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この記事では、Looker Studio について説明します。Looker のドキュメントについては、https://cloud.google.com/looker/docs/intro をご覧ください。

行ごとに複数のメールアドレスでフィルタする

データの統合機能を使用して、多対多のメールフィルタを作成します。

前提条件

 

このソリューションでは、次に挙げる Looker Studio の概念やタスクを使用します。

メールアドレスによるフィルタは、ログインしている閲覧者のアドレスと、有効なメールアドレスを含むデータソースのフィールドを比較することによって行われます。つまり、閲覧者のメールアドレスが、データの各行にあるアドレスに一致するかどうかが確認されます。

次のようなデータがあるとします。

メールアドレス データ
alan@example.com abc
mary@example.com cde
alan@example.com efg
mary@example.com ghi

 

メールアドレスでデータをフィルタしている場合、alan@example.com がフィルタされたレポートを閲覧すると、
「abc」、「efg」のみが表示されます。mary@example.com が同じレポートを閲覧した場合には、「efg」と「ghi」が表示されます。

これは、閲覧者とデータが 1 対 1 の関係にある場合は問題ありません。しかし、manager@example.com にもデータが見えるようにしたい場合にはどうすればよいでしょうか。つまり、複数のデータ行を、複数のユーザーに表示したい場合です(これは「多対多の関係」と呼ばれます)。

メールアドレスによるフィルタは、1 行に含まれるメールアドレスが 1 件だけの場合にのみ機能します。そのため、単純にメールアドレスのフィールドに複数のメールアドレスを挿入することはできません。たとえば、次の場合は機能しません

メールアドレス データ
alan@example.com, manager@example.com, vp@example.com, bigwig@customer.com abc

解決策: データの統合を使用する

共通のフィールドを結合キーとして使用してメールアドレスのテーブルとデータを結合することによって、メールアドレスとデータの間に多対多の関係を作ることができます。

果物店の例

あなたは、果物を生産する会社を経営しており、営業担当者がそれぞれの担当している複数の果物店での営業成績を自身で確認できるようにしたいと考えています。各営業担当者は複数の店舗を担当でき、1 店舗に複数の担当者がいる場合もあります。営業担当者が各自のデータだけを閲覧できるようフィルタするには、次の方法が使用できます。

ステップ 1: アクセス制御リストのテーブルを作成する

このステップでは、アクセス権を与える営業担当者のメールアドレスと、データ統合の結合キーとして使用するデータ フィールド(果物店の名前)を対応させた、アクセス制御リスト(ACL)のテーブルを作成します。

営業担当者のメールアドレス 結合キー
salesrep1@example.com 果物店 A
salesrep2@example.com 果物店 A
salesrep1@example.com 果物店 B

salesrep2@example.com

果物店 C

アクセス制御リスト(ACL)のテーブル

営業担当者 1 は、果物店 A と果物店 B のデータを表示でき、営業担当者 2 は果物店 A と果物店 C のデータを表示できます。

ステップ 2: データテーブルを作成する

データテーブルは、営業担当者による各果物店への販売数を記録したものです。

このテーブルには営業担当者のメールアドレスは含まれず、結合キーと同じ値(果物店名)だけが含まれます。また、結合キーフィールドの名前はここでは不要です。統合処理では、フィールド名ではなくデータに基づいて結合が行われます。
果物店 果物 販売数
果物店 A リンゴ 50
果物店 A バナナ 26
果物店 A オレンジ 20
果物店 A 洋ナシ 93
果物店 B リンゴ 98
果物店 B バナナ 86
果物店 B オレンジ 7
果物店 B 洋ナシ 85
果物店 C リンゴ 21
果物店 C バナナ 61
果物店 C オレンジ 3
果物店 C 洋ナシ 78

データテーブル

ステップ 3: ACL テーブルにメールフィルタを適用する

ACL テーブルのデータソースを編集し、「営業担当者のメールアドレス」フィールドをフィルタとして選択します。

メールアドレスでフィルタする。

ステップ 4: ACL テーブルとデータテーブルを統合する

メールフィルタを適用せずに ACL テーブルとデータテーブルを統合すると、両方の営業担当者のレコードがすべて表示されます。一方、メールフィルタを適用して ACL テーブルとデータテーブルを統合すると、レポートを閲覧している営業担当者が誰であるかによってデータがフィルタされます。各営業担当者には、レポートは次のように表示されます。

営業担当者 1 の場合:

データ 果物 販売数
果物店 A リンゴ

50

果物店 A バナナ

26

果物店 A オレンジ

20

果物店 A 洋ナシ

93

果物店 B リンゴ

98

果物店 B バナナ

86

果物店 B オレンジ

7

果物店 B 洋ナシ

85

営業担当者 2 の場合:

データ 果物 販売数
果物店 A バナナ

26

果物店 A オレンジ

20

果物店 A リンゴ

50

果物店 A 洋ナシ

93

果物店 C バナナ

61

果物店 C オレンジ

3

果物店 C リンゴ

21

果物店 C 洋ナシ

78

 

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