品質スコアは、広告、キーワード、ランディング ページの改善点を見つける有益なツールとなります。最適化するべきスコアというより、広告の品質を高めるうえで注力すべき部分を示す総合的な指針として活用しましょう。
この記事では、品質スコアをパフォーマンス向上に役立てるさまざまな方法を紹介します。
1. 品質スコアの構成要素を確認する
品質スコアの 3 つの構成要素を確認することで、改善するべき点が具体的に見えてきます。
- 推定クリック率: お客様の広告が表示された場合にクリックされる可能性の高さを示します。
- 広告の関連性: お客様の広告がユーザーの検索の意図と一致する度合いを示します。
- ランディング ページの利便性: お客様のランディング ページが、広告をクリックしたユーザーにとってどの程度関連性があって有用であるかを示します。
各要素に注目することで、アップデートするべき部分(広告文、キーワード選び、またはランディング ページの内容)がわかりやすくなります。各要素のステータス(「平均より下」「平均的」「平均より上」のいずれか)を参考に、改善の必要な部分を見つけましょう。
ユーザーが求めるものを提供すれば、パフォーマンスは自然と伸びてきます。長期的なパフォーマンス目標を見据え、ユーザー エクスペリエンスの向上によって目標達成を目指しましょう。品質スコアはそのための指針となる診断ツールです。
2. キーワードに対する広告の関連性を高める
広告の関連性とは、ターゲットにしているキーワードと広告の内容の関連性の高さを示します。
広告の関連性のステータスが「平均より下」または「平均的」の場合は、次の点を意識して改善を図りましょう。
- 広告文の表現を、より直接的にユーザーの検索語句の表現と合致させます。
- 同じ広告では対応できないキーワードが多数詰め込まれている広告グループを探します。こういった広告グループは、複数の広告グループに分割することで、ユーザーの検索内容とマッチさせやすくなります。
- キーワードをテーマ別にグループ化して、関連性の向上を図りましょう。商品別やサービス別など、ビジネス内容に応じたテーマ分けが考えられます。たとえば指輪を販売している場合に、「婚約指輪」のグループや「結婚指輪」のグループを設けてキーワードをまとめます。
3. クリック率(CTR)の改善を図る
推定クリック率とは、ユーザーが広告をクリックする可能性の高さを示します。
推定クリック率のステータスが「平均より下」または「平均的」の場合は、次の点を意識して改善を図りましょう。
- 広告文を編集して、ターゲット ユーザー層への訴求力を高めます。
- 広告に含める情報を、そのキーワードで検索するユーザーの意図とマッチさせます。
- 商品やサービスの独自の強み(例: 送料無料)を強調します。
- ランディング ページの内容に直結する「行動を促すフレーズ」を何種類か用意し、効果を比較します。
- 行動を促すフレーズの訴求力を高めるため、「購入」「販売」「注文」「閲覧」「見つける」「申し込む」「試す」「見積もり」などの表現を使います。
- 広告文の具体性を高めます。
広告の具体性を高めると、クリック率が下がる代わりにコンバージョン率が上がるケースもあります。目標に応じて、最適なパフォーマンスが得られるバランスを見つけましょう。
たとえば高級なドレスシューズを販売しているとします。
広告に「お買い上げの方にボウタイを進呈」などのフレーズを入れれば、お得な買い物を求めるユーザーに訴求できる可能性があります。一方、「熟練職人の技術」「本場イタリアのカスタム デザイン」などのフレーズを入れると、品質の高いブランドを探しているユーザーの関心を引けるかもしれません。
お得さをアピールする表現はクリック数を稼ぎやすいかもしれませんが、長期的に忠実な顧客を集めるうえではベストな方法とは限りません。
4. ランディング ページのアップデートを検討する
ユーザーをサイトまで連れてくることだけがオンライン マーケティングではありません。サイトを訪れたユーザーに優れたエクスペリエンスを提供することも重要です。
ランディング ページの利便性のステータスが「平均より下」または「平均的」の場合は、次の点を意識して改善を図りましょう。
- ユーザーが求めるものを提供しましょう。「フランネル シャツ」で検索したユーザーに、フランネルのシャツについての広告を表示したのであれば、ランディング ページもフランネル製品のページにするべきです。
- 広告とランディング ページで、メッセージに一貫性を持たせましょう。広告に記載した特典や行動を促すフレーズに、ランディング ページの内容が対応している必要があります。サイト自体を変更する権限がなくても、既存のページから最も効果的なものを模索することは可能です。
- ランディング ページの利便性を測る目安として、コンバージョン率を活用しましょう。ランディング ページのステータスに直接反映されるわけではありませんが、測定や最適化の手段としては効果的です。
- ウェブサイトをモバイルに対応させましょう。モバイルサイトのユーザーは、操作のしやすさを特に重視します。モバイル フレンドリー テストで、ランディング ページをモバイル デバイスで閲覧した場合のパフォーマンスをチェックしましょう。
- 読み込み速度を改善します。ページの読み込み速度は、ユーザーが商品を購入するか、そのまま離脱するかを左右することもあります。
ランディング ページに検索語句とまったく同じ文言を記載する必要はない点に注意しましょう。
たとえば「西東京 ペット対応 低予算 ホテル」という検索語句に対して「西東京 ペット対応 低予算 ホテル」という見出しのランディング ページを表示する必要はありません。重要なのは、ユーザーの目的に合った的確なエクスペリエンスを提供することです。
5. 品質スコアを他の指標と組み合わせて活用する
クリック率、コンバージョン率、サイト エンゲージメントなど、アカウントで参照できる他の指標にも注目しましょう。いずれもパフォーマンスに直結する指標であり、具体的な改善点を見つける手がかりとなります。
パフォーマンスを確認する際、品質スコアに注目すれば、注力するべき部分を絞り込むフィルタとして役立ちます。
- パフォーマンスの良いキーワードの品質スコアに注目し、広告やランディング ページの調整によってさらなる成果向上が期待できるものを見つけましょう。
- 品質スコアや構成要素のステータスが低い部分に注目すると、広告の関連性、クリック率、ランディング ページの利便性において、アカウント全体にわたる弱点が見えてくることもあります。長期的な改善計画に活かしましょう。