Google 広告スクリプトを使うと、アカウントでの変更作業を自動化できます。Google 広告アカウント内で手動で変更を加える代わりに JavaScript コードを使うと、記述したスクリプトによって直接、入札単価の変更、広告グループの一時停止、キーワードの追加を行うことができます。
大規模なキャンペーンを運用している場合や、スクリプト作成の知識を持ったスタッフがいる場合は、スクリプトを利用すると効果的です。Google 広告スクリプトの知識があれば、アカウント全体に大規模な変更を適用できるため、時間の節約につながります。スクリプトは、クライアント センター(MCC)アカウントを通じて複数のアカウントを変更するときにも使用できます。
スクリプトの作成後は、アカウント内でスクリプトの管理や、スクリプトによって実行される操作の確認を行うことも可能です。
注: 複数のクライアント アカウントとサブマネージャー アカウントを持つ最上位の MCC アカウントの場合、最上位の MCC アカウントが所有する一括操作はそのアカウントのみに表示され、別のサブマネージャー アカウントやクライアント アカウントには表示されません。
スクリプトの仕組み
Google 広告スクリプトを使用すると、アカウントで JavaScript コードを入力することで Google 広告アカウント内のアクションを自動化できるようになります。スクリプトによってアカウント内のアイテムの作成、編集、削除を行い、時間を節約してより効率的にアカウントを管理できます。
スクリプトの使用例をいくつかご紹介します。
- 外部データを使用して変更を適用できます。たとえばコンバージョンに関する外部データを使用して入札単価を変更したり、広告枠に関する外部データを使用して、広告枠の減少に合わせてキーワードの一時停止/停止の解除を行ったりすることが可能です。また、キャンペーンのデータを読み込んで高度にカスタマイズされたレポートを作成し、スプレッドシートに出力して時間経過に合わせたグラフを作成することができます。
- アカウントの複数の要素に操作を加えることができます。たとえば 1 日を通じて予算を圧迫しているキーワードがある場合は、そのキーワードを停止することも予算を増額することもできます。
- アカウント内のすべてのアイテムに変更を適用できます。たとえば、前週に 1,000 回以上のインプレッションを獲得したすべてのキーワードに対し、クリック単価を 30% 引き上げるといったことが可能です。
- クライアント センター(MCC)アカウントを通じて複数のアカウントを管理している場合、複数の子アカウントに対して 1 つのスクリプトを実行して、入札単価の最適化、複数のアカウントを対象にしたレポートの作成、潜在的な問題(動作しないリンクの修正や除外キーワードの競合など)の確認を行うことができます。
スクリプトは、チーム内に JavaScript の知識があるメンバーがおり、変更の適用を自動化したい大規模なアカウントを運用している場合に有効です。スクリプトに対する変更は元に戻すことができないのでご注意ください。
スクリプトの知識がない場合、またはより構造化された手法で変更の適用、スケジュール設定を行いたい場合は、自動化ルールの活用をおすすめします。
例
たとえば花屋のウェブサイトをリニューアルし、ユーザーがチューリップに興味を持つような新しいランディング ページを作成したとします。これまでのキャンペーンでは、チューリップ関連のキーワードの最終ページ URL は「http://www.example.com/tulips/BoringOldPage」に指定されていました。このような場合にスクリプトを使用すると、アカウント内のすべてのキャンペーンでチューリップ関連のキーワードの最終ページ URL をすべて「http://www.example.com/tulips/FancyNewPage」に一括変更できます。
既定のスクリプトから作成または実行する
スクリプトを作成する最も簡単な方法は、スクリプトのライブラリに用意されているスクリプトを編集することです。スクリプトをそのまま使用することも、JavaScript を調整してカスタム スクリプトを作成することもできます。たとえば、既定のスクリプトを利用して、次のことが行えます。
また、既定の JavaScript のスニペットを組み合わせることで独自のカスタム スクリプトを構築することも可能です。
独自のスクリプトを作成する
スクリプトを作成する際に最も重要なのは、アカウント内で目的の操作を実行するための JavaScript を記述することです。スクリプト作成の詳細な手順については、開発者向けサイトをご確認ください。
スクリプト作成の準備が整ったら、次の手順でアカウントに追加します。
- Google 広告の管理画面でツールアイコン
をクリックします。
- セクション メニューの [一括操作] プルダウンをクリックします。
- [スクリプト] をクリックします。
- プラスボタン
をクリックして、新しいスクリプトを作成します。
- 上部の [スクリプト名] 欄に、スクリプト名を入力します。
- スクリプト エディタ ボックスに JavaScript コードを入力します。スクリプト エディタ内でスクリプトを直接記述する場合は、記述作業を効率化するオートコンプリートや構文のヒント、インデントなどが使えます。
- まだスクリプトを実行する段階でない場合は、エディタの下の [保存] をクリックします。また、[プレビュー] をクリックして結果をプレビューすることもできます。
- スクリプトのプレビュー前や実行前には、そのスクリプトがアカウントに変更を加えることについてお客様の承認を求めるメッセージが表示されます。その際は、スクリプト エディタの上の [今すぐ承認]、[アクセスを許可] の順にクリックし、そのスクリプトがアカウントに変更を加える権限を有することをご確認ください。
- 準備ができたら、スクリプト エディタの下の [スクリプトを今すぐ実行] をクリックして実行します。
スクリプトを実行すると、その進捗状況が [ログ] セクションに表示されます。実行中のスクリプトは、その横の [停止] ボタンをクリックすれば停止できます。
ヒント
- スクリプト エディタ ボックスで [ドキュメント] をクリックして [サンプル] を選択すると、一般的な操作に関するスクリプトのサンプルが表示されます。このサンプルはコピーしたうえで、目的に合わせて編集することができます。
- 実行に 30 分以上(一部の MCC アカウント スクリプトでは 60 分以上)かかるスクリプトはタイムアウトになります。スクリプトがタイムアウトになった場合は、一部の変更が適用されない場合もあります。タイムアウトにならずにスクリプトが実行されたことを確認するには、ログをチェックしてください。スクリプトがタイムアウトになった場合は、スクリプトを簡略化して再度実行することをおすすめします。
スクリプトのスケジュールを設定する
作成したスクリプトについては、特定の頻度(1 回限り、毎日、毎週、毎月)で特定の時刻に実行するようスケジュールを設定できます。手順は次のとおりです。
- [スクリプト] ページの [頻度] 列で、スクリプトの頻度の値(当初は空白)にカーソルを合わせます。
- 鉛筆アイコン
をクリックします。
- 特定の日付、あるいは毎週同じ曜日や毎月同じ日に実行するよう指定できます。実行する時刻も指定できます。
- [保存] をクリックします。
スクリプトの実行スケジュールを変更する場合も、上記の手順を繰り返します。
スクリプトを管理、編集する
作成したスクリプトはすべて [スクリプト] ページ(ツールアイコン > [一括操作] > [スクリプト])で確認できます。
各スクリプトの名前の横にある [ステータス] 列には、そのスクリプトが有効な場合に緑色のアイコンが表示されます。[オプション] をクリックして [無効] を選択すると、そのスクリプトを無効にすることができます。
スクリプトを再度有効にするには、その他アイコン をクリックして [無効なスクリプトを表示] を選択し、有効にするスクリプトで [有効にする] をクリックします。
スクリプトに対する操作ログを確認するには、[スクリプトの履歴] をクリックし、目的のスクリプトの横の [ログ ステートメント] をクリックします。これにより、各スクリプトの過去の実行日時やステータスを確認できます。[変更内容] をクリックすると、さらに詳しいログを確認できます。
スクリプトの問題を修正する
スクリプトの作成、編集、実行する中で問題が発生した場合は、デベロッパー リレーションズ チームにお問い合わせください。