ダイナミック アロケーションでは、すべての非保証型のデマンド(公開オークション、Open Bidding、空き枠広告申込情報)を保証型デマンドとリアルタイムで競合させることができます。競合はインプレッションごとに行われ、保証型デマンドの配信や収益にマイナスの影響を与えることはありません。
ダイナミック アロケーションの仕組み
保証型の(標準またはスポンサーシップ)広告申込情報がインプレッションの配信対象である場合、公開オークションまたは空き枠の広告申込情報との競合は次のようになります。
- 保証型広告申込情報は、アド マネージャーで自動的に計算される一時 CPM または「機会費用」を使用して競合します。
- 公開オークションまたは空き枠の広告申込情報は、保証型広告申込情報が配信されない場合の機会費用より高い収益が得られると判断されれば配信されます。
- ダイナミック アロケーションによって設定された一時 CPM を使用すると、保証型広告申込情報の配信不足を招くことなく、公開オークションと空き枠の広告申込情報からの収益を最大限に高めることができます。
Ad Exchange の広告申込情報と競合するのが空き枠の広告申込情報のみの場合、Ad Exchange の広告申込情報は、絶対値目標または割合目標のまだ目標を達成していない空き枠の広告申込情報のうち、CPM が最も高いものとリアルタイムで競合します。
詳しくは、配信する広告の決定方法をご覧ください。
ダイナミック アロケーションに対応しているサービス
ダイナミック アロケーションを使用してアド マネージャー ネットワークに広告を配信できる Google サービスは次のとおりです。
- Ad Exchange(および有効になっている場合は Open Bidding)1: 数多くの大規模な第三者広告購入者(Google 広告やリアルタイムの入札取引に参加するその他の購入者)からの需要を見込むことができます。優先取引やプライベート オークションも対象となる場合があります。
- AdSense: 制御できる項目が少ないので、管理が比較的簡単です。数多くの大規模な第三者広告購入者(Google 広告やリアルタイムの入札取引に参加するその他の購入者)からの需要を見込むことができます。
ダイナミック アロケーションの詳しい仕組み
ダイナミック アロケーションでは、一時 CPM を自動的に調整して、保証型広告申込情報の配信を保護します。つまり、配信が予定より遅れている保証型広告申込情報は、目標やペース設定を維持するため、選択される機会が増えます。一時 CPM が高すぎる場合、アド マネージャーから Ad Exchange への呼び出しは行われません。「競合インプレッション数」がレポートの「配信可能なインプレッション数」より少なくなる場合があるのはこのためです。
Ad Exchange の広告は CPM を基準として空き枠広告申込情報と競合するため、ダイナミック アロケーションのプロセスによって、パブリッシャーはデマンドソースに関係なく最大限の収益を得ることができます。
保証型広告申込情報と、価格が十分高い空き枠広告申込情報または Ad Exchange 広告の競合を許可すると、アド マネージャーの効率を最大限に高めることができます。静的アロケーションまたは「ウォーターフォール」方式と比べて、パブリッシャーの収益と広告主の価値も向上します。
アクション単価(CPA)レートが設定された空き枠広告申込情報は、レートが 0 円の自社広告申込情報と同様に扱われ、ダイナミック アロケーションを介した価格競合は行われません。広告申込情報の種類と優先度について
この記事で取り上げる広告申込情報の種類とその動作は次のとおりです。
- 配信目標のある広告申込情報: 絶対値によるインプレッションまたはクリックの配信目標、あるいは割合による配信目標が指定された広告申込情報です。これには、スポンサーシップ、標準、ネットワーク、バルク、自社広告の広告申込情報タイプが含まれます。
- 配信目標のない広告申込情報: CPM に基づいて競合する、配信目標が指定されていない(配信目標が無制限の)広告申込情報です。これには、価格優先、Ad Exchange、AdSense の広告申込情報タイプが含まれます。
- 保証型の広告申込情報: 優先度が 1~10 の範囲のスポンサーシップと標準の広告申込情報です。
- 空き枠広告申込情報: 優先度が 12 の価格優先、ネットワーク、バルクの広告申込情報です。
- Ad Exchange 広告申込情報: 優先度は 12 です。
- 自社広告申込情報: 優先度は 16 です。
設定可能な優先度
一部のネットワークでは、設定可能な優先度の値が有効になっていることがあります。この機能を使用すると、ユーザーは広告申込情報タイプの優先度の数値を変更することができます。たとえば、Ad Exchange 広告申込情報タイプのデフォルトの優先度値は 12 ですが、設定可能な優先度を使ってこの値を 4 に変更できます。
なお、この機能は広告の配信や収益に予期しない影響を及ぼす可能性があるため、特別な場合にのみ使用することをおすすめします。
保証型広告申込情報は、優先度を変更すると影響を受けることがあります
保証型(標準またはスポンサーシップ)の広告申込情報については、それらの優先度を上回る値を Ad Exchange 広告申込情報に設定した場合、このルールによって影響を受けることがあります。Ad Exchange の優先度をより高い値に変更すると、ダイナミック アロケーションで広告申込情報の配信ペースが考慮されなくなるため、保証型広告申込情報で配信の問題が発生する可能性があります。
次の点にご注意ください。
- Ad Exchange または価格優先の広告申込情報と優先度が同等以下である広告申込情報は、空き枠とみなされ、一時 CPM ではなく価格に基づいて競合することになります。
- 価格優先の広告申込情報に独自の優先度を設定すると、他の広告申込情報が空き枠または保証型とみなされる優先度が変わる可能性があります。
優先度の数値のカスタマイズ
一部のネットワークでは、広告申込情報タイプの優先度の数値を変更できます。その場合、保証型の広告申込情報は 1~10 の間で、非保証型の広告申込情報は 12~16 の間で優先度を設定する必要があります。
ごく少数の限られたケースにおいて、優先度の変更が必要になることがあります。ただし、優先度の値を変更すると、広告選択にマイナスの影響がでる可能性があるため通常はおすすめしません。この機能を使用する際は慎重に行ってください。
詳しくは、アド マネージャーの広告選択プロセスとアド マネージャーでのインプレッションとクリックのカウント方法をご確認ください。
自社広告申込情報とオークション
自社*広告申込情報は、空き枠の広告申込情報(ネットワーク、バルク、価格優先)、Ad Exchange、Open Bidding のデマンドを配信できない場合にのみ配信されます。つまり、自社広告申込情報は、レートが 0 円の、ダイナミック アロケーションを介した価格競合を行わない広告申込情報として扱われます。
自社広告の広告申込情報のインプレッション単価(CPM)は、配信候補の自社広告のランク付けを決める際の基準となりますが、統一価格設定ルールで指定されている最小価格を満たさなくても広告は配信対象となります。したがって、代替広告として効果的に配信することができます。統一価格設定ルールについて**
* 統一オークションで価格を基準として競合しない価格優先、バルク、ネットワークの広告申込情報(レートが 0 で仮想 CPM が設定されていない広告申込情報など)は、自社広告申込情報として扱われます。
** 最適化された連続配信動画広告の場合、自社広告申込情報は CPM に基づいて競合します。
1 このページで、Ad Exchange とは、Ad Exchange と Open Bidding(有効になっている場合)を指します。