商品のメタデータをインポートすると、収集したアナリティクス データに、商品に関連するディメンション(サイズ、色、スタイルなど)を追加して、きめ細かいマーケティング分析を行うことができます。
この機能を使用するには、プロパティで拡張 e コマース プラグインを使用している必要があります。
e コマースコードを変更して、商品の SKU を個々のヒットと一緒に送信できるようにしておく必要もあります。
シナリオ:
e コマースを展開する衣料小売業者が、サイトで人気の色とサイズを把握したいと考えています。
ステップ 1: ec.js プラグインを使用してサイトにタグを設定する
ec.js プラグインを使用したページのタグ設定のガイドラインに従って、商品リスト、商品の詳細ページ、内部プロモーション、ショッピング カート、決済ページにタグを設定します。
ステップ 2: インポートするデータを決定する
衣料品の記事をそれぞれ色とサイズに関連付けるデータファイルを、アナリティクスの外部に保存していて、その情報をアナリティクスにアップロードするとします。
ステップ 3: カスタム ディメンションを作成する
アナリティクスでは、「色」や「サイズ」というディメンションは存在しないため、カスタム ディメンションとして作成する必要があります。
ステップ 4: データセットを作成する
- Google アナリティクスにログインします。
- [管理] をクリックして、データをアップロードするプロパティに移動します。
- [プロパティ] 列で [データのインポート] をクリックします。
- [新しいデータセット] をクリックします。
- タイプとして [商品データ] を選択します。
- データセットの名前を「色とサイズ」にします。
- データを表示するビューを 1 つ以上選択します。
- 以下の例をモデルとして使用してスキーマを定義します。
スキーマの例
ヒットデータの色とサイズを明示的に送信せずに商品 ID を送信するとします。商品 ID に追加するには、商品の SKU をキーとして選択します。
スキーマの設定:
キー: 商品の SKU
インポートしたデータ: 色、サイズ
ヒットデータの上書き: はい
データセットを保存します。
ステップ 5: CSV ファイルを作成する
アップロード用 CSV ファイルを作成するには、以下の 2 つの作業を行います。
1. CSV のヘッダーを取得する
データセットの表で、[色とサイズ] をクリックし、データセットの設定を開きます。
[スキーマを取得] をクリックします。
次のような文字列が表示されます:
CSV header ga:productSku,ga:dimension23,ga:dimension24
このヘッダーは、アップロードする CSV ファイルの 1 行目として使用してください。以下の表は列を示します。
商品の SKU | 色 | サイズ |
---|---|---|
ga:productSku | ga:dimension23 | ga:dimension24 |
2. スプレッドシートを作成し、CSV 形式でエクスポートする
上記の形式の Google スプレッドシートを作成します。スプレッドシートの最初の(ヘッダー)行では、(商品 SKU ではなく)上記の [スキーマを取得] ダイアログに表示される内部ディメンション名(ga:productSku など)を使用してください。各ヘッダーのセルの下の列に、各ヘッダーに対応するデータを含めるようにします。
ga:productSku | ga:dimension23 | ga:dimension24 |
---|---|---|
12345 | Red | S |
12345 | Red | M |
23456 | White | M |
23456 | Blue | L |
スプレッドシートを CSV 形式でエクスポートすると、ファイルは次のようになります。
ga:productSku,ga:dimension23,ga:dimension24 12345,Red,S 12345,Red,M 23456,White,M 23456,Blue,L
ステップ 6: データをアップロードする
作成した CSV ファイルをアナリティクスにアップロードできるようになりました。データをアップロードする方法には、アナリティクスの管理画面から手動でアップロードする方法と、Management API を使ったプログラムでアップロードする方法の 2 種類があります。
手動でアップロードする- データセットの表で、[色とサイズ] の行を探します。
- 「色とサイズ」データセットの [アップロードを管理] をクリックします。
- [ファイルをアップロード] をクリックしてファイルを選択し、[アップロード] をクリックします。
- データセットの表で、[色とサイズ] の行を探します。
- データセット名をクリックします。
- [カスタムデータ ソース ID を取得…] をクリックします。
- ID をコピーします。
- こちらの手順に沿って Management API でアップロードします。
ステップ 7: e コマースコードを更新する
商品データをアップロードしたら、商品の SKU と個々のヒットと一緒に、レポートに追加するデータ(カスタム ディメンションやカスタム指標など)のデータを送信するように e コマースコードを変更します。
注: アナリティクスに e コマースデータを送信する際、「商品の SKU」という名前のフィールドは指定されませんが、その代わりに、これは以下の例に示すように ID フィールドとして表されます。
// トランザクションを送信する際にインポートした商品のデータと結合する例です。 ga('create', 'UA-XXXX-Y'); ga('require', 'ec', 'ec.js'); // 拡張 e コマース プラグインを読み込みます。必須。 // ID フィールドの値がアップロードした商品の SKU と一致すると、 // データの収集時に商品名や価格などの商品データがヒットに // 追加されます。 ga('ec:addImpression', { 'id': '12345', // 商品の ID または SKU(キー)。必須。 'list': 'Search Results', 'position': 1, 'dimension1': 'Member' }); ga('send', 'pageview'); // ページビュー ヒットとインプレッションを送信します。
これで、実装した拡張 e コマースで送信される商品 ID が、インポートした商品データセットに含まれる商品の SKU と照合され、アップロードした追加の商品データがレポートに自動的に入力されるようになります。
ステップ 8: レポートにデータを表示する
色とサイズはカスタム ディメンションであるため、標準レポートに自動的には表示されませんが、セカンダリ ディメンションとして追加できます。たとえば、商品の販売状況レポートでは、商品の SKU をプライマリ ディメンションに選択し、色またはサイズをセカンダリ ディメンションとして追加することができます。また、拡張 e コマースに関する指標(商品の収益、固有の購入数、数量など)を使用してカスタム レポートを作成し、商品の SKU、色、サイズをディメンションとして追加することもできます。
アップロードされたデータは、処理が完了するまでレポートには表示されません。処理が完了してからインポート データが外部からのヒットデータに統合されるようになるまでには、24 時間程度かかることがあります。