企業や学校の Chrome ブラウザ(Windows ベース)の管理者を対象としています。
管理者は、組織内の Microsoft® Windows® ユーザーが Chrome ブラウザのプロファイルを 1 つ作成して、職場や学校で使うパソコンで再使用できるように設定できます。移動プロファイルを許可するには、ユーザーの移動ユーザー プロファイルをオンにします。
ユーザーがネットワーク上のパソコンから Windows にログインすると、Windows により移動ユーザー プロファイルの情報がユーザーのパソコンにコピーされます。ユーザーが Chrome を起動すると、移動プロファイルを使用してローカル Chrome プロファイルが更新されます。
移動ユーザー プロファイルには、ブックマーク、自動入力データ、パスワード、閲覧履歴の一部、ブラウザの設定、インストール済みの拡張機能などが格納されます。ただし、Cookie やブラウジング セッション、キャッシュに保存したファイル、ダウンロードしたファイル、ローカル ブラウザ インスタンスのデータやその他の一時データは格納されません。
始める前に
移動ユーザー プロファイルを使用すると、Chrome ブラウザの使用方法が変わります。たとえば、Chrome ブラウザ セッションは 2 台のパソコンで同時に実行できません。また、プロファイルを Chrome 同期で同期させることもできません。
移動ユーザー プロファイルをオンにする前に、ユーザーへのお知らせに記載されているすべての影響を考慮してください。
移動ユーザー プロファイルをオンにする
Chrome ブラウザで移動プロファイル機能をオンにするには、RoamingProfileSupportEnabled ポリシーを有効にします。
移動プロファイル機能をオンにすると、Chrome のクラウド同期を使用できなくなります。
デバイスで移動プロファイルの使用を確認する(オプション)
Windows パソコンで移動ユーザー プロファイルが使用されているかどうかを確認するには、パソコンのブラウザ ウィンドウに chrome://sync-internals と入力します。[About] ページの [Local state] で、[Local Sync Backend Enabled] を見つけます。有効になっている場合は、移動ユーザー プロファイルが有効になっています。[Local Backend Path] は、移動プロファイルのファイルの場所を示します。
移動プロファイルのファイルの場所を変更する(オプション)
移動ユーザー プロファイルの情報は、ユーザーごとに「profile.pb」という名前のファイルに保管されます。デフォルトでは、このファイルは %APPDATA%/Google/Chrome に保存されています。移動プロファイルの場所を OneDrive に変更すると、ファイルを %ONEDRIVE%/Google/Chrome に保存することもできます。
このファイルの場所の変更やリダイレクトを行う場合は、同期や Chrome ブラウザの同時セッションへの影響を考慮してください。下のユーザーへのお知らせを参照してください。
profile.pb の保存場所を変更するには、RoamingProfileLocation ポリシーを設定します。サポートされているパス変数であれば、どの変数でも使用できます。
注: RoamingProfileLocation ポリシーを設定する場合は、UserDataDir ポリシーと DiskCacheDir ポリシーを同じディレクトリに設定しないでください。これを行うと、ローカル プロファイルが移動プロファイルと干渉し、機能の利点が失われるおそれがあります。
ユーザーへのお知らせ
移動ユーザー プロファイルを使用すると、予期しない形で Chrome のユーザー エクスペリエンスに影響を与える可能性があります。
ユーザーのプロファイルに何万ものブックマークや自動入力データ、拡張機能が格納されている場合、Chrome のメモリ消費量が増え、動作が遅くなることがあります。
ユーザーが複数の Chrome ブラウザ プロファイルを持っている場合、移動ユーザー プロファイルが正しく機能しないことがあります。このため、ユーザーによる複数のプロファイルの使用はおすすめしません。
Chrome でユーザー プロファイルが移動プロファイルにマッピングされる場合、プロファイルはそれぞれのパソコンで作成された順番どおりにマッピングされます。仕事用と私用などの 2 つのプロファイルがパソコンごとに異なる順番で作成された場合、プロファイルは正しくマッピングされません。
ユーザーが誤って移動ユーザー プロファイル ファイル「profile.pb」を削除または破損した場合でも、Chrome ブラウザでローカル Chrome プロファイルのデータを失うことはありません。ただし、その後ユーザーがプロファイルを変更した場合は、移動プロファイルに同期しません。
SyncDisabled ポリシーを使用する場合、RoamingProfileSupportEnabled ポリシーよりも優先されます。ローカル Chrome プロファイルがある場合は、移動プロファイルから更新されません。
一度に複数のパソコンで Chrome を使用する
ユーザーがネットワーク上の複数のパソコンで Chrome ブラウザ セッションを同時に実行することに慣れている場合でも、移動ユーザー プロファイルがユーザーにとって予期しない動作を引き起こす場合があります。移動ユーザー プロファイルを使用する場合、同時に Chrome セッションを実行しないことをおすすめします。
場合によっては、ユーザーが組織のネットワーク上の複数のパソコンで Chrome ブラウザを同時に使用する必要があります。ただし移動ユーザー プロファイルを使用している場合、1 つの Chrome セッションでのプロファイルの変更は他のセッションと同期されません。したがって移動ユーザー プロファイルを使用するときは、同時に Chrome セッションを実行しないことをおすすめします。
たとえば、パソコン A とパソコン B で同時に Chrome を使用します。パソコン A でプロファイルを変更すると、移動プロファイルは更新されますが、変更内容がパソコン B のプロファイルには自動的に同期されることはありません。したがって、パソコン B のプロファイルに別の変更を行った場合、その変更で移動プロファイルが更新され、最初の変更は上書きされます。
ユーザーはその動作を予期していない可能性があります。Chrome で移動ユーザー プロファイルを使用しない場合は、1 つのセッションでプロファイルを変更し、他のセッションと同期させることができます。ただし RoamingProfileSupportEnabled が有効になっていると、実行中のセッション間での同期は行われません。
組織で「profile.pb」を含むフォルダに対してフォルダ リダイレクトを使用する場合は、一度に複数のパソコンで Chrome セッションを開始できません。移動ユーザー プロファイルは、各セッションの「profile.pb」ファイルの作成とロックに依存します。%APPDATA%/Google/Chrome(または RoamingProfileLocation ポリシーで指定したフォルダ)にフォルダ リダイレクトを使用すると、そのユーザーの各 Chrome セッションは同じ「profile.pb」ファイルにアクセスしようとします。最初のパソコンでセッションを終了するまで、別のパソコンで 2 つめの Chrome セッションを開始することはできません。
関連トピック
移動ユーザー プロファイルの代わりに Chrome のクラウド同期を使用するよう、アカウント設定を同期する