顧客が商品を購入するたびに毎回成果としてカウントしたい場合もあれば、一方、見込み顧客の獲得もコンバージョンとして測定している場合は、広告クリック 1 回につき見込み顧客としてカウントするのは 1 人だけにした方がよいかもしれません。
コンバージョン トラッキングでは、お客様のビジネスのニーズに応じてコンバージョンのカウント方法を選択できます。どのコンバージョン アクションについても、インタラクション後に発生する「すべて」のコンバージョンをカウントするか、「1 回」のコンバージョンのみをカウントするかを指定できます。これらのカウント方法を使い分けることで、キャンペーンの掲載結果を適切に把握して入札単価を調整できます。コンバージョンのカウント方法は、[コンバージョン] 列、[すべてのコンバージョン] 列、[ビュースルー コンバージョン(VTC)] 列に反映されます。
この記事では、コンバージョンのカウント方法の設定について説明します。コンバージョン トラッキングの概要については、コンバージョン トラッキングについてをご覧ください。
カウント方法
広告主様のビジネスにとって価値あるユーザーの行動(コンバージョン)は 1 種類とは限りません。複数種類のコンバージョンを測定している場合も、コンバージョンごとにカウント方法を選択できます。
それぞれのコンバージョン アクションに最適なカウント方法を見極められるように、2 つのカウント設定の詳細を説明します。
- すべてのコンバージョン: この設定では、広告のインタラクション後に発生したすべてのコンバージョンを、トラッキング対象のコンバージョン アクションごとにカウントします。たとえば、商品の販売はすべてビジネスに価値をもたらす可能性が高いため、商品販売のトラッキングと改善を行う場合に適しています。
例
ホテルとレンタカーの予約サイトを運営しています。各種の予約が広告によってどの程度伸びているかを調べるため、すべてのコンバージョンをカウントすることにします。シカゴ、デンバー、ニューヨークを旅行するユーザーが、各都市でホテルを 1 部屋予約し(ホテル予約 3 件)、シカゴとデンバーでのみレンタカーを予約した場合(レンタカー予約 2 件)、コンバージョンは 5 件になります。
- 1 回のコンバージョン: この設定では、広告がクリックされてから発生したコンバージョンを 1 回だけカウントします。このカウント方法は、商品の販売数ではなく、見込み顧客を獲得できたかどうかを確認したい場合に適しています。なぜなら、見込み顧客の獲得でビジネスに価値がもたらされるのは、広告のクリック 1 回につき通常は 1 回だけだからです。
例
保険会社で、住宅保険、自動車保険、生命保険を販売しています。広告が資料請求フォームの送信を促す効果があるかを確認するため、保険の種類ごとにコンバージョンを測定しています。
1 人のユーザーが同じ商品のフォームを、入力内容を変えて複数回送信することがあります。たとえば、あるユーザーが広告をクリックした後、自動車保険フォームを 3 回、住宅保険フォームを 2 回送信した場合、「1 回のコンバージョン」ではコンバージョン 2 件(保険の種類ごとに 1 件ずつ)とカウントします。
コンバージョンの種類によって異なるカウント方法を採用したい場合もあるでしょう。
例
金融サービス会社で、2 種類のコンバージョン(オンライン会計ソフトの購入とコンサルティング サービスの販売促進)の増加を図っています。この会計ソフトは、企業用にも家計用にも使用できるためか、同じユーザーが複数購入するケースが多いことがわかりました。さらに、同じユーザーが問い合わせフォームに複数回入力する場合もありました。
このケースでは、購入については毎回、フォーム入力については各ユーザーにつき 1 回のみコンバージョンをカウントする必要があるので、ソフト購入は [すべてのコンバージョン] に、フォーム入力は [1 回のコンバージョン] に設定します。広告のクリック 1 回が、2 件の購入と 2 件のフォーム入力につながった場合、コンバージョンは 3 件(購入数が 2 件、フォーム入力が 1 件)になります。
カウント方法に関係なく、[コンバージョン アクション] の表で、コンバージョン アクションごとに [リピート率] 列を確認すれば、1 回以上コンバージョンにつながったユーザーの平均コンバージョン数を確認できます。リピート率は、1 回以上のコンバージョンにつながったインタラクションに基づき、獲得した平均コンバージョン数を表します。実質的には、[すべてのコンバージョン] 設定によって記録されたコンバージョン数を [1 回のコンバージョン] 設定によって記録されたコンバージョン数で割った値になります。
カウント設定を [1 回のコンバージョン] から [すべてのコンバージョン] に、またはその逆に切り替えても、リピート率は変わりません。たとえば、[カウント方法] 設定が [1 回のコンバージョン] であるとします。この場合、リピート率は、カウント設定が [すべてのコンバージョン] であったとしたら、コンバージョン レポートでコンバージョン数がどう変わるのかを判断するのに役立ちます。リピート率が 1.5 で、カウント設定に [1 回のコンバージョン] を選択していた場合のコンバージョン数が 10 件であれば、[すべてのコンバージョン] を使用していた場合のコンバージョン数は 1.5 倍の 15 件であったと考えられます(1.5×10 = 15)。コンバージョンのカウント設定は、設定変更後のコンバージョン レポートにのみ適用されます。
注: 状況によっては、複数のアプリ間でアプリ コンバージョンのリピート率を比較しても意味がありません。これは、さまざまな要因により、アプリごとにターゲット ユーザーが異なり、それぞれのユーザーの支出習慣が異なる場合があるためです。これらの要因には、アプリ最適化のタイプ、オペレーティング システム(iOS または Android)など、またはこれらの組み合わせが含まれます。
手順
コンバージョン アクションの設定セクションには、カウント方法を設定する項目があります。この設定は、コンバージョン アクションを設定するときに変更できます。下記の手順を行えば、既存のコンバージョン アクションの設定を編集することもできます。
この設定はいつでも変更できます(変更内容は、変更後に発生したコンバージョンにのみ適用され、過去のデータには反映されません)。
- Google 広告アカウントにログインする。
- 目標アイコン をクリックします。
- [コンバージョン] プルダウンをクリックし、[概要] をクリックします。
- 編集するコンバージョン アクションの名前をクリックします。
- [設定を編集] をクリックします。
- [カウント方法] をクリックして、[初回のみ] または [全件] を選択します。
- [保存]、[完了] の順にクリックします。
注: カウント方法のデフォルト設定
カウント方法を選択しない場合は、デフォルトのカウント設定が自動的に使われます。デフォルトのカウント方法はコンバージョンの発生元によって異なり、その種のコンバージョンで使われることの多いカウント方法が採用されます。
- すべてのコンバージョン: このカウント方法がデフォルトで使われるのは、ウェブサイト、アプリ内ユーザー行動、アナリティクス トランザクション、モバイルサイト上の電話番号のクリック、インポートの各種コンバージョン アクションです。
- 1 回のコンバージョン: このカウント方法がデフォルトで使われるのは、広告経由の電話問い合わせ、アナリティクスの目標、ウェブサイト上の電話番号への問い合わせ、アプリ インストールの各種コンバージョン アクションです。なお、アプリ インストールのカウント方法は変更できません。なぜなら、1 回の広告クリック経由で複数回のインストールが発生しても、ビジネス上の価値は増えないためです。
コンバージョン トラッキングのセキュリティとプライバシー
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