ブランド効果測定について
ブランド効果測定は、広告がブランドの印象に与える影響を測定するための無料のツールです。
ブランド効果測定は、クリック数、インプレッション数、視聴回数などの従来の指標ではなく、広告想起、ブランド認知度、比較検討などの指標に基づき、マーケティング目標に合わせてキャンペーンを調整するために役立ちます。ブランド効果測定のテスト方法と大規模なサンプルサイズにより、商品またはブランドに対する人々の感情にキャンペーンがどのように影響するかについての詳細なインサイトを得ることができます。
ブランド効果測定の仕組み
広告申込情報の配信が開始されると、次のグループのユーザーにブランドリフト調査が表示されます。
- 広告を見たユーザー
- 広告の表示対象だったが広告を見なかったユーザー
さまざまな指標について複数のアンケートを作成し、さまざまな時間帯でユーザーに表示できます。2 つのグループの回答の違いにより、広告想起、認知度、比較検討といった主要なブランド指標に関する広告の影響が判定されます。YouTube とパートナーの広告申込情報の場合、広告掲載オーダーが運用されている限り、アンケートは続行されます。動画広告申込情報の場合、アンケートは 28 日間、または十分な回答が収集されるまで、続行されます。
アンケートの回答数に応じて、次に示す集計済みのブランド効果測定指標が表示されます。
- 広告表示グループの肯定的回答の割合
- 絶対的ブランドリフト
- ヘッドルーム リフト
- コントロール グループの肯定的回答の割合
- 相対的ブランドリフト
キャンペーンの配信が開始されると、次に示す集計済みのブランド効果測定指標が利用可能になります。
- 広告表示グループの回答数
- コントロール グループの回答数
- アンケートのすべての回答
準備
ブランド効果測定を使用するには、1 つ以上の YouTube とパートナーの広告申込情報または動画広告申込情報を使用して、広告掲載オーダーを作成します。
測定の要件
「ブランド効果測定スタディー: 有効」または「ブランド効果測定スタディー: 無効」
要件に関するメッセージは、ブランド効果測定スタディーが 10 日間の最小予算額の要件を満たしているかどうかをお知らせします。
ヒント |
説明 |
アンケートの指標数を減らす |
予算の最低額は、質問数に応じて増減します。質問を削除することで、必要とされる予算の最低額を減らすことができます。 |
広告掲載オーダーまたは広告申込情報を有効にする |
広告掲載オーダーを一時停止したか、広告掲載オーダーが完了した場合、計算ツールの [予算] セクションに予算 $0 と表示されます。広告掲載オーダーを再開すると、予算は有効な金額に更新されます。 |
広告掲載オーダーまたは広告申込情報の予算を引き上げる |
広告掲載オーダー全体の 10 日間の累計予算が、必要な予算より多いことを確認します。少ない場合は、広告掲載オーダーの予算を引き上げます。 |
YouTube とパートナーの広告申込情報の予算編成
対象となる YouTube とパートナーの広告申込情報のブランド効果を測定するには、商品とブランドレベルで 10 日間の最小予算の要件を満たしている必要があります。
要件を満たしているかどうかは、商品やブランドを測定している有効なすべてのキャンペーンの予算の合計額を計算して判定されます。
例
- 1~5 日目: 1 日の予算 800 米ドル
- 6~10 日目: 1 日の予算 2,000 米ドル
最小予算の要件(米ドル表示) | |||
測定した質問数 | 国 A | 国 B | 国 C |
1 件 | $5,000 USD | $10,000 USD | $15,000 USD |
2 件 | $10,000 USD | $20,000 USD | $30,000 USD |
3 件 | $20,000 USD | $60,000 USD | $60,000 USD |
注: 予算の要件は、為替レートに基づき米ドルからアカウントの通貨タイプに換算されます。
必要な予算(国別)
ブランドリフト調査に必要な最小予算は国によって異なります。上記の「ブランド効果測定の予算設定」表の [国] 列には、それぞれの国の掲載結果を測定するために必要な最小予算が表示されています。下のセクションをクリックすると、「ブランドリフト調査の予算設定」表の「国 A」、「国 B」、「国 C」に該当する国が表示されます。
国 A
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国 B
- オーストリア
- ベルギー
- クロアチア
- ジブチ
- フィンランド
- フランス
- 仏領ポリネシア
- ドイツ
- ギリシャ
- アイルランド
- イスラエル
- マルティニーク
- ニュージーランド
- ノルウェー
- シェラレオネ
- スペイン
- スウェーデン
- 台湾
- イギリス
- アメリカ
- 米領バージン諸島
国 C
- オーストラリア
- カナダ
- デンマーク
- イタリア
- 日本
- カタール
- 韓国
- スイス
ブランド効果の解像度
- ブランド効果測定は、広告掲載オーダーの掲載期間全体を通じて継続的に行われます。上記の予算要件を満たしている場合、ディスプレイ&ビデオ 360 は、各指標(広告想起、認知度など)について、毎週、商品 / ブランドレベルで 2.0% の検出可能な絶対的ブランドリフトを測定することを目標にします。この目標に達しない場合、ブランド効果が小さすぎて検出できないというメッセージが表示されます。
- この解像度は、デフォルトでは商品 / ブランドレベルの解像度です。広告掲載オーダーレベルの解像度の場合、各広告掲載オーダーは固有の商品 / ブランドに関連付けられる必要があり、予算要件を満たすことも求められます。
動画広告申込情報の予算編成
動画のブランド効果はスナップショットとして測定されます。つまり、所定の解像度に達するとアンケートは終了します。動画広告申込情報によるブランド効果を検出する機会を最大限に高めるには、商品またはブランド内のすべての有効な動画広告申込情報の予算合計が質問ごとの最小予算額である $15,000 以上に達する必要があります。
サンプルサイズのガイドライン
ブランド効果を検出する機会を最大限に高めるために必要な回答数については、次のガイドラインを参考にしてください。
- YouTube とパートナーの広告申込情報の場合:
- 効果の大きい広告掲載オーダーの場合、ブランド効果測定指標ごとに約 2,000 件の回答が得られれば、ブランド効果の検出を期待できます。
- 推奨される最小予算額の場合、ブランド効果測定指標ごとに 5,600 件の回答が得られれば、ブランド効果の検出を期待できます。
- 各指標で回答が 16,800 件に達しても広告掲載オーダーのブランド効果が検出されない場合は、効果がないことを示している可能性があります。
- 動画広告申込情報の場合:
- レポートは、各指標で回答が 10,000 件に達したとき、または 28 日が経過したときのいずれか早い方の時点で生成されます。
YouTube 予算要件の計算
予算要件を満たす予算額は、ディスプレイ&ビデオ 360 の 2 つのレベルの予算システムに基づいて計算されます。予算要件では、有効な広告掲載オーダーと広告申込情報のみが考慮されます。広告申込情報が一時停止されている地域は、1 日の最小予算に基づいて考慮されます。
予算要件では次が考慮されます。
- 広告掲載オーダーの予算セグメント。1 日の予算を、(広告掲載オーダーの掲載期間の予算セグメント合計)÷(日数)として計算します。
- 広告掲載オーダーのすべての広告申込情報の 1 日の予算。すべての広告申込情報の 1 日の予算を合計した金額です。
上記 2 つのうち小さい方の金額が、各広告掲載オーダーの最終的な 1 日の予算になります。
商品またはブランドの 1 日の予算の合計は、リンクされているすべての広告掲載オーダーの最終的な 1 日の予算の合計です。
たとえば、必要な予算が 1 日あたり $2 で、商品 / ブランドに 1 つの広告申込情報を持つ広告掲載オーダーが 1 つあるとします。広告掲載オーダーの 1 日の予算が 1 日あたり $1 で、広告申込情報の 1 日の予算が 1 日あたり $3 の場合、有効な 1 日の予算は 2 つのうちの小さい方、つまり 1 日あたり $1 になります。これでは必要な最小予算額である 1 日あたり $2 を下回っているため、商品またはブランドは要件を満たしません。
YouTube の調査と動画の調査の比較
YouTube | 動画 | |
---|---|---|
最小予算 | 国によって異なる | $15,000 USD |
測定手法 |
掲載期間 伸びの結果はできるだけ早くレポートされ、広告掲載オーダーの掲載期間全体を通じて再測定できます |
スナップショット レポートは、28 日が経過したとき、または回答数が 10,000 件に達したときのいずれか早い方の時点で生成されます |
広告掲載オーダーの開始日 | 調査は、広告掲載オーダーの開始日と無関係に設定できます。 | 調査は、広告掲載オーダーの開始日の前に設定し、承認を受ける必要があります。 |
言語のサポート | 調査の設定で利用できるすべての言語が完全にサポートされます。 | 調査の設定で利用できる、試験運用版以外の言語が完全にサポートされます。試験運用版の言語は選択可能ですが、結果の品質は現在分析中です。 |
デリケートなカテゴリのサポート | ブランドリフト調査は Google の広告ポリシーとプログラム ポリシーを遵守する必要があり、デリケートなトピックに関する視聴者のフィードバックを収集することはできません。 | ブランドリフト調査は Google の広告ポリシーとプログラム ポリシーを遵守する必要があり、デリケートなトピックに関する視聴者のフィードバックを収集することはできません。さらに、アルコール、ギャンブル、健康、ゲーム、薬局、政治についての調査は、現在サポートされていません。 |
ブランドリフト調査アンケートの設定
商品またはブランドを作成して定義する
-
広告主の画面の左メニューで [リソース] を展開し、[テストと伸び] をクリックします。
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ページ上部の [伸び] タブを選択します。
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[新しいスタディー] をクリックします。
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商品またはブランドの名前を入力します。できるだけ具体的な名前を使用します(「Google」ではなく「Google Pixel 3a」)。
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同じ商品またはブランドを広告するすべての広告掲載オーダーを選択します。広告掲載オーダーごとの結果を取得するには、各広告掲載オーダーを固有の商品またはブランドに関連付けます。
注: ブランド効果測定は、単一の商品またはブランドへの広告掲載オーダーの追加のみをサポートします。
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測定する効果測定指標を最大 3 つまで選択します。
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[調査の詳細] には、商品またはブランドと最大 3 つの競合他社を入力します。
調査の詳細は、アンケートの多肢選択式質問で使用されます。
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[アンケートの設定] に次の項目を入力します。
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言語: これは、ほとんどの場合、商品 / ブランドに使用される広告申込情報に関連付けられている広告の言語です。複数言語の広告がある場合は、複数の商品またはブランドを(言語ごとに 1 つずつ)作成し、それらを対応する広告に関連付けることができます。動画広告申込情報の場合、試験運用版の言語での結果の品質は現在テスト中です。
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オブジェクト タイプ: 商品またはブランドのカテゴリ。
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期待する行動:
アンケートのプレビューが表示されます。
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[作成] をクリックします。
ブランド効果測定は、広告申込情報の配信が開始されると、自動的に開始されます。動画広告申込情報では、インプレッションが配信される前に調査を設定する必要があります。ブランド効果測定レポートについて詳しくは、ブランド効果測定のデータについて理解するをご確認ください。
商品またはブランドから広告掲載オーダーを追加する
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広告主の画面の左メニューで [リソース] を展開し、[テストと伸び] をクリックします。
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編集する商品またはブランドを選択します。
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[広告掲載オーダーを選択] を選びます。
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表から広告掲載オーダーを選択して追加します。
-
[保存] をクリックします。
おすすめの方法
ブランドリフト調査の質問を作成する際は、できるだけ多くの詳細を設定します。質問のタイプ(最大 3 つ)と回答の選択肢を選択する際は、広告主の商品またはブランドを含める必要があります。アンケートが拒否されないように、回答の選択肢のスペルが正しいことを確認してください。
商品またはブランドを作成する際に、アンケートの質問を作成します。[オブジェクト タイプ] と [期待する行動] では、質問の表現をカスタマイズします。これらの設定のデフォルトは「一般」ですが、可能な場合はより具体的なオプションを選択してください。たとえば、自動車の購入意向に関する質問を作成する広告主の場合は、以下を選択します。
オブジェクト タイプ: 自動車商品
期待する行動: 選ぶ
これらを選択すると、アンケートの質問は次のように更新されます。
一般バージョン: 次にこれらのブランドの 1 つを購入するとき、最も購入する可能性が高いものはどれですか。
更新されたバージョン: 次に自動車を選ぶとき、最も選ぶ可能性が高いものはどれですか?
レポート
レポートは、ディスプレイ&ビデオ 360 とオフライン レポートで使用できます。[伸び] タブで調査をモニタリングして、レポートの準備ができたかどうかを確認します。
ブランド効果測定指標を含む YouTube レポートを作成するには、[レポート] > [オフライン レポート] > [YouTube] > [YouTube 標準] に移動します。
YouTube と動画の結果を正確に比較するには、期間選択ツーを使用して、両者が回答を収集していた事前定義済みの期間を設定します。カスタム期間は現在サポートされていません。
対応状況
ブランド効果測定は以下で利用できます。
- インストリーム広告、スキップ不可の広告、YouTube とパートナーの広告申込情報に基づくバンパー広告
- YouTube 広告シーケンス広告申込情報
- 事前購入の広告申込情報
- YouTube 動画アクション キャンペーン
- YouTube 動画リーチ広告申込情報
- YouTube プログラマティック保証型取引の広告
- 動画広告申込情報に基づくすべての広告
- YouTube とパートナーのオーディオ広告申込情報
- YouTube コネクテッド テレビ(CTV)広告枠
制限事項
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- ブランドリフト調査は、第三者エクスチェンジの CTV 広告枠ではご利用いただけません。
- ブランドリフト調査は、第三者の CTV 広告枠をターゲットとする広告掲載オーダーでは配信されません。
- 第三者エクスチェンジの CTV 広告枠に割り当てられた予算は、ブランドリフト調査の最小要件にはカウントされません。
- 第三者エクスチェンジ ウェブ広告枠では、ブランドリフト調査の対象範囲が限られます。
- キャンペーンが主に第三者エクスチェンジのウェブ広告枠をターゲットにしている場合、調査の回答が十分に得られず、有意な結果が得られない可能性があります。