[GA4] Google アナリティクス アカウントの構成

Google アナリティクス アカウントとプロパティの設定の例を確認して、アカウントとプロパティを構成するための原則を学びます

Google アナリティクス 4 にはビューがなく、個別にデータを収集できます。データを分離する粒度と、データへのアクセスを制御する方法は、(1)ビジネスニーズと、(2)標準の Google アナリティクスと Google アナリティクス 360 のどちらを使用するかによって決まります。

この記事では、大規模なビジネス アカウントの構成を想定しています。管理するアカウントが中小規模のビジネス向けの場合、アカウントの構成を考慮する必要はありません。

Google アナリティクス アカウント設定の例

追加のガイドとリファレンス

これ以降は、ここまでに挙げた例に含まれていない事項について詳しく説明します。この追加のガイドは主に、Google アナリティクス 360 をお使いのお客様を対象としています。

コンセプトと定義

Google アナリティクス 4 プロパティについて詳しくは、以下の記事および動画をご覧ください。

  • アカウント: データが単一の法人によって所有され、地域固有の利用規約(TOS)によって管理されるプロパティの集まり。
    各地域からのデータは、その地域内の独立した事業体に所有されている必要がありますか?
    • はい: 複数のアカウントを作成する場合は、地域ごとに 1 つのアカウントを作成してください。
    • いいえ: 本社がある地域に 1 つのアカウントを作成してください。
  • プロパティ: アカウントに属し、1 つのユーザーベースのデータを表す。商品ライン、ブランド、アプリケーションなど、大きな分類でデータをまとめて分析する必要がある場合に、データを 1 つのプロパティにまとめます(Google アナリティクス 360 をご利用の場合は参照元プロパティとして機能します)。
    収集するデータは、単一の論理ユーザーベースに関連していますか?また、アナリティクスを他のサービスにリンクする際は、データ全体を各サービスで共有しますか?
    • はい: 1 つのプロパティを作成してください。
    • いいえ: 論理ユーザーベースごとに個別のプロパティまたはサブプロパティを作成してください。
  • データ ストリーム: プロパティに属し、アプリまたはウェブサイトからデータを取得する際の参照元。プロパティごとに最大 3 つのデータ ストリームを使用することをおすすめします(ウェブサイトでのユーザーの行動を測定するためのウェブデータ ストリームを 1 つ、iOS と Android 用のアプリデータ ストリームを各 1 つずつ)。
    • アプリデータ ストリーム: データ ストリームは、アプリのパッケージ名とプラットフォームの組み合わせごとに 1 個作成できます。
    • ウェブデータ ストリーム: ほとんどの場合、1 個のウェブデータ ストリームを使って、ウェブサイトでのユーザーの行動を測定します。ユーザーの行動がドメインをまたがる場合、一貫したユーザー レポートとセッション レポートを作成するには、クロスドメイン測定と合わせて 1 個のウェブデータ ストリームを使います。

おすすめの方法

以下のおすすめの方法と推奨事項は、幅広いユーザーとユースケースを対象としています。まれに、このガイダンスが当てはまらない場合や、特定の状況に合わせて調整が必要な場合もある点にご注意ください。

一般的には、企業ごとに 1 つのアカウント、ブランドまたは事業単位ごとに 1 つのプロパティを設定することをおすすめします(ブランドと事業単位が、別々のステークホルダーまたはアナリスト グループを持つ個別の事業体である場合)。

例 A

  • 親会社 A: アカウント 1 個
    • ブランド X(自動車): プロパティ 1 個
    • ブランド Y(家庭用品): プロパティ 1 個
    • ブランド Z(家電製品): プロパティ 1 個

この場合、親会社は 1 つのアカウントと 3 つの異なるプロパティを持ち、各プロパティにはそのブランドまたは事業単位に関するデータのみが含まれます。

例 B

  • 企業 B: アカウント 1 個
    • 商品ライン D(住宅保険): プロパティ 1 個
    • 商品ライン E(自動車保険): D と同じプロパティ
    • 商品ライン F(生命保険): D および E と同じプロパティ

この場合は、すべての事業部門のデータを 1 つのプロパティに送信するように設定されています。複数の商品を定期的に使っている顧客がいたり、商品間でアップセル キャンペーンまたはクロスセル キャンペーンが頻繁に行われたりするため、すべてのデータをまとめて確認するのが合理的だからです。このプロパティは、サブプロパティ参照元プロパティとして機能し、個々の商品ラインを分析することも可能です(以下を参照)。

例 C:

  • 小規模ビジネス C(例: ジョーズ デリ): アカウント 1 個
    • すべての商品(デリミート、サンドイッチ、飲み物など): プロパティ 1 個

この例では、ジョーズ デリは小規模ビジネスであるため、複数のプロパティは必要ありません。オンラインでのデリ宅配事業においては、すべての商品をまとめて分析しています。顧客は複数の商品を購入することが多く、ジョーズ デリの事業部門が分かれているわけではないからです。この場合、すべてのデータに対して 1 つのプロパティを指定するのが合理的です。

データ ストリーム

各参照元プロパティには、受信データを提供するアプリやウェブサイトからのデータ ストリームがあります。したがって、データ ストリームとは、簡単に言うと、特定の GA4 プロパティにデータを送信するウェブサイトやアプリのことです。

次のように設定することをおすすめします。

  • プロパティごとにウェブデータ ストリーム 1 個
  • プロパティごとに iOS データ ストリーム 1 個
  • プロパティごとに Android データ ストリーム 1 個
アプリデータ ストリームごとにリンクできる GA4 プロパティは 1 つだけであることを考慮に入れて、プロパティにリンクするストリームを決めてください。

Search Console の統合

Search Console に GA4 プロパティをリンクできます。これにより、Google オーガニック検索からの検索語句や、レポートのディメンション(ランディング ページなど)などの豊富なデータが Google アナリティクスに新たに組み込まれます。

どのプロパティをどの Search Console プロパティにリンクするかを決める必要があります。サブプロパティと統合プロパティを使用している場合は、参照元プロパティ、サブプロパティ、統合プロパティのいずれにリンクするかを選択する必要があります。

GA4 プロパティと Search Console プロパティのリンクは、GA4 の管理ページから簡単に設定できます。リンクを設定するには、Search Console プロパティの確認済みのサイト管理者であり、Google アナリティクス 4 プロパティの管理者ロールを付与されている必要があります。

表示されるレポートをカスタマイズする

Google アナリティクス 4 プロパティを使用すると、表示するレポートそれらのレポートに含める指標とディメンション、レポート内のグラフを細かく管理できます。特定のグループ(マーケティング チームなど)だけに関連するレポートを集めたコレクションを設定することもできます(ただし、これらのコレクションへのアクセスを制限することはできません。すべてのプロパティ ユーザーが閲覧できます)。このように、GA4 をカスタマイズすることで、最も関連性の高いレポートを最も目立つ場所や最も簡単にアクセスできる場所に表示できるため、不要なレポートの中から必要なレポートを見つけ出す手間が省けます。

マーケティング チームのレポート コレクションの例:

マーケティング チームのレポート コレクションの例

各コレクション内の特定のレポートをカスタマイズできます。たとえば、ほとんどの表レポートには標準レポート設定で表示される「総収益」指標があります。この指標は、e コマース ビジネスで送信している収益データをチームで分析したい場合に最適ですが、Google アナリティクス内でレポートする収益データがない場合、この列には各行に $0.00 値が表示されます。ビジネスに関連のない指標であれば、削除することでレポートが見やすくなります。

合計収益の指標を含むイベント レポート:

「合計収益」指標を含むイベント レポート

インターフェースを編集(指標の横にある [X] をクリックして削除)します。

イベント編集のインターフェース - 削除する指標の横にある [X] をクリック

「合計収益」指標の削除を適用して保存します。

「合計収益」指標を削除して保存されたイベント

Google アナリティクスの収益データがない(または表示したくない)ビジネスであれば、この方が見やすいレポートになります。

データの整備に関するおすすめの方法

特定のデータを含めたり除外したりするようにレポートをフィルタするだけでなく、内部 IP トラフィックや不要な参照を除外したり、クロスドメイン測定を適切に設定したりするなど、データの整備を行うことも重要です。

内部 IP トラフィックを除外する

内部 IP トラフィックをデータセットから除外することは、従業員により多くのトラフィックがウェブサイトで発生するようなビジネスにとって、重要な設定手順です。たとえば、サポート担当技術者が顧客のサポートで自社のヘルプセンター記事を頻繁に参照している場合、内部 IP トラフィックをデータセットから削除することで、外部の顧客のユースケースに関する分析を目的とするレポートのデータが、自社の従業員(内部ユーザー)のトラフィックによって不正確になることを防げます。このフィルタは、GA4 では既定になりました。

内部トラフィック ルールの作成のインターフェース

不要な参照を削除する

データの整備については、不要な参照トラフィックの除外も考慮することをおすすめします。イベントを保持しながら、特定の参照 URL は無視することで、その参照ソースからのデータを商品データから除外し、トラフィックのアトリビューションに影響を与えないようにすることができます。こちらも GA4 では既定の構成になりました。

不要な参照のリストのインターフェース

クロスドメイン測定を設定する

Google アナリティクスのユーザーがよく直面する問題に、クロスドメイン トラフィックの処理があります。これまでは、Google タグ マネージャーまたは TMS を使用するか、サイトにハードコーディングして、クロスドメイン測定を設定していましたが、この追加の作業は、Google アナリティクスのユーザーにとって難しい場合がありました。そのため、自社ドメインからのセッションと参照が新たにカウントされたり増大したりするなど、データの整備に問題が生じていました。Google アナリティクス 4 では、管理画面で簡単に設定できるため、データの整備を改善できます。

ドメイン設定のインターフェース

データの変換

データの変換は、Google アナリティクス 4 プロパティのイベントの作成と変更で処理できます。

ある 1 つのイベントが GA4 プロパティに 2 つの異なる方法で 2 回送信されたとします。たとえば、複数のチームによって開発されたウェブサイトのさまざまな場所で、ウェブサイト上の重要なアクションにつながる「start_now」イベントが知らないうちに別の方法でコーディングされたような場合、このイベントは複数の方法(「start_now」と「startNow」)で GA4 に送信されるかもしれません。これはデータ品質に影響を及ぼしかねないよくあるシナリオですが、管理画面でイベントを作成および修正することでこの問題を解決できるようになりました。

イベントのインターフェース

この問題を解決するには、GA4 プロパティの [設定] 欄で [イベントを変更] をクリックします。

[設定] セクションの [イベントの変更] ボタン

表示された画面で必要な変更を加えることができます。その場合は、どちらの「今すぐ開始(Start Now)」イベントを保持するかを選択し、それに合わせてもう一方のイベントを変更します。下記の例では、「startNow」という名前のイベントはすべて「start_now」というイベント名に変更されます。今後はこれら 2 つのイベント名が 1 つの名前に統合され、レポートで 1 行として表示されるため、レポートが大変わかりやすくなります。

イベントの変更のインターフェース

ユーザーへのアクセス許可とユーザーロール

Google アナリティクス 4 プロパティでは、ロールと制限の機能が高度かつ効率的になりました。標準ロールには次が含まれるようになりました。

  • 管理者: アカウントに対する完全な管理権限があります
  • 編集者: データと設定に対する完全な編集権限を持っていますが、ユーザーを管理することはできません
  • アナリスト: データと設定の閲覧に加えて、共有アセットの作成と編集が可能です
  • 閲覧者: レポートデータと設定を閲覧できます

さらに、GA4 プロパティでは、「費用指標なし」または「収益指標なし」というデータ制限ロールを割り当てることで、レポート画面内で費用と収益のデータを非表示にする機能が追加されています。ユーザー権限のこの追加機能は、機密性の高いビジネスデータを保護しつつ、サイトや行動のデータへのアクセスを特定のオーディエンスに許可する際に役立ちます。

費用と収益に対する制限に関する注意事項: 指標フィルタは、収益データを表示しているオーディエンスには機能しません。また、ユーザーは、こうした制限が適用されていても購入イベントの数を引き続き確認できます。そのため、購入データのイベント数を表示したくない場合は、サブプロパティを使用することを検討してください。

直接ロールとデータ制限のインターフェース

360 固有の機能: サブプロパティと統合プロパティ

サブプロパティと統合プロパティの使用例

このガイドの冒頭のいくつかの例に戻って、設定の観点からこれらのシナリオを見てみましょう。

リンク設定: Google 広告、検索広告 360、ディスプレイ&ビデオ 360

この情報は役に立ちましたか?

改善できる点がありましたらお聞かせください。
14862705088362618048
true
検索
検索をクリア
検索を終了
メインメニュー
ヘルプセンターを検索
true
true
true
true
true
69256
false
false
false