ワークスペースを使うと、コンテナに変更を加えたバージョンを複数作成できます。チームメンバーが別々のワークスペースで変更作業を実施できるため、タグ設定の開発やテストを独立して行えます。この機能を使うと、ワークスペース設定の変更を以前の設定に戻せるため、バージョン管理がしやくなります。また、他のメンバーがまだ変更作業を行っている箇所を他のチームメンバーが誤って公開しないようにすることもできます。
コンテナの変更は、いつでもワークスペース内で行われます。すべてのコンテナで、デフォルトのワークスペースが作成されます。通常のアカウントでは最大 2 つのワークスペースを追加できますが、タグ マネージャー 360 アカウントではワークスペースを無制限に作成できます。
新しいワークスペースを作成するタイミング
タグ マネージャーのワークスペースは、バージョンを構成する一連の変更作業を行う場所です。メインの本番環境用とは別にタグ設定を開発してテストする場合や、複数のユーザーが別々のタグ設定作業を行う場合などには、新しいワークスペースを作成しましょう。
各コンテナには一連のバージョンがあります。新しいバージョンを作成すると、ワークスペースが最新版ではないので更新するよう促すメッセージが表示されます。
ワークスペースをバージョンとして保存するか公開すると、ワークスペースの名前、メモ、変更リストがそのバージョンに記録され、ワークスペースは削除されます。デフォルトのワークスペースはバージョンの保存または公開後に再作成されます。
ワークスペースを管理する
[ワークスペースを管理] ページを使って、新しいワークスペースの作成、別のワークスペースへの切り替え、既存のワークスペースの削除を行えます。
新しいワークスペースを作成するには:
- 左側のナビゲーションで [現在のワークスペース] メニューをクリックします。
- [ワークスペース] ページの右上にある [追加] をクリックします。
- 新しいワークスペースの名前と説明を入力します。ワークスペースの名前と説明は後でバージョンの名前と説明として使用されます。ですから、ワークスペースの目的がわかりやすい名前を付けましょう(「Q1 用の新しい Floodlight」、「Google アナリティクス更新版 Q2 用」など)。
- [保存] をクリックします。
別のワークスペースに切り替えるには:
- 左側のナビゲーションで [Default Workspace] メニューをクリックします。
- [ワークスペースを管理] ページで、リストからワークスペースを選択します。
ワークスペースを削除するには:
- 左側のナビゲーションで [Default Workspace] メニューをクリックします。
- 削除するワークスペースの右側にある [情報] をクリックします。
- 右上にある [その他の操作] をクリックし、[削除] を選択します。
タグ マネージャー 360 をご利用の場合は、ワークスペースを数の制限なく作成できます。それ以外のユーザーは、デフォルトのワークスペースとカスタム ワークスペース 2 つを含む最大 3 つのワークスペースを同時に持つことができます。
ワークスペースを更新する
複数のワークスペースを使用している場合、コンテナの別の場所で変更が行われ、ワークスペースが最新版ではなくなることがあります。ワークスペースを更新する方法は次のとおりです。
- ワークスペースを公開しようとしたときに、別のバージョンでの変更が見つかると、「このワークスペースは最新版ではないため、作業を始めると自動的に更新されます」という通知が表示されます。
- [ワークスペースを更新] をクリックすると、未適用のバージョンの一覧が表示されます。
- 未適用のバージョンの一覧でエントリをクリックすると、そのバージョンで行われた変更が表示されます。
- [更新] をクリックして、変更を適用します。
ワークスペースを更新すると、前回の更新以降にコンテナの他のバージョンに加えられた変更が反映されます。その変更が現在のワークスペースでの変更と競合している場合は、その競合の内容が表示されて解決するように求められます。
競合を解決する
競合が見つかると、[ワークスペース] の [サマリー] ページに「矛盾を検出」というメッセージが表示されます。[競合の解決] を選択すると、競合解決ツールが表示されます。
一度にひとつずつ解決できます。最後に同期したバージョンの設定は左側に、現在のワークスペースでの設定は右側に表示されます。どの競合もその性質によって色分けされて表示されます。
- 青色: 最新の同期バージョンと現在のワークスペースの間で変更されています。
- 赤色: 最新の同期バージョンの変更が現在のワークスペースに反映されていません。
- 緑色: 現在のワークスペースの変更が最新の同期バージョンに反映されていません。
競合ごとに最新同期バージョンの変更を無視するか、現在のワークスペースにコピーするかを判断します。[すべてを解決] を選択すると、最新同期バージョンの変更がすべて無視されます。すべての競合が解決したら、変更を保存します。他の競合についても、この手順を繰り返します。
現在のワークスペースでバージョンを作成するか公開すると、無視された最新同期バージョンの変更が現在のワークスペースの変更で上書きされます。
ワークスペース管理のおすすめの方法
変更の規模を小さくする: ワークスペースは、関連性が高く、同時に公開する予定の変更ごとに作成しましょう。たとえば、Google アナリティクスのページビュー タグを初めて導入するためにタグ、トリガー、変数を設定するワークスペースと、Google アナリティクスのイベント トラッキング タグを設定するワークスペースを別々に用意します。
ワークスペースを使用して共通の変更をグループ化する: Google アナリティクスと Floodlight のタグ設置をどちらも代理店に依頼している場合は、2 つ以上のワークスペースを使って設定を個別に保存します。これによりタグの公開の順序を管理できるため、バージョン履歴がわかりやすくなります。
ワークスペースを使用してチームを管理する: チームや人が違えば、ワークスペースを分けて作業するようにします。その上で 1 チームや 1 人でも変更内容が異なる場合は複数のワークスペースを使用しましょう。
一貫性のあるわかりやすい命名方法を使用する: コンテナを公開したりバージョンを保存したりするときは、変更内容がわかりやすいように [バージョン名] と [バージョンの説明] を入力します。次の例をご覧ください。
- バージョン名: 「GA ページビュー タグ初期リリース」
- 説明: 「example.com で Google アナリティクスのページビュー タグを公開」
ワークスペースを使用して構成をテストする: ワークスペースを使って、自分の作業内容を他の人がうっかり公開してしまうことなく変更をテストできます。ワークスペースをサンドボックスとして活用し、コンテナ構成の変更を試すことができます。ワークスペースを公開しないことにしたら、後で参照できるように保存しておくことも削除することもできます。