この記事では、以下の見出しでパブリッシャー提供のシグナル(ベータ版)について説明します。
- パブリッシャー提供のシグナルを有効にする
- Key-Value とオーディエンス セグメントを分類にマッピングする
- パブリッシャー提供のシグナルの対象となる購入者を設定する
- 動画とオーディオ
- パブリッシャー提供のシグナルに関するレポート
パブリッシャー提供のシグナル(PPS)を使用すると、パブリッシャーはファーストパーティ オーディエンスとコンテキスト データを拡大し、プログラマティックの収益化を改善できます。これにより、パブリッシャーはプログラマティック取引で広告のパーソナライズにファーストパーティ データを最大限に活用でき、購入者が入札対象の広告枠を把握しやすくなります。
ベータ版を利用するパブリッシャーは、既存のファーストパーティ オーディエンスや、詳細なコンテキスト シグナル(Key-Value など)にパブリッシャー提供のシグナルを使用できます。
パブリッシャーの主なメリットは次のとおりです。
- 独自のファーストパーティ データをオークションで直接利用できる
- 標準化されたオーディエンス属性とコンテンツ セグメントを入札リクエストで直接やり取りできる業界の分類にマッピングすることで、ファーストパーティ オーディエンスと属性、コンテンツ情報を購入者の目に留まりやすくできる
- 広告のパーソナライズにおけるプライバシーを強化
- データ漏洩の心配なしに、自社のオーディエンス属性とコンテキスト データを購入者と共有
- 使用できるコンテキスト シグナルが限られているアプリや OTT / CTV 環境の広告枠でより有益
- PPS は、Google デマンド(公開オークション、プライベート オークション、優先取引、プログラマティック保証型取引など)、認定バイヤー、Open Bidding、SDK 入札に送信できます。
ネットワークでパブリッシャー提供のシグナルを有効にする
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Google アド マネージャーにログインします。
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[管理者]、[全般設定] をクリックします。
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[広告表示設定] で [パブリッシャー提供のシグナル(オーディエンスとコンテンツ)] をオンにします。
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[確認] をクリックして、この機能の有効化に関する利用規約に同意します。
PPS を有効にすると、オーディエンスとコンテンツの両方が有効になります。
シグナルが受け渡される仕組み
分類セグメント ID は、有効な入札リクエストで Google デマンドに渡されます。また、デマンド チャネルの設定で設定されている場合に、対象となる認定バイヤー、Open Bidding パートナー、SDK 入札パートナーにも渡されます。パブリッシャーは、次の 2 つの方法で PPS を送信できます。
- オーディエンス、カスタム Key-Value、CMS の Key-Value を、Google アド マネージャーでサポートされている標準化された業界セグメントにマッピングします。
- Google アド マネージャーでサポートされている標準化された業界セグメントに、広告リクエスト時にシグナルを送信します。
Key-Value とオーディエンス セグメントを分類にマッピングする
所有しているプロパティから収集済みのファーストパーティ データを、標準化されたコンテキストとオーディエンス セグメンテーションの分類にマッピングできます。
購入者に複数のカテゴリを送信して、複雑なターゲティング式を設定できるようにすることが可能です。
例
[メーカー] + [スポーツ愛好家] + [自動車愛好家] + [20~25 歳]
適用されるエンティティのこうしたカテゴリは購入者と共有され、プライバシー上の制約を受けます。
サポートされている分類
現在のところ Google アド マネージャーは次の分類に対応しています。
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IAB オーディエンスの分類バージョン 1.1: 業界でオーディエンス セグメント名の共通用語を使用できるようになり、異なるプロバイダ間でのデータの同等性が向上します。IAB オーディエンスの分類をダウンロードします。
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IAB コンテンツの分類バージョン 2.2: 業界でコンテンツ セグメント名の共通用語を使用できるようになります。ユーザー情報を開示することなく、ページ コンテンツを分類します。IAB コンテンツの分類をご確認ください。
googletag.config.PublisherProvidedSignalsConfig
は、現時点では一意の ID のみをサポートし、広告表示オプションの値をサポートしていません。アド マネージャーで分類設定を管理する
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Google アド マネージャーにログインします。
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[広告枠]、[パブリッシャー提供のシグナル] をクリックします。
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設定する分類を選択します。
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Google デマンドが PPS データを使用して、インタレスト ベース広告やリマーケティングなどの目的でネットワークをスコープとするユーザー プロフィールを作成できる場合は、[設定] タブで「自社スコープのユーザー プロフィール」を有効にするかどうかを選択できます。PPS データがクロスネットワーク ユーザー プロフィールで使用されることはありません。
カテゴリのマッピングを管理する
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Google アド マネージャーにログインします。
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[広告枠]、[パブリッシャー提供のシグナル] に移動します。
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[IAB オーディエンスの分類]、[IAB コンテンツの分類]、[追加の動画と音声のメタデータ] のいずれかで [選択] をクリックします。
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[カテゴリ マッピング] で [新しいカテゴリ マッピング] をクリックするか、既存のカテゴリ名をクリックして編集します。
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新しいマッピングを作成する場合は、マッピングするオーディエンス セグメント、Key-Value、または CMS メタデータを選択します。
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広告リクエストは、マッピングの指定されたオーディエンス セグメント、Key-Value、CMS メタデータのうち、少なくとも 1 つを満たす必要があります。ご利用のネットワークで CMS メタデータのマッピングが有効になっていない場合は、アカウント マネージャーにお問い合わせください。
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Key-Value ペアとオーディエンス セグメントは、「OR」論理演算子で結合されます。オートコンプリートを使用して、名前または ID で検索できます。
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[保存] をクリックします。
広告リクエストが行われた時点でパブリッシャー提供のシグナルを送信する
- ユーザーがパブリッシャーのウェブサイト、モバイルアプリ、またはコネクテッド テレビ アプリにアクセスします。
- パブリッシャーが自社シグナルを生成し、購入者はそのシグナルが広告クライアントの目標の達成に有益かどうかを判断します。
例
- オーディエンス セグメント(高評価、興味 / 関心、購買意向の強いオーディエンス)は、パブリッシャーのプロパティでのユーザー アクティビティに基づいて収集されます(横断的なウェブ履歴、フォーム、購入履歴など)。
- コンテンツ シグナルは、コンテンツを見つけにくい場合に役立ちます(ログインが必要なモバイルアプリ、動画、ウェブ コンテンツなど)。
- パブリッシャーは、コンテンツ シグナルとオーディエンス シグナルを、PPS が対応している適用可能な分類に標準化します。
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パブリッシャーからアド マネージャーに広告リクエストを送信し、その際にコンテンツ シグナルとオーディエンス シグナルを分類カテゴリ ID として送信します。
ID は、タグ設定の一部として設定する必要があります。
PPS を使って広告タグを設定する詳しい手順については、以下をご覧ください。
- HTML5 IMA SDK(クライアント サイドまたは DAI)
- Android IMA SDK(クライアント サイドまたは DAI)
- iOS IMA SDK(クライアント サイドまたは DAI)
- tvOS IMA SDK(クライアント サイドまたは DAI)
- Roku IMA SDK(DAI)
- Cast IMA SDK(DAI)
- 直接 VAST 呼び出し(ドキュメント)
- GPT(ウェブ)
- アド マネージャーからプログラマティック入札者にシグナルを送信
- 広告主は通常どおりにターゲットを設定可能
パブリッシャー提供のシグナルの対象となる購入者を設定する
PPS はすべての広告リクエストで、ウェブ、アプリ、動画広告枠全体の Google デマンド、認定バイヤー、Open Bidding、SDK 入札のデマンド パートナーに送信できます。プライバシーに関する制約が適用されます。
PPS を共有するデマンド チャネルとビッダーの選択は、アド マネージャーの [デマンド チャネルの設定] タブで管理できます。デフォルト設定はデマンド チャネル内のすべてのビッダーに適用されますが、オーバーライド グループを使って、デマンド チャネル内でビッダーごとの例外を設定できます。
既存のオーバーライド グループがある場合は、[オーバーライド グループ] タブをクリックして共有設定を指定します。
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Google アド マネージャーにログインします。
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[配信]、[デマンド チャネルの設定] をクリックします。
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[デフォルト設定] をクリックします。
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[パブリッシャーのデータ共有] の [パブリッシャー提供のシグナル: IAB オーディエンスの分類] または [パブリッシャー提供のシグナル: IAB コンテンツの分類] に移動します。
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対象となる購入者(Google デマンド、認定バイヤー、Open Bidding、SDK 入札など)を選択します。
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[保存] をクリックします。
購入者が使用できるターゲティングとパブリッシャーの管理設定のオプションは以下のとおりです。
ターゲティング
- PPS のオーディエンス カテゴリは、広告のパーソナライズが可能なリクエストでのみ渡すことができます。
- コンテキスト PPS はすべての広告リクエストで渡すことができます。
Google 広告、ディスプレイ&ビデオ 360
- この機能を有効にすると、Google のプログラマティック入札者(ディスプレイ &ビデオ 360 と Google 広告)は、パブリッシャー提供のオーディエンス シグナルに基づいてユーザー プロフィールを作成し、インタレスト ベース広告のユーザー プロフィールを作成できます。
- PPS は、クロス パブリッシャー ユーザー プロフィールの作成には使用されません。パブリッシャーが PPS を渡す場合、その範囲はシグナルを提供したパブリッシャーに限定されます。つまり、PPS を使って生成されたユーザー プロフィールが、パブリッシャーをまたがって結合されたり、Google ユーザー識別子を使って生成されたプロフィールに追加されたりすることはありません。
動画とオーディオ
Google アド マネージャーでは現在、次の動画と音声のコンテンツ シグナルがサポートされています。
これらのシグナルは VAST 広告タグパラメータ ppsj で送信されます。値はデベロッパー向けドキュメントをご確認ください。 |
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ジャンルとオーディエンス: 動画と音声のコンテンツに関連付けられているジャンルを渡します。サポートされる値は、IAB コンテンツの分類で定義されています。
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コンテンツのレーティング: 動画と音声のコンテンツに関連付けられているコンテンツのレーティングを渡します。コンテンツのレーティングの表を参照して、渡す値を決定します。
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音声フィードタイプ: さまざまな音声コンテンツに関連付けられた値を渡します。サポートされている値は IAB に準拠し、「Music」、「Radio」、「Podcast」です。
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制作品質: コンテンツの品質に関する値を渡します。サポートされている値は IAB に準拠し、「Professionally Produced」、「Prosumer」、「User Generated」です
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コンテンツ配信: 動画と音声のコンテンツの配信に関連する値を渡します。サポートされる値は、IAB に準拠し、「Streaming」、「Progressive」、「Download」です。
コンテンツのレーティング
コンテンツのレーティングに関する、地域、市場、フォーマット全体で統一された業界分類は限られていました。以下の一般的な基準を使用して、パブリッシャーや業界団体が使用するさまざまな基準に対応付けることができます。
このシグナルの目的は、コンテンツのレーティングを適切に設定して、親と保護者、デベロッパーとパブリッシャー、広告主と広告ネットワーク、規制当局の全体でバランスをとれるようにすることです。
広告リクエストでコンテンツ レーティングを直接送信する場合や、Google アド マネージャーの [パブリッシャー提供のシグナル] でカテゴリ マッピングを管理する場合は、次の表のガイドラインに沿ってください。
コンテンツ レーティング値 |
説明 | 例 | 他のレーティング基準との一般的な対応 |
---|---|---|---|
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一般の視聴者に適したコンテンツです。 |
子供向けのコンテンツ(子供向けテレビ番組など)や、子供には関連性がないものの子供の視聴に適したコンテンツ(自動車のコマーシャルなど)。 |
MPAA-G、TV-Y、TV-Y7、TV-G、ESRB-E |
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多くの視聴者に適したコンテンツですが、保護者の判断が推奨されます。 |
漫画的な暴力表現、おもちゃの武器(トイガンなど)。 |
MPAA-PG、TV-PG、ESRB-E10+ |
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13 歳以上の視聴者に適したコンテンツです。 |
恐怖を感じさせるコンテンツ、嫌悪感を与えるコンテンツや残酷なコンテンツ、食品やノンアルコール飲料、化粧品、医療、デリケートな社会トピック、ソーシャル ネットワーク、戦闘ゲーム、リアルだが流血のない暴力表現、性的ではない肌の露出など。 |
MPAA-PG13、TV-14、ESRB-T |
|
成人向けコンテンツ。 |
激しい暴力、流血、アダルト コンテンツ、乱暴な言語表現、成人対象の過激な描写(薬物やギャンブルなど)。 |
MPAA-R、MPAA-NC17、TV-MA、ESRB-M、ESRB-A |
広告枠と広告枠に関連付けられたコンテンツのレーティングに関する正確な情報を提供することはパブリッシャーの責任です。アド マネージャーのパブリッシャー向けポリシーの不正な宣言の条項をご覧ください。
これらのシグナルを意図的に不実表示した場合、アカウントに対して措置が講じられる可能性があります。意図的な不実表示は、既知のブランド保護レーティング基準の値を、上記のコンテンツ レーティングのうち該当しない値に意図的に割り当てる行為などが該当します(たとえば、コンテンツのレーティングが MPAA-R の場合、コンテンツのレーティング シグナルとして「成人向け」のみを渡す必要があります)。
パブリッシャー提供のシグナルに関するレポート
パブリッシャーは PPS について、そのまま一致する IAB 分類のカテゴリをフラットな階層形式で表示できます。プライバシーの保護に関わる意図的な制約により、Key-Value 値と PPS レポートデータが一致することは想定されていません。
- パブリッシャー提供のシグナル(すべてのレベル)(ベータ版)アド マネージャーをご利用のパブリッシャー様は、Key-Value とオーディエンス リストに IAB の分類カテゴリのアノテーションを付けることができます。「すべてのレベル」は、レポートに階層が表示されているリーフノードについてフラットな形式でレポートされます。
パブリッシャー提供のシグナルが使用できない場合は「(なし)」となります。 - パブリッシャー提供のシグナル(データ プロバイダ)(ベータ版)
パブリッシャーのシグナル定義を提供した当事者に関するレポートです。これは、パブリッシャーの場合もあれば、BlueKai などのサードパーティの場合もあります。 - パブリッシャー提供のシグナル(配信済み)(ベータ版)
落札したプログラマティック入札者に配信されたパブリッシャー提供のシグナルに関するレポートです。
パブリッシャー提供のシグナルが使用できない場合は「(なし)」となります。 - パブリッシャー提供のシグナル(トップレベル)(ベータ版)
アド マネージャーをご利用のパブリッシャー様は、Key-Value とオーディエンス リストに IAB の分類カテゴリのアノテーションを付けることができます。「トップレベル」は、ルートの親レベルでのみレポートされ、広告リクエストごとにリーフノードの重複は除外されます。同じ広告リクエストに複数のトップレベルを含めることは引き続き可能です。
パブリッシャー提供のシグナルが使用できない場合は「(なし)」となります。