セグメント ビルダーを使って、セグメントを構成する個々のフィルタを定義します。作成したセグメントをレポートやマイレポート一覧に適用すると、目的のデータだけを表示できます。
この記事の内容:
セグメント ビルダーの管理画面
セグメント ビルダーを使って、セグメントを構成するフィルタをアナリティクスのディメンションや指標を基に作成できます。フィルタの条件は、ディメンションまたは指標、比較演算子を選択したり、値を入力したりして設定します。多くの場合、データの範囲(ヒット、セッション、ユーザー)も選択できます。たとえば次のようにします。
言語 - 完全一致 -「フランス」
(ディメンション - 演算子 - ディメンションの値)収益 - ユーザーあたり - > -「100」
(指標 - 範囲 - 演算子 - 指標の値)
場合によっては、暗黙的な演算子を使用できます。たとえば、年齢または性別ディメンションを使用する場合は、次のようになります。
年齢 -「18-24」(年齢 = 18~24 歳)
(ディメンション - 暗黙的な演算子 - ディメンションの値)
セグメントには最大 20 個のフィルタを適用できます。
データの範囲
セグメントの各フィルタでは、以下のデータの範囲を 1 つ以上適用できます。
- ヒット: ページの表示や動画の再生など、1 つのアクションに絞ったユーザーの行動。
- セッション: 1 セッション内のユーザーの行動。たとえば 1 セッションでユーザーが達成した目標、1 セッションでユーザーがもたらした収益額など。
- ユーザー: 特定の期間(最大 93 日)のすべてのセッションにおけるユーザーの行動。指定した期間のすべてのセッションでユーザーが達成したすべての目標、あるいはユーザーがもたらしたすべての収益など。
- 商品: 商品に関連する行動。商品関連の指標を使用する際にのみ選択できます。
フィルタでは範囲を選択できますが、範囲が固定されているフィルタもあります。範囲を選択する際には、1 つ以上のメニューが表示されます。次の例をご覧ください。
フィルタに複数の範囲を追加した場合、それらの範囲を次の例のように組み合わせることができます。
セッション(ヒットあたりの収益 > 10)
ユーザー(セッションあたりの収益 > 10)
ユーザー(ヒットあたりの収益 > 10)
フィルタのカテゴリ、ディメンション、指標に対応する範囲カテゴリ | ディメンション / 指標 | 範囲 |
---|---|---|
ユーザー属性 | 年齢 | ユーザー |
性別 | ユーザー | |
言語 | セッション | |
アフィニティ カテゴリ | ユーザー | |
購買意向の強いセグメント | ユーザー | |
その他のカテゴリ | ユーザー | |
地域 | セッション | |
テクノロジー | すべてのディメンション | セッション |
行動 | セッション | ユーザー |
セッションの間隔(日数) | ユーザー | |
トランザクション数 | ヒット / セッション / ユーザー | |
セッション継続時間 | セッション / ユーザー | |
最初のセッションの日付 | 最初のセッション | ユーザー |
トラフィック | すべてのディメンション | セッション / ユーザー |
拡張 e コマース | すべてのディメンション | ユーザー |
収益(指標) | ユーザー + ヒット / セッション / ユーザー | |
すべてのディメンションと指標 | ヒット、セッション、ユーザーのほか、以下のような特定の購入行動に基づいてこれらのフィルタ全体に制限を適用することもできます。
ユーザー(商品を購入 AND 収益 > 10) |
|
商品関連の指標 | 商品 | |
条件 | すべてのディメンションと指標 | セッション / ユーザー |
一部の指標 | セッション / ユーザー + ヒット、セッション、ユーザー、または商品 | |
シーケンス | すべてのディメンションと指標 |
セッション / ユーザー キャンペーン マネージャー 360 はユーザーにのみ対応しています。 |
一部の指標 | セッション / ユーザー + ヒット、セッション、ユーザー、または商品 |
フィルタ評価の仕組み
セッション フィルタで AND 条件を使用するには、同じセッションに含まれるどのヒットの組み合わせでも、すべての条件が満たされている必要があります。
同じディメンションの複数の値は OR 論理演算で結合します。次の例をご覧ください。
- 年齢: 18-24 OR 年齢: 25-34
いずれかの条件を満たしているデータが含められます。
同じカテゴリの複数のディメンションと値は AND 論理演算で結合します。たとえば次のようになります。
- (ユーザー属性 / 年齢: 18-24)AND(ユーザー属性 / 性別: Female)
2 つの条件に当てはまるデータが含められます。
同じカテゴリの複数の指標値は AND 論理演算で結合します。次の例をご覧ください。
- 行動: セッション数 > 1 AND 行動: ユーザーあたりのトランザクション数 > 1
2 つの条件に当てはまるデータが含められます。
同じカテゴリの指標の値とディメンションの値は、AND 論理演算で結合します。たとえば次のようになります。
- e コマース: ユーザーあたりの収益 > 10 AND e コマース: 商品 = T シャツ
2 つの条件に当てはまるデータが含められます。
複数のカテゴリのフィルタは AND 論理演算で結合します。次の例をご覧ください。
- ユーザー属性のフィルタ AND テクノロジーのフィルタ AND シーケンスのフィルタ
すべての条件を満たしているデータが含められます。
条件とシーケンスを使用する
条件とシーケンスのフィルタはディメンションと指標に基づいて使用しますが、次のような使い方も可能です。
- 特定のカテゴリにとらわれず、どのディメンションや指標でもフィルタを作成できます。
- 特定のデータを追加または除外できます。
- AND 条件や OR 条件を使用できます。
- 同じフィルタでユーザーに基づくルールとセッションに基づくルールを併用する場合は、AND 論理演算で結合します。2 つの条件に当てはまるデータが含められます。
- シーケンスのフィルタでは、最初のユーザー接点を特定するか、どの接点でも許可するかを指定できます。
- シーケンスのフィルタに複数のステップを含める場合は、1 つのステップの後にいつでも次のステップを行うことができるか、それともすぐに次のステップを行う必要があるかを指定できます。後続のステップは、同じセッション内または後続のセッションのどちらで開始するかを指定できます。
セッション数の意味の違い
セグメントを作成するときには、行動セクションの指標のセッション数と条件セクションのディメンションのセッション数の使い方に戸惑うかもしれません。
どちらもユーザーレベルのセッションのカウント数ですが、カウントする期間が異なります。
- 指標のセッション数は、レポートの期間中にユーザーがセッションを開始した回数です。たとえば、1 月 1 日から 1 月 15 日までに開始されたセッション数は「5」あるいは「> 5」のようにカウントします。
- ディメンションのセッション数はユーザーが期間全体でセッションを開始した回数です。前のセッションをその期間中に開始したかどうかに関わらず、カウントに含まれる最後のセッションは、レポートの期間中に開始されている必要があります。たとえば、「セッション数 = 5」は、ユーザーがレポートの期間中に 5 回目のセッションを開始したことを意味し、「セッション数 > 5」は、ユーザーがレポートの期間中に 6 回目以降のセッションを開始したことを示します。
新しいセグメントを作成する
セグメントを作成する場合は、まず、ユーザーあたり、またはビューあたりのセグメントの制限を確認しましょう。これらの上限に達している場合、追加のセグメントを作成またはインポートすることはできません。
次の両方を含むセグメントは作成できません。
- ユーザー属性またはインタレスト カテゴリ(例: 年齢層、性別、アフィニティ カテゴリ)に基づく条件
- カスタム ディメンションまたはカスタム変数に基づく除外条件
両方を含むセグメントを作成しようとしても、一方を削除しないとプレビューも作成も行えません。
既存のセグメントで目的のデータを分析できない場合は、新しいセグメントを作成してから、必要に応じて範囲を調整します。
セグメントを作成する手順は次のとおりです。
- アナリティクス アカウントにログインします。
- データを分析するビューを開きます。
- [レポート] を開きます。ここでさまざまなレポートを選択できます。
- [+ セグメントを追加] をクリックします。 セグメント リストが開きます。
- [+ 新しいセグメント] をクリックします。 セグメント ビルダーを起動する手順は次のとおりです。
- セグメントの名前を入力します。
- 各種カテゴリのオプションを使用して、セグメント用のフィルタを設定します。
注: Chrome ではユーザーのプライバシーをより確実に保護できるよう、ブラウザ経由で利用可能なデータの粒度を下げる更新が実施されました。このため、次のフィールドに関するデータの一部またはすべてを取得できない場合があります。
- モバイル デバイスのブランド
- モバイル デバイスのマーケティング名
- モバイル デバイスのモデル
- モバイル入力セレクタ
- OS のバージョン
- 画面の解像度
フィルタを追加すると、[サマリー] ペインが更新され、セグメントに含まれるユーザー数とセッション数の推定値が表示されます。この推定値はサンプリング データに基づいており、最終的にセグメントをレポートに適用した場合に追加されるユーザー数またはセッション数に完全に一致することを目的としたものではありません。 - フィルタの設定を終えたら、セグメントのプレビューとテストを実施できます。
[テスト] をクリックすると、セグメント フィルタに一致するユーザーとセッションの割合を確認できます。
[プレビュー] をクリックすると、現在のレポートに影響するセグメントを確認できます。レポートで必要な情報が表示されない場合は、引き続きセグメントを編集し、もう一度プレビューします([プレビュー] をクリックすると、Test 関数が自動的に呼び出されます)。 - セグメントに必要なデータが含められていることを確認したら、[保存] をクリックしてセグメント ビルダーを終了し、セグメントをレポートに適用します。
既存のセグメントをコピー、修正する
既存のセグメントは、新しいセグメントを作成する土台として利用できます。
たとえば、コンバージョンが達成されたセッションのシステム セグメントをコピーし、国や地域あるいはキャンペーンなどのフィルタを追加すると、セッションが開始された特定の国に関するデータや、セッションにつながった特定のキャンペーンに関するデータを分析できます。
セグメントをコピーする手順は次のとおりです。
- セグメント リストを開いて、コピーするセグメントを見つけます。
- [アクション] > [コピー] をクリックします。 セグメント ビルダーが開いて、セグメントの設定が次のように表示されます。
- セグメントに新しい名前を付けます。
- 既存のフィルタの編集や新しいフィルタの設定を行います。例: 元の設定では、セグメントに目標完了数が 1 回以上のセッションが対象となっていましたが、設定を少し変更して、「Summer Swimwear」キャンペーンの結果としてアメリカで開始されたセッションも含めるように制限しました。
- セグメントの修正を終えたら、[保存] をクリックします。