Google タグ マネージャーでは、トリガー設定によりイベントに応答してタグが配信されます。この記事では、リンクのクリック、他の要素のクリック、時間間隔、フォーム送信に応答してトリガーされるGoogle アナリティクス イベントタグの設定方法について説明します。
リンクのクリック
Google アナリティクスにクリック イベントに関する情報を送信するには、一般的に次の 2 つの方法があります。
- リンクの種類ごとに個別のトリガーとタグを使用する。
- 正規表現の 1 つのタグで、すべてのクリックデータを処理する。
ここでは、次のリンクと URL を設定したナビゲーション メニューがあるウェブページを例に説明します。
購入 | https://example.com/buy.html |
概要 | https://example.com/about.html |
連絡先 | https://example.com/contact.html |
個別のトリガーとタグを使用してクリックを測定する
この方法では、3 つのトリガーと 3 つのタグ(上の表の各項目に対して 1 つのトリガーとタグのペア)を作成する必要があります。
- Google アナリティクス ページビュー タグを追加します(まだ設定していない場合)。このタグはすべてのページで配信する必要があります。
- クリックされた URL データをタグ マネージャーで取得できるようにします。
- [変数] をクリックします。
- [組み込み変数] で [設定] をクリックします。
- [Click URL] のチェックボックスをオンにします。
- buy.html、contact.html、about.html のリンクのクリックをリッスンするトリガーをそれぞれ作成します。
- [トリガー] [新規] をクリックします。
- [トリガーの設定] [クリック - リンクのみ] の順にクリックします。
- 以下の設定をトリガー設定に追加します。
- タグの配信を待つ: 有効
- 待ち時間の上限: 2000(ミリ秒)
- 妥当性をチェック: 無効
- これらすべての条件が true の場合にこのトリガーを有効化: ページ URL 含む
/
- このトリガーの発生場所: 一部のリンククリック クリック URL 含む buy.html
- トリガーの名前として「トリガー - 購入のクリック」を指定し、トリガーを保存します。
- 「contact.html」と「about.html」について上記の手順を繰り返します。
- 各ページでクリックを測定する新しい Google アナリティクス タグを 3 つ作成します。
- [タグ] [新規] をクリックします。
- [タグの設定] [Google アナリティクス - ユニバーサル アナリティクス] をクリックします。
- [トラッキング タイプ] を [イベント] に設定します。
- [イベント トラッキング パラメータ] で次を入力します。
- カテゴリ: ナビ
- アクション: 選択
- ラベル: 購入
注: [ラベル] の値は、クリックの対象となる特定のリンクに対応したものにする必要があります(buy.html には「購入」、contact.html には「連絡先」、about.html には「概要」など)。 - タグ名: UA - イベント - 購入リンク
- 非インタラクション ヒット: False
- Google アナリティクスの設定: 既存の Google アナリティクスの設定変数を選択するか、新しい設定変数を作成します。
- [トリガー] をクリックして、手順 3 で作成した「トリガー - 購入のクリック」という名前のトリガーを選択します。
- タグに名前を付け、タグ設定を保存します。
- この手順を繰り返して、「連絡先」と「概要」のリンクのタグも作成します。ページの名前に沿ってラベル値を設定してください(例: buy.html には「購入」、contact.html には「連絡先」、about.html には「概要」など)。
- コンテナを公開します。
1 つのタグでクリックを測定する
正規表現を使用して適切なページで配信するトリガーと、[ラベル] 項目でタグ マネージャー変数を使用するタグをそれぞれ 1 つずつ設定すると、コンテナを簡略化できます。
- Google アナリティクス ページビュー タグを追加します(まだ設定していない場合)。このタグはすべてのページで配信する必要があります。
- クリックされた URL 値をタグ マネージャーで取得できるようにします。
- [変数] をクリックします。
- [組み込み変数] で [設定] をクリックします。
- [Click URL] 組み込み変数を選択します。
- 前出の表の各項目についてリンクのクリックを処理するトリガーを 1 つ作成します。
- [トリガー] [新規] をクリックします。
- [トリガーの設定] [クリック - リンクのみ] の順にクリックします。
- 以下の設定でトリガーを設定します。
- タグの配信を待つ: 有効
- 待ち時間の上限: 2000(ミリ秒)
- 妥当性をチェック: 無効
- これらすべての条件が true の場合にこのトリガーを有効化: ページ URL 含む
/
- このトリガーの発生場所: 一部のクリック クリック URL 正規表現に一致
contact\.html\buy\.html\about\.html
- トリガーの名前として「トリガー - ナビのクリック」を指定して保存します。
- すべてのクリックを処理するタグを 1 つ作成します。
- [タグ] [新規] をクリックします。
- [タグの設定] [Google アナリティクス - ユニバーサル アナリティクス] をクリックします。
- [トラッキング タイプ] を [イベント] に設定します。
- [イベント トラッキング パラメータ] で次を入力します。
- カテゴリ: ナビ
- アクション: 選択
- ラベル: {{Click URL}}
- [トリガー] をクリックして、手順 3 で作成した「トリガー - ナビのクリック」という名前のトリガーを選択します。
- タグを保存します。
- コンテナを公開します。
要素のクリック
リンク以外の要素のクリックを測定するには、この方法を使用します。この方法は、画像のクリック、<div>
要素、DOM からアクセス可能なページ上のその他のアイテムについて使用できます。ここでは、要素がすべての画像で、class
属性値に gallery
を設定し、それぞれの画像に固有の ID 属性値を使用している場合を例に説明します
この例では、上記の属性を使用して、class="gallery"
の画像タグで配信するトリガーを設定し、そのトリガーを使用してそれぞれの ID 値(たとえばGolden_Gate_Bridge
、Taj_Mahal
)を Google アナリティクスに送信するタグを配信します。
- Google アナリティクス ページビュー タグを追加します(まだ設定していない場合)。このタグはすべてのページで配信する必要があります。
- クリックされたクラスと ID の値をタグ マネージャーで取得できるようにします。
- [変数] をクリックします。
- [組み込み変数] で [設定] をクリックします。
- [Click Classes] と [Click ID] 組み込み変数を選択します。
- リンクに
gallery
というクラス属性値が含まれている場合に配信するトリガーを新しく作成します。- [トリガー] [新規] をクリックします。
- [トリガーの設定] [クリック - すべての要素] をクリックします。
- これらすべての条件が true の場合にこのトリガーを有効化: ページ URL 含む
/
- このトリガーの発生場所: 一部のクリック Click Classes 含む
gallery
- トリガーを保存し、表示される手順に沿って「トリガー - ギャラリー画像のクリック」という名前を指定します。
- クリックされた画像の ID 属性値を取得するタグを作成します。
- [タグ] [新規] をクリックします。
- [タグの設定] [ユニバーサル アナリティクス] をクリックします。
- [トラッキング タイプ] を [イベント] に設定します。
- [イベント トラッキング パラメータ] で次を入力します。
- カテゴリ: 画像ギャラリー
- アクション: クリック
- ラベル: {{Click ID}}
注: 中括弧は、テキスト項目とカスタムコードで、有効なタグ マネージャー変数名を、イベントから取得した関連値で置き換えるために使用されます。 - 非インタラクション ヒット: False
- Google アナリティクスの設定: 既存の Google アナリティクスの設定変数を選択するか、必要に応じて新しい設定変数を作成します。
- [トリガー] をクリックして、手順 3 で作成した「トリガー - ギャラリー画像のクリック」という名前のトリガーを選択します。
- このタグを「GA - イベントタグ - ギャラリー画像のクリック」という名前で保存します。
- コンテナを公開します。
時間間隔
ページでイベントが発生していないページ滞在時間を把握する必要がある場合は、時間間隔を測定します。ページ上でテキストを読んだり動画を再生したりしているユーザーも測定対象となる可能性があります。また、Google アナリティクスのセッションがデフォルトの 30 分でタイムアウトになる場合は、「キープアライブ イベント」を設定し、該当のアクティビティを 25 分ごとに送信すると効果的です。
時間間隔を測定するタグを設定する方法は次のとおりです。
- 基本的な Google アナリティクス ページビュー タグを追加します(まだ設定していない場合)。このタグはすべてのページで配信する必要があります。
- タイマーのトリガーを作成します。
- [トリガー] [新規] をクリックします。
- [トリガーの設定] [タイマー] をクリックします。
- 以下の設定をトリガー設定に追加します。
- イベント名: gtm.timer
- 頻度: 1500000(ミリ秒で計算)
- 制限: 5
- これらすべての条件が true の場合にこのトリガーを有効化: ページ URL 含む video.html
- このトリガーの発生場所: すべてのタイマー
- このトリガーを「トリガー - セッション タイマー」という名前で保存します。
- セッション タイマーのタグを作成します。
- [タグ] [新規] をクリックします。
- [タグの設定] [ユニバーサル アナリティクス] をクリックし、タグの設定に次の設定を追加します。
- トラッキング タイプ: 計時
- カスタム速度トラッキング パラメータ: 空白のままにするか、レポートでの必要に応じて値を追加します。
- [トリガー] をクリックして、手順 2 で作成した「トリガー - セッション タイマー」という名前のトリガーを選択します。
- コンテナを公開します。
フォーム送信
ウェブページがフォームを送信するたびにタグを配信する方法は次のとおりです。この例では、<form>
HTML タグに値が「contact_us
」の ID 属性が含まれていることを前提としています。
この ID を使用して、このフォームが送信された際にリッスンするトリガーを作成できます。
- 基本的な Google アナリティクス ページビュー タグを追加します(まだ設定していない場合)。このタグはすべてのページで配信する必要があります。
- フォームの ID をタグ マネージャーで取得できるようにします。
- [変数] をクリックします。
- [組み込み変数] で [設定] をクリックします。
- [Form ID] 組み込み変数を選択します。
- フォーム送信のトリガーを作成します。
- [トリガー] [新規] をクリックします。
- [トリガーの設定] [フォームの送信] をクリックします。
- 以下の設定をトリガー設定に追加します。
- タグ配信を待つ: 無効
- 妥当性をチェック: 有効化
- これらすべての条件が true の場合にこのトリガーを有効化: ページ URL 含む
/
- このトリガーの発生場所: 一部のフォーム フォーム ID 含む
contact_us
- このトリガーを「トリガー - マイフォーム送信」という名前で保存します。
- フォーム送信を測定するタグを作成します。
- [タグ] [新規] をクリックします。
- [タグの設定] [ユニバーサル アナリティクス] をクリックします。
- [トラッキング タイプ] を [イベント] に設定します。
- [イベント トラッキング パラメータ] で次を入力します。
- カテゴリ: フォーム
- アクション: 送信
- ラベル: 見込み顧客の発掘 - {{Form ID}}
注: 中括弧は、テキスト項目とカスタムコードで、有効なタグ マネージャー変数名を、イベントから取得した関連値で置き換えるために使用されます。
- 非インタラクション ヒット: False
- Google アナリティクスの設定: 既存の Google アナリティクスの設定変数を選択するか、新しい設定変数を作成します。
- [トリガー] をクリックして、手順 3 で作成した「トリガー - マイフォーム送信」という名前のトリガーを選択します。
- このタグを「GA - イベントタグ - フォーム送信」という名前で保存します。
- コンテナを公開します。