Chrome の更新を管理する(Windows)
Chrome ブラウザで管理対象のアカウントにログインしている Windows ユーザーに適用されます。
Microsoft® Windows® の管理者は、Google アップデータを使用してユーザーの Chrome ブラウザと Chrome アプリの更新方法を管理できます。Google アップデータの設定には、グループ ポリシー管理エディタを使用します。
ここでは一般的なタスクの具体的な手順と、すべての Google アップデータのポリシーについて説明します。
手順 1: Google アップデータをインストールする
管理用テンプレートを使用して、Google アップデータのポリシーのインストールと定義を行います。ご利用の Microsoft® Windows® ネットワークに適した Google アップデータ ポリシー テンプレートをダウンロードしてください。
Microsoft Windows XP®:
- 管理用テンプレート(ADM)をダウンロードします。
- GoogleUpdate.adm ファイルをコピーしてポリシー定義フォルダに配置します(C:\Windows\PolicyDefinitions など)。
- グループ ポリシーを開いて [コンピューターの構成]
[ポリシー]
[管理用テンプレート]
[Google]
[Google Update] に移動し、テンプレートが正しく読み込まれていることを確認します。
Microsoft Windows Vista® 以降:
- XML ベースの管理用テンプレート(ADMX)をダウンロードして解凍します。
- GoogleUpdateAdmx フォルダを開きます。
- google.admx と GoogleUpdate.admx をコピーしてポリシー定義フォルダに配置します(C:\Windows\PolicyDefinitions など)。
- GoogleUpdateAdmx/en-US フォルダの google.adml ファイルと GoogleUpdate.adml ファイルをコピーし、ポリシー定義フォルダ en-US に配置します(C:\Windows\PolicyDefinitions\en-US など)。
- グループ ポリシーを開いて [コンピューターの構成]
[ポリシー]
[管理用テンプレート]
[Google]
[Google Update] に移動し、テンプレートが正しく読み込まれていることを確認します。
手順 2: 自動更新を設定する
Chrome ブラウザと Google アップデータで管理されるすべてのアプリが対象です。
グループ ポリシーを使用する
重要なセキュリティ修正と新機能がユーザーのパソコンに反映されるように、自動更新は有効のままにしておくことをおすすめします。
グループ ポリシーの [コンピューターの構成] または [ユーザーの構成] フォルダで、次のように操作します。
- [Google]
[Google Update]
[Applications] に移動します。
- [Update policy override default] ポリシーを有効にします。
- [オプション] で [Always Allow Updates (recommended)] を選択します。
- [Google]
[Google Update]
[Applications]
[Google Chrome] に移動し、手順 2 と 3 を繰り返して Chrome ブラウザにも常に自動更新を許可します。
特定のアプリのフォルダで [Update policy override] ポリシーを使用すれば、個々のアプリに対する設定をオーバーライドすることもできます。
Chrome ブラウザのリリースが原因で、組織で問題が発生する場合は、問題が解決するまで自動更新をオフにすることができます。組織で Chrome ブラウザの更新を手動でプッシュする場合も、自動更新を無効にすることができます。
ブラウザの更新を管理する
グループ ポリシーの [コンピューターの構成] または [ユーザーの構成] フォルダで、次のように操作します。
- [Google]
[Google Update]
[Applications]
[Google Chrome] に移動します。
- [Update policy override] を有効にします。
- [オプション] で [Updates disabled] を選択します。
Chrome ブラウザの自動更新を無効にしたら、ユーザーのパソコンでも無効になっていることを確認します。
- 各ユーザーのパソコンで Chrome ブラウザを開き、上部にあるその他アイコン
[設定] をクリックします。
- 左側のメニュー アイコン
[Chrome について] をクリックします。
更新が管理者によって無効にされているというメッセージが表示されます。
Chrome ブラウザ コンポーネントにのみ適用されます
Chrome ブラウザの自動更新をオフにした場合でも、Adobe® フラッシュ®、Widevine DRM(暗号化されたメディア用)、Chrome アップデート ツール復元コンポーネントなどのブラウザ コンポーネントの更新が自動で停止することはありません。これらのコンポーネントの更新を停止するには、Chrome の ComponentUpdatesEnabled ポリシーを無効にします。
- グループ ポリシーの [コンピューターの構成] または [ユーザーの構成] フォルダで、[Google]
[Google Chrome] に移動します。
- [Enables component updates in Google Chrome] を無効にします。
- [適用] をクリックします。
注: このポリシーは、すべてのコンポーネントに適用されるわけではありません。対象外となるコンポーネントの一覧については、ComponentUpdatesEnabled をご覧ください。
手順 3: 自動更新をカスタマイズする
Chrome ブラウザと Google アップデータで管理されるすべてのアプリが対象です。
仕事が立て込む頃など特定の時間帯に自動更新が行われないようにすることができます。
グループ ポリシーを使用する
グループ ポリシーの [コンピューターの構成] または [ユーザーの構成] フォルダで、次のように操作します。
- [Google]
[Google Update]
[Preferences] に移動します。
- [Time period in each day to suppress auto-update check] を有効にします。
- [オプション] で、[Hour]、[Min]、[Duration] の値を設定して、Google アップデータによる更新の確認を行わない時間帯を指定します。
注: [Duration] のみ入力が必須です。少なくとも 1 を入力する必要があります。
Chrome ブラウザの更新にのみ適用されます。
Windows パソコンが Chrome ブラウザの特定のバージョンを更新しないようにすることができます。
グループ ポリシーを使用する
グループ ポリシーの [コンピューターの構成] または [ユーザーの構成] フォルダで、次のように操作します。
- [Google]
[Google Update]
[Applications]
[Google Chrome] に移動します。
- [Target Version Prefix Override] を有効にします。
- [オプション] で、ユーザーに固定する Chrome ブラウザのリリース番号を入力します。たとえば、Chrome ブラウザがバージョン 63 から更新されないようにするには、「63」と入力します。
注: 段階的バージョン(63.12.4385 など)も指定できます。
Chrome ブラウザと Google アップデータで管理されるすべてのアプリが対象です。
自動更新を遅らせることで、ピーク時のネットワーク帯域幅の使用を抑えることができます。ただし、更新に使用される帯域幅の合計を最小限に抑えるには、更新を遅らせないことをおすすめします。
グループ ポリシーを使用する
グループ ポリシーの [コンピューターの構成] または [ユーザーの構成] フォルダで、次のように操作します。
- [Google]
[Google Update]
[Preferences] に移動します。
- [Auto-update check period override] を有効にします。
- [オプション] の [Minutes between update checks] ボックスに 60~43,200 の値を入力して、次の更新を何分後に行うかを指定します。
Google アップデータのすべてのポリシーを確認する
Google アップデータのデフォルトの動作を制御するには、Preferences のポリシーを使用します。
グループ ポリシーを使用する
グループ ポリシーの [コンピューターの構成] または [ユーザーの構成] フォルダで、次のように操作します。
- [Google]
[Google Update]
[Preferences] に移動します。
- 目的のポリシーを有効にして、グループ ポリシーに表示されているすべてのアプリを対象とするオプションを設定します。下の例をご覧ください。
注: 競合するポリシーがアプリレベルで設定された場合、これらのポリシーはオーバーライドされます。
ポリシー | 説明 |
---|---|
Auto-update check period override(自動更新チェック間隔のオーバーライド) | Google アップデータ バージョン 1.2.145.5 で利用できます。 自動更新チェックを行う最小間隔(分)。このポリシーが有効な場合、デフォルトの間隔ではなく指定した間隔が使用されます。指定できる値は 60~43,200 分です。 無効にするのは一部の自動更新チェックにとどめることをおすすめします。すべてを無効にすると、Windows レジストリで UpdatedDefault の値がゼロ(0)に設定されます。すべてのチェックを無効にした場合、Google アップデータを使用するアプリは自動更新されなくなります。また、手動更新機能のないアプリは更新できません。特定のアプリを更新しないようにするには、自動更新チェックをオフにするのではなく、そのアプリに [Update policy override] ポリシーを使用してください(詳しくは下記をご覧ください)。 |
Download URL class override(ダウンロード URL クラスのオーバーライド) | Google アップデータ バージョン 1.3.26.1 で利用できます。 更新サーバーに対し、更新応答で返される更新ペイロード URL に関する情報を提供します。現在のところ、選択できるのは cacheable のみです。 このポリシーを有効にした場合、下流のプロキシや類似のコンテンツ キャッシュ ソリューションでキャッシュ可能なペイロードがサーバーの応答で返される可能性があります。サーバーでは、負荷やその他の理由でこのポリシーが無視されることがあります。デフォルトでは、ほとんどの場合に更新ペイロードはキャッシュできません。通常、Chrome を一般ユーザーが使用する場合は問題になりませんが、一部の企業環境では問題となる可能性があります。 |
Time period in each day to suppress auto-update check(特定の時間帯に自動更新チェックを行わない) | Google アップデータ バージョン 1.3.33.6 で利用できます。 この設定を有効にすると、毎日の更新チェックは [Hour] 時 [Minute] 分から [Duration] 分間行われません。 [Duration] では夏時間が考慮されません。たとえば、開始時間が 22:00 で、継続時間([Duration])が 480 分の場合、その間に夏時間と標準時間の切り替えが発生するかどうかにかかわらず更新は 8 時間行われません。 |
Google アプリのみが対象です。
一部の Google アプリに対する Google アップデータの動作を管理するには、アプリのポリシーを使用します。デフォルトのポリシーは、アプリケーションごとのポリシーによってオーバーライドされます。
デフォルトのアプリポリシーを変更する
- グループ ポリシーで [Google]
[Google Update]
[Applications] に移動します。
- すべてのアプリを対象とするポリシー オプションを開いて有効にし、値を設定します(詳しくは下記をご覧ください)。
ポリシー | 説明 |
---|---|
Allow installation default(インストール許可のデフォルト) | Google アップデータ バージョン 1.2.145.5 で利用できます。 Google アプリを Google アップデータでインストールするかどうか、デフォルトの動作を指定します。このポリシーは、Google アップデータまたは Google インストーラを使用するインストールのみに適用されます。Google アップデータを使用しない Google アプリのユーザーによるインストールを禁止することはできません。注: このポリシーは個々のアプリのインストール許可ポリシーによるオーバーライドが可能です。 |
Update policy override default(更新ポリシーのオーバーライドのデフォルト) | Google アップデータ バージョン 1.2.145.5 で利用できます。 Google が提供するソフトウェア アップデートに対するデフォルトのポリシーを指定します。
Google アップデータに対する更新はこの設定による影響を受けず、継続的に更新されます。 |
特定のアプリポリシーを変更する
グループ ポリシーの Applications フォルダには、Google アップデータを使用するすべての Google アプリが表示されます。ここで特定のアプリにポリシーを設定できます。
- グループ ポリシーで [Google]
[Google Update]
[Applications]
[[アプリ名]] に移動します。
- 変更するポリシーを有効にします(詳しくは下記をご覧ください)。
ポリシー | 説明 |
---|---|
Allow installation(インストールを許可) | Google アップデータ バージョン 1.2.145.5 で利用できます。 特定のアプリを Google アップデータでインストールするかどうかを指定します。 |
Target version prefix override(対象となるバージョン プレフィックスのオーバーライド) | Google アップデータ バージョン 1.3.33.5 で利用できます。 更新を適用する Google Chrome のバージョンを指定します。このポリシーが有効になっている場合、アプリはこのポリシーの値で始まるバージョンに更新されます。たとえば、55、55.24、55.24.34 はどれも有効な値です。55 と入力すると、Google アップデータでは、56 の最初のバージョンがリリースされるまで、リリースされた更新を継続的に取得します。他の値も同じように扱われます。 |
Update policy override(更新ポリシーのオーバーライド) | Google アップデータ バージョン 1.2.145.5 で利用できます。 特定のアプリの利用可能な更新を Google アップデータで処理する方法を指定します。
|
トラブルシューティング
Google の自動更新に問題がある場合は、ログを収集して問題のトラブルシューティングを行います。Google アップデータ ログを生成するには:
- Windows パソコンで、GoogleUpdate.ini という名前のテキスト ファイルを作成します。
- 作成したファイルをドライブのルート(C:\)に保存します。
- 次の内容を入力します。
[LoggingLevel]
LC_UTIL=6
LC_SERVICE=6
LC_CORE=6
LC_NET=6
LC_OPT=6
[LoggingSettings]
EnableLogging=1
ShowTime=1
LogToFile=1
AppendToFile=1
LogToStdOut=1
LogToOutputDebug=1
LogFilePath=GoogleUpdate.log
- パソコンを再起動して Chrome ブラウザを開きます。
- ブラウザで chrome://chrome に移動して更新を試みます。
C:\ProgramData\Google\Update\Log\GoogleUpdate.log に、更新の試みに関する詳細情報が記載されたログファイルがあります。一般的なログエントリについては、下記をご覧ください。
[Ignoring group policy][machine is not part of a domain] - Google アップデータでは、このパソコンが Windows ドメイン コントローラに参加していることを確認できません。ドメインに参加しているパソコンにのみ、グループ ポリシーまたはレジストリによって設定されたポリシー(自動更新を無効にするなど)が適用されます。
[Send][url=https://tools.google.com/service/update2][request=>?xml... - Google アップデータは Google のサーバーに、利用可能な更新の有無を確認するリクエストを送信しました。リクエストには、現在のアプリのバージョンやプラットフォームなどの詳細が含まれており、Google のサーバーは、この詳細に応じた適切な更新を返信します。
[Send response received][result 0x0][status code 200][<?xml... ...status="noupdate"... - 更新チェックは成功しましたが、Google のサーバーには、クライアントのリクエストに合致する更新がありません。
[Send response received][result 0x0][status code 200][<?xml... ...<url codebase="... - 更新チェックが成功し、Google のサーバーからはアプリの更新バージョンが推奨されました。応答には、クライアントが更新バイナリのダウンロードに使用できる複数の URL と、更新されたバージョン番号が記載されています。
よくある質問
Chrome ブラウザでは、更新をチェックしてダウンロードする際に複数の URL にリクエストを送信します。リクエストの順序は実行時に動的に決定されます。HTTP プロトコルと HTTPS プロトコルの両方が試行されることもあります。ホスト名とパスの URL リストは次のとおりですが、予告なく変更されることがあります。
- www.google.com/dl/*
- dl.google.com/*
- google.com/dl/*
- *.gvt1.com
- tools.google.com/service/update2
- clients2.google.com
- update.googleapis.com/service/update2
- clients4.google.com
注: Chrome ブラウザをキャッシュに保存して組織全体のパソコンにダウンロードすることは正式にはサポートされていませんが、リストの最初の 2 つの HTTP URL を利用することで組織向けの更新ファイルをキャッシュできます。
最初の Chrome ブラウザのインストールは約 50 MB です。その後のバージョンへの更新は 10~15 MB 程度です。パッチの更新は通常 3~5 MB です。連続していないメジャー バージョンへの更新の場合は、通常、インストールを最初からやり直す必要があります。
自動更新をオンにすると、Google アップデータにより 5 時間ごとに最新の更新が確認されます。Windows パソコンを多数使用する大規模な組織では、この 5 時間の中でタイミングをずらして更新が行われます。