動画のインプレッション数と視認性の測定に関する業界基準の概要は以下のとおりです。
現在の Media Rating Council(MRC)認定は、次の内容を証明するものです。
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YouTube Reserve が採用する動画の測定プロセスの概要を以下に示します。
Google が受けている認定について
認定審査プロセスの対象
MRC 動画指標の認定を受けているのは、「YouTube Reserve の動画視認性レポート」のみです。これらの指標の定義は、動画視認性レポートの用語集セクションに表示されています。
審査には、YouTube Reserve の動画視認性レポートに関連するすべての測定、集計、処理が含まれ、これには、直接予約を介して販売されたスキップ可能なインストリーム広告、スキップ不可のインストリーム広告、バンパー動画広告が含まれます。
認定審査プロセスの対象外となるシステム
Google の動画以外のインプレッション ベースの広告ソリューション(Google マーケティング プラットフォームなど)、および商用目的以外でクリック数を測定するシステム(Google 検索など)は、この認定審査の対象外となります。その他、Google アナリティクスなどの関連サポート システムや管理システムなども審査の対象外となります。さらに、次の項目は認定の対象外となります。
- YouTube の純広告の他のクライアントのレポート(ユニークリーチ、ブランド効果測定、プレースメント、その他)
- ターゲティング、ブランド保護
- その他の種類のデバイス
- クリック数の指標
- YouTube TV、スポンサーシップ、YouTube Kids、マストヘッド
動画のインプレッション数と視認性の測定方法
Google は、直接予約サービスを選択した広告主に代わって、内部予約ツールを使用して YouTube キャンペーンを計画および予約します。
Google 独自のインタラクティブ メディア広告ソフトウェア開発キット(IMA SDK)は、YouTube 動画プレーヤー、YouTube モバイルアプリ、動画パートナーのサイトとアプリに直接統合されており、動画広告コンテンツを測定するための、動画プレーヤーと広告サーバー間の円滑な通信を可能にしています。IMA SDK は、準拠したタグ実装を備えた VAST(Video Ad Serving Template)(バージョン 2.0、3.0、または 4.0)で、リニアおよびノンリニアの両方の動画広告コンテンツを測定し、デジタル動画広告を配信、追跡します。また、IMA SDK は、動画広告と動画プレーヤーが互いに通信できるようにする Video Player Ad-Serving Interface(VPAID)(バージョン2.0)と、複数の広告を動画広告コンテンツに表示できるようにする Video Multiple Ad Playlist(VMAP)をサポートしています。
動画視認性レポートに含まれるすべての測定済み YouTube 動画広告は、インストリームで配信されます。動画広告のインプレッション数の測定では、レンダリング開始時にカウントする手法が使用されます。Google 広告 IMA SDK ソリューションは、バッファリング後の測定イベント開始に関して、動画再生回数ガイドラインの要件に準拠します。YouTube Reserve の動画視認性レポートは、内部ソースと外部ソースからのユーザー エージェントとモバイルアプリの SDK データを組み合わせて使用し、デバイスの種類を分類します。YouTube Reserve の動画視認性レポートは、サード パーティーに分類を依頼することはありません。
自動再生が有効になっている場合や、ユーザーが再生リストで動画を視聴している場合は、連続再生を考慮する必要があります。この場合には、特定のルールが適用されます。Wi-Fi 接続時は、4 時間が経過すると自動的に連続再生が停止されます。モバイル ネットワーク接続時は、30 分間操作を行わないと連続再生が停止されます。自動再生に該当するのは全動画トラフィックの 17% 程度です。デバイスの電源がオフの場合については、「コネクテッド テレビ」セクションをご覧ください。
Google 広告は、Active View description of methodology に基づいて動画の視認性を測定し、数値を YouTube Reserve のレポート プラットフォームで報告します。YouTube Reserve の動画視認性レポートは、動画広告クリエイティブの少なくとも 50% がユーザーのブラウザやアプリの視認可能なエリア内に連続 2 秒間表示された場合に、視認可能な動画のインプレッション数をカウントします。
フィルタリング手法
- Google は、サードパーティ製のフィルタリングを利用していません。
- 人によるものでないアクティビティの識別に使用される参照元: Google は「IAB/ABCe International Spiders & Robots List」に加え、過去のロボット アクティビティに基づく追加フィルタと IAB Robots List の除外ファイルを使用します。
- アクティビティに基づくフィルタリング処理: アクティビティに基づいて識別する場合は、特定の種類のパターン分析を実施し、人によるものでないトラフィックである可能性の高いアクティビティを検出します。Google の広告トラフィック品質管理チームは、不審なアクティビティを特定するためのシステムを利用して、アクティビティに基づくフィルタリングを適切に実施しています。
- フィルタリングはすべて、クリックが発生した後で受動的に行われます。つまり、ユーザー(ブラウザ、ロボットなど)にはトラフィックにフラグが付けられたことを知らせずにリクエストへの応答を返すか、そうでない場合はフィルタリング処理によりそのユーザーを除外します。この措置は、Google の自動フィルタリング処理が行われたことをユーザー エージェントに知られないようにするためです。広告リクエストによって無効なアクティビティが発生する可能性があるなど、場合によってはフロントエンドのブロックも使用します。これまでにブロックされた広告リクエストは 2% 未満です。
- プリフェッチであると自己申告されたアクティビティを削除するプロセスが導入されています。
- クリック数の不一致や誤りが検出されると、そのデータの修正と広告主様への払い戻しが行われます。このような払い戻しは料金概略ページに反映されます。ログファイルの破損が起こることはめったにありませんが、万一発生した場合は修復可能です。
- Google 内部の IP アドレスからのアクティビティを削除するプロセスが導入されています。
- フィルタリングのルールと基準は継続的にモニタリングされています。これらは定期的に自動更新され、手動でも変更可能です。
機械学習
Google は複数の手法を通して教師あり AI1 のテクニックを活用しています。たとえば分類法(ニューラル ネットワークによるアプローチなど)では、イベントが無効かどうかをモデルが yes / no で判定することで、無効なトラフィック(IVT)を予測します。また、ロジスティック回帰では、さまざまなアクティビティにモデルがスコアを付け、スコアのしきい値に基づいて IVT の決定がなされます。Google の教師あり AI モデルではこの他にも、決定木やグラフといった手法が使用される場合があります。
Google AI に使用されるデータソースには、クエリとインタラクションのログ(「広告ログ」)、広告ログと結合可能な非ログデータ、その他各種の補足的な独自のシグナルが含まれます。Google は、さまざまなサイズの数百のデータソースを活用しています。データソースごとのレコードの総数は、データソースに応じて数千から数兆に及びます。トラフィック ベースのモデルは、入力データとして最低 7 日間のトラフィックで評価される必要があります。
アクティブな防御策として、Google はモデルに提供されるトラフィック シグナル(トレーニング データ)のモニタリングを継続しています。これにより、特定のしきい値の範囲が満たされない場合に人による介入に向けたアラートがトリガーされます。結果として、正確性の低下が最小限に抑えられます。
モデルは、適切かつ実用的な場合に継続的に再トレーニングされ、そのパフォーマンスが定期的または継続的に評価されます。結果として、上述のモニタリング手続きと同様に、正確性の低下が最小限に抑えられます。
Google AI のトレーニングと評価データのバイアスは最小限であり、バイアスが大きくなると、IVT の防御は承認されません。すべての Google AI プロジェクト(「リリース」)は、承認前に横断的な審査プロセスを経ることになります。このプロセスの一環として、モデルとそれに対応するデータのバイアスが評価されます。プロジェクトが承認されるには、広告トラフィックに関する所定の品質基準が満たされる必要があります。モデルのバイアスを検出するために継続的なモニタリングが行われます。バイアスが検出されるとアラートがトリガーされ、モデルの評価、分析、更新が行われます。
Google はすべてのトラフィックに、AI と人による介入およびレビュー手法を組み合わせて適用しています。一部の防御策においては、AI による見込み顧客の発掘に続いて人によるレビューを行っています。その他の防御策では、人によるデータのレビュー後に、Google AI を使用して一般化します。AI と人による介入およびレビュー手法の活用は進化を続けており、Google ではアラートやエスカレーション、発生する可能性のある無効なトラフィックの種類の有機的変動など、複数の基準に応じて使い分けを行っています。その結果、分布は定常状態ではなく、Google AI や人による介入、レビューへの依存の「レベル」は時間とともに変化します。
1教師あり Google AI は、ラベル付けされた入力データと出力データに依存します。つまり、AI モデルの出力の内容に関する期待値が存在します。
ビジネス パートナーの要件
YouTube のプラットフォーム レベルの広告ポリシーは、すべての関係者に適用されます。詳しくは、広告主様向けの広告ポリシーをご覧ください。
Google は無効なトラフィックを継続的に除外し、無効なトラフィックが大量に発生したビジネス パートナー様を審査しています。無効なトラフィックが継続的に大量に発生しているパートナー様は、アカウントが停止または閉鎖される場合があります。
動画データのレポート機能
MRC 認定では、動画視認性レポートに記載された指標のみが対象となります。認定されたデスクトップおよびモバイル環境の動画視認性レポートには、軽微な量の YouTube TV のトラフィックが含まれている可能性があります。他の利用可能な YouTube の純広告レポート全体における動画のインプレッション数と視認性の指標に関するその他のレポートは、認定監査から除外されます。
YouTube Reserve の動画視認性レポートの指標は、パソコン、モバイルウェブ、モバイルアプリ内の環境全体における巧妙な無効なトラフィック(SIVT)の合計数として報告されます。トラフィック全体における無効な動画インプレッション数の約 23% は、一般的な無効なトラフィックと推定されます。
- スキップ可能なインストリーム広告: スキップ可能な動画広告では、再生開始から 5 秒が経過すると、ユーザーが視聴をスキップできるようになります。スキップ可能な広告は、視聴開始から 30 秒経った時点、または視聴が完了した時点で YouTube の再生回数としてカウントされます(再生回数としてカウントされるにはクリエイティブは 12 秒以上でなければなりません)。スキップ可能な動画広告の最大再生時間は 6 分です。
- バンパー広告: YouTube 動画コンテンツの開始前、途中、または終了後に表示される、約 6 秒間の短い動画広告です。バンパー広告はスキップできません。
- スキップ不可のインストリーム動画広告: ユーザーはこのタイプの広告の視聴をスキップできません。また YouTube の再生回数にはカウントされません。スキップ不可の広告の最大再生時間は、表示される地域によりますが、15 秒または 20 秒です。
「YouTube Reserve の動画視認性レポート」で使用されるタイムゾーンは、関連するキャンペーンのタイムゾーンと同じになります。「YouTube Reserve の動画視認性レポート」には、基本指標(インプレッション数、無効なインプレッション、測定可能なインプレッション、測定不能なインプレッション、視認範囲のインプレッション、視認範囲外のインプレッション)についての品質チェック用のウォーターマーク チェックが含まれています。ウォーターマークにおける各基本指標の総数をレポート テーブル内の関連する数と比較することができます。不一致がある場合は、Google の営業担当者にお問い合わせください。「YouTube 動画の視認性」レポートの対象期間はカスタマイズ可能です。レポートをリクエストするには、Google の営業担当者にお問い合わせください。
方法の変更に関するお知らせ
方法の変更は、Google 広告ヘルプのお知らせで通知されます。