組織の情報ガバナンス アプローチの一環として、Google Chat のダイレクト メッセージ(DM)、グループ メッセージ、スペース内のメッセージの保持期間を管理できます。保持ルールを使用すると、メッセージをいつまで保持し、いつ削除するかを設定することができます。
特定の条件に一致するデータを一定期間にわたって保持するには、カスタム保持ルールを作成します。ライセンスを付与されたすべてのアカウントのすべてのサービスデータを一定期間にわたって保持するには、デフォルトの保持ルールを作成します。
Chat の保持に関する重要なお知らせ
保持ルールを設定する前に、データ保持の仕組みおよび Vault でサポートされる Chat のメッセージをお読みになることを強くおすすめします。
対象:
- Chat で履歴をオンにした状態で送信されたメッセージとその添付ファイル
- 外部ユーザーからユーザーに送信された DM
- 組織のグループ メッセージとスペースの外部ユーザーから送信されたメッセージ
対象外:
- 履歴をオフにした状態で送信されたメッセージ
- リンクされたファイル
- 外部の Chat スペースにあるメッセージ
- プレビュー済みのメッセージ
詳しくは、サポートされるサービスとデータタイプをご確認ください。
デフォルトの保持ルールは、組織内のすべてのダイレクト メッセージ(DM)、グループ メッセージ、Chat スペースに適用されます。
カスタム保持ルールは、次のようにさまざまなメッセージに適用されます。
組織部門ベースの保持ルール | 「すべての Chat スペース」の保持ルール |
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複数のカスタム保持ルールがメッセージに適用されている場合、そのメッセージは最後に期限切れとなるカスタムルールに従って保持されます。
カスタム保持ルールを使用してすべてのメッセージ(DM、グループ メッセージ、スペースのメッセージ)を保持するには、少なくとも 2 つのルールを作成する必要があります。つまり、スペースのメッセージと特定のグループ会話を対象とするすべての Chat スペース用のルールを 1 つと、DM とグループ メッセージを対象とする最上位の組織部門用のルールを 1 つ作成します。
詳しくは、グループ メッセージとスペースの違いに関する記事をご覧ください。
注: Gmail や Google グループの保持ルールとは異なり、特定のアカウントに関連付けられたメッセージまたは特定のキーワードを含むメッセージに Chat の保持ルールを適用するのに、キーワードを使用することはできません。
ダイレクト メッセージ
DM のオーナーは、チャットの個々の参加者です。参加者の所属する組織は同じでも、対象となる保持ルールが異なる場合、DM にアクセスできるユーザーと、アクセスできないユーザーが出てくる可能性があります。
たとえば、DM を 7 日後にパージする保持ルールが適用される組織部門の参加者 1 と、DM の無期限の保持ルールが適用される組織部門の参加者 2 がチャットするとします。参加者 1 が参加者 2 を相手に DM を送受信して 7 日が経過すると、参加者 1 は参加者 2 とやり取りした DM にアクセスできなくなります。ただし、参加者 2 の DM は無期限に保持されるので、DM はパージされず、参加者 2 は引き続きアクセスできます。
外部ユーザーとの DM
参加者同士が別々の組織に所属している場合、DM は各組織の保持ルールに従って保持されます。
たとえば、会社 A では DM を 1 週間保持し、会社 B では 2 年間保持するという場合、Vault では、会社 A のユーザーと会社 B のユーザーの間で交わされた DM は次のように処理されます。
- 会社 A では DM が 1 週間保持された後、削除されていないメッセージはすべて削除されます。会社 A のユーザーはこれらのメッセージにアクセスできなくなります。Chat には 30 日間の保持期間があり、メッセージは削除後 30 日間保持されます。その間は、Vault でメッセージにアクセスできます。Chat の保持期間が終了すると、会社 A の DM には Vault でアクセスできなくなります。
- 会社 B では DM を 2 年間保持し、検索と書き出しを行うことができます。2 年経過すると、削除されていないメッセージはすべて削除され、Chat の 30 日間の保存期間に入ります。チャットの保持期間が終了すると、会社 B の Vault で DM にアクセスできなくなり、Google のシステムからパージされます。
Chat スペース
Chat でデフォルトの保持ルールを設定するか、カスタム保持ルールを作成すると、履歴が有効になっているスペース内のメッセージのみが Vault によって保持されます。組織部門に対して設定した Chat の保持ルールは、スペースのメッセージには適用されません。
Chat スペース内の外部ユーザー
複数の組織から参加者がある場合は、スペース作成者の組織の保持ルールに従って会話が保持されます。自組織のユーザーが、別組織のユーザーがオーナーであるスペースに参加した場合のメッセージは、Vault による保持、記録保持(リティゲーション ホールド)、検索、書き出しの対象とすることはできません。
Chat の保持ルールには、ユーザーが削除したメッセージのみをパージするオプションはありません。保持ルールに有効期限がある場合、保持期間が終了した時点ですべてのメッセージがパージされます。
Chat のカスタム保持ルールを設定する
- vault.google.com にログインします。
- [保持] [カスタムルール] [作成] をクリックします。
- サービスとして [Chat] を選択し、[次へ] をクリックします。
- エンティティを選択します。
- 組織部門のアカウントで送受信された DM とグループの会話を保持するには、[組織部門] を選択します。組織部門の欄をクリックし、表示されるダイアログで組織部門をクリックします。このルールはスペースのメッセージと、2020 年 12 月初旬より後に作成された Chat のグループの会話には適用されません。
- 組織内のすべてのスペースのメッセージを保持するには、[すべての Chat スペース] を選択します。このルールはダイレクト メッセージまたは一部のグループ メッセージには適用されません。
ルールの種類の違いをご確認ください。
- メッセージの保持期間を選択します。
- このルールの対象となるメッセージを永続的に保持するには、[期限なし] を選択します。
- 一定期間が経過したメッセージを破棄するには、[保持期間] を選択し、1~36,500 の範囲で日数を入力します。
警告: 新しいルールを設定すると、保持期間を過ぎているデータのパージが Chat で直ちに開始されます。削除の対象となるデータの中には、ユーザーが保持しておきたいデータが含まれている可能性があるため、ルールを適切に設定したことを確認してから、次の手順に進んでください。
- [作成] をクリックします。保持期間を設定する場合は、確認のチェックボックスをオンにして [同意する] をクリックします。
Chat のデフォルトの保持ルールを設定する
- vault.google.com にログインします。
- [保持] をクリックします。デフォルト ルールのリストが表示されます。
- Chat アイコン をクリックします。
- メッセージの保持期間を選択します。
- このルールの対象となるメッセージを永続的に保持するには、[期限なし] を選択します。
- 一定期間が経過したメッセージをすべて破棄するには、[保持期間] を選択し、1~36,500 の範囲で日数を入力します。
警告: ルールを設定すると、保持期間を過ぎているデータのパージが Chat で直ちに開始されます。削除の対象となるデータの中には、ユーザーが保持しておきたいデータが含まれている可能性があるため、ルールを適切に設定したことを確認してから、次の手順に進んでください。
- [保存] をクリックします。ルールの影響を理解しているかどうかを確認するメッセージが表示されます。チェックボックスをオンにし、[承諾] をクリックしてルールを保存します。