Meet の会議とライブ配信用にネットワークを準備する

この記事は管理者を対象としています。ユーザーが自身で会議を設定、管理する方法については、Meet ヘルプセンターをご覧ください。

この記事は、複雑なネットワーク ニーズを抱える数百人または数千人の大規模な組織で、Meet を管理する IT 管理者のために記載された内容です。技術に関する上級者向けの内容が含まれているため、該当しない方は特にお読みになる必要がありません。

IT 管理者として Meet のネットワークのトラブルシューティングを行う方法については、管理者として Meet のネットワーク、音声、動画に関する問題のトラブルシューティングを行う方法をご覧ください。

組織全体の Meet を無効にする場合は、組織で Meet の会議と通話を無効にするをご覧ください。

Google Meet で高音質な会議を行えるようにするには、Meet と Google インフラストラクチャとが効率的に通信できるようにネットワークを設定する必要があります。次の操作を行ってください。

  • Meet のトラフィックが短い経路でインターネットに到達するようにします。
  • プロキシ、パケット インスペクション、プロトコル分析ツール、Quality of Service(QoS)を使用しないでください。
  • レイテンシ、帯域幅、Wi-Fi ネットワークを調べて最適化する。

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ネットワークを設定する

手順 1: メディア トラフィック用の送信ポートを設定する
ファイアウォールを更新して、組織との間でメディア トラフィックが流れるようにします。
  • 音声と動画用に、送信 UDP ポート 3478 および 19302~19309 を設定します。
    • 使用する Chrome WebRTC ポートの数を制限したい場合は、WebRTC UDP ポートで指定したポートを使用します。
    • または、ファイアウォールを使用してこれらのポートを制限することもできます。
  • ウェブ トラフィックとユーザー認証には、送信 UDP / TCP ポート 443 を使用します。

IP 制限を付けずにポートを許可します。UDP ポートがブロックされている場合は、TCP が使用されます。TCP またはプロキシを適用した TCP を使用すると、会議の品質が全体的に低下する可能性があります。

手順 2: Uniform Resource Identifier(URI)へのアクセスを許可する

Meet にはネットワークへの完全なアクセス権が必要です。

  1. ネットワーク上でユーザーに対して制限やフィルタリング ポリシーがある場合は、ポート 443 を使用して、このページの以下の URI パターンへのネットワーク アクセスを許可してください。
  2. Google Meet ハードウェア製品をご利用の場合は、Chrome デバイスで TLS(または SSL)インスペクションを設定するで ChromeOS のネットワーク要件をご確認ください。

静的リソース用のドメイン

  • clients2.google.com
  • clients4.google.com
  • clients6.google.com
  • www.gstatic.com
  • fonts.gstatic.com
  • lh3.googleusercontent.com
  • meetings.clients6.google.com

API エンドポイント接続用のドメイン

  • accounts.google.com
  • apis.google.com
  • meetings.googleapis.com
  • hangouts.googleapis.com
  • meet.google.com
  • apps.google.com
  • docs.google.com

ライブ ストリーミング用のドメイン

  • meet.google.com
  • stream.meet.google.com

ユーザー フィードバックとイベントログをアップロードするためのドメイン

  • https://www.google.com/tools/feedback
  • https://feedback.googleusercontent.com/resources/
  • https://play.google.com/log

手順 3: Google の IP アドレス範囲へのアクセスを許可する(音声と動画用)
  1. 組織でポート 443 経由での Meet のトラフィックをサポートする必要がある場合は、ファイアウォールまたはプロキシ許可リストに Meet の SNI を追加して、TLS 経由の音声と動画のトラフィックを有効にします。これらの IP アドレスは、手順 2 の URI とは異なります。
  2. Google Workspace の IP アドレス範囲(ユーザー用)を追加します。Meet のメディア サーバーへのアクセスを許可する際は、次の範囲の IP と SNI を使用してください。
    • IPv4: 74.125.250.0/24
    • IPv6: 2001:4860:4864:5::0/64
    • SNI: workspace.turns.goog
  3. 組織で低レイテンシのライブ ストリーミングを使用している場合、ライブ ストリーミングのメディア トラフィックは UDP プロトコルを優先して使用します。このトラフィックでは、YouTube の HTTP IP ではなく Workspace の IP 範囲(Meet の IP 範囲に類似)が使用されます。
  4. コンシューマ IP アドレス範囲を追加します。次の IP 範囲を使用して、Meet のメディア サーバーへのアクセスを許可します。
    • IPv4: 142.250.82.0/24
    • IPv6: 2001:4860:4864:6::/64
    • SNI: meet.turns.goog
手順 4: 帯域幅の要件を確認する

ネットワークは、同接で行われる HD ビデオ会議に対応できるだけの十分な帯域幅を備えている必要があります。また、ライブ ストリーミングなどのその他のニーズにも対応できるだけの十分な帯域幅を備えている必要があります。参加者の数や画面共有などの要因も、帯域幅の使用量に影響します。

ネットワークの帯域幅が十分でない場合、Meet の動画の解像度が低下します。ネットワークの帯域幅が動画をサポートするのに十分でない場合は、Meet を [音声のみ] に設定します。

帯域幅を抑えてストリーミングするには、eCDN を使用して帯域幅を減らし、大規模なライブ配信を主催します

Meet の帯域幅の最小要件を算出する

組織に必要な最低限の帯域幅を算出するには、参加者あたりの平均帯域幅に同時参加者の最大数を掛けます。

参加者数、レイアウト、画面共有など、さまざまな要因が帯域幅の使用量に影響する可能性があります。画面共有が静止画の場合は、読み込み後に帯域幅を消費することはありません。

大規模な組織での参加者 1 人あたりの平均的な帯域幅    
会議の種類 送信 受信
動画 1 Mbps 1.3 Mbps
音声のみ 12 Kbps 18 Kbps

 

小規模な組織や個人での参加者 1 人あたりの帯域幅    
会議の種類 送信 受信
1080p の動画 最大 3.6 Mbps 最大 3.6 Mbps
720p の動画 最大 1.7 Mbps 最大 1.7 Mbps
の準備 250 Kbps 以上* 最大 4.0 Mbps
音声のみ 100 Kbps 100 Kbps

*送信時の解像度に応じて異なる

同時参加者の最大数を推定する

Meet 会議の重要度が高い場合、Meet 会議に同時接続する組織内のユーザーは 20% 程度になると推定されます。Meet 会議の重要度が低い場合、Meet 会議に同時接続するユーザーは 0.5% 程度になると推定されます。

ビデオ会議の重要度 同時に接続すると推定される参加者数
10~20%
標準 1~4%
0.01~0.5%

各ライブ配信の帯域幅の要件

組織で会議をライブ ストリーミングする場合、視聴フィードごとの理想的な帯域幅は 2.6 Mbps です。ライブ ストリームには、動的なレイアウトとサイズのオプションが用意されています。ウィンドウ サイズやアスペクト比といったデバイス機能が最適化されます。参加者の帯域幅が十分に確保されている場合、Meet ではデフォルトの高画質動画の設定が使用されます。

十分な帯域幅を確保できない場合は、視聴者が Meet の品質を下げたり、音声のみを使用したりすることもできます。

単一の動画タイル(ビットレート: Kbps)

解決策

最小

最大

180p

80

200

360p

200

500

540p

400

1000

720p

600

1500

 

画面共有タイル(ビットレート: Kbps)

解決策

最小

最大

最低限の品質

200

200

360p

250

500

720p

750

1500

1800p

1300

2600

ライブ配信されるメディアの品質は、メディアの元の品質と、Meet にメディアが送信される方法によって異なります。ライブ配信のメインの Meet 通話に通常の参加者として参加すると、品質を確認して比較できます。

ネットワークに関するベスト プラクティス

デフォルトの動画品質の設定

帯域幅の使用量を減らすには、Google 管理コンソールで Meet のデフォルトの動画品質を設定します。

この設定はウェブブラウザにのみ適用され、Google Meet ハードウェアと Meet モバイルアプリには影響しません。

ユーザーは、Meet の会議で動画を有効にして動画の品質を変更することで、組織部門のデフォルト設定を各自のブラウザで無効にすることができます。ユーザーが新たに参加する各会議にはデフォルト設定が適用されます。

  1. 管理者アカウントで Google 管理コンソール にログインします。

    管理者アカウントを使用していない場合は、管理コンソールにアクセスできません。

  2. メニュー アイコン  次に  [アプリ] > [Google Workspace] > [Google Meet] にアクセスします。

    アクセスするにはサービス設定の管理者権限が必要です。

  3. [Meet の動画設定] をクリックします。
  4. 左側で、設定の対象となる組織部門を選択します。全ユーザーを対象とする場合は、最上位の組織部門を選択します。
  5. 動画の品質オプションを選択します。
    • 自動調整(デフォルト)- できる限り最適な品質を提供するために、ネットワークやシステムの状態に応じて帯域幅が調整されます。
    • 動画の帯域幅の制限 - アップリンクの帯域幅は 1 Mpbs に制限されます。
    • 音声のみ - 動画はデフォルトで無効になります。ユーザーは をクリックすると Meet のブラウザ ウィンドウでカメラを有効にできます。アップリンクの動画は 1 Mbps に制限されます。
  6. 以下の設定を行います。
    1. 最上位の組織部門に対して設定を行う場合は、[保存] をクリックします。
    2. 子組織部門に親と異なる設定を適用する場合は、[オーバーライド] をクリックします。
Wi-Fi を使用する

以下の推奨事項は一般的なオフィス環境を対象としています。次のような複雑な環境については、ワイヤレス ネットワークのエンジニアが評価を行う必要があります。

  • 製造フロア
  • 無線周波数ノイズが高いエリア
  • 半屋外のスペース

Meet で使用するワイヤレス ネットワークを設計、導入、運用する際は、次の点をよく検討してください。

無線周波数帯(2.4 GHz、5 GHz)

可能であれば、5 GHz の無線周波数帯のネットワークをクライアントで使用することをおすすめします。

2.4 GHz 帯のワイヤレス ネットワークは使用頻度が高いため、Meet では導入および運用しないことをおすすめします。また、2.4 GHz 帯は重複なく使えるチャンネルが 3 つしかないため、ノイズや電波干渉が発生しやすく、信頼性が高くありません。

設計と導入に関する考慮事項

ワイヤレス ネットワークについては、カバーするエリアより容量を重視してください。

  • セルサイズの管理 - アクセス ポイント(AP)の送信電力を調整してセルサイズを制御します。会議室や会議場など、多数のデバイスの使用が予測される場所では小規模なセルを導入して容量を増やします。オフィスフロア全体をカバーするには、大規模なセルを使用します。
  • 低い周波数帯を無効にして RF の使用効率を高める - AP 間のローミング時にクライアントを最も近い AP に強制的にハンドオーバーします。
  • ネットワークの一元管理 - AP 間のシームレスなローミングや適切な RF 管理などの高度な機能を利用するには、ワイヤレス ネットワークを一元的に管理、運用する必要があります。スタンドアロン AP の集合であってはなりません。
  • 導入後のワイヤレス調査を実施する - Meet が通常利用される領域全体でワイヤレス ネットワークが利用可能なことを確認します。

WMM の使用

ワイヤレス ネットワーク上で安定した Meet の通信を実現するには、WMM(Wireless Multimedia Extensions)を実装します。

Meet のトラフィックは次のいずれかの方法で分類する必要があります。

  • Meet 固有のプロトコルとポートに基づくワイヤレス コントローラまたは AP。
  • 他のネットワーク機器によって設定された DSCP(Differentiated Services Code Point)フィールドの値。DSCP は、ネットワークに十分な信頼性がある場合に使用してください。

双方向へ Quality of Service を提供するには、WMM のフルサポートが必要です。ただし、ネットワーク レベルで設定することで大きなメリットを得られます。Meet のトラフィックは、ワイヤレス AP またはコントローラの音声または動画のキューに割り当てる必要があります。Meet のトラフィックは、他のトラフィック クラスよりも優先する必要があります。

VDI の使用

VDI 環境では、Meet とインターネットの間にレイヤが追加されます。これにより Meet の動作が遅くなり、エクスペリエンスの質が低下する可能性があります。背景エフェクトには制限があり、待機室ではプレビューを利用できません。

VDI の使用による Meet への影響を軽減するには、次の対策を講じることができます。

  • Chrome で Enterprise Hardware Platform API ポリシーを有効にして、Google Meet が仮想マシン(VM)内で実行されていることを検出できるようにしてください。詳しくは、ユーザーまたはブラウザに Chrome のポリシーを設定するAPI ページをご覧ください。
  • VM インスタンスごとに少なくとも 4 つの仮想 CPU を割り当ててください。
  • 背景エフェクトに GPU は必要ありませんが、GPU 対応の VM インスタンスを使用することで、信頼性が向上します。
  • クライアント、仮想デスクトップ、Meet メディアサーバー間で十分な帯域幅と低レイテンシを確保してください。Meet メディア サーバーと VM 間の帯域幅の要件については、このページの上部に記載されている手順 4 を参照してください。VDI プロバイダに問い合わせて、VDI クライアントと VM 間の接続に必要な帯域幅を確認してください。
プロキシを使用しない

Meet のトラフィックにはプロキシ サーバーを使用しないことをおすすめします。トラフィックにプロキシを使用するとレイテンシが増加し、動画の品質が低下する可能性があります。

ネットワークでプロキシ サーバーを使用する必要がある場合

どうしてもプロキシを使用する必要がある場合は、プロキシ サーバーがパフォーマンスに重大な影響を与える可能性があることを理解したうえで、次の操作を行ってください:

ソケット セキュア(SOCKS5)インターネット プロトコルは現在サポートされていません。

QoS を使用しない
ネットワークでは、Meet 用に Quality of Service(QoS)を使用しないことをおすすめします。QoS は次の場合にのみ使用します:
  • ネットワークの輻輳など、やむを得ない理由がある
  • ネットワーク内にエンドツーエンドの QoS モデルを導入して維持できる

QoS を使用する必要がある場合

Meet QoS ベスト プラクティスに記載されている方法を使用してください。
VPN を使用しない

Meet のトラフィックには VPN を使用しないことをおすすめします。VPN を使用するとレイテンシが増え、Meet の動画および音声の品質が低下する可能性があります。

VPN を使用する必要がある場合:

  • VPN のスプリット トンネリングを有効にする
  • 手順 2 のドメインを DNS または SNI を使用して VPN の外部にルーティングする(SNI を推奨)
  • 手順 3 の IP 範囲を、プレフィックス マッチングを使用して VPN の外部にルーティングする

関連トピック


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