この記事では、動画広告のパフォーマンスの分析に役立つ YouTube 広告の指標(表示回数、視聴回数、エンゲージメント数、クリック数など)と、リーチしているオーディエンスについてのインサイトを得る方法について説明します。
この記事では以下の項目について説明します。
- 動画に関する基本的な指標について
- キャンペーン目標に合った指標を優先的に確認する
- 「ブランド認知度とリーチ」に関する指標の仕組み
- 「販売促進」、「ウェブサイトのトラフィック」、「商品やブランドの比較検討」に関する指標の仕組み
- Google 広告と YouTube アナリティクスの視聴回数データの違いについて
動画に関する基本的な指標について
視聴者が動画広告でインタラクションを行なった方法を測定するためにさまざまな指標が用意されています。各指標には、最も効果的な広告を判断するのに役立つ独自のメリットがあります。
YouTube 動画の指標の種類
ここでは、表示回数、有料の視聴回数、オーガニック視聴回数、インタラクション数、エンゲージメント数、視聴率、「動画再生時間の割合」の指標、獲得アクション数、視認性とアクティブ ビューの指標、ディスプレイ広告のインプレッション シェアの指標、ブランド効果測定の指標など、YouTube 動画の指標について説明します。
表示回数表示回数からは、キャンペーンのリーチや、インフィード サムネイル、動画の最初のインストリーム部分、または YouTube ショート広告の再生が視聴者に表示された頻度について理解できます。
- インストリーム広告の表示回数: この指標は、視聴者がオーガニック動画を再生する前、途中、後に動画再生ページでこの動画の再生が開始されるとカウントされます。
- インフィード広告の表示回数: この指標は、視聴者に動画のサムネイルが表示されるとカウントされます。
- YouTube ショート広告のインプレッション数: この指標は、オーガニックのショート動画の再生と再生の間にショート フィードで動画の再生が開始されるとカウントされます。
有料の視聴回数は、広告が単に表示されただけでなく、視聴者が広告の大部分または全部を視聴するとカウントされます。
- インストリーム広告の視聴回数: 視聴者が動画を 30 秒間(30 秒未満の広告の場合は最後まで)視聴するとカウントされます。広告のインタラクションによって視聴回数がカウントされる場合もあります。
- たとえば次のような場合に、インストリーム広告の視聴回数がカウントされます。
- 視聴者が 20 秒の動画広告を最後まで視聴した。
- 視聴者が 40 秒の動画広告を 32 秒間視聴した。
- 20 秒の広告の 18 秒の部分で、広告のインタラクティブ要素をクリックした(クリック数と視聴回数の両方がカウントされます)。
- たとえば次のような場合に、インストリーム広告の視聴回数がカウントされます。
- インフィード広告の視聴回数: ユーザーがサムネイルをクリックして動画再生ページに移動した後に、動画再生ページが読み込まれるとカウントされます。ただし、視聴回数のカウント方法には次のような例外があります。
- インストリーム広告の視聴回数(バンパー以外): 10 秒未満の動画の場合、Google 広告では視聴回数がカウントされますが、YouTube アナリティクスまたは動画再生ページの公開視聴回数では視聴としてカウントされません。
- バンパー広告とスキップ不可の広告の視聴回数: Google 広告および外部動画再生ページでは視聴回数はカウントされません。「広告を視聴したユーザーの数」以外のデータにアクセスすることはできません。
- YouTube ショート広告の視聴回数: この指標は、次のいずれかの場合にカウントされます。
- 10 秒未満の動画の場合: 視聴者が動画を最後まで視聴するか、行動を促すフレーズのボタンをクリックしたとき。
- 10 秒以上の動画の場合: 視聴者が動画を 10 秒以上視聴するか、行動を促すフレーズのボタンをクリックしたとき。
- 視聴者が動画広告の行動を促すフレーズのボタンをクリックしたとき。
視聴回数がすでにカウントされた後に発生したクリックは、2 回目の視聴としてカウントされますか?
いいえ。この場合、クリック数が 1 回カウントされますが 2 回目の視聴はカウントされません。
インフィード サムネイルのクリックはクリック数としてカウントされますか?
いいえ。動画再生ページが読み込まれた後に視聴回数のみカウントされます。
レポートソース間で視聴回数に差異があるのはなぜですか?
Google 広告、YouTube アナリティクス、公開動画の再生ページ(YouTube アナリティクスからデータが自動入力される)でレポートされる視聴回数には若干の違いがあります。主な原因は、データの「鮮度」(または更新頻度)の違い、スパムのしきい値の違い、公開視聴回数(バンパー以外のインストリーム、バンパー、スキップ不可広告の視聴回数)で視聴がカウントされる広告の対象条件の違いです。Google アナリティクスと YouTube アナリティクスの視聴回数データの違いについて
ユーザーが視聴回数がカウントされないフォーマットの動画またはチャンネルを視聴した場合、そのようなユーザーを含むオーディエンス リストを作成できますか?
視聴に基づくオーディエンス リスト(「チャンネルの動画を視聴」など)は、視聴回数がカウントされないフォーマット(バンパー広告、スキップ不可の広告、11 秒未満のインストリーム広告など)には対応していません。アカウントにオーディエンス リストを作成することは可能ですが、リストに追加されるような視聴をユーザーが行っていないため、リストにユーザーが追加されることはありません。
視聴回数が、以前に確認した視聴回数(例: 500 回)よりも減少していました(例: 490 回)。なぜでしょうか?
無効なトラフィックの検出と更新が完了するまで、30 日ほどかかる場合があります。これは、無効な視聴回数がレポートから削除されていることが関係していると考えられます。なお、これらが有償動画広告の視聴に関連付けられていた場合、この無効なトラフィックに対して料金は発生しません。請求対象のインプレッション数については、請求書を信頼できる情報源として参照してください。詳しくは、無効なトラフィックについてをご覧ください。
オーガニック視聴とは、広告などから誘導されることなく視聴者が動画を視聴することです。動画が視聴されるたびに視聴回数がカウントされます。視聴回数を正確にカウントするために、不正な視聴回数(スパムなど)は公開視聴回数指標から削除されます。視聴回数をカウントする際、YouTube ではユーザーの動画視聴の意思をアルゴリズムで判断しています。
オーガニック視聴回数をカウントする基準は、有料の視聴回数とは異なります。詳しくは、有料の視聴回数と、後述の Google アナリティクスと YouTube アナリティクスの視聴回数データの違いについてをご覧ください。
フォーマット |
エンゲージメントの基準 |
視聴回数としてカウントされるかどうか |
クリックがあった場合のレポート方法 |
インストリーム広告とアプリ訴求動画広告 |
10 秒未満の動画: 視聴者が動画を最後まで視聴するか、広告をクリックした場合。 10 秒以上の動画: 視聴者が動画を 10 秒以上視聴するか、広告をクリックした場合。 |
視聴基準を満たす場合はカウントされます。 |
10 秒未満の動画: クリック数とエンゲージメント数がカウントされます。Google 広告では視聴回数がカウントされますが、公開視聴回数ではカウントされません。 10 秒以上の動画: クリック数、視聴回数、エンゲージメント数がカウントされます。 |
インフィード動画広告 |
視聴者がミュートされている動画広告を 10 秒間視聴するか、サムネイルをクリック(このクリックはクリックとしてではなく視聴としてカウント)して動画再生ページで動画全体を視聴した場合。 |
視聴基準を満たす場合はカウントされます。 |
インフィード フォーマットの場合、ユーザーが動画をクリックして動画再生ページに移動すると、視聴回数が記録されます。ユーザーが行動を促すフレーズをクリックしてランディング ページにアクセスすると、クリックが記録されます。 |
バンパーとスキップ不可のインストリーム |
視聴者が広告をクリックする必要があります。 |
クリックしたとしてもカウントされません。 |
エンゲージメントはカウントされませんが、クリックはカウントされます。 |
YouTube ショートの広告 |
10 秒未満の動画: 視聴者が動画を最後まで視聴するか、行動を促すフレーズのボタンをクリックした場合。 10 秒以上の動画: 視聴者が広告を 5 秒間視聴するか、行動を促すフレーズのボタンをクリックした場合。 |
視聴基準を満たす場合はカウントされます。 |
クリックはクリック数、視聴回数、エンゲージメント数としてカウントされます。 注: 視聴者が動画を一時停止した場合、その操作はクリックとしてカウントされません。 |
- エンゲージ ビュー(「エンゲージメント」): この指標は、視聴者が動画キャンペーンを視聴した際に [インタラクション数] 列に表示されるエンゲージメントを表します。Google 広告では表示されません。
- エンゲージメント率: 当初のエンゲージメント率は、ユーザーが広告を操作した回数を広告の表示回数で割って計算されていました。しかし、動画アクション キャンペーン(VAC)ではさまざまな広告フォーマットが配信されることから、「エンゲージメント率 = エンゲージメント数 ÷ インプレッション数」よりも複雑な方法で計算されています。その計算方法をレポート内で明確に示す方法について、現在プロダクト チームで検討しています。
キャンペーンまたは広告グループにご自身で設定した入札単価です。この値には、視聴 1 回に対してオークションでお支払いいただける額の上限を指定します。
平均広告視聴単価(平均 CPV): 1 回の視聴に対して支払う金額の平均です。視聴回数をキャンペーンの主な目標としている場合の広告費用対効果を判断するのに役立ちます。広告視聴単価の最も効果的な使用方法は、広告、広告グループ、キャンペーン間での比較です(単独の指標と比べると、分析情報の質は高くありません)。予算に応じてどの戦略が効果的かを判断するために、広告視聴単価を活用しましょう。
平均広告視聴単価 = 費用 ÷ 視聴回数
適切な広告視聴単価とは
「適切な」とは主観的なものです。平均広告視聴単価は、フォーマット、業種、季節性などの要因によって変わります。最良のベンチマークは、過去のキャンペーン データです(例: キャンペーンの広告グループ B と比較して広告グループ A の費用対効果を確認する)。
平均広告視聴単価が上限広告視聴単価を超える理由
上限広告視聴単価が変更された日を含む期間を確認していることが原因です。以下に例を示します。
1~5 日目の上限広告視聴単価は 0.20 米ドル。
6~10 日目の上限広告視聴単価は 0.10 米ドル。
10 日目の上限広告視聴単価を確認すると、0.10 米ドルでした。ただし、確認した期間が 1~10 日目の場合は、上限広告視聴単価が高い 1~5 日目が含まれるため、レポートに表示される平均広告視聴単価は、上限入札単価が低くなった日以降でも 0.10 米ドルを超える可能性があります。変更履歴で入札単価の変更でフィルタし、確認する期間に上限広告視聴単価が低くなった日が含まれていないかを確認します。[動画再生時間の割合] 指標では、プレーヤーを開始した視聴者のうち、動画を 25%、50%、75%、または 100% 再生したユーザーの割合が測定されます。動画プレーヤーが開始されるタイミングは、フォーマットによって異なります(たとえば、インストリームでは、動画の再生が自動的に開始されます。インフィードの場合、視聴者がサムネイルをクリックした後に動画再生ページに移動したときに再生が開始されます)。
再生率レポートでは、視聴率や視聴者維持率(YouTube アナリティクスのデータで確認)などの他の指標と組み合わせることで、動画のどの時点でユーザーが離脱しているかを大まかに確認できます。一般的に、インストリーム広告でユーザーにスキップボタンが表示された後、5 秒経過すると急激に離脱が始まりますが、特定の時点で急激な減少が見られる場合は、その離脱(想定外の動作)につながった可能性のある広告クリエイティブについて確認します。
次に、再生率 25% の指標を例に説明します。
「動画再生時間の割合: 25%」= 動画の 25% が再生された後も引き続き視聴している視聴者数 ÷ 動画プレーヤーが開始された回数
仕組み:
- 10 人のユーザーが 20 秒の広告の視聴を開始
- 13 秒で 5 人のユーザーが離脱(ブラウザを閉じる、または別の動画をクリックする)
- 3 人のユーザーが 18 秒後に離脱
- 2 人のユーザーが広告全体を視聴
各再生率は次のようになります。
再生率 |
左記の再生率まで再生したユーザーの割合 |
左記の再生率まで再生したユーザーの割合の説明 |
25%: |
100% |
10 人中 100% のユーザーが 5 秒経っても引き続き視聴している |
50%: |
100% |
10 人中 100% のユーザーが 10 秒経っても引き続き視聴している |
75%: |
50% |
10 人中 50% のユーザーが 15 秒経っても引き続き視聴している |
100%: |
20% |
20%(10 人中 2 人)のユーザーが広告の最後まで引き続き視聴している |
手動で計算した場合、視聴回数や視聴率が再生率レポートと一致しないのはなぜですか?
インフィード広告フォーマットを手動でトラッキングすることはできません。また、100% まで再生された動画を表示回数で割った値は視聴率と一致しません。インフィード広告の場合、表示回数と「動画プレーヤーが開始された」回数は同じではありません。
視聴回数は、動画でエンゲージメントが発生した場合(表示 URL、コンパニオン バナー、広告アセットがクリックされた場合)にもカウントされます。20 秒の動画を 15 秒間だけ見た視聴者が表示 URL をクリックしてランディング ページに移動した場合は、視聴回数が 1 回カウントされて視聴率が伸びます。しかし、その動画は最後まで視聴されていないため、[動画再生時間の割合: 100%] の指標にはカウントされません。
再生率は、視聴回数をカウントするメカニズムほど正確ではありません。再生率レポートの目的はむしろ、動画のどの時点で視聴者が離脱しているかを示すことです。このレポートを使って視聴回数指標を計算し、指標の正確さを確かめないでください。指標が若干異なる可能性があるためです。
獲得アクション数には、広告視聴後の動画視聴数、高評価数、チャンネル登録者数、再生リストに追加された動画数、共有数が含まれます。ユーザーが動画広告を最初に視聴してから 7日以内にリンクされた YouTube チャンネルで操作を行ったらカウントされます。獲得アクションに料金が発生することはありません。同じユーザーが複数回視聴しても、広告視聴後の動画視聴は 1 回とカウントされます。
獲得アクション数により、キャンペーンが結果としてもたらした付加価値について理解できます。この指標は、チャンネルやブランドとの親和性が高く、価値の高いユーザーを把握するのに役立ちます。
広告視聴後の動画視聴 / 広告視聴後のチャンネル登録に関する指標のレポートが表示されないのはなぜですか?
Google 広告アカウントにリンクされた 1 つ以上の YouTube チャンネルでパーソナライズド広告が無効になっていると、獲得アクションに関するレポートは表示されません。獲得アクションに関するレポートを表示するには、このチェックボックスをオフにする必要があります。オプションを変更するには、YouTube アカウントにログインして YouTube Studio に移動します。画面の左下で [設定] > [チャンネル] > [詳細設定] に移動して、下にスクロールして [インタレスト ベース広告を無効にする] チェックボックスを見つけます。
YouTube アカウントを Google 広告アカウントにリンクする際に、[エンゲージメント] チェックボックスをオンにしていたことを確認します。確認するには、Google 広告アカウントで [ツールと設定] > [リンク アカウント] > [YouTube] をクリックします。アカウントをリンクした際に [エンゲージメント] を有効にしていた場合、[権限] 列の箇条書きに「エンゲージメント」と表示されています。
なお、一部の YouTube チャンネルでパーソナライズド広告を無効にし、他のチャンネルでは有効にした場合は、Google 広告アカウントに獲得アクション数レポートは表示されますが、獲得アクションの発生元がどのチャネルにあるかは確認できません。
YouTube は Google ディスプレイ ネットワークに含まれているため、動画のインプレッション シェアはインプレッション シェアに関する指標で確認できます。
インプレッション シェアにより、「キャンペーンの設定とターゲティングに基づいて利用可能な広告枠のうち、広告が表示されている広告枠の割合」がわかります。この指標は、次のことを理解するのに役立ちます。
- インプレッション シェアが 100% 未満の場合は、入札単価を引き上げるか、予算を引き上げると、表示回数の増加につながります。入札単価と予算のどちらを引き上る必要があるかを判断するには、[インプレッション シェア損失率] 列を確認します。
- インプレッション シェアが 100% であっても、予算を使い切っていない場合は、ターゲティングを拡張することができます。
- 表示回数に大きな変動が見られる場合は、[広告ランクが原因で失ったディスプレイ広告のインプレッション シェア] 列を確認しましょう(レポートで日別に分割表示することをおすすめします)。トラフィックの変動が見られた日に表示回数の変動があった場合、競合他社が入札単価を引き上げたことで、オークションで負けた可能性があります。入札単価を引き上げて競争力を維持し、以前のレベルでオークションで勝てるようにしましょう。
キャンペーン目標に合った指標を優先的に確認する
さまざまなキャンペーン タイプの指標がレポートされますが、選択したキャンペーン目標に応じてキャンペーンの成果を評価する場合は、特定の指標を優先して確認します。たとえば、「ブランド認知度とリーチ」を目標に設定したキャンペーンを実施している場合は、コンバージョン数がレポートされている可能性がありますが、キャンペーンのパフォーマンスを評価するための主要な指標にはなりません。
「ブランド認知度とリーチ」に関する指標の仕組み
キャンペーンの設定時に「ブランド認知度とリーチ」(または「商品やブランドの比較検討」の動画広告シーケンス)をキャンペーン目標として選択した場合、キャンペーンの成果を評価するのに使用する主な指標は「表示回数」、「ユニークリーチ」、「平均表示頻度」に加えて次のとおりです。
- 上限インプレッション単価(上限 CPM): キャンペーンまたは広告グループにご自身で設定した入札単価です。1,000 回のインプレッションに対してオークションでお支払可能な上限額です。
- 平均インプレッション単価(平均 CPM): CPM は 1,000 回のインプレッションに対して支払う金額の平均です。なお、インプレッション単価には国ごとに異なる最低限必要な金額があるため、適切な平均 CPM は国によって異なります。
CPM = 費用 ÷ (表示回数 ÷ 1,000)
CPM は、表示回数をキャンペーンの主な目標としている場合の広告費用対効果を示しています。CPM の最も効果的な使用方法は、広告、広告グループ、キャンペーン間での比較です(単独の指標と比べると、分析情報の質は高くありません)。
- 「動画シーケンスの総表示回数」: 動画広告シーケンス キャンペーンの表示回数と、該当シーケンス キャンペーンの進行に貢献した他のキャンペーンの表示回数を合わせたものです。シーケンスに含まれる動画広告をユーザーが視聴すると、その動画広告の配信元が別のキャンペーンであっても、シーケンスが進行します。このように、他のキャンペーンがシーケンス キャンペーンの進行を補助し、シーケンス完了数の増加やコストの低減に貢献することがあるため、この指標で貢献度を確認できるようになっています。
シーケンス キャンペーンに由来しない広告表示がこの指標でカウントされるのは、同じ視聴者にシーケンス キャンペーン由来の広告が表示されていた場合に限られます。なお、この指標のデータには、ご利用の Google 広告アカウントとリンク済みのディスプレイ&ビデオ 360 アカウント由来の広告表示も含まれます。
- 総再生時間と平均総再生時間 / インプレッション
- 動画キャンペーンの総再生時間データについて
「販売促進」、「ウェブサイトのトラフィック」、「見込み顧客の獲得」に関する指標の仕組み
キャンペーンの設定時に「販売促進」、「ウェブサイトのトラフィック」、または「見込み顧客の獲得」をキャンペーンの目標として選択した場合、キャンペーンの成果を評価する主な指標は次のとおりです。
- ビュースルー コンバージョン(VTC): ビュースルー コンバージョンは、ユーザーに広告が表示され(ただし、視聴数やクリック数はカウントされません)、計測期間(計測期間の長さは、アカウントでコンバージョンが作成された日時によって決まります)内にサイトでコンバージョンを達成すると記録されるコンバージョンです。
この指標では、広告主様の他の広告でインタラクションを行なったユーザーが達成したコンバージョンは自動的に除外されます。ビュースルー コンバージョンには、動画広告の最後の広告表示が関連付けられます。
「広告表示」からコンバージョンにつながった回数は、[ビュースルー コンバージョン] 列ではなく、[コンバージョン] 列に計上されます。ビュースルー コンバージョンは、購入の目標到達プロセスの上流と下流のギャップを埋めるのに役立ちます。コンバージョンだけを確認すると、広告表示だけでコンバージョンに至ったユーザーに対する広告の効果を見逃す可能性があります。
- クリック数とクリック率(CTR): クリック数とは、視聴者が広告のインタラクティブ要素をクリックした際に発生するクリックの数です。動画キャンペーンのクリック率(クリック数 ÷ 表示回数)は、表示回数、視聴回数(目標が認知度の場合)、コンバージョン数(目標が販売促進の場合)と比較して一般的には優先して考慮されません。検索キャンペーンと比べて動画キャンペーンでは、クリック数とクリック率が通常は低くなります。
動画キャンペーンでのクリック数とクリック率は、通常、キャンペーンの成果を判断する際に優先すべき指標ではありません。広告を見たユーザーにアクションを促す広告の効果を示す指標にはなりますが、動画キャンペーンのコンバージョンに関連付ける主な指標は「視聴回数」です(たとえば、キャンペーンでコンバージョンのクレジットを割り当てられるには、クリックは必要ありませんが、視聴は必要とします)。
- コンバージョン数: 動画キャンペーンでは、視聴者が広告を視聴したとしてカウントされた後に、ビジネスにとって価値があると定義したアクション(オンライン購入や携帯電話からの電話など)を実行するとコンバージョンがカウントされます。コンバージョン トラッキングの詳細
バンパー広告の場合、視聴回数はカウントされませんが、コンバージョン列ではカウントされますか?
はい。ただし、視聴者がその広告をクリックした場合のみカウントされます。視聴者がバンパー広告をクリックすると、視聴回数ではなくクリック数がカウントされます。その後コンバージョンを達成すると、ビュースルー コンバージョンではなく、コンバージョンとしてカウントされます。- エンゲージ ビュー コンバージョン(EVC): エンゲージ ビュー コンバージョンは、視聴者が動画広告をクリックせずに、スキップ可能な広告(5 秒後にスキップ可能)を 10 秒以上視聴し、エンゲージ ビュー コンバージョンの計測期間内にコンバージョンに至った時点でカウントされます。Google 広告でエンゲージ ビュー コンバージョン レポートを確認するには、[分類] > [コンバージョン] を選択 > [広告イベントタイプ] をクリックします。
注: 視聴者が同じ動画の視聴中に視聴とエンゲージ ビューとしてカウントされ、コンバージョンにつながった場合は、[コンバージョン] 列と [エンゲージ ビュー コンバージョン] 列の両方でカウントされます。
-
コンバージョン率(CVR): CVR では、視聴としてカウントされたユーザーをサイトに誘導し、コンバージョンにつなげるうえでの広告の効果性を把握できます。他の多くの指標と同様に、高い CVR を獲得できるかどうかは広告主様の業界に大きく依存しています。
コンバージョン率 = コンバージョン数 ÷ 視聴回数
Google 広告と YouTube アナリティクスの視聴回数データの違いについて
わかりやすいように、以下のセクションではプラットフォーム名を次のように短縮しています。
GA = Google 広告
YTA = YouTube アナリティクス
PWP = 公開動画の再生ページ(動画の下に表示される公開動画の視聴回数とも呼ばれます)
YTA と PWPPWP には YTA のデータに基づいてデータが入力されるため、通常はほとんど差異がありません。短期間のうちに視聴回数が非常に多くなる人気の動画の場合、当日のデータでは若干の変動が見られることがありますが、通常、48~72 時間前の日付のデータに差異が生じることはまずありません。
レポートソース間の差異は想定内ですが、レポート間の差異は、多くの場合、視聴回数をカウントできない広告フォーマットを調査している場合や、比較すべてでないものを比較(つまり、実際には 2 つの異なる指標を比較)している場合にみれられます。レポートに見られる差異が 2 つのプラットフォーム間で想定されるレベルであると結論付ける前に、以下の点を解決することをおすすめします。
- 動画の長さが 10 秒を超えていることを確認する(問題を回避するには 11 秒以上が望ましい): YTA では、長さが 10 秒以下の動画の視聴回数はトラッキングされない(GA ではレポートされるが YTA ではレポートされない)ため、動画が 10 秒未満だと GA と YTA の間に差異が生じます。
- 視聴回数をカウントできる広告フォーマットであることを確認する: この記事の視聴回数のセクションに記載されているように、すべての広告フォーマットで視聴回数がカウントされるわけではありません。GA で報告された視聴回数が 0 の場合は、想定内といえます。詳しくは、視聴回数のセクションをご覧ください。
- 同じデータセットを比較していることを確認する:
- 有料の視聴回数のみを比較する: YTA の「視聴回数」レポートには、オーガニック視聴回数と有料の視聴回数が表示されます。一方、GA では、有料の視聴回数のみが表示されます。2 つのソースの有料の視聴回数のみを比較するには、YTA のトラフィック ソース レポートを使用し、有料の視聴回数のデータのみを確認するようにしてください。
- 動画を使用しているすべてのキャンペーンが比較されていることを確認する: たとえば、トラフィック ソース レポートでは有料の視聴回数を 1,000 回獲得しているのに、GA のキャンペーンでは有料の視聴回数が 500 回だけレポートされているとします。これは、同じ動画が、GA の同じまたは別のアカウントの別のキャンペーンの広告として使用されていることが原因である可能性があります。アカウントで、同じ動画が他のキャンペーンで使用されているかどうかを確認してください。YTA では、それらの視聴回数の合計が計算されます。
- 直近のデータを比較しない:
- YTA でデータが更新されるまでには 72 時間以上かかります(トラフィック ソースに表示されるデータには 48~72 時間の遅延があります)。トラフィック ソース レポートで過去 2~3 日間のデータを比較した結果、データに差異がある場合は、通常のデータ遅延が原因である可能性があります(更新に数日かかります)。一方、GA で報告されるデータの遅延は数時間のみです。
- YTA のデータは太平洋時間でレポートされますが、GA のデータはアカウントで設定されたタイムゾーンでレポートされます。古い期間のデータを確認すると、タイムゾーンの違いも避けることができます。
- 予想される差異: 上記(動画の長さ、同じデータソース、データ遅延なし)を確認し、それでも差異がある場合、その 2 つソースの間の既知の差異が原因である可能性があります。
- YouTube 広告プレーヤーは、スムーズな広告動画エクスペリエンスを提供するよう作成されており、1 ミリ秒ごとにカウントします。ある独特な状況で、視聴回数データの流れが遅れを発生させる場合があり、プレーヤーはそれを回避しようとします。GA に視聴データが送信されたにもかかわらず、遅延を回避する目的で YTA への送信が中断される可能性があります。
- 2 つのシステムからスパムビューを削除する方法にはいくつかあります。GA のスパム フィルタリングは、有料の視聴であることを考えると、一般的により厳格に行われます。
このため、2 つのレポートソース間の差異が 15~20% の場合、通常のレポート範囲内とみなされます(式: |(GA 視聴回数 - YTA 視聴回数) ÷ GA 視聴回数 | × 100 = 変化率(または、差異))。
差異が 15~20% を超える場合は、Google のサポート担当者に連絡してください(可能な場合、上記の点をすべて確認したこと示す情報も添えてください)。まれに Google のチームが不一致の実際の直接原因を特定して修正することがありますが、そうできないとしても、Google エンジニア チームが長期的な改善を実施する際の参考にさせていただきます。YTA は付加価値として提供しているツールとはいえ、広告主様にとって重要なツールであることを認識しているため、GA の視聴回数レポートとできる限りの整合性を確保するよう努めています。現時点では、この 2 つのシステムからレポートされる視聴回数に違いが生じることが想定されています。ただし、GA でレポートされる指標は正確ですのでご安心ください。