ダイナミック広告挿入(DAI)について

ダイナミック広告挿入(DAI)とは、ライブリニア編成やビデオ オンデマンド コンテンツに動画広告を配信するためのサーバーサイドの動画広告技術です。DAI では、ウェブページやアプリに依存することなく動画コンテンツと広告が単一のストリームに合成されるので、SDK では広告をリクエストしてレスポンスを受け取る処理が不要になります。これにより、クライアント サイドのエラーが起きにくくなると同時に、遅延やバッファなしでつなげられたコンテンツと広告がテレビのように滑らかに再生されます。

DAI を使用すると、ライブリニアビデオ オンデマンドの編成用に個々の広告をターゲティングできます。また、幅広いデバイスがサポートされているため、マルチスクリーン リーチが可能です。さらに、動画向け Ad Exchange を通じて、あらゆるデバイスでプログラマティック収益化を活用できます。コンテンツの元のフォーマットにかかわらず、一度デジタル化されると、DAI は、コンテンツを表示している各ユーザーに応じて、カスタム ターゲティング動画広告をストリームに合成できます。

DAI のワークフローと従来型の動画広告配信の相違点

従来型(非 DAI)動画広告

  1. ウェブページまたはアプリの動画プレーヤーで SDK が読み込まれます。
  2. SDK で、広告サーバーにリクエストが行われ、VAST レスポンスが受信されます。
  3. SDK で VAST レスポンスが解析されます。
  4. SDK でインライン動画クリエイティブ(と必要であればコンパニオン)が取得されます。
  5. 動画プレーヤーで広告が再生されます。
  6. SDK によりインプレッション ピクセルが読み込まれます。
  7. 広告が表示された後、動画プレーヤーで CDN からコンテンツが取得され、再生されます。

広告を表示する必要があるたびに、ステップ 2~7 が繰り返されます。

ダイナミック広告挿入

  1. ウェブページまたはアプリで IMA SDK が読み込まれます。
  2. IMA SDK からアド マネージャー DAI クラウド サービスにコンテンツがリクエストされます。
  3. クラウド サービスから、単一のストリームに合成された広告とコンテンツが返されます。
  4. 動画プレーヤーでストリームが再生されます。
  5. IMA SDK によりインプレッション ピクセルが読み込まれます。

DAI における従来の動画機能のサポート

一般的な動画機能の大半は、DAI でも、表示されるプラットフォームに応じてサポートされています。一部のプラットフォームでサポートされない可能性のある動画機能や、DAI 広告枠に配信する際に必要となる可能性のある追加ターゲティングの詳細について、以下に示します。

機能 サポート状況 詳細
クリック可能広告 場合によって異なる HTML5(パソコン)、iOS、Android の IMA SDK を使用しているブラウザであれば、クリック可能広告を実行できます。他のプラットフォームはすべて、この機能をサポートしていません。
コンパニオン広告 場合によって異なる IMA SDK を使用している HTML5 ブラウザであれば、コンパニオン広告を実行できます。それ以外のプラットフォームでは、この機能はサポートされていません。詳細
視認性 場合によって異なる iOS や Android で、それぞれ対応する IMA SDK を使用している場合は、視認性のレポート指標をトラッキングできます。他の OTT プラットフォームはすべて、動画ページで上下にスクロールできないため、この機能をサポートしていません。

IMA SDK を利用できないため DAI API を使用しているプラットフォームの場合は、視認性トラッキング用に Open Measurement Interface Definition(OMID)を実装できます。ただし、OMID は現在のところ MRC の認定を受けていません。

VPAID 広告とスキップ可能広告 非対応 VPAID 広告とスキップ可能な広告は、トランスコードできない広告フォーマットであるため、アド マネージャー DAI ではサポートされていません。最高品質のアダプティブ ビットレート(ABR)を実現できるように、コンテンツと広告の両方をさまざまな HLS バリエーションにトランスコードする必要があります。

DAI 広告枠を設定する際は、VAST クリエイティブのみの配信を許可して、ターゲットに設定してください。これは、動画クリエイティブ プロファイルを使用すると簡単に実現できます。


VPAID クリエイティブやスキップ可能クリエイティブは対象として選択されていても配信されないため、収益化機会を充足できないことになります。
動画の代替 非対応 動画の代替機能は、標準動画キャンペーンを配信する際に、インプレッションの機会を収益化できないリスクを軽減できるため役に立ちます。しかし、DAI キャンペーンではこの機能はサポートされていません。そのため、ターゲティングされている対象クリエイティブが VAST 動画広告だけであることが極めて重要になります。
スパムの検出 場合によって異なる IMA SDK では、高度なスパムシグナルの収集と処理が可能です。一方、DAI API では、サーバーサイドのスパム検出機能のみが使用されます。

DAI の追加要件

アド マネージャーは、多様な広告枠に動画広告を配信するさまざまな方法をサポートしていますが、DAI の場合、プレミアム コンテンツだけがプレミアム動画広告に合致するよう、要件が追加されます。

  • すべての動画広告がトランスコードできる必要がある

    トランスコードは、1 つの広告フォーマットを選択して他のフォーマットに変換する方法です。ライブリニア DAI の場合、広告をリニア フォーマットで開始し、デジタル フォーマットにトランスコードすることができます。トランスコードされた広告は、別のアダプティブ ビットレート(ABR)にフォーマットして、その広告内に圧縮されたピクセル数を増減させることができます。ピクセル数が多ければ多いほど、広告の品質も高まります。

    トランスコード可能な広告だけが、アド マネージャー DAI を通じてサポートされます。

  • すべての動画広告が VAST に準拠している必要がある

    IAB の VAST(Video Ad Serving Template)は、動画プレーヤーとサーバー間の通信を標準化するための動画フォーマットで、あらゆる種類の公開プラットフォームでトラフィックを促進します。DAI で使用する動画広告はすべて、VAST に準拠している必要があります。

  • DAI 広告枠向けに固有の広告ユニットを設定する

    DAI ネットワークを作成する際は、必ず DAI 固有の広告ユニットを設定してください。これにより、DAI キャンペーン配信のトラッキングやレポートが可能になり、準拠していない動画広告が DAI 広告枠のターゲットになることを防ぎ、入稿エラーを削減できます。

  • 動画広告の取り込み

    ライブリニアやビデオ オンデマンド向けの DAI キャンペーンを設定するにあたっては、まずアド マネージャー DAI CDN に動画広告コンテンツを取り込むかアップロードする必要があります。アド マネージャー DAI CDN で、動画広告コンテンツは必要な HLS バリエーションにトランスコードされます。

    音声の正規化

    動画広告コンテンツの取り込みとトランスコードが行われる際、アド マネージャーでは広告コンテンツの音の大きさが確認され、放送業界(ATSC または EBU)の標準レベルに正規化されます。*

    正規化処理中にエラーが発生しても、広告コンテンツはアド マネージャーによってそのままエンコードされ、正規化されていない状態で配信されます。音声の正規化エラーが原因でクリエイティブが不承認となることはありません。

    * アド マネージャーで AAC(ステレオ)コーデックのコンテンツの取り込みとトランスコードが行われる場合が対象です。

    配信前に取り込みとトランスコードが行われていなかった場合は、最初の収益化対象のインプレッションが発生したときに取り込みとトランスコードが行われます。DAI キャンペーンにはテストを行い、すべての動画広告が配信対象でトランスコードされているか、ライブ キャンペーンに配信できる状態になっているかを確認してください。

    テスト キャンペーンを設定する

    実際のキャンペーンを開始する前に、広告が配信対象でコンテンツの取り込みが行われることを確認するために、次の手順を行います。

    1. 直接販売キャンペーンを予約し、テストする

      すべての DAI 広告申込情報を予約し、DAI 固有の広告枠をターゲットに設定します。

      直接購入に VAST リダイレクトがある場合、広告主と連携して、第三者広告サーバーを予約し、VAST 専用動画広告でターゲティングするようにします。

    2. プログラマティック購入を予約し、テストする

      Ad Exchange 広告申込情報などのすべてのプログラマティック購入を予約し、DAI 固有の広告枠をターゲットに設定します。

      プログラマティック広告申込情報に VAST リダイレクトがある場合、広告ルールを設定して、VAST 動画広告だけを配信するようにします。トランスコード不可能な動画広告(たとえば、VPAID)が対象となっていても、配信されません。

    3. ターゲティング パラメータを使ってストリームをリクエストするスクリプトを記述する

      キャンペーン用の DAI 対応コンテンツをすべて再生し、広告のリクエストに適用可能なターゲティング パラメータがすべて指定されているか確認します(たとえば、Key-Value や DAI 固有の広告ユニットなど)。広告リクエストが行われると、アド マネージャーは、広告取り込みプロセスをトリガーします。

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