Chrome ブラウザで管理対象のアカウントにログインしている Windows ユーザーを対象としています。
ユーザーのパソコンで Chrome ブラウザの動作に問題がある場合(動作が遅い、メモリの使用量が多いなど)は、Microsoft Windows デバイスでの Chrome ブラウザのパフォーマンスに関するトラブルシューティング方法を記載したこの記事をご覧ください。
ステップ 1: 一般的な問題を確認する
まず、次の可能性のある問題を確認します。
ステップ 2: 原因を診断する
問題が解決しない場合は、情報を収集してもう一度お試しになり、原因を診断してください。以下の手順を試しても問題が解決しない場合は、Google Cloud サポート センターにお問い合わせください。サポートにアクセスできない場合は、Chromium バグを提出してください。
Chrome ブラウザのパフォーマンスを低下させるイベントを書き留めます。
- ブラウザを起動した直後に Chrome ブラウザのパフォーマンスが低下しますか。
- 複数のウェブページを読み込んだときに、Chrome ブラウザの動作が遅くなりますか。その場合、ウェブページの数はどれくらいですか。
- ブラウザを数日間連続稼働したときに遅くなりますか。その場合、期間はどれくらいですか。
- Chrome ブラウザを共有環境(Microsoft Windows リモート デスクトップ サービス、Citrix XenApp、Citrix XenDesktop、VMWare Horizon など)で実行していますか。
- 共有環境では、Chrome ブラウザを同時に使用しているユーザーの数によってブラウザのパフォーマンスが異なりますか。
Process Explorer などのプロセス マネージャーや Windows タスク マネージャーを使用して、CPU 使用率の高いプロセスを特定します。
Chrome ブラウザの動作が遅い原因となっているプロセスの種類を判断します。Process Explorer では、コマンドラインのパラメータを見ることで、実行中の Chrome ブラウザのプロセスの種類を確認できます。たとえば、--type=renderer
となっているプロセスは、現在使用中の 1 つ以上のタブや拡張機能に対応するものです。--type
パラメータが表示されない場合、そのプロセスはすべてのディスク アクセス、ネットワーク アクセス、ユーザー操作に対応するものです。
ブラウザのパフォーマンスを低下させる一般的なシナリオには、次のものがあります。
- ディスク アクセスが遅いか、システム メモリが不足している場合は、メインプロセスが遅くなります。
- 適切にプログラミングされていないウェブアプリを実行すると、レンダリング処理で CPU 使用率が増加します。Chrome ブラウザのタブを別のウィンドウに分離して、ブラウザのパフォーマンスを低下させているウェブアプリやウェブページを特定します。
- 特定のグラフィック カード ドライバで問題が発生した場合、GPU(画像処理装置)の処理が遅くなります。Chrome ブラウザが、3D 画像や YouTube 動画を含むウェブサイトなど、画像処理の負荷が高いページをレンダリングしている場合も GPU の処理が遅くなります。
プロセス マネージャーで CPU 使用率が高くなっているプロセスを特定できない場合は、パフォーマンス イベントのトレースを記録し、Chrome のエンジニアと共有してみてください。Event Tracing for Windows(ETW)は、指定した期間に実行しているすべてのプロセスからパフォーマンス情報を収集します。トレースには、プロセス名やパラメータ、DLL 関数名やファイル名などのセンシティブ データが含まれる場合があります。以下の手順に沿うことで、Chrome のエンジニアと安全にトレースを共有できます。
ステップ 1: ツールをダウンロードする
オープンソースのアプリケーション UIforETW を使用して、トレース ファイルを記録できます。
注: トレース中に読み書きされるすべてのファイルの名前がトレース ファイルに記録されます。また、匿名化された入力データも記録されます。センシティブ データを保護するため、すべての文字が A に置き換えられ、すべての番号が 1 に置き換えられます。
- GitHub のプロジェクト ページに移動し、UIforETW の最新リリースをダウンロードします。ファイル名は etwpackage1.49.zip のようになります。
- コンテンツを解凍し、etwpackage\bin\UIforETW.exe を実行して、Windows Performance Toolkit の必要なバージョンをインストールします。
- インストールが完了するまで待機します。
ステップ 2: ETW トレースを記録する
- ローカルの Windows マシンで UIforETW を開きます。
- 注: トレースをキャプチャする前に、UIforETW で追加オプションを有効にすることをおすすめします。設定で、Chrome のトレース カテゴリ(input、toplevel、latency、blink.user_timing、disable-by-default-toplevel.flow)を選択します。問題の調査中に、別のカテゴリを選択して別のトレースを収集するよう、お客様にお願いする場合があります。
- [Start Tracing] をクリックします。過去 10〜60 秒間のアクティビティの記録が開始されます。過去の約 60 秒間のアクティビティだけが記録されるため、ツールを無期限で実行したままにすることができます。実際に記録される時間は、システムのアクティビティ レベルによって異なります。
- パフォーマンスの低い状態を再現したら、Ctrl+Win+R を押してトレース バッファをファイルに保存します。
- [Trace information] 欄に、問題の説明およびトレース内の問題発生箇所を入力します。 できるだけ詳しく記入してください(特に問題の内容と、問題の発生時刻付近で行われたユーザーの入力内容)。
- トレースのリストを右クリックして [Browse folder] を選択し、トレース ファイルのある documents\etwtraces フォルダを開きます。トレースごとに .etl ファイルと .txt ファイルがあります。
ステップ 3: Chrome のエンジニアとトレース ファイルを共有する
- .etl トレース ファイルと .txt トレース ファイルを Google ドライブにアップロードします(Google ドライブの詳細)。
注: まだファイルを共有しないようにしてください。
- 新しい Chromium バグを作成し、Google ドライブ内のトレース ファイルへのリンクをバグに貼り付けます。
- Chrome のエンジニアからトレース ファイルへのアクセスをリクエストされたら、Google ドライブにあるそのファイルを共有します。
重要: メールアドレスの末尾が @google.com または @chromium.org となっているエンジニアとだけトレース ファイルを共有してください。セキュリティを強化するには、ファイルを共有する前に Chromium バグに連絡先情報を尋ねるコメントを追加します。UIforETW の詳細については、こちらの解説動画をご覧ください。
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