Google Workspace Migrate の設定時および実際の移行時に問題が発生した場合の解決方法を説明します。
関連付けに関するエラー | 移行のトラッキング | ブリッジエラー
関連付けまたは接続に関するエラーのトラブルシューティング
サービスホストのログを確認する- ログを確認する手順は次のとおりです。
- プラットフォーム インストールの場合 - C:\Program Files\Google Workspace Migrate\Google Workspace Migrate Platform\AppBridgeServiceHost.log に移動します。
- ノード インストールの場合 - C:\Program Files\Google Workspace Migrate\Google Workspace Migrate Platform Node\AppBridgeServiceHost.log に移動します。
注: 以前のバージョンの Google Workspace Migrate を実行している場合は、パスで「Google Workspace」のかわりに「G Suite」を使用する必要があります。
- ログを開き、一番下までスクロールします。
- 関連する問題がある場合は、問題のトラブルシューティングを行います。
「Access denied: Symmetric encryption is required for this service request but not configured(アクセスが拒否されました。このサービス要求には対称型暗号化が必要ですが、設定されていません)」というメッセージは無視してかまいません。
- 問題が解決しない場合は、Google Workspace Migrate の問題についてサポートに問い合わせるをご覧ください。
- Google Workspace Migrate プラットフォームにログインし、右上にある [Servers(サーバー)] をクリックします。
- ノードがリストに表示されていることを確認します。
- ノードのステータスが [Ready](緑色)であることを確認します。
ノードを Google Workspace Migrate プラットフォームに関連付けようとしたときにエラーが発生した場合は、そのノードが実行中であるかどうかを確認します。
- プラットフォームを実行しているパソコンのブラウザで、ノードの IP アドレスとポート(例: http://192.0.2.1:5131)を入力します。
- そのプラットフォームからノードに到達可能で、ノードサービスが実行されている場合は、「Node is running(ノードが実行中)」というメッセージが表示されます。
- エラーが表示された場合は、次の方法をお試しください。
- ネットワーク エラーの場合は、エラーを解決して、もう一度試す。
- ノードサービスを再起動する。
- ノード アプリケーションを再インストールする。詳しくは、ノードサーバーをインストールするの手順をご覧ください。
このエラーが表示される場合:
- ノードサーバーのサービスホストのログに移動します。
詳しくは、サービスホストのログを確認するをご覧ください。
- 次のエラーを確認します。The provided platform host address https://platformserver:443/Hub was unreachable(指定されたプラットフォームのホストアドレス https://platformserver:443/Hub に到達できませんでした)。
- このエラーが表示された場合は、次の方法をお試しください。
- プラットフォーム サーバーへのネットワーク接続を確認します。ネットワークに問題がある場合は、問題を解決してノードサービスを再起動します。
- プラットフォームに TLS 証明書が構成されている場合は、プラットフォームを実行しているパソコンのブラウザで、プラットフォームの IP アドレスとポート(例: https://192.0.2.1:5131)を入力します。また、TLS 証明書が有効で期限切れになっていないことを確認してください。
ホストログに invalid_grant というメッセージが表示された場合は、次のことを確認します。
- 移行先アカウントですべての API スコープを有効にしている。詳しくは、Google Cloud Console を使用して API を有効にするをご覧ください。
- Google 管理コンソールで必要なスコープに対してサービス アカウントが承認されている。承認には、サービス アカウントのクライアント ID ではなく、OAuth 2.0 クライアント ID を使用します。詳しくは、OAuth ウェブ クライアント ID を作成するをご覧ください。
移行の実行速度が遅い場合、または移行がまったく進まない場合は、Google Workspace の API 割り当てレベルに関連するエラーが発生している可能性があります。詳しくは、割り当ての操作をご覧ください。
移行の状態と進行状況を追跡する
パーティションを監視するスキャンまたはブリッジの実行中に、パーティションのステータスを監視できます。
- Google Workspace Migrate プラットフォームで、[Scans(スキャン)] または [Bridges(ブリッジ)] をクリックします。
- 確認するスキャンまたはブリッジで、ログアイコン
Partition log(パーティションのログ)] をクリックします。
- [State(ステータス)] で、パーティションのステータスを確認します。
- Ready - 開始する準備が完了しています。
- Starting - 移行またはスキャンの準備をしています。
- Crawling - 移行元のシステムからデータを読み込んでいます。
- Processing - 移行先のシステムにデータを書き込む準備をしています。
- Committing - 移行先のシステムにデータを書き込んでいます。
- Cancelled - 失敗しました。キャンセルされたパーティションのトラブルシューティングに進んでください。
- Completed - 処理が完了しました。
- Skipped(エラーによる再試行時に表示されます) - エラーが発生しなかったためスキップされました。
パーティション ログに [Canceled(中止済み)] のパーティションが見つかった場合は、以下の方法を使用してトラブルシューティングを行います。
方法 1: エラーコードを確認する
エラーコードを見つけるには、パーティション ログの行にカーソルを合わせ、その他アイコン Partition log(パーティションのログ)] をクリックします。障害に関連するエラーコードを使用して問題を解決します。詳しくは、Google Workspace Migrate のエラー メッセージを解釈するをご覧ください。
方法 2: ノードを確認する
パーティション ログを使用して、特定のノード上の全パーティションがキャンセルされているかどうかを確認します。通常、キャンセルされたノードはすべて、移行元のサービスが一時的に利用できないなどの接続の問題を示しています。ノードの関連付けに関するエラーの手順を完了します。スキャンを再試行するか、差分移行を実行してください。
方法 3: パーティションの実行ログを確認する
問題が複数のノードに影響する場合は、パーティションの実行ログを調べることができます。パーティションに関連付けられている実行ログを表示するには、次の操作を行います。
- パーティション ログを開きます。
- ログ内の行にカーソルを合わせ、その他アイコン
Execution log(実行ログ)] をクリックします。
- [State(ステータス)]
[Failed(失敗)] をクリックします。
- エラーを確認し、問題の原因を特定して、トラブルシューティングします。
- スキャンまたは移行を再試行します。
移行サマリーログで同じようなエラーが増加していることが確認される場合は、移行の設定が正しくない可能性があります。
以下の設定が正しく行われていることを確認します。
- API(特に Admin SDK)が Google 管理コンソールで有効になっている。詳しくは、Google Cloud Console を使用して API を有効にするをご覧ください。
- 移行元のアカウントと Google Workspace Migrate にユーザー アカウントが存在する。アカウントが凍結、停止、名前変更されていないことを確認します。
- 必要な Google Workspace Migrate サービス(Gmail や Google ドライブなど)をすべてのユーザーが使える状態になっている。詳しくは、Google Workspace の要件をご覧ください。
ホストログにこのエラーが表示された場合は、サードパーティ製アプリにドライブ ファイルへのアクセスを許可する必要がある可能性があります。
この問題を解決するには、サードパーティのアプリに、ドライブに保存されたファイルへのアクセスを許可するに記載されている手順を実施してください。
ブリッジエラーを解決する
ブリッジを差分移行として実行する多くの場合、差分移行を実施することで多くのエラーを修正できます。差分移行では、永続的なエラーを特定し、一時的な問題(レート制限と割り当てレベル、ネットワークの問題、401 エラーなど)をクリーンアップします。差分移行を複数回実行してトラブルシューティングを行うことができます。詳しくは、運用開始に向けて準備するをご覧ください。
| 60008 エラーまたはキーワード | トラブルシューティングの手順 |
|---|---|
| No mapping found. (マッピングが見つかりません。) | このエラーは、ある Google Workspace Migrate アカウントの共有ドライブのデータを別のアカウントに移行するときに、新しいアカウントで共有ドライブが手動で作成済みである場合に発生することがあります。以下の手順でトラブルシューティングを行います。
|
| 該当するアイテムが依存していたトランザクションが失敗した。 | 同じブリッジで移行に失敗したその他のアイテムを確認し、問題のトラブルシューティングを行います。問題を解決するには、差分ブリッジを実行します。 |
|
親オブジェクトを移行できなかった。 「The bridge execution was halted or completed prior to dependency of the transaction being completed(トランザクションの依存関係が完了する前に、ブリッジの実行が停止または完了しました)」と表示される場合もあります。 |
該当するアイテムの親オブジェクトを移行できなかったか、親オブジェクトの前に子オブジェクトを移行しました。以下の手順でトラブルシューティングを行います。
|
| 移行後に、対象の親エンティティが削除されたか、名前が変更されたか、別の場所に移動された。別のブリッジで移行元の親エンティティまたは子エンティティの移行を再度試みたが、そうしたエンティティが見つからなかった。 |
|
| 移行元と移行先のペアがサポートされていない。 | マッピングを調べて、移行元と移行先が有効であることを確認します。詳しくは、Exchange、SharePoint、ファイル共有、Box、Google Workspace Migrate に関するマッピングの作成、管理をご覧ください。 |
| LocationNotFound | 移行先のユーザーのアカウントには、共有ドライブを含む Google Workspace ライセンスがないため、Google Workspace の共有ドライブを移行先の共有ドライブに移行できませんでした。移行先のアカウントのライセンスをチェックして、もう一度お試しください。 |
| OrphanedContent |
また、孤立したアイテムのオーナーがマッピングで移行元アカウントに指定されていない場合にも、このエラーが表示されることがあります。Google Workspace Migrate ではアイテムが移行されず、60008 エラーコードが表示されます。この状況では、このエラーを回避できません。 注: 別のターゲット ロケーションにある孤立したファイルは、別の問題が原因である可能性があります。たとえば、孤立したアイテムのマッピングで移行先フォルダが指定されていない場合、それらのアイテムが移行先ユーザーのマイドライブのルートフォルダに配置されます。 |
| No mapping found for user(ユーザーのマッピングが見つかりません)。 |
|
このエラーによりファイルの移行に失敗した場合:
- トランザクション ログを開きます。
- [Error Code(エラーコード)] で「1029」を検索して、親フォルダの移行が失敗したかどうかを確認します。
- 親フォルダが移行されなかった場合は、エラーコードを確認して問題を修正します。
- 差分ブリッジを実行する
共有ドライブから別の共有ドライブにファイルを移行する場合は、ブリッジでソースをターゲット ユーザーにマッピングする ID マッピングを使用してください。
- Google Workspace Migrate プラットフォームで、[Scans(スキャン)] または [Bridges(ブリッジ)] をクリックします。
- 確認対象のスキャンまたはブリッジで、ログアイコン
Transaction log(トランザクションのログ)] をクリックします。
- 該当するトランザクションにカーソルを合わせて、その他アイコン
Transaction details(トランザクションの詳細)] をクリックします。
- 次の表で、一般的なトランザクション エラーとトラブルシューティングの手順を確認してください。
| エラー メッセージとエラーコード | トラブルシューティングの手順 |
|---|---|
| トランザクションのステータスが [Failed(失敗)] の場合 | 目的のトランザクションを特定し、トランザクションの詳細情報を使用して、トラブルシューティングを行います。 |
| エラー メッセージ: The request type does not allow write operations
エラーコード: 1048640 |
このオブジェクト タイプのリクエスト ハンドラは、オブジェクトをターゲット アカウントに書き込めません(たとえば、Google Workspace で移行元のアイテムに対応するタイプがありません)。
ロケーション マッピングが正しく設定されているかどうか、およびマッピングが論理的かどうかを確認します。 |
| エラー メッセージ: An internal connector error occurred
エラーコード: 2097125 |
トランザクション ログと実行ログでエラーメッセージを確認します。エラー メッセージで問題が解決しない場合は、プラットフォームまたはノードのサービスホストのログで詳細を確認してください。 |
| トランザクションの依存関係が完了する前に、ブリッジの実行が停止または完了しました | 最初に移行された別のアイテムに依存していたためアイテムを移動できず、またそのアイテムが正常に移行されていませんでした。たとえば、フォルダがドライブで作成されていないため、フォルダ内のファイルが移行されなかった場合です。
エラーで ABHierarchicalPath.Path を見つけ、関連するアイテムをメモします。次に、そのアイテムをトランザクション ログで見つけて、移行に失敗した理由を確認します。 |
トランザクション ログ内のトランザクションは以下の理由でスキップされる場合があります。
- 差分移行を実行しているが、オブジェクトが前回の移行時から変更されていない。
- 設定テンプレートのフィルタ条件によりオブジェクトが除外された。
- メールのコンテンツをグループに移行しているが、サイズの大きな添付ファイルがスキップされた。
- 共有ドライブの設定テンプレートを使用し散るが、コンテンツをマイドライブに移行している。
移行元によっては、他の理由が考えられます。
- SharePoint - ドキュメント ライブラリの一部ではないためにフォルダがスキップされた。
- Exchange - Google グループへの移行時にメールの下書きがスキップされた。
- Box - 版がないためファイルのバージョンがスキップされた。
- ファイル共有 - ノードに、アイテムにアクセスするための十分な権限がないため、アイテムがスキップされた。
- Gmail - Chat のメッセージ(Chat ラベルが付いているアイテム)がスキップされた。
[デフォルト] 設定テンプレートを使用して共有ドライブ間で移行する場合、GWM は移行先アカウントに新しい共有ドライブを作成しますが、移行元の共有ドライブからデータを移行しないことがあります。その理由は次のとおりです。
- 移行元と移行先に ID マッピングがない。
- テンプレートの [マッピングされていないユーザーを許可する] オプションがオンになっていない。
この問題を修正するには、次の 2 つの方法があります。
- [デフォルト] 設定テンプレートからカスタム テンプレートを作成し、[マッピングされていないユーザーを許可する] をオンにします。
- ID マッピングを追加します。
トランザクション レポートのサイズが大きすぎてダウンロードできない可能性があります。次のオプションに沿ってトラブルシューティングをお試しください。
オプション 1: 移行前にフィルタを追加する
レポートのサイズを小さくするには、トランザクション ログをフィルタして、完了ステータスやエラーコードなどの特定のデータを検索します。詳しくは、移行の進行状況をモニタリングするをご覧ください。
オプション 2: フィルタを使用してログをダウンロードする
コマンドラインを使用して、トランザクション ログのダウンロード方法を指定できます。
- ログ内のアイテムの数を減らすには、transactionState オプションを使用します。
- ログのダウンロードにかけられる時間を増やすには、queryTimeout オプションを使用します。
詳しくは、コマンドラインを使用してログをダウンロードするをご覧ください。
想定よりも移行に時間がかかる場合は、次のシステム要件を満たしていることを確認します。
Google API の割り当てレベル
割り当て設定が原因で、403 Forbidden Error、429 Too Many Requests、503 Service Unavailable などのエラーコードが発生することがあります。割り当てレベルが移行速度に影響しているかどうかを確認するには:
- Google Cloud コンソールで割り当てを確認します。手順については、Google Cloud コンソールで割り当てを表示するをご覧ください。
- リソース使用量に対応できるように割り当てを調整します。手順については、コンソールを使用して割り当てを管理するをご覧ください。
クライアントサイドのスロットリング設定
スロットリング設定は、クライアントが Google サービスにリクエストを送信できるレートを管理します。設定によっては、403 Forbidden Error、429 Too Many Requests、503 Service Unavailable などのエラーコードが発生することがあります。設定が移行速度に影響しているかどうかを確認するには:
- Google Workspace Migrate のスロットリングを確認します。
- クライアントサイドのスロットリングが高い場合は、C:\ProgramData\AppBridge\Overrides\throttling_settings.json を作成して、デフォルトのスロットリング戦略をオーバーライドします。
- Google Workspace Migrate サービスを再起動します。
ファイアウォールの制限
ディスクとネットワークのオペレーションへの干渉を減らすため、ウイルス対策ソフトウェア、セキュリティ スキャナ、その他の不要なソフトウェアを Workspace サーバーからアンインストールします。
Google Workspace Migrate は、MySQL を使用して構成設定とロギングの詳細を保存します。MySQL 接続が断続的であるか、応答しない場合は、サービスホストのログを確認するに移動し、プラットフォームのインストール手順に沿って操作します。
AppBridgeServiceHost.log に MySQL エラーが表示される場合:
- MySQL のトラブルシューティングに進みます。
- 引き続きサポートが必要な場合は、Google Workspace Migrate の問題についてサポートに問い合わせるをご覧ください。
不明点がある場合
Google Workspace Migrate の問題についてサポートに問い合わせるをご覧ください。
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