アトリビューション モデリング ツール(AMT)では、ツールに組み込まれている既定のアトリビューション モデルを使用できます。ただし、コンバージョンのためのクレジットの配分方法をより細かく管理したい場合は、カスタム アトリビューション モデルを作成することもできます。作成したカスタム アトリビューション モデルは保存して、必要な時に再利用することができます。
モデルは、評価する一連の詳細な想定に合わせてカスタマイズできます。たとえば、特定のチャネルにどれだけのクレジットを割り振るかの調整や、各種要因(サイトでの滞在時間、訪問時のページ数、直帰数など)に合わせた調整が可能です。作成できるカスタム アトリビューション モデルは 10 個までに制限されており、データ主導モデルはこの制限にカウントされます。
新しいカスタム アトリビューション モデルを設定する
アトリビューション モデリング ツールを使用する方法は次のとおりです。
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レポートで [アトリビューション] タブをクリックします。
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画面左側の [アトリビューション モデリング ツール] をクリックします。
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Floodlight 設定を選択します。
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適用する 1 つ目のアトリビューション モデルをクリックし、モデルの一覧の一番下までスクロールして、[新しいカスタムモデルを作成] をクリックします。すでに作成済みのカスタムモデルがある場合は、そうしたモデルを編集したり、コピーして新しいカスタムモデルを作成したりすることもできます。
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カスタムモデルの名前を指定します。
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カスタム アトリビューション モデルの基本となるベースライン モデルを選択します。カスタマイズ オプションは選択するベースライン モデルによって異なります。たとえば、[減衰] を選択した場合は半減期をカスタマイズできます。
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カスタマイズする各セクションで、[オフ] をクリックしてカスタマイズ オプションを有効にします。
- [保存して適用] をクリックします。作成したカスタム アトリビューション モデルが現在の設定に適用されます。さらに Floodlight 設定に保存されるので、この設定でアトリビューション モデリング ツールを実行するときはいつでも再利用できます。
使用可能なカスタマイズ設定
選択するベースライン モデルに応じて、次の一部またはすべてのカスタマイズ設定を使用できます。
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ルックバック ウィンドウ: アトリビューション モデルで、広告の操作に対するクレジットの割り振りを、過去どれくらい遡って行うかを調整します。
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接点のタイプでクレジットを調整: インプレッションにどれだけのクレジットを割り振るかを、コンバージョン経路上の他の接点に対する倍数で設定します。インプレッションに割り振るクレジットを他の接点よりも少なくする場合は、1 未満の小数値を設定します。また、クリック前の一定時間内に発生したインプレッションに対して倍率を設定することもできます。たとえば、クリック前 2 分以内に発生したインプレッションに対して高い倍率を設定することにより、クリックにつながったインプレッションに対して割り振るクレジットを増やすことが可能です。
Twitter 測定のベータ版をご利用の場合は、ここで、価値の高いソーシャル エンゲージメントと価値の低いソーシャル エンゲージメントに対してカスタム ウェイトを設定します。価値の高いソーシャル エンゲージメントでは、より多くのユーザーにリーチを拡大できます。たとえば、シェアやリツイートがこれに含まれます。価値の低いソーシャル エンゲージメントでは、接点は示されますが、より多くのユーザーへのリーチ拡大はできません。たとえば、エキスパンドやプロフィール ビューがこれに含まれます。 -
ベースライン モデルが起点または終点の場合、この設定は使用できません。これらのモデルでは、1 つの接点に対してすべてのクレジットが割り振られるためです。
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カスタム予算枠のルールの適用: さまざまな具体的条件を指定してクレジットのカスタムルールを独自に設定し、そのルールに一致する接点にどれだけのクレジットを割り振るかを指定します。たとえば、有料検索キーワードに正確に一致する接点に対して追加のクレジットを割り振ることができます。カスタム クレジット ルールは柔軟性が高く、クレジットの配分方法を細かく指定できます。
作成した複数のカスタム クレジット ルールが同じ接点に適用される場合、重複するルールのクレジットの加重は乗算されます。たとえば、特定のクリエイティブにカスタム クレジットの 0.2 を、特定のチャネル グループに 3 をそれぞれ割り振るルールを設定した場合、両方の条件に当てはまる接点に対してはクレジットの 0.6(0.2 x 3)が割り振られます。
ベースライン モデルが起点または終点の場合、1 つの接点に対してすべてのクレジットが割り振られるため、使用できるカスタム クレジット ルールは 1 つだけです。
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減衰の半減期を設定してください: 減衰をベースライン モデルとして選択した場合は、半減期の日数を調整できます。コンバージョン達成日を起点として、設定した日数よりも前に発生した接点に対しては、達成当日に発生した接点の半分のクレジットしか割り振られません。
- 接点をベースにコンバージョンの予算枠を指定します: 接点ベースをベースライン モデルとして選択した場合は、起点と終点に割り振るクレジットと、中間点に配分するクレジットのそれぞれの割合(%)を設定できます。これらの割合の合計が 100% になるようにしてください。
カスタム アトリビューション モデルの例
この例ではまず、ベースライン モデルとして線形モデルを選びます。このモデルでは、コンバージョンのクレジットをすべての接点に均等に割り振ります。たとえば、コンバージョン経路に 4 つの接点がある場合には、各接点にクレジットを 25% ずつ配分します。
ここで、カスタム クレジット ルールを設定し、基本チャネル グループ「検索」に対して割り振るクレジットを、コンバージョン経路上の他の接点の 2 倍に増やします。
4 つのチャネルにまたがるコンバージョン経路の 4 つの接点を、このカスタム アトリビューション モデルと線形モデルで比較すると、次のような結果が得られます。
アトリビューション モデル | 1. リッチメディア | 2. 検索 | 3. クリック トラッカー | 4. 標準ディスプレイ |
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線形 | 25% | 25% | 25% | 25% |
カスタム | 20% | 40% | 20% | 20% |
カスタム クレジット ルールの例
カスタム クレジット ルールを使用すると、柔軟にクレジットを割り振ることができます。[一致] の場合、カスタム クレジット ルールの適用対象となります。[除外] の場合は、カスタム クレジット ルールの適用対象となりません。以下に、カスタム クレジット ルールの使用例とメリットを示します。
標準ディスプレイに対するクレジットを減らす
コンバージョン経路終盤の標準ディスプレイの接点に対して割り振るクレジットを少なくしたい場合があります。たとえば、その接点までに、他のマーケティング活動を通じてユーザーがすでにコンバージョンを達成したことがわかっている場合などです。
この想定をカスタム アトリビューション モデルに組み込むには、次のようなカスタム クレジット ルールを設定します。
一致 - 経路での位置 - 完全一致 - 最後
かつ
一致 - 基本チャネル グループ - 完全一致 - 標準ディスプレイ広告
コンバージョン経路上の他の接点の 0.5 倍のクレジット
ブランド関連のキーワードに対するクレジットを減らす
一般的なキーワードに関連付けられた接点は、ブランド関連キーワードに関連付けられた接点よりも価値が高いと想定されます。これは、一般的なキーワードで検索しているユーザーに対しては、より一層ブランドをアピールできる余地があるためです。この想定をカスタム クレジット ルールに反映させるには、次のようなルールを設定します。
一致 - 有料検索キーワード - 含む - [ブランド関連キーワード]
コンバージョン経路上の他の接点の 0.5 倍のクレジット
正規表現を使って複数のブランド関連キーワードを含めることも、複数の「OR」ステートメントを使って複数のブランド関連キーワードを設定することもできます。
クレジットを割り振らない
次のようなルールを設定します(一部を除き、上記の 1 つ目の例と同じです)。
一致 - 経路での位置 - 完全一致 - 最後
かつ
一致 - 基本チャネル グループ - 完全一致 - 標準ディスプレイ広告
コンバージョン経路上の他の接点の 0 倍のクレジット(1 つ目の例との相違点)