配信の基本

広告申込情報の配信ペースが調整される仕組み

アド マネージャーで広告申込情報の配信を決定する仕組みについて確認する。 #lineitems

ペースとは、アド マネージャーで広告申込情報のインプレッションを配信する頻度のことです。アド マネージャーでは、広告申込情報の [広告の配信] 設定と、配信を最適化するためのアド マネージャーのペースルールの両方に基づいて、配信するインプレッション数を配分します。この記事では、広告申込情報の設定とアド マネージャーのペースルールによって、インプレッション配信がどのように影響されるかについて説明します。

広告申込情報の配信を監視する
広告申込情報が配信されない理由を確認するには、広告申込情報の [トラブルシューティング] タブを使用します。ここに表示される理由を参考にして、収益を最適化するために配信設定の調整が必要かどうかを判断します。

配信に関するトラブルシューティング

一般的なペースルール

ペースを変更した場合、トラフィックに適用されるまでに最大で 48 時間かかることがあります。

広告申込情報の配信を開始する際に、アド マネージャーではその目標が達成されるような広告申込情報の配信ペースを決定します。ペースは、広告申込情報の [広告の配信] 設定によって左右されます。この設定を使用することで、広告申込情報の全配信期間にわたってインプレッション数をどのように配分するかを指定できます。

[広告の配信] が [フロントローディング配信] または [均等] のいずれかに設定されている広告申込情報については、アド マネージャーでは所定の広告申込情報に対して予約されたインプレッション数を、その広告申込情報に設定された配信日数で除算します。

「予測トラフィック パターン」
 「予測トラフィック パターン」は、サイトのトラフィック パターンに基づいて広告申込情報の配信方法を最適化するための機能です。この機能が有効になっている場合、アド マネージャーはトラフィックの増減に合わせて配信するインプレッション数を増減しようと試みます。したがって、広告申込情報が [均等] に設定されているとしても、配信期間中、常にインプレッション数の絶対数が一様に配分されるとは限りません。
例と図を見る

7,000 のインプレッションが予約された広告申込情報を 7 日間配信するとします。この場合、広告申込情報の [広告の配信] が [均等] に設定されていれば、アド マネージャーでは均等に 1 日あたり 1,000 のインプレッションがスケジュールされます。

予測グラフの例

予測トラフィック パターン

「予測トラフィック パターン」は、サイトの過去のトラフィック パターンを基にトラフィックの傾向を予測して、それに応じて配信ペースを調整する、ネットワーク全体を対象とした機能です。ネットワークでこの機能が有効になっているかどうかわからない場合は、アド マネージャー管理者または Google サポートにお問い合わせください。

「予測トラフィック パターン」と予測との違い

「予測トラフィック パターン」は予測とは異なります。予測では、季節性を考慮して予測されたトラフィック パターンと在庫予測調整を基に、獲得可能な広告枠と配信ペースを割り出します。一方、「予測トラフィック パターン」では、広告申込情報のインプレッション数を最適に配分するために、単純にサイトへの訪問数だけを調べてトラフィックが増減するタイミングを判断します。

「予測トラフィック パターン」を使用することで、アド マネージャーではサイトでのトラフィックの自然変動に比例して円滑にインプレッションを配信できます。「予測トラフィック パターン」でトラフィックを分析するには、2 つの方法があります。

  1. 配信期間が 2 週間未満 の広告申込情報: ネットワークの過去のトラフィック パターン全体を平均して、配信するインプレッション数を増減するタイミングを決定します。
  2. 配信期間が 2 週間以上 の広告申込情報: 広告申込情報でターゲットとする広告枠に固有のトラフィック パターンによって、配信するインプレッション数を増減するタイミングを決定します。
例と図を見る

例 1 - 広告申込情報の配信期間が 2 週間未満の場合

広告申込情報の配信が今日始まったばかりだとします。アド マネージャーではサイトへの過去のトラフィック パターンの平均を基に、配信する広告申込情報のインプレッション数を増減するタイミングを決定します。

次の図は、アド マネージャーで過去 4 週間のトラフィック パターンを基に、サイトへの今後のトラフィック パターンを予測する例を示しています。新しい広告申込情報は、その予測に従って配信されます。

サイトの予測トラフィックに関する予測グラフの例

  1. 平均ページビュー数に基づいて配信される新しい広告申込情報
  2. 過去 4 週間のサイトでの平均ページビュー数

例 2 - 広告申込情報の配信期間が 2 週間以上の場合

広告申込情報が 2 週間配信された後、アド マネージャーでは広告申込情報でターゲットとする特定の広告枠に基づいて、同様の分析を行います。ただしこの場合、アド マネージャーは、サイトへの過去のトラフィック パターンの平均ではなく広告申込情報でターゲットとする広告枠の平均ページビュー数を使用します。また、広告申込情報が長期にわたって配信されている場合は、最長で過去 4 週間まで遡ります。

広告枠の予測トラフィックに関する予測グラフの例

  1. ターゲットとする広告枠のページビュー数に基づいて配信される広告申込情報
  2. 2 週間以上配信される広告申込情報でターゲットとする広告枠の平均ページビュー数

たとえば、広告申込情報のターゲットがサイト上のスポーツ広告枠であり、現在オリンピックが開催されているとします。このことから、スポーツ広告枠へのトラフィックは非常に多くなっています。トラフィックの大半は週末に向けてピークに近づき、週末中はピークに達します。そのため、アド マネージャーではこの過去のトラフィック パターンに応じてスポーツ広告枠への広告申込情報の配信を最適化します。

インプレッション数の初期配分

アド マネージャーでは、キャンペーンの終了間際に広告枠不足で広告申込情報の目標を達成できないという事態を避けるため、早い段階でインプレッションが多めに配信されます。目標を早期にどの程度引き上げるかは、[広告の配信] 設定で管理できます。フロントローディング配信では、キャンペーン初期に広告申込情報が積極的に配信されます。均等配信では、それほど積極的な配信は行われません。

フロントローディング配信の

10 日間で 10,000 インプレッション(1 日あたり 1,000 インプレッション)を目標としているキャンペーンで [フロントローディング配信] を設定した場合、広告サーバーでは 1,400 インプレッション(1 日あたりの目標の 1.4 倍)が初日限定の目標となります。

「フロントローディング」配信では、40% パラメータが自動的に適用されます。

2 日目は、残りのインプレッション数を残りの日数で割った値に 40% パラメータが適用されます。このパラメータは、目標が達成されるまで毎日再設定されます。下の図の黄色の線グラフをご確認ください。

均等配信の例

10 日間で 10,000 インプレッション(1 日あたり 1,000 インプレッション)を目標としているキャンペーンで [均等] を設定した場合、広告サーバーでは 1,050 インプレッション(1 日あたりの目標の 1.05 倍)が初日の目標となります。

「均等」配信では 5% パラメータが自動的に適用されます。

2 日目は、残りのインプレッション数を残りの日数で割った値に 5% パラメータが再設定されます。このパラメータは、目標が達成されるまで毎日再設定されます。下の図の緑色の線グラフをご確認ください。


フロントローディング配信と均等配信では、キャンペーンが進むにつれ、日々配信されるインプレッション数は減少します。ただし、下の図で示すとおり、「フロントローディング配信」を行うよう設定した広告申込情報では減少の幅がより顕著になりますが、「均等」配信を行うよう設定した広告申込情報ではそれほど大きくなりません。

図を見る: フロントローディング、均等、未選択時の配信

無修正の予測グラフの例

  1. 未選択時の配信
  2. 均等配信
  3. フロントローディング配信

毎日 40% 上乗せした目標が設定されるフロントローディング配信では、キャンペーンの初めの頃にインプレッションが多めに配信され、終了が近づくにつれ少なくなっていきます。この例では、広告申込情報全体の目標の約 63% がキャンペーンの前半に配信されています。

均等配信を引き続き同じ例に適用すると、配信目標は下のグラフのようになります。

図を見る: 均等配信

予測グラフの例
  1. 予測による均等配信(5% のフロントローディング配信)
  2. 予測配信
上のグラフは、「予測トラフィック パターン」機能が有効になっているアカウントを示しています。詳しくは、担当のアカウント マネージャーにお問い合わせください。


広告配信では、トラフィック パターンと、ネットワークで有効になっている、対応するフロントローディング配信の係数が考慮されます。

時間に伴う変化

時間の経過に伴い、アド マネージャーでは実際に配信されたインプレッション数に基づいて広告申込情報の目標を調整します。上記の概要のとおり、最初に計算された目標は、サーバーが毎時正確に目標値を配信した場合のみ有効です。

以下の各ステップで、配信の過程を通じてどの計算が更新、修正されるかをご確認ください。

1. 満足度指数

アド マネージャーでは広告申込情報がスケジュールよりもどの程度早く、または遅れて配信されているかを判断するために、満足度指数(SI)を計算します。具体的には、満足度指数とは、当日に広告申込情報でどのくらい高い掲載結果が得られたかを、広告サーバーで設定された目標と比較したものです。広告申込情報の選択プロセスではこの満足度指数が考慮され、配信が遅れている広告申込情報がより頻繁に選択されるようになります。満足度指数の概要と、広告申込情報の選択プロセスで満足度指数がどのように使用されるかについて詳しくは、広告の選択に関するホワイト ペーパーをご覧ください。

2. 満足度指数の基準値

アド マネージャーでは、満足度指数を直接の基準として広告申込情報が選択されるのではなく、広告申込情報ごとに異なる基準値が設定されます。広告申込情報の満足度指数がこの基準値を上回っていることが、広告サーバーのリクエストを受け入れたすべての広告申込情報の中から選択される条件となります。この基準値は少なくとも 10 分に 1 回計算され、配信コントローラによって制御されます。

配信コントローラは、広告申込情報が環境の変化(サイトのトラフィック レベルの予期しない変化など)に対応するように調整します。つまり、満足度指数が減少し始めるたびに基準値を急に減少させるのではなく、より長期的なアプローチをとります。基準値の設定の際には、広告申込情報の満足度指数について、理想的な指数とどのくらい差があるかと、目標達成に向けて広告申込情報にどれだけの時間が残っているかが考慮されます。その結果、最終的に広告申込情報は広告サーバーの場合よりも均等に配信されます。

配信コントローラでは緩やかに調整が行われるため、広告申込情報の配信が早かったり遅れていたりする場合、適切に修正されるまでには数時間かかります。短期的には効果がわかりにくいこともありますが、広告申込情報の全期間で見ると、配信は確実に改善されます。

3. 配信目標の再計算

アド マネージャーでは配信目標が定期的に(毎日、毎時間)再計算されます。再計算のプロセスは上記で新しい広告申込情報に関して説明したものと同じですが、この場合は更新された情報を使用します。インプレッションは、広告申込情報のキャンペーンの残りの合計インプレッション数と残りの合計時間に基づいて割り当てられます。以降の配信目標は頻繁に更新され、予算額、開始時間、終了時間など、予算やペースに影響を与える広告申込情報の要素を変更した場合も必ず更新されます。

また、広告申込情報の配信がスケジュールより遅れている場合や一定期間停止された場合に、配信できなかったインプレッションの埋め合わせを以降の 24 時間に試みる「追い上げ」を有効にすることもできます。24 時間が経過すると、残りの期間は残りのインプレッションが均等に配信されます(広告申込情報を均等に配信するよう設定している場合)。この機能についてご不明な点がある場合は、アカウント マネージャーにお問い合わせください。

たとえば、広告申込情報に 10 日間で 100,000 インプレッションの配信目標が設定されているとします。この広告申込情報では、最初の 2 日間は 1 日あたりの目標である 10,000 インプレッションが配信され、その後 4 日間は一時停止し、7 日目に配信を再開しました。この時点で、配信するインプレッションは 80,000 回残っています。アド マネージャーでは、7 日目に約 50,000 インプレッションの配信が試みられます。これは、広告申込情報の一時停止期間中の各日の 10,000 インプレッションと、当日の 10,000 インプレッションを加算した数です(インプレッションを均等に分配するように設定された広告申込情報には 5% 増しのフロントローディング配信が適用されているため、1 日あたりの正確なインプレッション目標は変動します)。

4. 配信ペース調整での予測トラフィック パターンによる更新

ネットワークで予想トラフィックに基づくペース調整が可能な場合(前述)、広告サーバーでは、特定の期間における広告申込情報の配信回数を決定する際に過去の配信パターンも考慮されます。

ネットワークで予想トラフィックに基づくペース調整が有効になっている場合、スケジュール指標(OSI)には、トラフィック パターンに基づく広告配信目標を考慮して、配信ステータスをより正確に示す値が表示されます。ただし、配信設定を変更する前には、必ず広告申込情報の予測を確認するようにしてください。

アド マネージャー ネットワークを作成したのが最近の場合は、少なくとも 1 か月待ってから、この機能の有効化を依頼してください。

5. キャンペーン終了時の動作

固定目標が設定されている広告申込情報で、終了の数時間前になっても目標が達成されていない場合、アド マネージャーでは目標を達成できるよう配信が調整されます。期限前 1 時間でまだインプレッションの配信が必要な広告申込情報は、「できるだけ早く」の設定で配信されます。

キャンペーンの配信が予定よりも遅れている場合は、配信を開始したばかりで目標を達成できる見込みのある高優先度キャンペーンに先立って配信されることもあります。

広告申込情報が上限を超えて配信される原因

広告申込情報で配信済みインプレッションの合計が 1 日または全期間の上限をわずかに超える原因としては、配信数が上限に達してから後発インプレッションがカウントされたか、配信数が上限に達したタイミングと同時にリクエストが発生したことが考えられます。

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