ビジネスまたは学校の Chrome ブラウザおよび ChromeOS デバイスの管理者を対象としています。
Chrome 111 リリースの概要
Chrome Enterprise のリリースノートは、9 つの言語で利用可能です。Chrome の更新に関するお知らせは、英語、ドイツ語、フランス語、オランダ語、スペイン語、ポルトガル語、韓国語、インドネシア語、日本語でお読みいただけます。一部の言語では、翻訳に 1~2 週間かかる場合があります。
Chrome ブラウザの更新内容
- リリース スケジュールの変更のお知らせ
Chrome 110 より、ごく一部のユーザーを対象にした Stable チャンネルへのリリースが以前計画したスケジュールよりも 1 週間早くなります。たとえば、Chrome 111 Stable リリースは 2023 年 3 月 7 日から 3 月 1 日に変更されます。
また、発表された Stable 版リリース日から 1 週間は、ごく少数のユーザーを対象にした小規模なリリースが行われる予定となっています。より多くのユーザーへのリリースは、以前にお知らせしたスケジュールで行われます。初期リリースに時間をかけることで安定性が向上し、安全で最新の Chrome バージョンを企業で保持しやすくなります。
詳しくは、Chrome 更新の管理についてお読みいただき、Chrome のリリース スケジュールをご確認ください。
- プライバシー サンドボックスの更新(Chrome 111)
Chrome 111 では、プライバシー サンドボックス プロジェクトに関連する新しい広告プライバシー機能のユーザー エクスペリエンスが更新されます。その一環として、Chrome では新機能を表示する確認ダイアログがユーザーに表示されるようになりました。ユーザーはこのダイアログから適切な設定ページに移動し、自身で設定を行なうことができます。
IT 管理者は PrivacySandboxAdTopicsEnabled、PrivacySandboxSiteEnabledAdsEnabled、PrivacySandboxAdMeasurementEnabled エンタープライズ ポリシーを使用して、Chrome のプライバシー サンドボックスの設定を無効にできます。ユーザー向けメッセージを非表示にする場合は、PrivacySandboxPromptEnabled ポリシーを使用します。
詳しくは、Chrome のプライバシー サンドボックス技術に関するデベロッパー向けドキュメントをご覧ください。
- PPB_VideoDecoder(Dev) API の削除
Adobe Flash 用に PPB_VideoDecoder(Dev) API が導入されていますが、Flash は Chrome でサポートされなくなったため、この API は Chrome 111 で削除されます。以前のアプリケーションを移行する時間が必要な場合は、ForceEnablePepperVideoDecoderDevAPI エンタープライズ ポリシーを使用できます。このポリシーは Chrome 114 までサポートされます。その後もポリシーを使用する必要がある場合は、2023 年 5 月 5 日までにcrbug.com でバグを報告し、ユースケースをお知らせください。
- パソコン版 Chrome 同期の新しいダイアログ
Chrome 111 では、一部のユーザーに Chrome 同期を有効にするダイアログの新しいデザインが表示されるようになりました。BrowserSignin、SyncDisabled、RestrictSigninToPattern、SyncTypesListDisabled などの関連するエンタープライズ ポリシーはこれまでと同様に動作し、Chrome 同期の設定に使用できます。
- Payment Handler API で CSP の connect-src が必須に
組織で Web Payment API(Payment Handler と Payment Request)を使用し、かつ保護を強化するためにコンテンツ セキュリティ ポリシー(CSP)も使用している場合は、Web Payment API から送信される HTTP リクエストのドメインを CSP の connect-src ディレクティブに追加しておく必要があります。これは Chrome 111 で適用されます。詳しくは、こちらのデベロッパー向けのブログ投稿をご覧ください。
- プロセス外でのシステムの DNS 解決
Chrome 111 より、Linux および Android のネットワーク サービスのサンドボックス構成要素であるシステムの DNS 解決が、ネットワーク サービスからサンドボックス化されていないブラウザ プロセスに段階的に移行されます。これは、これらのプラットフォームでサンドボックス化されている間はシステムの DNS 解決が実行できないためです。エンタープライズ ポリシー OutOfProcessSystemDnsResolutionEnabled を使用すると、この機能を制御できます。このポリシーを false に設定した場合、システムの DNS 解決はブラウザ プロセスではなくネットワーク プロセスで実行されます。これにより、ネットワーク サービスのサンドボックスが無効になり、Google Chrome のセキュリティが低下する可能性があります。
- Azure AD シングル サインオン(SSO)
Chrome 111 で Microsoft Windows のアカウント情報を使用した Microsoft ID プロバイダへの自動ログインがサポートされるようになりました。この機能はデフォルトで無効になっていますが、CloudAPAuthEnabled ポリシーを使用して有効にできます。
- Chrome アップデータ(Windows 版、Mac 版)が直近の 12 バージョンに対応
Beta、Stable、Extended Stable の各チャンネルでリリースされた、ロールアウトが完了している直近の 12 の Chrome バージョンを、Chrome アップデータでご利用いただけるようになりました。TargetVersionPrefix エンタープライズ ポリシーを使用している場合は、直近にリリースされた 12 のバージョンのいずれかをご利用であることを確認してください。Chrome の更新を手動で管理していない場合は、特にご対応いただく必要はありません。
- ポリシー名の変更
ウィンドウの配置に関連するポリシーの名前を変更しました。この変更は、基盤となる API の名称が最近「Window Management」に変更されたことを受けて実施しました。Chrome 111 より、DefaultWindowPlacementSetting、WindowPlacementAllowedForUrls、WindowPlacementBlockedForUrls の各ポリシーが、DefaultWindowManagementSetting、WindowManagementAllowedForUrls、WindowManagementBlockedForUrls、WindowManagementSettings に変わります。WindowPlacement 形式のポリシーは、今後のバージョンで削除される予定です。また、WindowPlacementSettings の最小単位グループ名が WindowManagementSettings に変更されました。
- Chrome ブラウザの新しいポリシーと更新されたポリシー
ポリシー 説明 DomainReliabilityAllowed ドメインの信頼性に関するデータのレポートを許可します。 MixedContentAutoupgradeEnabled HTTPS サイトで混合コンテンツの自動アップグレードを有効にします。 DefaultWindowManagementSetting ウィンドウ管理の権限のデフォルトの設定です。 WindowManagementAllowedForUrls ウィンドウ管理の権限を許可するサイトを指定します。 WindowManagementBlockedForUrls ウィンドウ管理の権限を拒否するサイトを指定します。 OutOfProcessSystemDnsResolutionEnabled システムの DNS 解決をネットワーク サービス外で実行できるようにします。 ForceEnablePepperVideoDecoderDevAPI PPB_VideoDecoder(Dev) API のサポートを有効にします。 CloudAPAuthEnabled Microsoft® のクラウド ID プロバイダに自動ログインを許可します。 PrivacySandboxPromptEnabled プライバシー サンドボックスのプロンプトをユーザーに表示するかどうかを指定します。 PrivacySandboxAdMeasurementEnabled プライバシー サンドボックスの広告測定設定を無効にできるかどうかを指定します。 PrivacySandboxAdTopicsEnabled プライバシー サンドボックスの広告トピック設定を無効にできるかどうかを指定します。 PrivacySandboxSiteEnabledAdsEnabled プライバシー サンドボックスのサイトによる広告の提案設定を無効にできるかどうかを指定します。 GetDisplayMediaSetSelectAllScreensAllowedForUrls(Linux でのサポートを追加) マルチ スクリーン キャプチャの自動選択を有効にします。
ChromeOS の更新内容
- テキスト アプリのキーボード ショートカットに関するヘルプセンター記事へのリンク
ChromeOS のテキスト アプリには一連のキーボード ショートカットが組み込まれています。ChromeOS 111 では、テキスト アプリの設定にある、これらのキーボード ショートカットの使い方を説明したヘルプセンター記事へのリンクが追加されています。
- 管理対象デバイスで印刷ジョブの送信元を識別可能に
医療業界で多く見られるような、管理された環境での高度な特定の印刷ワークフローに対するサポートを改善するには、印刷ジョブに送信元のデバイス情報が含まれていることが重要になります。これに対応するため、ChromeOS 111 では、管理者が指定した値が入力される client-info IPP 属性を導入します。この属性により、ダウンストリームの印刷ワークフローや報告アクティビティに使用されるデバイスを識別できます。
また、すべての印刷ジョブで、ChromeOS の名前と実行中のリリース バージョンが示されるようになりました。
印刷ジョブのこの新しい属性は、管理対象デバイスから送信され、新しい管理ポリシーによって制御されるジョブでのみ使用できます。
管理コンソールの更新内容
- 管理コンソールの新しいポリシー
ポリシー名 ページ サポートされるプラットフォーム カテゴリ / 項目 LensDesktopNTPSearchEnabled [ユーザーとブラウザの設定] > [管理対象ゲスト セッション] Chrome
ChromeOS[起動] > 新しいタブの Google レンズボタン SendMouseEventsDisabled
FormControlsEnabled[ユーザーとブラウザの設定] > [管理対象ゲスト セッション] Chrome
ChromeOS
Android[以前のサイトの互換性] > [無効化された MouseEvent 要素] UserBorealisAllowed [ユーザーとブラウザの設定] > [管理対象ゲスト セッション] ChromeOS [ユーザー エクスペリエンス] > [ChromeOS で Borealis を許可する] OffsetParentNewSpecBehaviorEnabled [ユーザーとブラウザの設定] > [管理対象ゲスト セッション] Chrome
ChromeOS
Android[以前のサイトの互換性] > [以前の HTMLElement オフセット動作を有効にする] AccessControlAllowMethods
InCORSPreflightSpecConformant[ユーザーとブラウザの設定] > [管理対象ゲスト セッション] Chrome
ChromeOS
Android[ネットワーク] > [CORS の Access Control Allow Methods への準拠]
今後の予定
注: 以下の項目は、試験運用版または計画中の更新内容であり、Stable チャンネルにリリースする前に変更されたり、リリースが延期または中止されたりすることがあります。
予定されているブラウザの変更
- LegacySameSiteCookieBehaviorEnabledForDomainList ポリシーの拡張
Chrome 79 で LegacySameSiteCookieBehaviorEnabledForDomainList ポリシーが導入されました。これは、Cookie の SameSite の動作を以前の動作に戻すためのものであり、特定のドメインで使用されるものと想定されます。LegacySameSiteCookieBehaviorEnabledForDomainList ポリシーは Chrome 121 まで引き続きサポートされます。
- オリジンキー エージェント クラスタリングがデフォルトに(Chrome 112)
Chrome 112 では、document.domain
にウェブサイトを設定できなくなります。ウェブサイト間でクロスオリジン通信を行う場合は、postMessage()
や Channel Messaging API などの別の方法を使う必要があります。適切に動作させるためにdocument.domain
を使用した同一オリジン ポリシーの緩和を利用しているウェブサイトでは、その動作が必要なすべてのドキュメントにOrigin-Agent-Cluster: ?0
ヘッダーを付けて送信する必要があります。詳しくは、ブログ投稿の記事をご覧ください。
注:document.domain
を設定しているドキュメントが 1 つだけという場合は、影響はありません。
OriginAgentClusterDefaultEnabled エンタープライズ ポリシーを使用すると、現在の動作を拡張できます。
- Chrome 112 のデータ エクスポートで Chrome 同期の新しいデータタイプが利用可能に
データ エクスポートとドメイン全体のデータ エクスポート(DWT)で、より多くの Chrome データをエクスポートできるようになります。使用できるデータタイプは、AUTOFILL、PRIORITY_PREFERENCE、WEB_APP、DEVICE_INFO、TYPED_URL、ARC_PACKAGE、OS_PREFERENCE、OS_PRIORITY_PREFERENCE、PRINTER です。
SyncTypesListDisabled エンタープライズ ポリシーを使用すると、Chrome 同期機能で同期するデータタイプを制御できます。
- Chrome for Testing
Chrome 112 では、Puppeteer(Chrome のブラウザ自動化ライブラリ)が、Chromium バイナリの代わりに Chrome for Testing バイナリを使用するようになります。Chromium バイナリを許可リストに登録している場合は、Chrome for Testing バイナリも許可リストに登録することを検討してください。
Chrome for Testing は、自動テストのユースケース専用の Chrome フレーバーです。これはエンドユーザー向けのサービスではなく、Puppeteer など他のプロジェクトを通じて自動化エンジニアが使用するツールです。Chrome for Testing は、通常の Chrome とはまったく異なるバイナリです。
- Windows、Mac、Linux で Chrome アプリのサポートが終了
かねてよりご案内しておりましたとおり、プログレッシブ ウェブアプリ(PWA)とウェブ標準技術の採用に伴い、Chrome アプリのサポートは段階的に廃止されることになりました。Chrome アプリをご利用になっていた企業が他の技術に移行するための期間を確保するために、サポート終了のスケジュールを調整しました。Windows、Mac、Linux では Chrome 112 以降で Chrome アプリをご利用いただけなくなります。さらに期間が必要な場合は、ChromeAppsEnabled ポリシーを使用して、Chrome アプリの使用期間をさらに 2 リリース分延長できます。
Chrome 105 以降、Chrome アプリを自動インストールしようとすると、アプリのサポートが終了しているというメッセージがユーザーに表示されます。インストール済みの Chrome アプリは引き続き起動可能です。
Chrome 112 以降、Windows、Mac、Linux で Chrome アプリは動作しなくなります。これを解決するには、自動インストールする拡張機能のリストから、該当する拡張機能 ID を削除します。必要に応じて、対応する install_url を、自動インストールするウェブアプリのリストに追加します。一般的な Google アプリの install_url は以下のとおりです。
プロパティ 拡張機能 ID(Chrome アプリ) install_url(PWA / ウェブアプリ) Gmail pjkljhegncpnkpknbcohdijeoejaedia https://mail.google.com/mail/
installwebapp?usp=adminドキュメント aohghmighlieiainnegkcijnfilokake https://docs.google.com/document/
installwebapp?usp=adminドライブ apdfllckaahabafndbhieahigkjlhalf https://drive.google.com/drive/
installwebapp?usp=adminスプレッドシート felcaaldnbdncclmgdcncolpebgiejap https://docs.google.com/spreadsheets/
installwebapp?usp=adminスライド aapocclcgogkmnckokdopfmhonfmgoek https://docs.google.com/presentation/
installwebapp?usp=adminYouTube blpcfgokakmgnkcojhhkbfbldkacnbeo https://www.youtube.com/s/
notifications/manifest/cr_install.html
- Chrome 112 で混合コンテンツを HTTPS に自動アップグレード(iOS)
iOS 版 Chrome で、パッシブな混合コンテンツ(HTTPS ページ内にある HTTP の画像、音声、動画)が、可能であれば HTTPS に自動的にアップグレードされるようになります。現在の iOS の挙動では、パッシブな混合コンテンツはブロックされます。その他すべての Chrome プラットフォームでは、パッシブな混合コンテンツの楽観的なアップグレードがすでに行われています。iOS で HTTPS サイト上の混合コンテンツの自動アップグレードを無効にする場合も、エンタープライズ ポリシー MixedContentAutoupgradeEnabled を使用します。このポリシーは 116 で廃止されます。
- 購入手続き用に FastCheckout をリリース
Chrome 112 では、一部のユーザーに対して、ショッピング ウェブサイトの購入手続きページを対象とした新しい自動入力 UI が表示されます。この UI を表示しないようにするには、AutofillAddressEnabled ポリシーまたは AutofillCreditCardEnabled ポリシーを無効にします。
- テレメトリー レポートでストア外の拡張機能に関する追加データを収集
セーフ ブラウジング保護強化機能が有効になっている場合、Chrome 112 では、ストア外の拡張機能に関する追加のテレメトリー(ファイル ハッシュや manifest.json ファイルなど)の収集が開始されます。収集されたデータは Google のサーバーで分析され、不正なストア外の拡張機能の検出と、すべての Chrome 拡張機能ユーザーの保護の強化に役立てられます。この機能および全拡張機能のテレメトリー機能を無効にするには、SafeBrowsingProtectionLevel を 2 以外の値に設定します。こうするとセーフ ブラウジング保護強化機能が無効になります。このデータの漏えいについて懸念がある企業の管理者の方は、SafeBrowsingProtectionLevel ポリシーを使用してください。
- オンボーディング エクスペリエンスを更新
Chrome 112 では、一部のユーザーに対して、より直感的な方法で Chrome にログインできる簡略化されたオンボーディング エクスペリエンスが導入されます。ユーザーに Chrome へのログインと同期の有効化を許可するかどうかは、これまでどおり BrowserSignin、SyncDisabled、EnableSyncConsent、RestrictSigninToPattern、SyncTypesListDisabled などのエンタープライズ ポリシーで制御できます。PromotionTabsEnabled ポリシーを使用すると、オンボーディングを完全にスキップできます。
- パーティショニングされていないサードパーティのストレージ API、サービス ワーカー API、通信 API のトライアルのサポートが終了
Chrome 113 以降段階的に、ストレージ API、サービス ワーカー API、通信 API はサードパーティのコンテキストでパーティショニングされる予定です。サードパーティのコンテキストで使用される該当の API は、同一オリジン ポリシーによって分離されるだけでなく、トップレベル コンテキストのサイトでも分離されます。サードパーティ ストレージのパーティショニングのサポートを実装する時間がなかったサイトについては、サポート終了予定のトライアルに参加し、一時的にパーティショニングを解除(同一オリジン ポリシーによる分離を継続し、トップレベル サイトでの分離は解除)して、サイトに埋め込まれたコンテンツのストレージ API、サービス ワーカー API、通信 API の以前の挙動を復元できます。
サポート終了予定のトライアル DisableThirdPartyStoragePartitioning でトップレベル サイトを登録した場合、ストレージ API(localStorage、sessionStorage、IndexedDB、Quota など)、通信 API(BroadcastChannel、SharedWorkers、WebLocks など)、および ServiceWorker API は、サードパーティ コンテキストでパーティショニングされないままとなります。
Chrome 112 では、ThirdPartyStoragePartitioningEnabled エンタープライズ ポリシーも追加される予定です。これにより、サードパーティ コンテキストですべての API のパーティショニング解除が可能になり、少なくとも 12 リリースにわたってサポートされます。
- Android のフィッシング対策を変更(Chrome 113 以降)
アカウント設定時などに Google パスワードで Android の認証を行うと Chrome に通知され、Chrome でウェブを閲覧する際にフィッシング攻撃に対する保護を受けることができます。以前のバージョンの Android 版 Chrome では、Google パスワードのフィッシング対策として、Gmail にログインするなど Chrome タブでパスワードを明示的に入力する必要がありました。
パスワードの再利用に関する警告を無効にするには、PasswordProtectionWarningTrigger を 0 に設定します。
- Windows のネットワーク サービスをサンドボックス化
Chrome 113 以降、セキュリティと信頼性を高めるために、独自のプロセスで実行されているネットワーク サービスが Windows 上でサンドボックス化される予定です。現在ネットワーク サービスを改ざんできるサードパーティのコードは、この変更に伴い、改ざんできなくなる可能性があります。これにより、Chrome のプロセス空間にコードを挿入するソフトウェア(データ損失防止(DLP)ソフトウェアなど)と相互運用性の問題が発生する可能性があります。NetworkServiceSandboxEnabled ポリシーを使用すると、相互運用性の問題が検出された場合にサンドボックスを無効化できます。こちらの手順に沿ってご利用の環境でサンドボックスをテストし、問題が発生した場合はご報告ください。
- Chrome 113 で拡張機能 Service Worker から WebUSB API へのアクセスが可能に
Chrome 113 以降では、現在バックグラウンド ページから WebUSB API にアクセスしている Manifest V2 拡張機能の移行パスとして、拡張機能 Service Worker から WebUSB API にアクセスできるようになります。
WebUSB ポリシーを拡張機能のオリジンに適用して、この動作を制御することもできます。詳しくは、DefaultWebUsbGuardSetting、WebUsbAskForUrls、WebUsbBlockedForUrls、WebUsbAllowDevicesForUrls をご覧ください。
- Extensions must be updated to leverage Manifest V3
Chrome extensions are transitioning to a new manifest version, Manifest V3. This will bring improved privacy for your users—for example, by moving to a model where extensions modify requests declaratively, without the ability to see individual requests. This also improves extension security, as remotely hosted code will be disallowed on Manifest V3.
As mentioned earlier in our blog post, More details on the transition to Manifest V3, the Manifest V2 deprecation timelines are under review and the experiments scheduled for early 2023 are being postponed.
During the timeline review, existing Manifest V2 extensions can still be updated, and still run in Chrome. However, all new extensions submitted to the Chrome Web Store must implement Manifest V3.
Starting with Chrome 110, an Enterprise policy ExtensionManifestV2Availability will be available to control whether Manifest v2 extensions are allowed. The policy can be used to test Manifest V3 in your organization ahead of the migration. After the migration the policy will allow you to extend the usage of Manifest V2 extensions until at least January 2024.
You can see which Manifest version is being used by all Chrome extensions running on your fleet using the Apps & extensions usage page in Chrome Browser Cloud Management.
For more details, refer to the Manifest V2 support timeline.
- ファーストパーティ セット用のユーザー コントロール
ファーストパーティ セットとは、デベロッパーがドメイン間の関係を宣言するための、近日提供予定のフレームワークです。このフレームワークにより、ブラウザがサードパーティとファーストパーティの関係に基づいてアクセスに関する決定を下せるようになります。同じセット内にトップレベル ドメインがあればファーストパーティの Cookie に継続的にアクセスできるなど、セットを利用することでファーストパーティの利点を享受できます。
ファーストパーティ セットは、よりプライバシーを重視したウェブに向けた Chrome のロードマップの一環です。
Chrome 113 では、これらのファーストパーティ セット用のユーザー コントロールが導入されます。ファーストパーティ セットを管理するために、2 つのエンタープライズ ポリシーが提供される予定です(ファーストパーティ セットを無効にするためのエンタープライズ ポリシーと、独自のセットを提供するためのエンタープライズ ポリシー)。
- ChromeRootStoreEnabled ポリシーの削除
Chrome 105 では、Windows および Mac で Chrome Root Store がリリースされました。ChromeRootStoreEnabled という新しいポリシーが導入され、Chrome Root Store を選択的に無効にしてプラットフォームのルートストアを優先できるようになっていました。このポリシーは Chrome 113 で Windows および Mac から削除されます。Chrome 111 では、信頼できるリーフ証明書と Windows の Trusted People ストアのサポートが追加されました。これらの問題を回避するために、以前に Chrome Root Store を無効にした場合は、Chrome 111 で再度テストしてください。Google は、Android、Linux、ChromeOS 向けの Chrome Root Store のリリースに向けて取り組んでいます。今後 Chrome Root Store はより多くのプラットフォームでリリースされていきますが、Chrome Root Store がリリースされたプラットフォームでも、その後 6 か月間はこのポリシーが引き続き提供されます。
- 履歴全体の同期
Chrome 112 以降、企業ユーザーに対して、入力した URL の同期を停止します。開いているタブは、既存の SyncDisabled ポリシーと SyncTypesListDisabled ポリシーで無効になっていない限り、通常どおりに継続して同期されます。
- 制限が緩やかな Chrome アプリの WebView の動作を停止
Chrome 113 では、Chrome アプリの WebView の使用について、次の制限が適用されます。
- WebView 内の SSL エラーにエラーページが表示されますが、安全でない処理を行うオプションは提供されません。
- WebView の NewWindow イベントを使用して別のアプリ ウィンドウ内の WebView 要素にアタッチすると、元の WebView で window.open 呼び出しによって返されるウィンドウ参照が無効になります。
Chrome 112 では、chrome://flags
にアクセスしてchrome://flags/#enable-webview-tag-mparch-behavior
を有効にすると、この新しい動作をテストできます。
これらの変更に伴い発生する可能性のある障害に対処する時間的猶予を与えるために、一時的なエンタープライズ ポリシー ChromeAppsWebViewPermissiveBehaviorAllowed を提供する予定です。
予定されている ChromeOS の変更
- 企業用アカウントおよび教育機関向けアカウント用に手書きメモをプリインストール
ChromeOS 112 以降、タッチペン対応メモアプリである手書きメモが Chromebook で使えるようになります。今後のリリースで、タッチペン対応 Chromebook のすべての企業用アカウントおよび教育機関向けアカウントにプリインストールされる予定です。手書きメモ アプリへのアクセスをブロックする場合は、組織内の Chromebook からの cursive.apps.chrome へのアクセスを禁止してください。
- スクリーンキャストの録画で複数の言語の音声文字変換をサポート
ChromeOS 112 以降、Google の S3 音声文字変換 API と統合し、さまざまな言語を対象に追加することで、スクリーンキャストの録画機能を大幅に拡充する予定です。
ChromeOS のスクリーンキャスト アプリを使用すると、ユーザーは Chromebook で文字起こしされたスクリーンキャストを録画できます。以前のバージョンでは、この機能が EN-US でのみ利用可能でした。つまり、スクリーンキャストを録画できるのは米国内の英語を話すユーザーのみでした。まもなく、スペイン語、日本語、フランス語、イタリア語、ドイツ語など、さまざまな言語でスクリーンキャストを録画し、文字起こしできるようになります。
予定されている管理コンソールの変更
以前のリリースノート
Chrome のバージョンと Stable チャンネルのリリース目標日程 |
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Chrome 110: 2023 年 2 月 1 日 | |
Chrome 109: 2023 年 1 月 10 日 | |
Chrome 108: 2022 年 11 月 29 日 | |
Chrome 107: 2022 年 10 月 25 日 | |
以前のリリースノート → |
補足資料
- 今後のリリースに関するメールを受け取るには、こちらでご登録ください。
- リリース前の新機能をお試しになりたい場合は、Trusted Tester プログラムにご登録ください。
- Chrome Enterprise カスタマー フォーラムでは、Chrome Enterprise を使用する他の IT 管理者と交流できます。
- Chrome リリースの仕組み - Chrome のリリース サイクル
- Chrome ブラウザのダウンロードと Chrome Enterprise サービスの概要 - Chrome ブラウザ エンタープライズ
- Chrome バージョンのステータスとタイムライン - Chrome プラットフォームのステータス | Google アップデートのサーバー ビューア
- お知らせ: Chrome リリースのブログ | Chromium ブログ
- デベロッパー: ウェブ プラットフォームの変更をご確認ください。
さらにサポートが必要な場合
- Google Workspace、Cloud Identity をご利用のお客様(アクセスが許可されている方のみ) - サポートへお問い合わせください
- Chrome ブラウザ エンタープライズ サポート - スペシャリストへお問い合わせください(要登録)
- Chrome 管理者向けフォーラム
- Chrome Enterprise および Chrome Education ヘルプセンター