Google アナリティクスでユーザー行動を把握する

ユーザーのことをより詳しく把握できれば、的確な情報に基づいて、ウェブサイトやモバイルアプリ、または SaaS(Software as a Service)アプリケーションへの開発投資について最適な選択を行うことができます。ダウンロードや初回使用のほか、利用状況、商品やアイテムの購入、リピート回数に関するデータから、重要な情報を分析できます。Google アナリティクスを使用すると、モバイルアプリ(iOS および Android)、ウェブや SaaS のアプリケーション、IOT(モノのインターネット)デバイスなど、ほとんどの種類のアプリケーションでのユーザー行動を捕捉して分析することができます。

Google アナリティクスでは、最小限の設定で、サイトやアプリを利用しているユーザーの行動を把握するうえで役立つさまざまなデータが得られます。標準的な指標としては、アプリを利用しているユーザー数や、それらのユーザーによるセッション数のほか、ユーザーが訪問した画面数またはウェブページ数などがあります。

Google アナリティクスのユーザーデータは、ファーストパーティの Cookie やランダムに生成された ID、またはモバイルアプリ向け SDK のいずれかを使用して取得されます。ウェブサイトと SaaS アプリケーションの場合は、ユーザーがブラウザのアドオンをインストールしてアナリティクスを無効にできます。モバイルアプリの場合は、ユーザーがアナリティクスを無効にするよう設定を変更できます(モバイルアプリでサポートされている場合)。

追加の設定を行うと、ユーザーが個別のアプリ画面やウェブサイトのページをどのように操作しているか、さらに詳しく把握できます。必要に応じてさらに設定を追加すれば、動画プレーヤーの操作やダウンロード、またはフォームの送信といった具体的な操作について、イベント トラッキングを使ってより詳しいデータを取得できます。さらに、ユーザーが達成した重要なビジネス アクション数(コンバージョン数)のほか、e コマースでのトランザクション数と商品購入数を測定することもできます。

この記事の内容:

計測プラン

どのようなビジネスでも、分析ソリューションの導入にあたっては計測プランを作成する必要があります。そうすることで、お客様のビジネスのデータ測定に関連するデータのみに専念できます。あらゆるユーザーのインタラクション データを収集すると、データセットが大きくなりすぎて分析が難しくなる可能性があります。

計測プランでは次の項目を設定する必要があります。

  • 全体的なビジネス目標
  • 全体的なビジネス目標の達成に向けた戦略
  • 戦略の成果を測定するための重要業績評価指標(KPI)
  • 成果をもたらしている要素を的確に把握するためのセグメント(マーケティング活動と価値の高いユーザーに関するセグメントも含まれます)
  • ビジネス目標の達成状況を把握するための各 KPI の目標値

これらの情報をとりまとめる際は、ビジネス目標について必ずデータを使用する予定の組織内の担当者に確認をとるようにしてください。商品デザイナーやマーケター、その他のビジネス上の意思決定者との話し合いが必要にある場合もあります。重要なことは、ビジネスの成果を把握するうえで不可欠な情報を理解することです。回答が得られたら、それらを文書にまとめて簡単な計測プランを作成します。

次に、ユーザー行動を的確に測定するために最も重要な項目をいくつか説明します。

目標

目標を設定することで、アプリやウェブサイトがビジネス目標の達成にどの程度の効果を発揮しているかを測定できます。目標とは、ビジネス上の成果につながるユーザー行動が達成されること(コンバージョン)を表すもので、たとえば、購入取引(e コマース ビジネスの場合)、ゲームのレベルクリア(モバイルゲーム アプリの場合)、お問い合わせフォームの送信(マーケティング サイトや見込み顧客発掘サイトの場合)、SaaS アプリケーション内での特定の機能の使用などがあります。

目標設定は、デジタル解析の計測プランに欠かせない要素です。目標を適切に設定することで、Google アナリティクスはユーザーが期待される行動を取っているかどうか的確に把握するために重要な情報を提供できるようになります。こうした情報がなければ、オンライン ビジネスの効果測定は難しいでしょう。

目標についての詳細

拡張 e コマース

拡張 e コマース トラッキングを使用すると、ウェブサイトやモバイルアプリで発生したトランザクションの件数や収益を計測できます。拡張 e コマース トラッキングは、ユーザーのオンライン ショッピング エクスペリエンス全体におけるユーザー行動(商品のインプレッション、商品のクリック、商品情報の表示、ショッピング カートへの商品の追加、決済プロセスの開始、トランザクション、払い戻しなど)を把握するうえで役立ちます。

アナリティクスでは、新しい拡張 e コマースのスクリプトを実演するデモストアなど、拡張 e コマースをウェブサイトに導入する際に役立つ便利なリソースが用意されており、リソースの活用例を実際に見ることができます。

ヘルプセンターに掲載された詳しい手順

ウェブ向け拡張 e コマース

イベント トラッキング

イベントは、ウェブページや画面の読み込みとは別にトラッキングされるユーザー操作です。イベントを使用すると、アプリ画面やウェブページでの操作をトラッキングできます。モバイルアプリでは、コンテンツが他のユーザーとどのように共有されているか、アプリの検索機能がどのように使われているか、コンテンツの特定の部分がいつ選択されているかを確認する場合に、イベントがよく使われます。ウェブサイトでは、ファイルのダウンロード数やコンテンツの共有回数、ガジェットの操作回数を測定する場合にイベントがよく使われます。イベントは柔軟性が極めて高く、ユーザー行動を的確に把握するために必要なデータを収集することができます。

イベント トラッキングについての詳細

カスタム ディメンションとカスタム指標

カスタム ディメンションとカスタム指標は、アナリティクス アカウントの既定のディメンションおよび指標と似ていますが、自分で作成するという点で異なっており、アナリティクスで自動的にトラッキングされないデータを収集、解析するために使用できます。たとえば、モバイルアプリ ゲームでユーザーのレベルを収集する場合は、カスタム ディメンションを使用できます。また、サイト運営者の方は、カスタム ディメンションを使ってユーザーのサブスクリプション レベルを収集できます。カスタム ディメンションとカスタム指標を使用すると、アナリティクス データとアナリティクス以外のデータを結合して、ユーザー行動に関するより詳しい分析情報を得ることができます。

カスタム ディメンションとカスタム指標についての詳細

レポート

ここまで、最も一般的なカスタマイズ設定について説明してきました。次に実際のデータを見ていきましょう。ユーザー行動に関する分析情報を取得するうえで役立つさまざまな分析手法を以下にご紹介します。

アクティブ ユーザー

どのビジネスでも、ユーザーの関心の度合いを把握することは重要です。測定結果が常に期待に沿ったものであれば、最適な状態であるといえます。

測定結果が期待を下回っている場合は、マーケティング活動を見直して、適切なオーディエンスをターゲットにしているか、また広告がオークションで勝っているかを確認します。場合によっては、トラフィックに影響する可能性がある否定的な報道やソーシャル コンテンツがないかも確認します。マーケティングやソーシャル方面のトレンドがすべて肯定的だったとしても、サイトやアプリのデザインがユーザーに技術的な負担を与えている場合があります。

1 日のアクティブ ユーザー数は多いものの、長期的には利用しているユーザーの数が減少している場合は、新規リリースに問題がある可能性や、一時的な関心の高まりが長期的なエンゲージメントに結びついていない可能性が考えられます。たとえば、多数のユーザーがアプリをダウンロードしても、そのアプリがユーザーのニーズを満たしていない場合や、興味が持続しなかった場合が当てはまります。

アクティブ ユーザー レポートについての詳細

コホート

ユーザー エンゲージメントを計測する方法として最も一般的なのは、コホート分析と呼ばれる手法を使ったものです。コホートとは、共通の特性を持つユーザーのグループです。たとえば、獲得した日付(または初回利用)が同じユーザーは、すべて同じコホートに属します。コホート分析レポートでは、コホートの行動データを抽出して分析することができます。

コホート分析では、ユーザー全体から一部のユーザーを抽出して、そのユーザーの行動を理解することができます。たとえば、コホート分析は次の場合に使用できます。

  • 個々のコホートを比較して、短期的なマーケティング活動(ユーザーへのメールや通知など)に対する反応を把握する。
  • 個々のユーザー グループによる行動と成果の日別、週別、月別の変動を、それらのユーザーの獲得時との比較で確認する。
  • ユーザーを共通する特性(獲得した日付など)に基づいてグループに分類し、ユーザー維持率や収益などの指標によってそれぞれのグループの行動を分析する。

ユーザーが離脱するタイミング(開始するセッション数がより少ない場合や、閲覧するページ数がより少ない場合、または得られる収益がより少ない場合など)を把握すると、次の 2 つのことを特定できます。

  • ユーザーが減少する共通のタイミング(簡単に改善できる可能性があります)
  • 避けられない減少を埋め合わせるために獲得する必要のある新しいユーザーの割り合い

行動フローレポート

行動フローレポートは、ユーザーが画面やページ、またはイベント間を移動した経路を視覚化したレポートで、サイトで多くのユーザーに利用されているコンテンツを見つけるうえで役立ちます。また、行動フローレポートは、コンテンツやユーザビリティに関する問題の洗い出しにも役立ちます。

行動フローレポートを使うと、コンテンツがどのように利用されているかを調べて、コンテンツに潜む問題点を把握することができます。行動フローレポートでは、次のような点を調べることができます。

  • 必ず最初に発生するイベントがあるか。そのイベントから別のイベントや行動につながっているか。
  • モバイルアプリまたはサイトへの経路として、他よりもよく使われている経路があるか。ある場合、そうした経路がサイト内を移動するユーザーの経路として望ましいものか。
  • ユーザーは他の買い物をせずに商品ページからそのまま決済に進んだか。

行動フローレポートについての詳細

イベント レポート

イベント レポートでは、イベントがカテゴリ、アクション、ラベルに分類されます。レポートに表示されるそれぞれのカテゴリ、アクション、ラベルには、イベント トラッキング コードで設定した分類が反映されます。たとえば動画プレーヤーの操作をトラッキングするには、次のカテゴリ、アクション、ラベルを設定します。

  • カテゴリ: 「動画: 説明」、「動画: 音楽」
  • アクション: 「再生」、「停止」、「一時停止」
  • ラベル: 「ダンス ミュージックの動画」、「Google アナリティクス入門コース」

イベント レポートについての詳細

カスタム ディメンションおよびカスタム指標レポート

カスタム ディメンションとカスタム指標を設定して収集すると、ユーザー レポートの管理画面で使用できるようになり、カスタム レポートに表示されてアドバンス セグメントと一緒に使用できます。カスタム ディメンションは、標準レポートのセカンダリ ディメンションとして使用することもできます。

たとえば、カスタム ディメンションとカスタム指標を使用して、ゲームアプリでのユーザー行動についての詳細を確認できます。カスタム ディメンションを使用すると、ヒット、セッション、ユーザーの新しいグループを作成できます。また、ユーザー エクスペリエンスを拡張する「パワーアップ」などの追加機能を販売している場合は、別のフィールドを使って、ユーザーが購入したパワーアップのレベルをそれぞれ測定することもできます。このようにして、最もよく利用されているパワーアップのレベルがわかります。カスタム ディメンションとカスタム指標をこのように使用して、次のような点を調べることができます。

  • 初級レベル、中級レベル、上級レベルでプレイ回数に違いがあるか?
  • 3 日間の無料お試し期間に、毎日何レベルがプレイされるか?
  • 無料お試し期間のユーザーと有料ゲームのユーザーとで、プレイ回数に違いがあるか?

まとめ

ビジネスでは、ユーザーがモバイルアプリ(iOS および Android)、ウェブならびに SaaS アプリケーション、IOT(モノのインターネット)端末などのアプリケーションをどのように使っているかを把握することが不可欠です。ユーザー行動を把握することで、ユーザー エクスペリエンスを改善し、機能とコンテンツを見直して、ユーザーにとって有益な商品を開発することができます。Google アナリティクスは、ユーザーの行動を測定して、アプリの利用状況に関する分析情報を確認し、ユーザー エクスペリエンスと業績を向上させる真の変化をもたらすうえで役立ちます。

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