宿泊施設は従来から、料金を現地通貨で設定し、それを世界中のすべてのユーザーに提示してきました。このような料金を公開料金と呼びます。
限定価格や非公開レートによる制限が適用されていない場合、Google では、すべてのユーザーが公開料金で予約できるものと見なします。特定のユーザーを対象とした料金を設定する場合は、限定価格または非公開レートを使用することを検討してください。
例
宿泊施設に国内向け料金と国外向け(ROW)料金が設定されている場合は、公開料金と国際料金ではなく、国内向け限定価格と ROW 限定価格を送信してください。そうしないと、公開料金が国際料金よりも低い場合、国外からの旅行者は公開料金と国際料金のいずれでも予約できると Google は見なすため、国外からの旅行者にも公開料金が適用されることになります。
ただし、公開料金と国外からの旅行者向けの割引がある場合は、公開料金と、割引を適用するための ROW 限定価格を送信できます。Google は、利用可能な料金の中から最適な料金を選択します。
料金フィードにおいて公開料金は必須ではないため、公開料金のない料金戦略を採用できます。限定価格と非公開レートを使用して在庫をすべて定義するという戦略です。公開料金を指定しない限定価格の例については、デベロッパー ガイドをご覧ください。
注: 公開料金を指定しない料金戦略は、その戦略が貴社の料金設定システムを反映していて、かつ、以下の点について理解している場合にのみ、使用してください。
- 公開料金を指定しない料金戦略では、限定価格や非公開レートの対象外となるユーザーが生じる可能性があり、料金を利用できるユーザーの範囲が限定される可能性があります。
- 公開料金を指定しない料金戦略では、送信する必要のある料金の数が大幅に増える可能性があります。
この記事では、ユーザーのデバイス、国、対象人数、限定割引の利用資格などの条件に基づいて広告に組み込めるさまざまな料金について説明します。
このページの内容
地域ターゲティング料金
ユーザーのターゲットの設定は国レベルに限られます。州、都道府県、市区町村、緯度と経度など、国より下のレベルをターゲットにした料金設定はサポートされていません。
国内向け料金と国際料金
国内向け料金は、宿泊施設がある国のユーザーをターゲットにします。国際料金や ROW 料金は、宿泊施設がある国以外のユーザーをターゲットにします。
国別料金との違いは実装方法です。宿泊施設に適用される国内向け料金ルール(<IsDomestic/>
)は、宿泊施設の所在国を対象とする国別料金ルールと同じ意味を持ちます。この場合、ご使用のアカウントに複数の宿泊施設があったとしても、それらが存在する国ごとに個別の料金ルールを定義する必要はありません。
国別料金の設定
世界中のユーザーが予約できる料金は設定せずに、ユーザーの国ごとに個別の料金を指定する場合は、国別料金の設定の戦略を採用します。
この場合、限定価格を使用して料金に制限を適用し、対象国でのみ予約できるようにする必要があります。次の点に注意してください。
- 公開料金はありません。すべての料金はユーザーの国をターゲットにした料金ルールに関連付けられます。
- 国ごとに 1 つの料金ルールを設定します。たとえば、
us_rate
、uk_rate
、jp_rate
などを使用します。 - 料金を料金ルールにタグ付けする必要があります。
- 1 つの料金の対象国が複数ある場合:
- 複数の国を対象とした料金ルールを設定できます。
- または、複数の料金を送信して、各料金を 1 つの国を対象とした料金ルールにタグ付けすることもできます。
特定の国のユーザー向けプロモーション
特定の国でプロモーションを実施する場合や、国ごとに料金を定義する場合は、国別料金を使用できます。
プル型料金または変更済み料金を使用している場合、国別料金は Google の限定価格の一部である点にご注意ください。詳しくは、限定価格についての説明をご覧ください。
ARI(空室状況、料金、在庫)を使用している場合は、プロモーションを使用して国別料金を定義できます。
地方税と VAT
マレーシアの観光税やイスラエルの VAT など、宿泊施設が旅行者と現地の居住者に異なる税金または VAT を請求する場合は、限定価格を使用して、税金と VAT のすべてのシナリオに対応したバリエーションを Google に送信する必要があります。
モバイル向け料金 / パソコン向け料金
モバイル デバイスまたはデスクトップ デバイスのユーザー向けにプロモーションを実施する場合は、すべてのユーザーが利用できる公開料金を維持したまま、限定価格を使用して、該当するデバイスタイプのユーザーをターゲットにすることができます(ARI の場合は <Promotions/>
を使用します)。
デバイスをターゲットにした料金戦略を使用する場合は、限定価格を使用して、対象のデバイスタイプでのみ、その料金で予約できるようにする必要があります。
2 人以外の宿泊料金
2 人以外の宿泊料金とは、宿泊人数が 1 人または 3 人以上の場合の料金です。ユーザーは検索で宿泊人数を選択することができます。
たとえば、次のようなシナリオがあります。
- 1 人で宿泊する場合の割引料金
- 子どもの宿泊
- 人数単位の料金
これらの料金は、次のような場合にユーザーに表示されます。
- 宿泊人数が多いプランで、より少ない人数にも対応できる場合。たとえば、ユーザーが 3 人での宿泊を検索した場合、宿泊人数が 4 人の宿泊料金も検索の対象として考慮されます。
- 大人の宿泊プランで子どもの宿泊にも対応できる場合。たとえば、ユーザーが大人 2 人と子供 1 人で検索した場合、大人 3 人の料金も検索の対象として考慮されます。
この機能を使用するには、ランディング ページの設定と料金フィードを更新する必要があります。
ランディング ページ
子どもの宿泊を使用しない場合は、ランディング ページ URL に (NUM-GUESTS) を含める必要があります。(NUM-GUESTS) は大人と子供の両方に対応します。
子どもの宿泊を使用する場合は、(NUM-ADULTS) と (NUM-CHILDREN) を使用する必要があります。また、(FOR-EACH-CHILD-AGE) と (CHILD-AGE) を使用して、それぞれの子どもの年齢の情報を取得することもできます。
料金フィード
プル型料金と変更済み料金
プル型料金または変更済み料金を利用しているパートナーは、各種の料金プランに加えて、<Rates/>
を使用することによって、宿泊のシナリオに応じた複数の料金を指定することもできます。
現在、子どもの宿泊は変更済み料金(コンテキストを使用したライブクエリ)でのみサポートされています。詳しくは、子どもの宿泊人数についてをご覧ください。
ARI
ARI を使用しているパートナーは、異なるゲスト数に対して、それぞれ複数の <BaseByGuestAmount/>
を送信できます。
宿泊人数あたりのフラットレートを使用している場合や、宿泊人数の増加に追加料金で対応できる場合は、次の点に注意してください。
- 日付によって料金が異なる場合は、最低宿泊人数を示す
<BaseByGuestAmount/>
とともに、<AdditionalGuestCharges/>
を使用することを検討してください。 - 料金の変動があまりない場合は、
<ExtraGuestCharges/>
を使用できます。 - 対象人数が
<RoomData/>
の<Capacity/>
を超える料金は選択されません。
子ども用の布団と食事(日本)
現在、UI の制限により、子ども用の布団や食事の選択はサポートされていません。ただし、子ども用の布団や食事の料金は合計金額に必ず含めてください。Google では、最終的には支払われない場合であっても、発生する可能性のある料金や請求はすべてユーザーに公開することを求めているためです。
メンバー向け料金
ポイント プログラムのメンバーに割引を提供する場合は、非公開レートを使用できます。
ポイント プログラムのメンバーであるかどうかに関係なく、すべてのユーザーに割引を伝えるには、「表示されるメンバー料金」と「非表示のメンバー料金」を使用します。Google では、このようなメンバー向け料金をすべてのユーザーに提供すること、つまりポイント プログラムを無料で登録可能にすることを求めています。
ポイント プログラムの対象となるメンバーのみをターゲットに設定する場合は、オーディエンス リストの料金を設定します。これを行うには、ポイント プログラムのメンバーを表すオーディエンス リストを Google 広告で設定する必要があります。この料金はメンバーにのみ表示されます。
Google でサポートされていない料金
Google では、ユーザーに表示されるすべての料金について、その料金でユーザーが予約できるようにすることを求めています。そのため、ユーザーがまだフィルタリングできない特定の料金や、ユーザーが予約できるかどうかを確認できない料金は、Google ではサポートされていません。
サポートされていない料金の例を以下に示します。
- デイユース料金: 滞在期間は日中に限られる。たとえば、午前 9 時から午後 5 時までなど。
- ショートステイ料金: 宿泊ではなく短時間の滞在(4 時間など)。最低滞在時間は 10 時間です。
- 特定の性別のみの料金: 特定の性別の利用者のみが予約できる料金。
- 現地の居住者向け料金: チェックイン時に、国より下のレベル(市区町村、都道府県など)の居住者であることを証明する必要がある料金。
- シニア料金: 利用者の年齢に関する要件がある料金(例: 60 歳以上など)。
- 学生料金: 学生のみが予約できる料金。