認証に合格しても、ARC で以前に認証に失敗したと表示される場合、そのメールは Gmail で未認証として扱われます。
送信者は、メールを定期的に転送する場合は特に、ARC 認証を使用することが推奨されます。詳しくは、ARC 認証についての記事をご覧ください。
インフラストラクチャ設定の要件とガイドライン
IP アドレス
重要: 送信元 IP アドレスは、ポインタ(PTR)レコードで指定されたホスト名の IP アドレスと一致している必要があります。
送信元 SMTP サーバーのパブリック IP アドレスには、対応するホスト名を参照する PTR レコードが必要です。これは、リバース DNS ルックアップと呼ばれます。このホスト名には、送信元サーバーと同じパブリック IP アドレスを参照する A レコード(IPv4 の場合)または AAAA レコード(IPv6 の場合)も必要です。これは、フォワード DNS ルックアップと呼ばれます。
送信元サーバーの IP アドレスとドメインを対応付ける有効なリバース DNS レコードを設定します。Google 管理者ツールボックスの Dig ツールを使用して PTR レコードを確認します。
重要: 送信元 IP アドレスは、ポインタ(PTR)レコードで指定されたホスト名の IP アドレスと一致している必要があります。
共有 IP アドレス
共有 IP アドレスは、複数のメール送信者によって使用される IP アドレスです。共有 IP アドレスを使用する各送信者のアクティビティが、その共有 IP アドレスの送信者全体の評価に影響します。低評価の場合、到達率に影響が出ることがあります。
メールの送信に共有 IP アドレスを使用する場合:
- 共有 IP アドレスがインターネット上のいずれの拒否リストにも登録されていないことを確認します。拒否リストに登録された IP アドレスから送信されたメールは、迷惑メールに分類される可能性が高くなります。
- 共有 IP アドレスでメールサービス プロバイダを利用する場合は、Postmaster Tools を使用して共有 IP アドレスの評価を監視してください。
購読の要件とガイドライン
メーリング リストやその他のメール購読を管理している場合は、あなたの組織からメールを受け取るように望んでいるユーザーのみにメールを送信する必要があります。そうすれば、受信者があなたの組織からのメールを迷惑メールとして報告する可能性が低くなります。あなたの組織のドメインから送信したメールが迷惑メールとして報告される頻度が高いと、以降のメールは迷惑メールに分類される可能性が高くなります。迷惑メールとして報告され続けていると、ドメインの評価が下がる可能性があります。迷惑メール率と評価は、Postmaster Tools で確認できます。
簡単に登録できるようにする
配信を承諾している受信者のみに送信するには:
- 受信者がメールの配信を許可していることを確認します。
- 受信者の登録を行う前に、各受信者のメールアドレスを確認します。
- 定期的にメールを送信して、受信者が登録の継続を希望するかどうかを確認します。
- あなたからのメールを開封していない、あるいは読んでいないユーザーについては、配信登録を解除することを検討します。
簡単に登録解除できるようにする
受信者がいつでも簡単にメールの配信登録を解除できる方法を提供してください。ユーザーがメールの受信を停止できるようにすることで、開封率、クリック率、送信効率を上げることができます。
重要: 1 日に 5,000 件を超えるマーケティング目的のメールや配信登録されたメールを送信する場合は、ワンクリックで登録解除できるようにする必要があります。
Gmail メールでワンクリックでの登録解除を設定するには、送信メールに次の両方のヘッダーを含めます。
-
List-Unsubscribe-Post: List-Unsubscribe=One-Click
- List-Unsubscribe: <https://solarmora.com/unsubscribe/example>
受信者がワンクリックで登録解除すると、次の POST リクエストが届きます。
"POST /unsubscribe/example HTTP/1.1
Host: solarmora.com
Content-Type: application/x-www-form-urlencoded
Content-Length: 26
List-Unsubscribe=One-Click"
詳しくは、RFC 2369 および RFC 8058 の List-Unsubscribe: ヘッダーについての記事をご覧ください。
以下の登録解除オプションも使用できますが、ワンクリックでの登録解除に代わるものではありません。
- 受信者が、登録しているメーリング リストを自分で確認してリストごとに登録解除するか、すべてのリストの登録をまとめて解除できるようにする。
- 何回もメールが返送された受信者を自動的に登録解除する。
メッセージの形式に関する要件とガイドライン
メッセージが想定どおりに配信されるようにするには、メッセージの形式に関する以下のガイドラインに従ってください。
- HTML メールの場合は、HTML 標準に準拠する形式でメールを作成します。
- メッセージ ヘッダーのガイドラインは次のとおりです。
- メールの From: ヘッダーには、次の例のようにメールアドレスを 1 つのみ含めるようにします。
From: notifications@solarmora.com - 過度に大きいメールヘッダーは使用しないでください。詳しくは、Gmail のメールヘッダーの上限をご覧ください。
- メールの From: ヘッダーには、次の例のようにメールアドレスを 1 つのみ含めるようにします。
- Internet Format Standard(RFC 5322)に準拠する形式でメールを作成します。
- すべてのメールに有効な Message-ID が含まれるようにします。
- 単一インスタンスのヘッダーは、メール内に 1 回のみ含めるようにします。単一インスタンスのヘッダーには、From:、To:、Subject:、Date: などがあります。
- メールのヘッダーとメッセージの内容は正確である必要があります。誤解を招くものや虚偽のものであってはなりません。
- メール メッセージの件名、ヘッダー、表示名、およびその他のメッセージ要素は、送信者の身元とメッセージの内容を正確に表すものである必要があります。誤解を招くものは避けるようにしてください。たとえば、実際には返信や転送ではないメッセージの件名で「Re:」や「Fwd:」を使用することは避けてください。また、From: ヘッダーと To: ヘッダーには実際の送信者と受信者のみを指定してください。
- 受信者を惑わせたり、影響を与えたりすることを意図して、メッセージ内のグラフィック要素を模倣するような絵文字やその他の非標準の文字を使用することは避けてください。たとえば、表示要素やブランド名の横に絵文字や画像を使用して、その名前が本物であるかのような印象を与えることは行わないでください。
- HTML または CSS を使用してメールのコンテンツを非表示にしないでください。コンテンツを非表示にすると、メールが迷惑メールに分類される可能性があります。
- メール本文中のリンクは、見やすく、わかりやすいものにする必要があります。リンクをクリックした場合の挙動を受信者が推測できるようにします。
- 送信者の情報を、明確に、見やすく示す必要があります。
-
- 次の国際化ドメインの形式が Unicode Technical Standard #39 のセクション 5.2 に準拠するようにします。国際ドメインは、国際化ドメイン名(IDN)とも呼ばれ、地域や国に固有の URL です。
- 認証ドメイン
- エンベロープ From ドメイン
- ペイロード ドメイン
- 返信先ドメイン
- 送信元ドメイン
送信方法の要件とガイドライン
ドメインから Gmail に送信したメールが迷惑メールに分類されたり、ブロックされたりする可能性を下げるには、ここで紹介するおすすめの方法を実施してください。
- 組織レベルで一致している SPF と DKIM を使用してメールを認証します。メール プロバイダを利用している場合は、プロバイダがこの認証に対応していることを確認してください。
- すべてのメールが同じ IP アドレスから送信されるのが理想的です。複数の IP アドレスから送信する必要がある場合は、メールの種類ごとに異なる IP アドレスを使用します。たとえば、アカウントに関する通知メールの送信と、プロモーション関連のメールの送信にはそれぞれ別の IP アドレスを使用します。
- 同じカテゴリのメールでは、From: に同じメールアドレスを指定してください。たとえば、
solarmora.com
というドメインからのメールの From: アドレスは以下のように指定します。- 顧客に送る領収書のメール:
sales@solarmora.com
- プロモーション メール:
deals@solarmora.com
- アカウントに関する通知メール:
alert@solarmora.com
- 顧客に送る領収書のメール:
- 受信者の連絡先リストに登録されているアドレスからのメールは、迷惑メールに分類される可能性が低くなります。
避けるべき送信方法
- 同じメールに異なる内容を混在させないでください。たとえば、顧客に送る領収書のメールにプロモーションに関する内容を含めないでください。
- 許可なく他のドメインまたは送信者になりすまさないでください。そのような行為はなりすましと呼ばれ、Gmail では迷惑メールに分類される可能性があります。
- 内部メールを迷惑メールとしてマークしないでください。内部メールに迷惑メールのマークを付けると、ドメインの評価が下がり、今後送信されるメールが迷惑メールに分類される可能性があります。
- 他の企業からメールアドレスを購入しないでください。
- メールの配信登録をしていないユーザーにはメールを送信しないでください。そのような受信者は、メールを迷惑メールに分類する可能性があります。その場合、それらの受信者に送信される以降のメールも迷惑メールに分類されます。
- デフォルトで有効になるオプトイン フォームを使用してユーザーを自動的に登録することは避けてください。一部の国や地域では、自動オプトインが制限されています。ユーザーのオプトインを自動で行うようにする前に、拠点とする国または地域の規則をご確認ください。
正当なメールであっても迷惑メールに分類されることがあります。受信者が正当なメールから迷惑メールのマークを外すと、同じ送信者からの以降のメールが受信トレイに配信されるようになります。
送信量を徐々に増やす
送信量を増やすときは、次の点に注意してください。
- 送信量を急激に増やすと、配信に問題が生じる場合があります。送信量を徐々に増やすと同時に、Postmaster Tools を使用してメールの配信状況を監視します。
- 仕事用および学校用の Google Workspace アカウントの場合、異なる Google Workspace ドメインの受信者にも送信制限が適用されます。たとえば、ドメインが
your-company.net
とsolarmora.com
のメールアドレスを持つユーザーにメールを送信するとします。ドメインは異なりますが、どちらのドメインも MX レコードにgoogle.com
が含まれる場合、こうしたドメインに送信されたメールは送信制限にカウントされます。 - メール送信に Google Workspace または Gmail を使用している場合: 送信制限に達すると、送信元 IP アドレスの送信レートが制限されます。
大量のメールを送信する場合は、次のことをおすすめします。
- 常に一定の送信レートで送信します。一度に大量のメールを送信することは避けてください。
- 承諾しているユーザーへのメールは少ない送信量から始めて、時間をかけて量を増やします。
- 送信量の増加にあわせて、サーバーのレスポンス、迷惑メール率、送信元ドメインの評価を定期的に監視します。定期的に監視を行うと、送信レートが制限された場合、迷惑メール率が上昇した場合、または送信元ドメインの評価が低下した場合に迅速に対応できます。
- 過去に大量に送信したことがない場合は、送信量を急に増やすことは避けてください。たとえば、以前の送信量から急に 2 倍に増えると、レート制限や評価の低下につながる可能性があります。
- 一括送信メールの形式を変更する場合は、新しい形式での送信量を徐々に増やします。
- 送信インフラストラクチャやメールのヘッダーの構成を大きく変更した場合は、変更前とは区別して変更後の送信量を徐々に増やします。
- メールがバウンスされ始めたり、遅延し始めたりした場合は、SMTP エラー率が低下するまで送信量を減らします。その後、再度徐々に増やします。送信量が少ないにもかかわらずバウンスや遅延が続く場合は、個々のメールを確認して問題を特定します。たとえば、空のテストメールを送信して、問題が発生するかどうかを確認します。
- 送信について、以下の IP 制限内に収まるようにしてください。
- google.com の MX ホストを持つドメインから送信する場合は、メールの送信制限に注意してください。
- 1 つの IP アドレスから送信するメールの制限は、受信者のメールアドレスに含まれるドメインではなく、MX レコードのドメインに基づいて行います。
- 送信制限内に収めるために、レスポンスを監視して送信レートを適宜変更します。
どれくらいのペースで送信量を増やせるかは、次の要因によって変わります。
- 送信するメールの数: 送信するメールの数が多ければ多いほど、送信量をゆっくりと増やす必要があります。
- メールの送信頻度: メールを週単位でなく日単位で送信するほうが、より早く送信量を増やすことができます。
- メールに関する受信者からのフィードバック: メールの配信登録をしているユーザーにのみメールを送信するとともに、登録解除のオプションも提供するようにしてください。
最近になってメール アクティビティが急増した場合は、以降の送信時に配信に関する問題が自動的に解決されるよう、このページの要件とガイドラインの実践をおすすめします。
その他のガイドライン
メールサービス プロバイダの使用に関するガイドライン
Google と Gmail では、メール プロバイダからの許可リスト登録リクエストは受け付けていません。メール プロバイダから送信されたメールが Gmail の迷惑メールフィルタを通過することは保証できません。
ご使用のドメインでサードパーティのメール プロバイダを利用してメールを送信している場合は、次のことを確認してください。
- プロバイダがこのページのガイドラインに準拠していることを確認します。大手プロバイダ(Google、AOL、Yahoo など)は通常、こうしたガイドラインに準拠しています。
- ドメインの SPF レコードに、ご使用のドメインのすべてのメール送信元が含まれていることを確認します。サードパーティ送信者が SPF レコードに含まれていない場合、このプロバイダから送信されたメールは、迷惑メールに分類される可能性が高くなります。詳しくは、SPF レコードを設定する方法についての記事をご覧ください。
ドメイン プロバイダを利用しながら、メールは独自に管理している場合は、次の対策をおすすめします。
- このページに記載されている要件とガイドラインを確認し、遵守する。
- Postmaster Tools を使用して、ドメインから Gmail アカウントに送信されたメールに関する情報を監視する。
メールサービス プロバイダ向けガイドライン
顧客がメールサービス プロバイダのサービスを利用してメールを送信する場合、顧客の送信アクティビティの責任はプロバイダが負うことになるため、以下の手順で顧客の送信アクティビティを管理することをおすすめします。
- メールの不正使用を報告するためのメールアドレスを提供します(例:
abuse@mail-provider.com
)。 - WHOIS レコードと abuse.net に登録した連絡先情報を常に最新の状態に保ちます。
- 迷惑メールを送信した顧客を直ちに排除します。
アフィリエイト マーケティング
アフィリエイト マーケティング プログラムでは、対象のウェブサイトに訪問者を誘導した企業または個人に対して報酬が支払われますが、スパマーがそうしたプログラムを悪用する可能性もあります。ブランドがアフィリエイト マーケティングの迷惑メールに関連付けられてしまうと、そのブランドから送信される他のメールも迷惑メールに分類される可能性があります。
定期的にアフィリエイトを監視し、迷惑メールを送信するアフィリエイトを排除することをおすすめします。
フィッシング演習
フィッシングやキャンペーンのテストメールをドメインから送信しないでください。ドメインの評価が下がり、インターネット上のブロックリストに追加される可能性があります。
監視とトラブルシューティング
Postmaster Tools
Postmaster Tools を使用すると、Gmail ユーザーに送信したメールに関する次のような情報を取得できます。
- 受信者がそのメールを迷惑メールに分類したタイミング
- メールが想定どおりに配信されない理由
- メールが認証されているかどうか
- ドメインまたは IP アドレスの評価と、その評価がメール到達率に与える影響
迷惑メール率
-
Postmaster Tools でドメインの迷惑メール率を定期的に監視します。
- Postmaster Tools で報告される迷惑メール率を 0.10% 未満に維持し、迷惑メール率が決して 0.30% 以上にならないようにします。詳細
- 迷惑メール率を低く維持すれば、時折急上昇してもメールがシステムによって迷惑メールとしてマークされる可能性が低くなります。
- 迷惑メール率が高い状態が続くと、迷惑メールへの分類が増加します。改善された迷惑メール率が迷惑メールへの分類に反映されるまでには、時間がかかることがあります。
開封率
- Google は開封率を追跡していません。
- サードパーティが報告した開封率の正確性を Google が検証することはできません。
- 開封率の低さは、配信可能性や迷惑メール分類の問題の正確な指標になるとは限りません。
メール配信のトラブルシューティング
想定どおりにメールが配信されない場合は、次の手順を行ってください。
- ご利用のドメインが Google セーフ ブラウジングで危険なドメインとして登録されていないことを定期的に確認します。
- ドメインのステータスを確認するには、セーフ ブラウジング サイトのステータス ページにドメインを入力してください。
- リンクされているすべてのドメインのステータスを定期的に確認します。
メールサービス プロバイダを利用した送信
サービス プロバイダを利用していて配信に関する問題が発生した場合は、そのプロバイダがこのページの要件とガイドラインを遵守しているかどうかをご確認ください。
Google 管理者ツールボックスを使用してドメインの設定を確認する
ドメインの設定を確認、修正するには、Google 管理者ツールボックスを使用してください。
メールが拒否された原因を修正する
メールが拒否されると、エラー メッセージが表示される場合があります。問題を解決できるように、エラーの詳細を確認してください。一般的なエラー メッセージの例を次に示します。
- 421, "4.7.0": Messages are rejected because the sending server’s IP address is not on the allowed list for the recipient’s domain.(送信元サーバーの IP アドレスが受信者のドメインの許可リストに登録されていないため、メールが拒否されました。)
- 550, "5.7.1": Messages are rejected because the sending server’s IP address is on an IP suspended list.(送信元サーバーの IP アドレスが IP 停止リストに登録されているため、メールが拒否されました。)このエラーは、評価の低い共有 IP を使用してメールを送信すると発生する場合があります。
メールと SMTP に関するエラー メッセージについて詳しくは、次の記事をご覧ください。
IPv6 認証エラーを修正する
送信元サーバーの PTR レコードで IPv6 が使用されていない場合、IPv6 認証エラーが返される場合があります。メールサービス プロバイダを利用している場合は、プロバイダが IPv6 の PTR レコードを使用していることを確認してください。
IPv6 認証エラーの例を次に示します。
550-5.7.1: Message does not meet IPv6 sending guidelines regarding PTR records and authentication.(メールが PTR レコードと認証に関する IPv6 の送信ガイドラインに準拠していません。)
トラブルシューティング ツールを使用する
この記事のガイドラインに沿って対応した後もメールの配信に関する問題が解決されない場合は、メールの送信に関する問題のトラブルシューティングをご覧ください。
関連トピック
Google ポリシーの翻訳版は、お客様に便宜を図るために提供しています。このポリシーの文言が英語版と非英語版との間で矛盾している場合は、英語版の文言が優先されます。