消費者が求めるもの、またそれを検索する方法は常に変化しています。実際に、毎日発生する何十億件もの検索語句のうち 15% は、それまでになかった新しいものです1。成果目標を達成しながら、これらの新しく関連性の高い検索にリーチできるよう、インテント マッチとスマート自動入札を併用することをおすすめします。平均すると、完全一致キーワードをインテント マッチに切り替えた広告主様は、コンバージョン数の増加2、およびコンバージョン値の改善3に成功しています。
この 1 年間 Google では、インテント マッチの関連性の改善、インテント マッチへの切り替えに関する新しい提案のほか、キーワードのマッチタイプをより予測可能にするための改良を行ってまいりました。それにより、この戦略でこれまで以上に成果を引き出していただけるようになっています。一方で、検索と一致するキーワードをより細かく管理したいというご意見も寄せられています。こうしたフィードバックに基づき、今後も検索意向の把握の強化やキーワードの一致における予測精度の向上などについて、新たな改善を行ってまいります。
言語と検索意向をより深く把握する
検索ごとに意図を理解するのは、特にそれが複雑で長い検索語句であると、難しい場合があります。2019 年以降、Google のリサーチチームは、言語、検索語句、検索意向の解釈の方法を大幅に改善しました。現在キーワードに対して同じ技術が用いられ、広告主様の商品やサービスを求めているより多くのユーザーにリーチできるようになりました。
インテント マッチ キーワードはさまざまな検索語句に一致する可能性があるため、この技術は特にインテント マッチの検索に適しています。たとえば、「1995年製 5速トランスミッション シール 入力シャフト」のような具体的な検索語句は、インテント マッチ キーワード「自動車部品」と一致するようになります。新しい技術では、たとえ検索語句のうち 1 つもキーワードにマッチしていなくても、関連性があることを把握できるからです。つまり、インテント マッチ キーワードでは、少ないキーワードで、より関連性が高く成果の高いトラフィックが見つかるようになります。
キーワードの一致における予測精度の向上
複数のキーワードが検索に一致することもあります。その場合、関連性が低いと見なされたキーワードと検索が一致し、ユーザーに適切なエクスペリエンスを提供することが難しくなります。このようなことが起きたとき、最も関連性の高いキーワードが選択されるように、次のような改善を行いました。
検索がキーワードの 1 つと同一の場合
Google は今年初め、完全一致キーワードは一致条件を満たしている限り、常に他のマッチタイプよりも優先されるようになったことを発表しました4。今後、フレーズ一致キーワードとインテント マッチ キーワードにも同じ動作が適用されます。
たとえば、ユーザーが「近くの寿司屋 出前」を検索したとき、インテント マッチ キーワードで「寿司屋 出前」と「近くの寿司屋 出前」が指定されているとします。今回の更新以前は、どちらのキーワードも広告表示の対象となっていましたが、今後は、検索語句と同一のキーワード「近くの寿司屋 出前」が優先されます。なお、検索語句と同一の完全一致キーワードがある場合は、引き続きフレーズ一致キーワードとインテント マッチ キーワードよりも優先されます。
検索がどのキーワードとも同一ではない場合
検索語句と一致する可能性のあるキーワードが複数あっても、それらが検索語句と同一でなかった場合、以前は広告ランクによりどのキーワードが使用されるかが決まっていました。現在はキーワードが選定される際に、広告ランクに加え、関連性を示すシグナルも考慮されます。関連性は、検索語句の意味、広告グループ内のすべてのキーワードの意味、広告グループ内のランディング ページを確認して算出されます。仕組みは次のとおりです。
対象となるキーワード |
キーワードが選定される仕組み |
複数のインテント マッチ キーワード |
最も関連性の高い広告グループから関連性が高いインテント マッチ キーワードのみが考慮されます。その後、関連性の近いインテント マッチ キーワードの候補からどのキーワードを選定するかを決定する際に、広告ランクが使用されます。 |
インテント マッチ キーワードが 1 つと、完全一致キーワードまたはフレーズ一致キーワードが 1 つ |
これらのインテント マッチ キーワードより関連性が高いと思われる完全一致キーワードまたはフレーズ一致キーワードがある場合は、その完全一致キーワードまたはフレーズ一致キーワードが選定されます。 完全一致キーワードまたはフレーズ一致キーワードが、これらのインテント マッチ キーワードに対し関連性が近いまたは低いと思われる場合でも、広告ランクが高ければそれらが選定される可能性があります。 |
複数の完全一致キーワードまたはフレーズ一致キーワード |
キーワード候補に完全一致キーワードかフレーズ一致キーワード、またはその両方が複数あり、インテント マッチ キーワードがない場合は、広告ランクの高いキーワードが選定されます。 |
前述の例で、たとえばユーザーが「近くの寿司屋 出前 早い」を検索したとき、フレーズ一致キーワードで「寿司屋 出前 迅速」、インテント マッチ キーワードで「料理の宅配」が指定されているとします。この場合、インテント マッチ キーワードより広告ランクが低くても、関連性が高いフレーズ一致キーワードが選定されます。
これらのルールが適用されることにより、最も関連性の高いキーワードが常に優先されるため、より簡単にインテント マッチを使用できるとともに、ご自身で常に管理することができます。マッチングの際のキーワード間の優先順位について詳しくは、Google 広告ヘルプセンターをご覧ください。今後は、広告グループをテーマ別に分けるようにし、それらに沿ってキーワードをグループ化することをおすすめします。そうすることで、想定どおりの広告グループから広告が配信されるようになります。たとえば、広告主様が料理の宅配サービスを提供しており、一番人気がある検索カテゴリは「寿司」と「ピザの宅配」だとします。この場合、クリエイティブとランディング ページをそれぞれカスタマイズできるよう、「寿司の宅配」、「ピザの宅配」、「料理の宅配」の 3 つの広告グループを用意することをおすすめします。
こうした改善により、特にインテント マッチを使用する際に、どのキーワードを検索と一致させるかをコントロールしやすくなります。また、個々の検索に対して最も関連性の高いキーワードが優先され、アカウント内でのトラフィック状況を把握するための手間を省けるため、アカウント管理の煩雑さが軽減されます。スマート自動入札とインテント マッチを併用する際は、複数のマッチタイプで同じキーワードを使用するメリットはなくなる点にご注意ください。インテント マッチではすでに同じ検索語句が含まれているとともに、リアルタイムの入札単価最適化で成果を高めることができます。
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e コマース小売業者の SelectBlinds は、これまでブランド関連以外のキーワードに対する完全一致を使用していました。同社では商品の購入サイクルが長いため、早い段階で需要を創出し、コンバージョンにつなげておく必要がありました。それらの目的を達成するために、「目標広告費用対効果」入札戦略と組み合わせてインテント マッチを導入し、幅広いユーザーへのリーチ拡大と掲載結果の向上を実現した結果、収益が前年比で 33% 増加しました。 |
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ファッション小売業の Mey & Edlich は、検索キャンペーンで効率的に収益を増やしたいと考えていました。それに際して同社が注目したのが、自動化でした。スマート自動入札とレスポンシブ検索広告で成功を収めた後、試験的にインテント マッチを導入して、より関連性の高い検索に対して広告が表示されるようにしました。こうした手法の組み合わせにより、適切なメッセージを使って適切な入札単価でより多くのユーザーにリーチできるようになり、同社の広告費用対効果は 24% 向上し、収益は 204% 増加しました。 |
まずは [最適化案] ページをご確認ください。下書きとテストを使って、簡単にこの戦略のテストを実施していただけます。スマート自動入札をご利用のお客様については、インテント マッチに切り替えることで掲載結果の改善が見込める既存のキーワードをご確認いただけます。
Posted by Walter Vulej - Google 広告担当プロダクト マネージャー
1. Google データ、2019 年 7月
2. 目標コンバージョン単価キャンペーンで、完全一致キーワードをインテント マッチに切り替えた広告主様は、コンバージョンが 35% 増加しています(Google 内部データ、2021 年 7 月)。
3. 目標広告費用対効果キャンペーンで、完全一致キーワードをインテント マッチに切り替えた広告主様は、コンバージョン値が 20% 改善しています(Google 内部データ、2021 年 7 月)。
4. 検索語句にスペルミスがあっても完全一致として認識可能です。一致条件を満たさないケースとしては、予算による制約、「検索ボリュームが少ない」判定、クリエイティブの不承認、他の条件(例: デバイス、地域)の不一致などが考えられます。