Google では、ホテルのオーナーが、環境問題への関心が高い消費者に対してサステナビリティに関する取り組みをアピールできる手段を導入しています。購入する製品やサービスが環境に及ぼす影響について関心を持つ消費者は、ますます増える傾向にあります。このような消費者が、より多くの情報に基づいて責任ある判断を下せるように、情報を求める声が高まっています。
手順
ホテルのサステナビリティに関する取り組みは、Google ビジネス プロフィールから追加できます。4 つのカテゴリでオプションのリストから選択し、エコ認証を受けているかどうかを指定します。属性と認証は、報告した情報に基づき、ホテルのプレイスシートの [持続可能性] セクションに表示されます。
サステナビリティに関する取り組みと定義
ビジネス プロフィールで選択できる属性は次のとおりです。これらの属性は、慎重に検討、選出されたもので、業界における一般的で特に影響のある取り組みを最適な形で集約したものとなっています。Google では、ホテルでのサステナビリティに関する取り組みに合わせて以下の用語と定義を使用しています。
エネルギー効率
エネルギー保全プログラム |
宿泊施設には、以下の項目を含むエネルギー保全プログラムがあります。
排出量は、第三者機関によって検証されるか、外部とのコミュニケーションで公開されます。 |
カーボンフリー資源を使用したエネルギー |
宿泊施設は、次の方法のうち 1 つ以上を使用してカーボンフリー電力を調達しています。
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第三者機関による監査を受けたエネルギーの使用 |
宿泊施設は、5 年ごとにエネルギー監査を実施しています。その結果は、第三者機関によって検証されるか、外部とのコミュニケーションで公開されます。エネルギー監査は、施設を詳細に評価し、エネルギー効率を改善するための既存の業務や手順に対する勧告、利用可能なインセンティブやリベート、リノベーションやアップグレードによる改善の機会を提示します。 信頼性の高い第三者監査を実施する組織には、Engie Impact、DNV GL(EU)、Dexma、地方の公益事業体などがあります。こうした組織は多くの場合、エネルギーと水に関する監査を実施しています。 |
エネルギー効率の高い暖房換気空調システム |
宿泊施設は以下に該当します。
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エネルギー効率の高い照明 | 宿泊施設の照明の 75% 以上で、1 ワットあたり 45 ルーメンを超える LED または CFL 電球が使用されています。 |
省エネ機能搭載のサーモスタット |
宿泊施設には、使用されていない部屋や区画のエネルギーを節約するために、省エネ機能搭載のサーモスタットが建物全体に設置されています。省エネ機能搭載のサーモスタットとは、温度の好みを学習し、規定値の省エネ温度に自動調整することで建物の冷暖房を制御する装置です。 サーモスタットは、季節に応じて摂氏 20~26 度(華氏 68~78 度)の温度に自動設定されます。冬季は、部屋に人がいる場合のサーモスタットの温度は摂氏 20 度(華氏 68 度)に設定され、人がいない場合には部屋の温度が下がります。夏季は、部屋に人がいる場合のサーモスタットの温度は摂氏 26 度(華氏 78 度)に設定されます。 |
電気自動車充電スタンド | 宿泊施設は、宿泊客が電気自動車を充電できる EV 充電スタンドを提供しています。 |
環境にやさしい建築デザイン | 宿泊施設は LEED または BREEAM の認定を受けています。 |
水の保全
タオルとリネンの再利用プログラム | 宿泊施設は、タオルとリネンの再利用プログラムを実施しています。 |
水効率の高い蛇口、トイレ、シャワー | 宿泊施設の客室には、水の使用量が 1 分あたり 2 ガロン(GPM)以下のシャワーヘッドが使用されています。 |
第三者機関による監査を受けた水の使用 |
宿泊施設は、5 年ごとに水の保全に関する監査を実施しています。その結果は、第三者機関によって検証されるか、外部とのコミュニケーションで公開されます。水の保全に関する監査は、施設を詳細に評価し、水の利用効率を改善するための既存の業務や手順に対する勧告、利用可能なインセンティブやリベート、リノベーションやアップグレードによる改善の機会を提示します。 信頼性の高い第三者監査を実施する組織には、Engie Impact や各地の公益事業体などがあります。こうした組織は多くの場合、エネルギーと水に関する監査を実施しています。 |
廃棄物の削減
堆肥化可能な食品容器とカトラリー |
宿泊施設は、100% 堆肥化可能な食品容器とカトラリーを提供しています。堆肥化可能な素材は、堆肥化施設で元の状態が見た目でわからなくなるまで生物学的に分解することが可能であり、分解されると二酸化炭素、水、無機化合物、バイオマスになります。 |
余剰食糧の寄付と堆肥化 | 宿泊施設は、廃棄物の埋め立て処分を回避するためのプログラムとポリシーを定めています。これには、人間が消費できるように寄付したり、食品を動物の餌に転用したりする取り組みなどがあります。 |
食品廃棄物の削減プログラム |
宿泊施設には、食品廃棄物を半分に削減することを目的とした食品廃棄物の削減と寄付のプログラムがあります。こうしたプログラムでは一般的に、Hotel Kitchen Toolkit などのツールを使用し、廃棄物を追跡して進捗状況を測定しています。 |
使い捨てプラスチック ウォーター ボトルまたはストローの不使用 |
宿泊施設は、使い捨てのプラスチック ウォーター ボトルやストローを禁止しています。 |
発泡スチロール製食品容器の不使用 |
宿泊施設は、使い捨て食品容器として発泡スチロールを使用していません。 |
リサイクル プログラム | 宿泊施設には、LEED 廃棄物の要件に沿ったリサイクル プログラムと、廃棄物の埋め立て処分を 50% 未満に抑えることを目標としたポリシーがあります。リサイクル プログラムには、リサイクル可能な素材(ミックス古紙、段ボール、ガラス、プラスチック、金属など)の保管場所も含まれます。 |
詰替可能なトイレタリー容器 | 宿泊施設は、シャンプー、コンディショナー、石けん、ローションの容器を個人用の小さなものから詰替可能なアメニティ容器に置き換えています。 |
電子機器、バッテリー、電球の安全な廃棄 |
宿泊施設は以下に該当します。
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有害物質の安全な処理 |
宿泊施設は、GreenSeal と LEED の要件に沿った有害廃棄物管理プログラムを定め、有害廃棄物の処分とリサイクルに関するすべての規制要件を満たしています。有害とは、OSHA や DOT などの権威ある機関によって「有害」に分類され、「危険」、「注意」、「警告」などの注意喚起ラベルが付けられている物質や、可燃性、腐食性、引火性の物質を意味します。 要件:
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石けんとトイレタリーの寄付プログラム | 宿泊施設は、Clean the World などの石けんとトイレタリーの寄付プログラムに参加しています。 |
ウォーター ボトルの給水スタンド | 宿泊施設は、建物内の各所で宿泊客用の給水所を提供しています。 |
持続可能な調達
環境に優しいトイレタリー | 宿泊施設は、国内または国際的に承認されているサステナビリティの認定(USDA Organic、EU Organic、クルエルティ フリーなど)を受けた石けん、シャンプー、ローションなどのトイレタリー用品を提供しています。 |
地元の食材を使った食品と飲料 | 宿泊施設は、輸送距離の削減による環境への負荷軽減と地元経済の活性化を図る目的で、地元産の食材を調達しています。通常、消費地から 100 km 以内で生産されるものが地元産品とみなされます。 |
ケージフリーの有機卵 | 宿泊施設は、ケージフリーで育てられた 100% 認定済みの有機卵(殻付きの卵、液卵、卵製品)を調達しています。ケージフリーとは、鶏が自由に歩き回り、羽を広げ、巣に卵を産むことができることを意味します。 |
自然食品と自然飲料 | 金額ベースで食品と飲料の少なくとも 25% がオーガニックであると認定されています。「オーガニック」とは、一連の IFOAM 基準に記載されているオーガニックに関する基準のいずれかの認定を受けている製品を意味します。適格な認証としては、USDA Organic や EU Organic などがあります。 |
責任ある購買ポリシー | 宿泊施設は、責任ある調達ポリシーを導入しています。「責任ある」とは、サプライヤーを選択する際に、社会、倫理、環境面でのパフォーマンス要素を調達プロセスに統合することを意味します。 |
責任ある調達による魚介類 |
宿泊施設は以下に該当します。
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ベジタリアンとビーガンの料理 |
宿泊施設では以下が提供されます。
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エコ認証
エコ認定は、第三者認定機関が指定するサステナビリティの基準を満たすホテルに付与されます。エコ認定は、世界の環境に良い影響をもたらすためにホテルが積極的に取り組んでいることを、消費者や広範囲のコミュニティに伝えるために役立つサインにもなります。
Google で「エコ認定」と表示されているホテルは、以下の基準を満たしていると Google が判断した機関からの認定を取得したと報告しているホテルです。
- その機関は、世界的に認知され、評価されている基準を使用して、ホテルを評価している。
- 評価では、少なくとも以下の 4 つのカテゴリによる環境への影響に焦点を当てている。
- エネルギー効率
- 水の保全
- 廃棄物の削減
- 持続可能な調達
- その機関は、ホテルのサステナビリティへの取り組みについて実地監査と検証を行っているか、独立した第三者機関を使用して実地監査と検証を行っている。
エコ認定のリスト
現在、以下のエコ認定が Google の基準を満たしています。それぞれのエコ認定には、ホテルの二酸化炭素排出量の削減を目指すための、包括的で厳格なサステナビリティ基準があります。
- Asian Ecotourism Standard for Accommodations(AESA)
- Biosphere Responsible Tourism Standard
- BREEAM
- Bureau Veritas
- Control Union
- EarthCheck
- Eco-Certification Malta Standard
- Ecotourism Australia’s ECO Certification Standard
- GREAT Green Deal Certification
- Green Globe
- Green Growth 2050 Standard
- Green Key
- Green Key Eco Rating Program
- Green Seal
- Green Star Hotel Standard
- Green Tourism Active Standard
- Hilton LightStay
- Hostelling International’s Quality and Sustainability Standard
- Hoteles más Verdes(AHT)Standard
- ISO 14001
- ISO 50001
- LEED
- Nordic Swan Ecolabel
- Preferred by Nature Sustainable Tourism Standard for Accommodation
- Sustainable Travel Ireland – GSTC Industry Criteria
- サクラ クオリティ
- TOFTigers Initiative’s PUG Standard
- Travelife Standard for Hotels & Accommodations
- United Certification Systems Limited
- Vireo Srl
- ウィンダム グリーン