この記事では、テストおよび「地域に基づくコンバージョン リフト測定」レポートでの指標の意味について説明します。
データ収集の仕組み
地域に基づくコンバージョン リフト測定では、貢献度が割り当てられていないコンバージョンを重複のない地域に割り当て、コントロール グループと広告表示グループ間の差を算出して、キャンペーンの因果的影響や増分効果を測定します。地域に基づくコンバージョン リフト測定では通常、ユーザーに基づく測定を上回る予算が必要になります。テストの結果は途中でも確認できますが、最も正確な結果を得るにはテストが完了するまでお待ちいただくことをおすすめします。
地域に基づくコンバージョン リフト測定の指標とステータス
コンバージョン リフト測定のデータは、コンバージョン単位で確認できます。地域に基づくコンバージョン リフト測定のデータを確認する方法は次のとおりです。
- Google 広告の管理画面で [目標] アイコン をクリックします。
- セクション メニューで [測定] プルダウンをクリックします。
- [リフト測定] をクリックします。
- テストの名前をクリックすると、[詳細] ページにテスト結果が表示されます。
指標
増分広告費用対効果(iROAS)
コンバージョン値の増分 ÷ 費用の増分 = iROAS
この計算式は、テストの結果と現在のメディア費用に基づき、テストしたキャンペーンまたはチャネルに 1 ドル投資するごとに、[iROAS] ドルを追加で獲得できることを表しています。
たとえば、テストの結果で iROAS が 2 だった場合は、投資額 1 米ドルごとに 2 米ドルのコンバージョン値を新規に獲得できたことになります。この指標の背景にある仕組みについて詳しくは、基礎となる方法論に関する次のホワイト ペーパーをご覧ください。
- ランダム化された組み合わせ地域テストのためのトリムドマッチの設計
- 時間ベースの回帰フレームワークで地域テストを使用して広告の効果を推定する
- 地域テスト設計のための時間ベースの回帰一致市場アプローチ(TBR + MM)
コンバージョン値の増分
テスト期間中にキャンペーンで獲得したコンバージョン値の増分(現地通貨)です。
コンバージョン数の増分
テスト期間中にキャンペーンで獲得したコンバージョン数の増分です。
増分費用
テスト期間中の、トリートメント グループとコントロール グループでの費用の差です。
信頼区間
地域に基づくコンバージョン リフトの推定値が収まる推定範囲です。たとえば iROAS が 2.2 の場合、これが点推定値を示し、最小 1.3 から最大 3.5 の信頼区間がかっこ内に表示されます。
クールダウン期間
テストが完了してから、キャンペーンが通常の動作に戻るまでの期間です。iROAS を計算するための情報収集は継続されます。クールダウン期間は省略可能ですが、コンバージョン サイクルが数週間にわたる場合は使用をおすすめします。
ステータス
「有意な正の iROASです」
テスト中に発生した新しい純収益が、キャンペーンに費やした金額を上回っていることを意味します。この指標によって、モニタリング対象のキャンペーンがビジネスの費用対効果を効率良く高めていることがわかります。
「データ不足です」
「データ不足」とは、アカウントで選択した期間内に獲得したコンバージョン値のデータ数が、結果の表示に必要な最小基準値を下回っていることを意味します。テストの開始時にはよく見られるステータスですが、更新されない場合は次の点を確認してください。
- 実現可能性が [高] の推奨予算でテストを実施してください。
- キャンペーンでターゲットとするオーディエンスを絞り込みすぎないようにしてください。
- 除外地域を指定しないでください。
「有意な伸びは検出されませんでした」
十分なデータがある場合でも、テストの結果がニュートラルで、伸びが検出されない可能性があります。これは、広告の影響を受けた地域と広告が表示されなかった地域で生成されたデータの間に、統計的に有意な差がなかった場合に発生します。全体レベルで伸びが見られない場合は、特定のコンバージョン セグメントで伸びがないか確認します。伸びが見られるセグメントがあれば、そこに注力することをおすすめします。なお、どのメディア チャネルでも、他の指標と比べてあまり変動しない指標があります。