Google Tag Assistant Recordings を使用すると、ウェブでのユーザーの行動経路を記録して、自分のサイトの設計とそのサイトのアナリティクス設定を検証できるため、必要なデータを確実に収集できます。さらに、Google 広告、キャンペーン マネージャー 360、タグ マネージャーなどの他の Google サービスのタグも検証できます。
この記事の内容:サイトの設計不良の問題
ユーザーの行動経路を記録することで、ユーザーがたどった経路をなぞって次のようなサイト設計の問題の有無を確認できます。
- ランディング ページと、送信元の広告やリンクとの関連性が低い
- 行動を促すフレーズが容易に利用できない
- ページ レイアウトやナビゲーション全般が、意図する目標にユーザーを誘導できないような設計になっている
アナリティクスの設定不良の問題
アナリティクスが適切に設定されていなければ、本当に必要なデータを取得できません。ユーザーの行動経路を記録することで、動作しているタグや、アナリティクスによる収集データの処理方法を確認できます。
アナリティクスに適切なデータがなければ、無駄な決定や逆効果の判断を招き、そもそものデータが妥当であればすぐに気付ける機会を逃してビジネスに悪影響を及ぼす可能性があります。
アナリティクスはお客様のプロパティに対して定期的に自動診断を実施していますが、この診断には次のような制約があります。
- 診断はすでに収集されたデータにしか適用されないため、破損データや不良データもアカウントの一部として含まれてしまう。
- 認証やログイン ウォールで保護されているページや、e コマースの決済処理など動的ページフローの一部であるページはクロールできない。
- サイトの構造や、ユーザーがページ間を移動する経路を認識できない。
- 問題が修正されたかどうかを判断するうえで、多くのデータを収集して処理する必要がある。うまく修正できなかった場合、その間に不正確なデータをさらに収集してしまうことになる。
Tag Assistant Recordings を使用することで、これらの制約をすべて回避できます。
Google Tag Assistant Recordings のしくみ
Google Tag Assistant Recordings は、Chrome 拡張機能である Google Tag Assistant の機能です。Google Tag Assistant Recordings を有効にすると、アクセスした任意のページやサイトのタグ、イベント、インタラクションを記録できます。Google Tag Assistant Recordings を使用すれば、ユーザーの行動経路にお客様のプライマリ ドメイン以外の経路が含まれていても、その行動経路を構成するすべてのページを記録できます。
たとえば、一般的なユーザーの行動経路は、商品のウェブ検索から始まり、有料広告やオーガニック(無料)リンクをクリックしてサイトに誘導されます。その後、商品カタログを閲覧し、商品をショッピング カートに追加し(このページは別のドメインにホストされている可能性があります)、注文を確認し、配送方法や支払い情報を入力し、[注文を送信] ボタンをクリックして、最後に元のサイトの手続き完了ページに戻ります。これで目標が達成されたので、記録を終了します。
Google Tag Assistant Recordings を有効にすると、ページがお客様のサイトのページでなくても、あるいは動的に構成されていたとしても(たとえば、ショッピング カートの注文確認ページ)、すべてのページを記録できます。経路の各ページでいくつかのテストが行われ、情報が集められます。記録が終了するとその結果がレポートに表示されます。Google Tag Assistant Recordings のレポートには、自分の経路で収集されたデータのみが含まれます。他のユーザーの操作からの情報が含まれることはありません。
記録は保存して後から再分析できるため、アナリティクス アカウント設定に変更を加えた後に記録を再実行し、変更の影響をすぐに確認できます。記録手順を繰り返す必要がないので、設定をリアルタイムで検証して調整できます。
再分析中の記録のヒットはアナリティクスに送信されないため、問題を解決するために設定を調整してもデータに影響を与えません。
Google Tag Assistant Recordings では、他の Google サービスや Google 以外のサイトのタグも確認できます。
Google Tag Assistant Recordings のレポート
Google Tag Assistant Recordings では、次の 2 つの詳細レポートが提供されます。
Tag Assistant report
[Tag Assistant Report] には、記録中にアクセスしたページで配信されたタグがすべて表示されます。これには、アナリティクスのトラッキング コード、Google タグ マネージャーのタグ、キャンペーン マネージャー 360 のリマーケティング タグなどの Google のタグだけでなく、Google タグを含むまたは管理するサードパーティ(Google 以外)のタグも含まれます。
Analytics report
[Analytics report] では、記録されたデータがアナリティクスの現在の設定でどのように表示されるかを確認できます。すべてのプロパティとビューの中から、ウェブサイトとアナリティクスの設定を検証する対象を選択できます。アナリティクスの設定に変更を加えてから記録を再分析できるので、その設定を簡単にテストして調整できます。
Google Tag Assistant Recordings の対象ユーザー
Google Tag Assistant Recordings の主な対象ユーザー:
マーケティング担当者 - アナリティクス データを利用して意思決定を行うユーザー。Google Tag Assistant Recordings を使って、サイトとアナリティクスの設定が正しく機能しているかを簡単に検証できます。
デベロッパー - 実際にウェブを構築し、アナリティクスや他のタグを設定するユーザー。設定したタグの動作に関する詳細情報から、ウェブを検証して問題を解決できます。
Google Tag Assistant Recordings の使用前提条件
現時点では、Google Tag Assistant Recordings は、Chrome 拡張機能である Google Tag Assistant の機能としてのみご利用いただけます。
Google Tag Assistant Recordings の制限事項
- 記録は保存しないと消えます。ブラウザ ウィンドウを閉じるか新しい記録を開始するとクリアされます。
- 記録を保存しても、アナリティクスの部分だけが保存され、Google Tag Assistant の部分とそれに関連するレポートは保存されません。必要に応じて、レポートを PDF 形式で印刷してください。
- Google Tag Assistant Recordings は、現時点では、英語版のみご利用いただけます。
プライバシー
Google Tag Assistant Recordings の記録は非公開です。分析のためにアナリティクスに送信されるヒットのトラフィック以外は、オンライン活動が保存されたりトラッキングされたりすることはありません。
また、Chrome の拡張機能は、シークレット タブでは実行しないように自動的に構成されます。シークレット ウィンドウでも実行する場合は、Chrome 拡張機能ページで設定できます(Chrome ブラウザのアドレスバーに「chrome://extensions/」と入力すると、拡張機能を管理できます)。
詳しくは Chrome 拡張機能の管理についての記事をご覧ください。
詳しくはシークレット モードについての記事をご覧ください。