一般に、コンバージョン値を見積もるには、リピート購入、クチコミ効果、顧客生涯価値といったさまざまな要素を考慮する必要があります。こうした要素を考慮してコンバージョン値を割り出すことで、クリック価値に応じて自信を持って柔軟に入札単価を調整できます。
ここでは、Example Machines という架空の機械メーカー(企業間取引専門)を例に、コンバージョン値の見積もり方をしましょう。この会社ではオンラインで直接販売を行うのではなく、AdWords を利用して見込み顧客を発掘しています。この点も考慮すべき要素の 1 つです。
Example Machines 社の短期的なコンバージョン値
クチコミ効果の計算
同社のデータから、クチコミで得た顧客の売り上げは、一般的に 1 件あたり 15% 増えることがわかっているとします。この場合、コンバージョン値は次の方法で計算できます。
ここでは、収益が減っているのではなく増えているので、15% ではなく 115% を掛ける点がポイントです。
顧客生涯価値の計算
さらに同社では、新規顧客 1 件ごとに生涯で約 5,000 ドル相当のリピート購入が生まれることがわかっているとします。この要素は、最初の取引あたりのコンバージョン値に組み込んで計算すると簡単です。
次に、取引につながる見込み顧客の割合とクチコミ効果による増分を計算に組み込みます。
コンバージョン値を活用して戦略的に単価設定する方法
では、クリックの 5% が売り上げにつながっている場合、クリック価値がどうなるかを見てみましょう。
あらゆる要素を考慮してコンバージョン値を割り出すことで、幅広い視点からクリック単価の収益性を検討できます。
コンバージョン値の課題
さまざまな要素があると、実際にコンバージョン値を見積もることは難しくなります。たとえば、次のようなケースです。
コンバージョン値の見積もりが難しい場合でも、コンバージョン値を範囲で見積もったり、測定の難しい要素を控えめな数値で見積もったりすることはできます。たとえば、クチコミ効果による増分として 20~30% を見込めると感じていても、明確に測定できない場合は 15~20% といった控えめな見積もりを使用します。ほとんどの場合は、その方がコンバージョン値をまったく使わないよりも効果的です。
コンバージョン値の設定
重要なことは、独自のビジネス目標や広告掲載の目標に照らして合理的な指標を使うことです。たとえば、短期的なコンバージョン値は、キャッシュ フローの許す範囲で当面の収益や顧客獲得数の最大化を図る場合に有効で、生涯コンバージョン値は、長期的な収益の最大化を図る場合に有効です。このようにコンバージョン値を設定するときは、目標に即した指標を選択してください。
ここでは、Example Machines という架空の機械メーカー(企業間取引専門)を例に、コンバージョン値の見積もり方をしましょう。この会社ではオンラインで直接販売を行うのではなく、AdWords を利用して見込み顧客を発掘しています。この点も考慮すべき要素の 1 つです。
Example Machines 社の短期的なコンバージョン値
- 取引あたりの平均収益額: 3,000 ドル
- 利益幅: 45%
- 取引につながった見込み顧客: 20%
- コンバージョン値(短期): 270 ドル (3,000 ドル × 45% × 20%)
クチコミ効果の計算
同社のデータから、クチコミで得た顧客の売り上げは、一般的に 1 件あたり 15% 増えることがわかっているとします。この場合、コンバージョン値は次の方法で計算できます。
- 見込み顧客の価値(短期): 270 ドル
- クチコミ効果による増分: 15%
- コンバージョン値(クチコミ効果がある場合): 310.50 ドル (270 ドル × 115%)
ここでは、収益が減っているのではなく増えているので、15% ではなく 115% を掛ける点がポイントです。
顧客生涯価値の計算
さらに同社では、新規顧客 1 件ごとに生涯で約 5,000 ドル相当のリピート購入が生まれることがわかっているとします。この要素は、最初の取引あたりのコンバージョン値に組み込んで計算すると簡単です。
- 取引あたりの平均収益額: 3,000 ドル
- 生涯のリピート購入額: 5,000 ドル
- 利益幅: 45%
- 顧客 1 件あたりの生涯収益額: 3,600 ドル (3,000 ドル + 5,000 ドル)×(45%)
次に、取引につながる見込み顧客の割合とクチコミ効果による増分を計算に組み込みます。
- 顧客 1 人あたりの生涯収益額: 3,600 ドル
- 取引につながった見込み顧客: 20%
- クチコミ効果による増分: 15%
- 生涯コンバージョン値: 828.00 ドル (3,600 ドル × 20% × 115%)
コンバージョン値を活用して戦略的に単価設定する方法
では、クリックの 5% が売り上げにつながっている場合、クリック価値がどうなるかを見てみましょう。
- クリック単価(短期): 13.50 ドル (270.00 ドル × 5%)
- クリック価値(クチコミ効果): 15.53 ドル (310.50 ドル × 5%)
- クリック単価(生涯): 41.40 ドル (828.00 ドル × 5%)
あらゆる要素を考慮してコンバージョン値を割り出すことで、幅広い視点からクリック単価の収益性を検討できます。
コンバージョン値の課題
さまざまな要素があると、実際にコンバージョン値を見積もることは難しくなります。たとえば、次のようなケースです。
- 時間帯と空室数によって広告掲載を制限しているホテル チェーン
- 検索された商品とは別の商品が購入されることの多い e コマース サイト
- 取引規模が数千ドルから数百万ドルまでと多岐に渡るビジネス サービス
- 1 人の新規顧客が随時さまざまなサービスに登録できるサービス サイト
コンバージョン値の見積もりが難しい場合でも、コンバージョン値を範囲で見積もったり、測定の難しい要素を控えめな数値で見積もったりすることはできます。たとえば、クチコミ効果による増分として 20~30% を見込めると感じていても、明確に測定できない場合は 15~20% といった控えめな見積もりを使用します。ほとんどの場合は、その方がコンバージョン値をまったく使わないよりも効果的です。
コンバージョン値の設定
重要なことは、独自のビジネス目標や広告掲載の目標に照らして合理的な指標を使うことです。たとえば、短期的なコンバージョン値は、キャッシュ フローの許す範囲で当面の収益や顧客獲得数の最大化を図る場合に有効で、生涯コンバージョン値は、長期的な収益の最大化を図る場合に有効です。このようにコンバージョン値を設定するときは、目標に即した指標を選択してください。