レポートには、適用した並べ替え条件に応じて、上位 10,000 ユーザーが表示されます。
ユーザー エクスプローラ レポートを使うと、集計されたユーザーの行動ではなく、個別のユーザーの行動を分析できます。個別のユーザーの行動は、Client-ID または User-ID に関連付けられています。
集計されたユーザーの行動が重要になるのは、大きな地域をターゲットに設定するなど、大規模なデータを管理する場合です。一方で、個別のユーザーの行動が重要になるのは、ユーザーごとに異なるユーザー エクスペリエンスを提供したり、特定のユーザー エクスペリエンスについての分析やトラブルシューティングを行ったりする場合です。たとえば、平均注文値が顕著に大きいユーザーの行動を分析したり、注文時に問題が発生するポイントを確認したりする場合が該当します。
この記事の内容:
設定
レポートの User-ID データを確認するには、プロパティの設定で User-ID 機能を有効にしてください。
Client-ID は、User-ID が有効になっていないプロパティのレポートにデフォルトで表示されます。Client-ID と User-ID の詳細
ユーザー エクスプローラのデータを確認する
ユーザー エクスプローラ レポートを開くには:
- Google アナリティクスにログインします。
- 目的のビューに移動します。
- [レポート] を開きます。
- [ユーザー] > [ユーザー エクスプローラ] を選択します。
それぞれの Client-ID または User-ID には、次のような初期データが表示されています。
- セッション
- 平均セッション継続時間
- 直帰率
- 収益
- トランザクション数
- コンバージョン率
ID の詳細画面を開くと、ユーザーを獲得した日付や集客チャネル、アクティビティ ログが表示されます。アクティビティ ログには、各セッション中にユーザーがサイトで行ったアクションについての詳細が表示されます。
デフォルトでは、次のデータが表示されます。
- セッション数(LTV): ユーザーのライフタイムにわたるセッションの合計数
- セッション継続時間(LTV): ユーザーのライフタイムにわたる平均セッション継続期間
- 収益(LTV): ユーザーのライフタイムにわたる収益の合計
- トランザクション数(LTV): ユーザーのライフタイムにわたるトランザクションの合計数
- 達成した目標(LTV)と目標値(LTV)
左ペインには、次の情報も表示されます。
- Client-ID / User-ID
- 前回の閲覧日(ユーザーが前回のセッションを開始した日)
- デバイス カテゴリ
- デバイス プラットフォーム
- 集客の日付
- チャネル
- 参照元 / メディア
- キャンペーン
[フィルタ条件] を使うと、データタイプを追加または削除できます。
必要に応じて、個別のセッションを展開したり折りたたんだりできます。
個別のアクティビティを展開すると、詳細が表示されます。
セグメントを作成する
セグメントを作成する際は、さまざまなユーザー アクションの組み合わせを基準として指定できます。作成したセグメントをレポート全体に適用することで、サイト上で同じアクションを起こしたユーザーについての集計された行動を分析できます。
このレポートに適用できるのは、ユーザーベースのセグメントのみです。また、一度に適用できるセグメントは 1 つのみです。
セグメントを作成するには:
- セグメントの定義に使うアクションを選択します。 次に [セグメントを作成] をクリックしてセグメント ビルダーを開きます。
- セグメントの名前を入力し、必要に応じて条件を変更します。そのセグメントをすべてのビューで表示するか、現在のビューでのみ表示するかを選択します。また、保存したセグメントをすぐにレポートに適用するかどうかも指定します。
- [保存] をクリックします。
セグメントを適用すると、設定した条件に合致する ID のリストが含まれるレポートの 1 ページ目が表示されます。
ユーザーデータを削除する
個々のユーザーのデータを削除するには、編集者のロールが必要です。
ID を掘り下げて個々のユーザーのデータを表示し、そのユーザーのデータをレポートとアナリティクス システムから削除することもできます。
個々のユーザーのデータを削除するには:
左側のパネルの下部にある [ユーザーを削除] をクリックします。
削除をリクエストすると、このユーザーの ID に関連付けられたデータが各ユーザー レポートから 72 時間以内に削除され、次の削除プロセス中にアナリティクス サーバーからも削除されます。削除プロセスは、およそ 2 か月ごとに実施されます。このデータを Google アナリティクスの外部にエクスポートした場合は、まずそのデータを削除することをおすすめします。
以前の集計データに基づくレポート(ユーザー サマリー レポートのユーザー数など)に影響はありません。
Google アナリティクスによるデータの取り扱い方法や、データの機密性保持およびセキュリティ保護に向けた取り組みについては、こちらをご覧ください。
使用例
セグメント内の特定の行動に対応する
他のレポートで特定のセグメントが目立った行動を起こしていることが示された場合、セグメント内の特定のユーザーを分析して詳細を確認できます。たとえば、[ユーザー] > [サマリー] レポートの [ブラジルのユーザー] のセグメントに、他のセグメントと比べて顕著に高い直帰率や低い平均セッション継続時間が記録されている場合は、このセグメントをユーザー エクスプローラに適用して、ユーザーの直帰または離脱が発生している共通のページやページ グループがないかどうか分析します。
コンテンツをより詳細に分析した結果、他の地域セグメントには有効だった画像やキャッチコピーが、[ブラジルのユーザー] のセグメントにはあまり有効でないことが判明したとします。
たとえば、100 年生産されてきた同じスニーカーがさまざまな地域グループで購入されていても、購入の動機はそれぞれ異なる場合があります。[ブラジルのユーザー] のセグメントはブラジルで売られている通常のスニーカーとは異なるデザインに魅力を感じているかもしれませんし、[米国のユーザー] は懐かしさを感じて購入しているかもしれません。このような状況では、それぞれの購入の動機に合わせてサイト コンテンツを用意して、さまざまなセグメントに対応する必要があります。
この場合、アナリティクスでそれぞれのセグメントを作成して、レポートに適用してから、このセグメントの ID をエクスポートします。これによって、ID に基づく個別のウェブ エクスペリエンスを作成し、広告をクリックした各グループに適切なコンテンツを表示することができます。
アップセル
ユーザーとの関係が深まるにつれて、より高いレベルのコンバージョンをユーザーから引き出すような機会が望まれることもあるでしょう。購買意欲の高いユーザーについて理解すると、購買意欲が中程度のユーザーをリードして同じ経路に進んでもらうための方法がわかります。たとえば、8 日間、10 日間、15 日間のツアーを受け付けている旅行会社の場合、定期的に 10 日間のツアーを申し込んでいるユーザーに 15 日間のツアーを勧めるのは、それほど難しいことではありません。
ユーザー エクスプローラ レポートで分析できるのは、価値の高いユーザーがサイトをどのように利用しているか、どのような経路をたどっているか、どのように時間を費やしているか、どのプロモーションをクリックしているかという情報です。このような情報を把握しておくと、購買意欲が中程度のユーザーに向けて、購買意欲の高いユーザーが目にしているのと同じコンテンツやサービスを含む、個別のサイト エクスペリエンスを提供できます。
この場合、購買意欲が中程度のユーザーと、購買意欲の高いユーザーの 2 つのセグメントを作成します。購買意欲の高いセグメントをユーザー エクスプローラ レポートに適用して、セッションの行動を分析し、サイトの利用方法、つまりユーザーが最も強く反応してコンバージョンに至ったコンテンツを確認します。次に、購買意欲が中程度のユーザーのセグメントを適用し、ID をエクスポートします。その ID のリストを使用してサイトでの個別のエクスペリエンスを作成し、購買意欲の高いユーザーに提供しているエクスペリエンスに近づけます。
また、エクスポートした ID のリストを使用して、購買意欲が中程度のユーザーのユーザーリストを作成し、より価格の高いツアー パッケージの広告を掲載することもできます。
リマーケティング
個別のセッションの行動を分析すると、コンバージョンの達成前に中断してしまうユーザーがどの段階で中断するのかを確認できます。たとえば、商品アイテムをカートに入れたのに決済に進まなかったユーザーや、商品アイテム(例: 帽子)を購入したものの、閲覧していた関連商品(例: マフラー)を購入しなかったユーザーについて、各段階の状況を確認できます。
この場合、該当するユーザーの行動に関する特定の情報を把握しておくことで、最適な形でリマーケティングを行うことができます。たとえば、カートに入れたまま購入しなかった商品アイテムを再表示したり、帽子を購入したユーザーに、その帽子に合うマフラーの広告を表示したりできます。
ユーザー エクスプローラ レポートで特定した関連行動に基づいてセグメントを作成し、作成したセグメントを新しいリマーケティング オーディエンスのベースとして使用できます。
個別のカスタマー サービスを提供する
きめ細かなカスタマー サービスを提供しているビジネスでは、ユーザー エクスプローラ レポートを使用して、各ユーザーについての詳細な記録を確認できるため、カスタマー サービス担当者が状況を把握し、的確なアドバイスができるようになります。
たとえば、不動産業の場合、カスタマー サービス担当者は、ユーザーが過去に借りていた不動産や、カスタマー サービスへの連絡前に閲覧していた不動産を確認できます。
ペルソナを設定する
マーケティングの一環として、ペルソナを設定している場合は、さまざまなセグメントの行動を分析して、ユーザーによるサイト利用の実態をペルソナに反映します。
たとえば、いくつかのインタレスト カテゴリ(投資マニア、スポーツファン、音楽ファンなど)を基準に 18~34 歳の男性ユーザーのセグメントをそれぞれ作成した場合、これらのセグメントをレポートに適用して、セッション アクティビティを確認することで、閲覧のみで終わった商品と購入に至った商品を比較したり、達成される可能性が高い目標を確認したりできます。
手法
ID をエクスポートする
セグメントをユーザー エクスプローラ レポートに適用すると、エクスポートするセグメントに関連付けられたすべての ID のリストを確認できます。
- セグメントをレポートに適用します。
- [エクスポート] メニューからエクスポート データの形式を選択します。
エクスポートした ID は、オフライン データと結合することができます。
ユーザーに関するオンライン データとオフライン データを結合する
次の 2 つの方法があります。
- アナリティクス データをエクスポートして、オフラインでオフライン データと結合する。
- オフライン データをインポートして、アナリティクスでアナリティクス データと結合する。