データ除去機能を使うと、メールアドレスや URL クエリ パラメータの形で不用意に個人情報(PII)を収集してしまう事態を防げます。データ除去機能はテキスト パターンを使って、あらゆるイベント パラメータと URL クエリ パラメータ(page_location、page_referrer、page_path、link_url、video_url、form_destination のイベント パラメータの一部に含まれる URL クエリ パラメータ)から、メールアドレスと見込まれる部分を特定します。
language=english
)。たとえば、イベント パラメータ page_location
の値が、https://www.example.com/us?language=english&catalog=summer23
という URL とクエリ パラメータになる場合があります。データ除去機能は、データが収集される前にイベントを評価して、メールアドレスやクエリ パラメータの Key-Value ペアとして認識されるテキストをすべて検出して削除します。データ収集は、不適切なテキストが削除された後に、想定どおりに行われます。
データの除去は、ウェブデータ ストリームの設定の 1 つとして指定します。
新しいプロパティを作成すると、メールアドレスのデータ除去がデフォルトで有効になります。この機能のリリース前に作成されたプロパティについては、下記の手順でデータの除去を有効にする必要があります。
データの除去は PII の不用意な収集を防ぐ効果的なツールになりますが、このツールを使った場合も、規制上の要件を満たす最終的な責任はデータを収集するエンティティが負うことを押さえておくことが重要です。この機能では、そうした責任の遂行をさらに支援するために、ご指定のテキスト パターンが想定どおりに削除されるかどうか、設定をテストして確かめられるようにしています(詳細)。また、デバッグビューを使って、アナリティクスがサイトからイベントを収集する様子をリアルタイムでモニタリングすることもできます。
注意事項
現在、データの除去が利用できるのはウェブデータ ストリームに限られます。
データの除去は、イベントデータに含まれるメールアドレスをベスト エフォート ベースで評価します。
データの除去は、アナリティクスがクライアント サイドでイベントを変更または作成した後、データがアナリティクスに送信される前にクライアント サイドで実施されます。
データの除去は、ブラウザで使用可能な Unicode 文字など、パーセントでエンコードされた URL クエリ パラメータにも対応します。たとえば、クエリ パラメータとして「名」を入力し、テスト用 URL として「https://www.example.com?名=john」と入力すると、次のように処理されます。
入力後のテスト用 URL | 除去されたバージョン |
---|---|
http://www.example.com/?%E5%90%8D=john | http://www.example.com/?%E5%90%8D=(redacted) |
データの除去では、誤ってメールアドレスだと解釈されたテキストが削除される可能性があります。たとえば、「@」の後にトップレベル ドメイン名(example.com など)が続くテキストは、誤って削除される可能性があります。
データの除去では、HTTP ヘッダーの値(古いブラウザにおいてクエリ パラメータを含んでいる可能性があるリファラーなど)は評価されません。
データの除去によって、Measurement Protocol やデータ インポートによる PII の収集が妨げられることはありません。
データの除去を設定する
- [管理] の [データの収集と修正] で、[データ ストリーム] をクリックします。
- 該当するウェブデータ ストリームをクリックします。
- [イベント] セクションで [データの除去] をクリックします。
- メールアドレスや URL クエリ パラメータを除去したい場合は、それぞれのオプションのスイッチをオンにします。
- URL クエリ パラメータを除去する場合は、除去するクエリ パラメータのリストを入力します(firstname、lastname、email_address など)。各パラメータを入力した後に、Return / Enter キーを押します。
[データ除去のテスト] セクションで、データがどのように削除されるか確認します。上記のステップ 5 で指定したオプションについて、テストが実施されます。
- 上記のステップ 6 で入力したクエリ パラメータを含む URL やメールアドレスを含むサンプル テキストとサンプル値を入力します(例:
https://www.example.com/settings?firstname=John&lastname=Doe&email_address=johndoe@example.com
)。 - [除去されたデータをプレビュー] をクリックします。
[除去されたバージョン] の下に、ご指定の設定で収集されるデータの例が表示されます。以下はサンプル テキストの例です。
https://www.example.com/?firstname=John&lastname=Doe&email_address=johandoe@example.com
除去されたバージョンは次のようになります。
https://www.example.com/?firstname=(redacted)&lastname=(redacted)&email_address=(redacted)