以下の各例では、図 2 を除き、レポートの解釈を説明するために作成した説明用データを使用します。また、わかりやすくするため、このページでは説明用の訪問者数のグラフを表示していますが、実際のレポートでは訪問者数を共有することはありません。
空白と急増
地域内の一部のカテゴリではデータの空白が見られることがあります。こうした空白は意図的なものです。匿名性を確保できるだけの十分なデータがない場合、データは品質とプライバシーの基準を満たさないため、空白となります。
図 1: プライバシーの基準に沿って訪問者数が少ない日を削除している
図 1 は、ある 1 日の利用可能なデータ(オレンジ色のグラフ)がプライバシーの基準を満たしていないとどうなるかを示しています。このような日では、レポートにその日の計算が含まれないため(青色のグラフ)空白が見られます。
1 つ(以上)のカテゴリに空白がある場合は、レポートに以下が表示されます。
- カテゴリ名の横にアスタリスク(*)が表示されます。増減率はレポート日のものではなく、直近の記録日のものであることを示します。
- 「この日のデータは不足しています」というメッセージが表示されます。
空白は「不明」として扱う必要があります。空白があるからといって、人出が少なかったというわけではありません。
急上昇のあるグラフは日々の変化が大きいことを示し、多くの地域で、公園のカテゴリで顕著に見られます。これは、公園の訪問者数は天気に大きく左右されるためです。同一期間の気温、降水量、風速を示す他のデータソースを使ってこの点を確認することを検討しましょう。一般に公園の訪問者数は変動が大きいため、変化はより激しくなることを予測できます。
予測
休暇や祝日のデータは、人が職場に行かないときのコミュニュティの状況を理解するのに役立ちます。
図 2. 祝日とコミュニティでの COVID-19 の対応との類似性
図 2 で、3 月 12 日はこの地域の祝日だったことがわかります。「職場」と「住居」の変化は、コミュニティでの COVID-19 の対応と多少異なりますが、ここから変化の規模を把握できます。自分の地域についての状況を考慮する必要がありますが、祝日は非常に特殊な比較ポイントです。
「住居」の変化は小さい
「住居」カテゴリは滞在時間の変化を示しています(その他のカテゴリでは合計訪問者数の変化)。勤務日であっても、住居ではすでに 1 日のかなりの時間を過ごしているため、変化はそれほど大きくありません。
図 3. 1 日は 24 時間しかないため、増減率は限定される
図 3 のオレンジ色のグラフは、自宅で過ごした時間の平均値を示します。通常、勤務時間は 8 時間です。1 日は 24 時間しかないため、勤務日の増減率は最大でも +50% で、週末ではさらに低くなります。
測定単位が異なるため、「住居」カテゴリの変化を他のカテゴリの変化と比較しないでください。
週末
モビリティ レポートで示されているのは、相対的な変化であって、絶対的な訪問者数や時間ではありません。たとえば、普段日曜日に職場に行く人がほとんどいない地域の場合、コミュニティで COVID-19 への対応がなされても、日曜日の職場への訪問者数に大きな変化が見られないでしょう。
図 4. 職場への週末の訪問者数が普段から少ない場合、変化も小さくなる
図 4 のオレンジ色のグラフは(説明用の)訪問者数を示し、青色のグラフは訪問者数と曜日別基準値の比較を示します。週末の訪問者数が減少して現実的な値に近くなると、以下のようになることがわかります。
- 3 つの青色のピークからわかるように、相対的な変化が小さくなる。
- 過去 3 週間、職場への訪問者数は減っているが、その変化は小さい。
このグラフは、平日より週末に働いている人の方が多いことを示しているのではなく、週末の方が標準との差が小さくなることを示しているにすぎません。
必ずしもすべての人の勤務が月曜日から金曜日というわけではないこと、そして 1 週間の労働時間には地域的な差があり、週末に働いている人もいることを覚えておきましょう。