職場や学校に Chrome デバイスを導入する際は、オフィスや教室で多数のノートパソコンやタブレットを設定する場合とほぼ同じ方法で、ワイヤレス ネットワークを設定できます。ネットワークの設定にあたっては、以下が重要となります。
- 良好な無線のカバレッジがあること
- 十分なインターネットの帯域幅があること
- 接続する端末の数に応じた無線アクセス ポイントがあること
おすすめのネットワーク設定
項目 | おすすめの設定 |
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Wi-Fi | 802.11n 5 GHz。可能であれば非 DFS チャンネルを使用します。お住まいの国で使用可能な非 DFS チャンネルについては、5 GHz チャンネルの表をご覧ください。米国では、36~48 と 149~165 のチャンネルが非 DFS チャンネルです。 |
帯域幅 | 標準的な導入でユーザーあたり 0.2~0.5 Mbps 以上。Google が一般公開している DNS サーバー(8.8.8.8)への ping コマンドのレイテンシは 100 ms 未満である必要があります。HD 動画のストリーミングでは、ユーザーあたり 1 Mbps 以上(できれば 2~5 Mbps 以上)の帯域幅が必要です。 |
アクセス ポイント | アクセス ポイントあたり 30 台の端末。エンタープライズ向けのアクセス ポイントであれば、さらに多くの端末に対応できます。製品のドキュメントをご覧ください。 |
表の各項目について詳しくは、以下をご覧ください。
アクセス ポイント
アクセス ポイントは Wi-Fi 802.11a/g/n に対応している必要があります。WPA2-PSK 暗号化を使用して 5 GHz 802.11n で接続することをおすすめします。
- 端末数が 30 台未満の小規模な導入の場合は、コンシューマ向けのネットワーク設備で十分です。
- 30 台を超えるデバイスを導入する場合や複数の部屋でネットワークを使用する場合は、一元管理が可能なエンタープライズ向けのネットワーク設備をおすすめします。
教室や職場では 1 つの部屋で多くのノートパソコンがネットワークにアクセスするため、ネットワークの設計が重要になります。狭い空間で複数の Wi-Fi アクセス ポイントを使用する場合は、干渉を防ぐために Wi-Fi チャンネルの重複利用は避けてください。Android アプリの Wi-Fi Analyzer を使用すると、Wi-Fi の強度とカバレッジをテストできます。
帯域幅に関する注意事項
必要なネットワーク帯域幅は Chrome 端末の用途によって異なります。通常のウェブの閲覧や Google ドライブ ドキュメントの編集には、同時セッションあたり 0.2~0.5 Mbps 以上あれば十分です。
従業員や生徒が動画をストリーミングする場合は、同時ユーザー セッションあたり 1 Mbps 以上が必要です。HD 動画のストリーミングには 4 Mbps を超える帯域幅が必要です。
インタラクティブなウェブベース アプリケーションの場合、ユーザーが認識するパフォーマンスの指標として帯域幅よりもレイテンシのほうが重要である場合があります。一般的に、良好なパフォーマンスを得るには、ping コマンドのレイテンシを 100 ms 未満に抑える必要があります。
多数の Chrome デバイスを導入する場合は、無線のカバレッジが十分かどうかを確認するために、すべての建物で無線インフラストラクチャと接続形態についての調査を行うことを検討してください。次の業務を専門に扱う会社に問い合わせることをおすすめします。
- 実地調査: まず、既存の Wi-Fi ネットワークと、周囲の端末やその他の Wi-Fi ネットワークからの干渉を分析します。
- 導入: 適切なセキュリティとチャンネルを備えたアクセス ポイントを導入または再配置します。
注: TLS コンテンツ フィルタや SSL コンテンツ フィルタでネットワークを設定する方法については、Chrome デバイスで TLS(SSL)インスペクションを設定するをご覧ください。
1 つの Chrome デバイスやブラウザで可能な HTTP 接続数の上限
- プロキシあたりの接続数の上限は 32 です。詳しくは、Chromium のサイトをご覧ください。
- ホストあたりの最大接続数: 6 接続
- ブラウザあたりの HTTP プールの合計接続数: 256 接続
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開いているソケットと使用されているソケットのログで上限を確認することもできます。[Sockets] にある chrome-net-export-log.json ファイルで、[Max Per Group] 列を確認するとホストあたりの接続数の上限が示されています。詳しくは、Chrome のネットワークの問題に関するトラブルシューティングをご覧ください。