ウェブサイト パフォーマンスを改善するには、タスクの完了とタスクの放棄についての理解が不可欠です。コンバージョン率、直帰率、クリック率のような重要な指標はすべて、タスクを開始したユーザー数とタスクを完了したユーザー数との比較に基づいています。
カスタム ファネルにより、ユーザーがタスクを完了するまでのステップを視覚化することで、各ステップでのユーザーの動向を簡単に把握できます。この情報に基づいてサイトを改善し、十分に成果が得られない、または放棄されるカスタマー ジャーニーを減らすことができます。また、リマーケティング オーディエンスを作成して、目標到達プロセスの途中で放棄しているユーザーに再びアプローチすることもできます。
この機能は、Google マーケティング プラットフォームに含まれるアナリティクス 360 でのみご利用いただけます。 Google マーケティング プラットフォームの詳細 |
カスタム ファネルの仕組み
カスタム ファネルは、[カスタム レポート] にタブとして表示されます。カスタム ファネルには、1 つ以上の「ステージ」があります。各ステージは、ディメンションに基づくルールを使って定義されます。このルールによって、ステージに特定の値に一致するヒットを含めるか除外するかが決まります。アナリティクスのあらゆるディメンションを、カスタム ファネルのルールで使用できます。
カスタム ファネルには、定義した各ステージを完了したユーザー数と放棄したユーザー数のグラフが表示されます。タスク全体を完了しているユーザー数やセッション数という観点から、目標到達プロセスの中でパフォーマンスが最も高いステージと最も低いステージをすぐに把握することができるので、目標に到達するユーザーの増加への取り組みに役立ちます。
具体的な方法:
- カスタム ファネルの特定のステージを完了したユーザーと完了しなかったユーザーのセグメントを作成して、そのセグメントを他のレポートに適用します。そのレポートを使ってさらなる分析を行い、ユーザーがそのステージを完了また放棄した原因を理解します。
- そのセグメントのユーザーを対象にしたリマーケティング オーディエンスを作成して、タスクを完了しなかったユーザーに再びアプローチします。
カスタム ファネルの作成
カスタム ファネルは 360 のプロパティでのみ使用できます。
カスタム ファネルは、[カスタム レポート] にタブとして表示されます。カスタム レポートを表示する方法は以下のとおりです。
- Google アナリティクスにログインします。
- 目的のビューに移動します。
- [レポート] を開きます。
- [カスタム] > [+ 新しいカスタム レポート] をクリックします。
- [目標到達プロセス] タブを選択します。
カスタム レポートを作成、編集、共有するなど全般的な手順については、カスタム レポートを作成、管理するをご覧ください。
カスタム ファネルの設定オプション
基本オプション
分析タイプ: 既定では、カスタム ファネルはユーザーが分析対象です。つまり、カスタム ファネルのステージは、各セッションでのユーザー行動を分析します。[1 回のセッションですべてのステップが発生する必要があります] を選択して、カスタム ファネルの分析対象をセッションに限定することができます。
目標到達プロセスルール: ルールによってステージの完了条件を定義します。カスタム ファネルごとにステージを 5 つまで、ステージごとにルールを 5 つまで定義できます。
- [+ フィルタを追加] をクリックして、ルールを追加します。
- [+ 新しいステージを追加] をクリックして、ステージを追加します。
ディメンションのプルダウン メニューを使って、ステージを定義するのに使用するディメンションを選択します。カスタム ディメンションやカスタム変数を含め、アナリティクスのどのディメンションでも使用できます。ルールには一致や除外のどちらでも、また値には完全一致や正規表現のどちらでも選択することができます。
ルールの例
トップページからセッションを開始したユーザーを選択するには、[一致] [ランディング ページ] [完全一致] 「/home.html
」というルールを作成します。
ステージに複数のルールを含める場合、すべてのルールはステージが完了されたと見なされるようにする必要があります(つまり、ルールは論理演算子 AND で適用される必要があります)。
詳細オプション
目標到達プロセスのタイプ: 既定では、カスタム ファネルは「クローズ」です。この場合、目標到達プロセスの最初のステージでセッションを開始したユーザーだけが目標達成プロセスとして考慮されます。どのステージでセッションを開始したユーザーでも考慮したい場合は、[目標到達プロセスのタイプ] を「オープン」に変更します。
セッションを分析対象とした目標到達プロセスでのみ目標到達プロセスのタイプを変更できます。ユーザーを分析対象としている場合は、必ずクローズです。
指標: 既定では、カスタム ファネルは各ステージを完了 / 放棄したユーザーの数を表示します。代わりにセッション数を表示するように変更することもできます。
セッションを分析対象にしている指標の場合は変更できますが、ユーザーを分析対象にしている指標の場合は、ユーザー数しか表示できません。
後に続くステップの条件: ステージが複数ある場合、定義する順序は重要です。[後に続くステップの条件] オプションによって、ユーザーがステージをたどった経路を評価する方法が決まります。次の設定を選択できます。
- 指定なし。ユーザーはステージ間で中間ステップをたどることができます。これらのステップはカスタム ファネルに含まれている必要はありません。
例
ページ A とページ B の 2 つのステージを含むカスタム ファネルを定義したとします。[指定なし] オプションを選択すると、ページ A、次にページ X、最後にページ B にアクセスしたユーザーは、目標到達プロセスの両方のステージを完了したとカウントされます。
[目標到達プロセスのタイプ] オプションにより、ユーザーが最初のステージから目標到達プロセスの経路を始める必要があるか(クローズ)、どのステージからでも開始できるか(オープン)が決まります。 - 各ステップの後すぐ。前のステップの直後に次のステージに進んだ場合にのみ、そのユーザーは目標到達プロセスにいると見なされます。
例
ページ A とページ B の 2 つのステージを含むカスタム ファネルを定義したとします。[各ステージの後すぐ] オプションを選択すると、ページ A、次にページ X、最後にページ B にアクセスしたユーザーは、目標到達プロセスの最初のステージのみを完了したとカウントされます。後にページ B にアクセスしたとしても、ページ X に迂回した時点でページ A で放棄したとカウントされます。
- ステップごとに決定する。上記のオプションは目標到達プロセス全体に適用されます。ステージごとにカスタマイズしたい場合は、このオプションを選択します。目標到達プロセスの各ステージの下に表示される [..is followed by] メニューから該当する行動を選択します。
目標到達プロセスの分析
カスタム ファネルのグラフには目標到達プロセスの各ステージとともにステージを完了して次に進んだユーザー数、ステージを完了せずに放棄したユーザー数が表示されます。このグラフにより、改善が必要な成果の低いステージが一目でわかります。
カスタム ファネルの期間
カスタム ファネルは過去のデータに基づくものであり、すでに収集され処理されたデータに適用されます。レポートの [期間] コントロールを使うと、異なる期間で表示できます。
セグメントを適用する
カスタム ファネルにはセグメントを 1 つ適用することができます。セグメントは、目標到達プロセスの最初のステージでフィルタとして機能します。
目標到達プロセスの活用方法
カスタム ファネルでは、目標到達プロセスにより明らかになった情報を、次の 2 つの手順で活用することができます。
セグメントを作成する
カスタム ファネルのグラフで、完了 / 放棄されたステージのどれでもクリックすると、そのステージの条件に基づいて新しいセグメントが作成されます。作成されたセグメントを Google アナリティクスに適用して、そのステージでの行動の原因を理解することができます。
リマーケティング オーディエンスを作成する
カスタム ファネルのグラフで、完了または放棄されたステージのどれかをクリックすると、ステージを完了または放棄したユーザーのリマーケティング オーディエンスを作成できます。そのリストのユーザーを対象に、Google 広告でリマーケティング キャンペーンを実施します。
カスタム ファネルの制限事項と注意事項
- カスタム ファネルはプレミアム ユーザー 360 ユーザー専用の機能です。
- カスタム ファネルごとに 5 つまでのステージを指定できます。
- 1 つのステージに 5 つまでのルールを指定できます。
- カスタム ファネルにはセグメントを 1 つだけ適用することができます。
- カスタム ファネルには、他のレポートと同じデータ サンプリング ルールが適用されます。