Gmail のデフォルトの標準 HTML 形式は、簡易 HTML 形式より機能が豊富でユーザビリティに優れています。標準 HTML 形式の Gmail は、キーボード ショートカットを使用してすばやく操作やインターフェース内の移動を行えるウェブ アプリケーションです。ウェブページではページ内の移動や操作にスクリーン リーダーのショートカット(またはコマンド)を使用するのに対し、ウェブ アプリケーションではアプリケーションのショートカットを使用してサイト内の移動や操作を行います。
簡易 HTML 形式の Gmail を使い慣れている方は、スクリーン リーダーを利用してウェブページとして標準 HTML 形式の Gmail を使用する方法をこのガイドでご確認ください。
ヒント:
- 標準 HTML 形式の Gmail をウェブ アプリケーションとして使用する際のヘルプについては、Gmail でスクリーン リーダーを使用するをご覧ください。
- Gmail をウェブページとして安定的に使用できるよう ChromeVox と VoiceOver をカスタマイズすることはできません。これらのスクリーン リーダーをご利用の場合は、Gmail でスクリーン リーダーを使用するをご覧ください。
- Outlook や Apple Mail など、IMAP と POP に対応しているメール クライアント アプリケーションで Gmail を使用することも可能です。
設定を更新する
簡易 HTML 形式の Gmail でスクリーン リーダーを使用している場合は、標準 HTML 形式用に設定を更新します。
Gmail の表示間隔を「最小」にする
スクリーン リーダーと拡大鏡を併用している場合は、受信トレイの表示間隔を最小にすることで簡易 HTML 形式と同じような見た目にできます。
上部のヘッダーで [クイック設定] メニューを開くには、Tab キーを押して設定ボタンに移動し、Enter キーを押します。スクリーン リーダーのボタン ナビゲーション コマンドを使用することもできます。
[クイック設定] が開いたら、Tab キーを押してラジオボタンに移動し、[最小] をオンにします。
受信トレイの設定を更新する
次の手順に沿って受信トレイのその他の設定を表示します。
- [クイック設定] メニューを開きます。
- Tab キー(または Shift+Tab キー)を押して [すべての設定を表示] ボタンに移動します。
- Enter キーを押します。
- 簡易 HTML 形式よりも多くの設定があるページが開きます。
- [全般] タブがフォーカスされている状態です。
- Tab キーを 2 回押して、[全般] タブから [受信トレイ] タブに移動します。
- Enter キーを押します。
受信トレイのカテゴリを削除する
[受信トレイ] タブで次の操作を行います。
- チェックボックスを操作するには、スクリーン リーダーの仮想カーソルまたはブラウズモードを使用します。
- Space キーを押して、以下のチェックボックスをオフにします。
- プロモーション
- ソーシャル
- 新着
- フォーラム
受信トレイのカテゴリを削除すると、すべてのメールがメインの受信トレイにまとめて表示されます。
ヒント: メールを上述のカテゴリごとに分類したい場合は、受信トレイのカテゴリの設定方法をご確認ください。
閲覧ウィンドウをオフにする
スレッドリスト内のメールがフォーカスされている場合、閲覧ウィンドウにそのメールの内容が表示されます。閲覧ウィンドウをオフにすると、応答が速くなり、画面移動もシンプルになります。
[受信トレイ] タブで次の操作を行います。
- Tab キーを押して [閲覧ウィンドウを有効にする] チェックボックスに移動します。
- Space キーを押してオフにします。
重要マークをオフにする
重要マークをオンのままにしておいた場合、標準 HTML 形式では重要のステータスが読み上げられ、スレッドリストにチェックボックスが追加されます。簡易 HTML 形式では、デフォルトで句読点レベルまで読み上げられる関係で重要マークは読み上げられません。そのため、重要マークはオフにした方が使い勝手がよいかもしれません。
[受信トレイ] タブで次の操作を行います。
- Tab キーを押して [マークを表示する] ラジオボタンに移動します。
- [マークを表示しない] をオンにするには、↓ キーを押します。
変更を保存する
受信トレイの設定を更新したら、Tab キーを押して [変更を保存] ボタンに移動し、Enter キーを押します。Gmail のスレッドリストがフォーカスされた状態に戻ります。
スクリーン リーダーの設定を調整する
最新のスクリーン リーダーは、Gmail などのウェブ アプリケーションでキーボードのフォーカスが移動したときに、それに合わせて自動的に調整されるようになっています。便利な機能かもしれませんが、スクリーン リーダーの 1 文字のキーボード ショートカットを使って Gmail をウェブページとして操作することができないという弊害もあります。
スクリーン リーダーが Gmail に合わせて自動的に調整されないようにする方法は次のとおりです。
- JAWS: 設定を更新して、自動フォームモードをオフにします。
- NVDA: ブラウズモードの設定を更新して、フォーカスとカーソルの移動に対する反応を無効にします。
このように設定を変更することで、JAWS または NVDA を使いながら、標準 HTML 形式の Gmail をウェブページとして使い続けることができます。
ChromeVox または VoiceOver をご利用で、Gmail をウェブ アプリケーションとして使用する場合は、Gmail でスクリーン リーダーを使用するをご覧ください。
これらの設定を更新すると、スクリーン リーダーの仮想モードまたはブラウズモードのフォーカスが Gmail のページ上部にリセットされることがあります。その場合は、元の位置に戻してください。
新しいキーボード ショートカットを有効にして確認する
キーボード ショートカットを有効にして利用することで、標準 HTML 形式での操作性がさらに高まります。スクリーン リーダーの仮想カーソルまたはブラウズモードがオフになっていることと、編集欄がフォーカスされている状態ではないことをご確認ください。
Gmail でキーボード ショートカットのダイアログを表示する方法は次のとおりです。
- Shift+/ キーを押します。
- キーボード ショートカットが有効または無効になっていることを知らせるアラートが読み上げられることがあります。
- [有効にする] または [無効にする] のリンクに移動するには、Tab キーを押します。
- リンクが [無効にする] の場合は、キーボード ショートカットが使用できる状態になっています。
- リンクが [有効にする] の場合は、Enter キーを押してキーボード ショートカットを有効にしてください。
キーボード ショートカットのリストを新しいウィンドウで開く方法は次のとおりです。
- 同じページで Tab キーを押して [新しいウィンドウで開く] に移動します。
- Enter キーを押します。
- Gmail のキーボード ショートカットというタイトルのヘルプページが開きます。
- このヘルプページには閉じることのできるセクションが複数あります。各セクションを開くには、そのセクション名のボタンに移動して Enter キーを押します。
スクリーン リーダーのウェブ読み上げコマンドを使用して、キーボード ショートカット ダイアログを確認することもできます。
- 内容は複数の表にわたっていて、1 列目に操作、2 列目にキーボード ショートカットが記載されています。
- 一部のショートカットは句読点を使用しています。必要に応じて、スクリーン リーダーの句読点設定を調整してください。
- 各ショートカットを文字ごとに慎重に確認してください。
- [有効にする] または [無効にする] のリンクの後に、有効にしないと使えないショートカットのリストが表示されます。これらのショートカットの多くは 1 文字で構成されており、スクリーン リーダーのウェブ ナビゲーションと競合しています。たとえば、「X」という文字のキーを押すと、チェックボックスに移動するためのスクリーン リーダー コマンドが機能するのではなく、スレッドの選択が切り替わります。
標準 HTML 形式の Gmail を操作する
標準 HTML 形式の Gmail の操作方法は、簡易 HTML 形式と比べいくつかの違いがあります。
スレッドリスト
受信トレイと同様にスレッドリストは表形式で表示され、各スレッドの最初の列にチェックボックスが付いています。ただし、同じ情報が複数の列で表示されています。
- 「スター」ボタンはチェックボックスの隣に表示されます(簡易形式ではチェックボックスと統合されていました)。[その他の操作] に移動しなくても、この列で直接「スター」ボタンを切り替えられます。
- 「重要」マークは送信者欄に記号で示されるのではなく「スター」の隣に表示されます。この列で「重要」マークを切り替えられます(無効になっていない場合)。
- 「添付ファイル」は「件名」と統合されるのではなく「件名」の後に表示されます。
[送信済み]、[下書き]、[すべてのメール] といった別の一連のスレッドを確認するには、スクリーン リーダーのコマンドを使用してリンクのリストに移動し、目的のリンクを有効にします。
ウェブ アプリケーションのキーボード ショートカットを使用して、次の場所に直接移動することもできます。
- すべてのメール: G キー、A キーを順に押す
- 送信済み: G キー、T キーを順に押す
- 受信トレイ: G キー、I キーを順に押す
詳しくは、ラベルを使用してメールを整理するをご覧ください。
スレッド内を移動する
標準 HTML 形式でも表内の各スレッド アイテムにチェックボックスが付いているため、チェックボックス ナビゲーションを辿って各メッセージに移動できます。チェックボックス ナビゲーションでは、送信者、件名、メール本文の抜粋、送信日時も読み上げられます。
- メールをすばやく確認するには、件名には移動せずチェックボックス間を移動します。
- 操作を行うには、チェックボックス(複数可)のオン / オフを切り替えます。
- メールの未読ステータスも読み上げられることにご注意ください。
スレッドを開くには:
- スクリーン リーダーの「次のリンク」ナビゲーションを使用して件名に移動します。
- Enter キーを押してリンクを有効にします。
操作ボタンを使用する
簡易 HTML 形式と同様に、メールのチェックボックスをオンにすると、そのメールの表の上に一連の操作ボタンが表示されます。
標準 HTML 形式では、操作ボタンが表の下には表示されず、メールに「スター」を付けるボタンが各スレッドに付いています。これらの操作ボタンを使用するには、表の上部に移動し、スクリーン リーダーの「前に戻る」ボタンコマンドを使って操作ボタンまで戻ります。
次の方法を使うことで、より簡単にメールを操作できます。
- メールを選択するには、チェックボックスをオンにします。
- コンテキスト メニューを開くには、Shift+F10 キーを押します。
- 操作を選択するには、メニューで矢印キーを押します。
- Enter キーを押します。
ヒント: スクリーン リーダーの設定によっては、操作後に仮想カーソルまたはブラウズモードに切り替えて表に戻ることが必要になる場合があります。
[ラベルを付ける] またはラベルに [移動] を選択すると、フォーカスが入力欄に移動します。ラベルの一部を入力してから ↓ キーを押して目的のラベルに移動するか、新しいラベルの名前全体を入力します。または、↑ キーを押して [ラベルの管理] オプションに移動し、新しいラベルを作成します。
メールを読む
スクリーン リーダーで Tab キー、Enter キーを順に押してメールを開く代わりに、「次のリンク」コマンドを使用して Enter キーを押します。メールの件名はリンクのままですが、ページ内を移動しやすいように Tab キーによる移動対象からは除外されます。
ウェブ アプリケーションとしてスレッドリスト内を移動する場合は、↓ キーで目的のスレッドに移動し、Enter キーを押してメールを開きます。
ウェブ アプリケーションのショートカットを使用してスレッド内の新着メールを読む方法については、メールを読むをご覧ください。この記事では、ウェブページとしてこのようなスレッド内を移動したり、メールを読んだりする方法も紹介されています。
メールに返信する
メールを読む際、上部の送信者を示す見出しの後に「返信」ボタンが表示されています。メールに対して転送や削除などの操作を行うには、Tab キーを使用して「返信」ボタンの横にある「その他」ボタンに移動し、Enter キーを押します。
重要: クイック返信機能は標準 HTML 形式ではご利用いただけなくなりました。現在は返信や転送などの操作を行うための 1 文字のショートカットがアプリケーションで定義されており、以前のショートカットは使用できません。
メールの宛先を指定する
メールの返信、転送、作成を行う際、さまざまな方法で新しい宛先を追加できます。検索フィールドがフォーカスされている場合は、名前またはメールアドレスの一部を入力してから、↓ キーを押して目的の相手まで移動します。連絡先、収集したアドレス、社員名簿などに登録されている相手を指定できます。
- [Cc] 欄にフォーカスを移動するには、Ctrl+Shift+C のショートカットを押します。
- [Bcc] 欄に移動するには、Ctrl+Shift+B のショートカットを押します。
Tab キーを押すことでも、検索フィールドの前に [To]、[Cc]、[Bcc] ボタンに移動できます。これらのボタンを有効にすると [連絡先の選択] ダイアログが表示され、項目の入力ができるようになります。
検索フィールドに連絡先を追加すると、その連絡先はボタンに変わります。このボタンは削除したり、有効化して変更したりできます。メールアドレスを 1 文字ずつ移動しなくても、← キーと → キーを使用して各連絡先に移動できます。
次の操作を行うと、メールの本文で宛先を追加したことが読み上げられます。
- + 記号に続けて名前またはメールアドレスの一部を入力します。
- ↓ キーを押して目的の相手まで移動します。
- 入力したテキストがリンクに変わり、その宛先が [To] 行に追加されます。
ヒント: [Cc] 行に宛先を追加するには、+ 記号の代わりに @ を使用します。
メールを作成する
ウェブ アプリケーションのショートカットについては、メールを作成する、メールに返信するをご覧ください。
Gmail をウェブページとして操作する場合、「ナビゲーション」ランドマーク(領域)の最初のボタンは [作成] です。
メールの作成後:
- メールを送信するには、Ctrl+Enter キーを押します。
- 下書きを破棄するには、Ctrl+Shift+D キーを押します。
メールの下部には [送信] ボタンと「下書きを破棄」ボタンがあります。この 2 つのボタンの間には、さまざまな書式設定オプションのボタンがあります。
検索およびフィルタする
その他のヒントについては、メールを検索するをご覧ください。
スクリーン リーダーを使って検索フィールドに移動するには、「前の編集項目」コマンドを使用します。
標準 HTML 形式では、[設定] の [フィルタ] セクションへのリンクを使用する代わりに、検索をフィルタとして利用できます。