コンバージョン リフト測定では、Google 広告の広告キャンペーンが貢献した増分コンバージョンを測定できます。購入者を同等の地域グループに分けて比較対照テストを実施し、次の 2 つのグループによってそれぞれ引き起こされた下流のコンバージョンの伸びを測定します。
- 広告を表示する地域
- 広告が表示されない地域
この 2 つのグループ間のコンバージョン数の差異から、キャンペーンによる「リフト」(コンバージョンの伸び)がわかります。コンバージョン リフト測定では、地域に基づいて、広告表示グループとコントロール グループを分けることもできます。
この記事では、地域に基づくコンバージョン リフトについて説明します。
始める前に
コンバージョン リフト測定を設定するには、サポートされている Google 広告プラットフォームで配信するキャンペーンを事前に作成する必要があります。サポートされているキャンペーン タイプは、アプリ、デマンド ジェネレーション、ファインド、ディスプレイ、動画、検索、ショッピング、P-MAX です。詳しくは、Google アカウント担当者までお問い合わせください。
地域に基づくコンバージョン リフト測定が適しているケース
このテストは、貢献度が割り当てられていないコンバージョンを含めて、キャンペーンの全体的な費用対効果(ROI)を把握したい場合に推奨されます。次のようなメリットがあります。
- キャンペーンの全体的な増分広告費用対効果(iROAS)を把握して、予算の割り当てを決定できる
- 地域分割の手法を外部から利用できる
- 1 つのテストで複数のチャネルを測定できる
- 1 つのテストで複数の種類のコンバージョン(ウェブ、アプリなど)を測定できる
地域に基づくコンバージョン リフト測定のご利用要件
コンバージョン リフト測定を利用するには、Google 広告アカウントで 1 つ以上の対応コンバージョン アクションをトラッキングしている必要があります。または、Google のアカウント担当者にオフライン データを提供していただいてもかまいません。地域に基づくコンバージョン リフト測定で使用できるコンバージョンの種類は次のとおりです。
- Google 広告コンバージョン タグ(旧称「Google 広告タグ」)
- Firebase コンバージョン タグ
- ディスプレイ&ビデオ 360(DV360)Floodlight
- 郵便番号または都市レベルで集計されたオフライン コンバージョンの種類に対する、Bring Your Own Device(BYOD)のサポート
地域分割の手法を使用するには、コンバージョン数に加えて 1 つの国をキャンペーンのターゲットに設定する必要があります。
実現可能性のステータスには次の 3 つのレベルがあります。
- 高
- 中
- 低
実現可能性のステータスが [高] の場合は、統計的に有意な結果を得られる可能性が高くなります。実現可能性ステータスが [低] の状態で測定を続行することは推奨されません。この場合は、最適化案に基づいて予算を更新し、更新後の実現可能性を確認してください。
コンバージョン目標と業種によっては、実現可能性ステータスが [中] でも妥当な場合がありますが、注意が必要です。詳しくはアカウント マネージャーにお問い合わせください。
さまざまな理由により、伸びは保証されるものではありません。そのため、試行と学習のフレームワークを使用して、結果の継続的な見直しと改善を行うことをおすすめします。推定コンバージョン数を増やすには、予算を増額するか、購入目標との方向的な相関性がある、早い段階でのコンバージョンを重視してテストを最適化します。いずれの場合もキャンペーンのベスト プラクティスに従っていただく必要があります。詳しくはアカウント マネージャーにお問い合わせください。
手順
コンバージョン リフト測定を設定する
- Google 広告の管理画面で目標アイコン
をクリックします。
- セクション メニューで [測定] プルダウンをクリックします。
- [リフト測定] をクリックします。
- プラスボタン
をクリックします。
- [地域に基づく] で [コンバージョン リフト] を選択します。
- コンバージョン リフト測定を有効にするキャンペーンを選択します。
- 注: 各キャンペーンは、一度に 1 つのテストでのみ有効にできます。選択できないキャンペーンは、別のテストですでに使用されている可能性があります。
- テストの開始日と終了日を選択します。
- テストするコンバージョンを選択します。
- 右側の列の実現可能性ステータスで、測定しているキャンペーンに基づいて正確な結果が得られる可能性の推定結果を確認します。
- 注: 実現可能性のステータスが [高] の場合は、テストが成功する可能性が高くなります。 予算を引き上げるか、特定のチャネルまたは目標のキャンペーンをすべて含めると、実現可能性のステータスが [高] になる可能性が高まります。
- [保存] をクリックします。
テスト単位の理解: Google マーケティング エリア
Google マーケティング エリア(GMA)は、エリア別配信テストのテスト単位として使用するために設計された、国を分割した地理的区域です。混入モデルは、ユーザーが異なる GMA 間を移動する頻度を推定します。汚染モデルは、1 つの GMA で広告に接触した後に、接触していない GMA でコンバージョンに至った可能性のある汚染を最小限に抑える GMA を選択します。GMA は、テストの実施時に統計的な堅牢性を確保するのに十分な数のテスト単位を維持しながら、汚染の影響を最小限に抑えるように設計されています。
汚染
一部のユーザーが介入群の GMA で広告を見た後、コントロール群の別の GMA でコンバージョンに至った場合、またはその逆の場合、コントロール グループが「汚染」され、介入群とコントロール群の推定差が低下します。この汚染により、広告キャンペーンの報告されるインクリメンタリティが低下します。
GMA の生成
Google では、GMA の基本的な構成要素として、Google の既存の地域ターゲティング階層から選択しています。スペクトル クラスタリング アルゴリズムは、Google 広告データを使用して汚染を最小限に抑え、GMA の代表性と多様性を最大化するという相反する目標のバランスを取りながら、GMA を生成します。