ユニバーサル アナリティクスでは、目標と e コマース トランザクションを設定してコンバージョンを測定します。Google アナリティクス 4 では、目標と e コマースに違いはなく、すべてのコンバージョンを GA4 イベントで測定します。GA4 イベントは、ユーザーがサイトまたはアプリを操作することで引き起こされます。ユーザー インターフェースを使用して、ビジネスの成果につながるすべてのイベントにコンバージョンとしてフラグを付けることができます。フラグが付けられたイベントのいずれかが発生するたびに、GA4 プロパティにコンバージョンが登録されます。
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イベントに自動的にフラグが付きます。このイベントは、e コマース トランザクションの発生をコンバージョン イベントとして Google アナリティクスに通知するために使用されます。GA4 でコンバージョンを複製する方法の詳しい説明を読む前に、GA4 のデータモデル、およびコンバージョンの仕組みに関するユニバーサル アナリティクスとの微妙な違いについて理解しておく必要があります。
この記事の内容:移行が必要かどうか確認することから始める
Google アナリティクス 4 を導入することで、自社の関係者にとって重要な KPI の確認がしやすくなります。GA4 は、自社のビジネスにとって最適な方法で成果を測定するよう設定できます。既存のコンバージョンの定義を複製して検証すると同時に、すべてのレベルでコンバージョン トラッキング戦略を見直すことで、今では該当しない古いコンバージョンがあることに気づいたり(例: 「2017 年の年末年始の購入」目標)、成果を測定する新しい方法が見つかったりすることがあります。
ユニバーサル アナリティクスの「ヒット」に対し、GA4 では「イベント」
まず、ユニバーサル アナリティクスと Google アナリティクス 4 でのデータの違いについてよく理解する必要があります。特に、ユニバーサル アナリティクスのデータは「ヒット」に基づくものですが、GA4 のデータは「イベント」に基づくものである点にご注意ください。GA4 でイベントを送信する方法は、ユニバーサル アナリティクスと大きく異なります。ユニバーサル アナリティクスでは、イベントの属性はカテゴリ、アクション、ラベルの 3 つですが、GA4 のイベントはパラメータの数を自由に設定できます。
例: ページビュー ヒットと page_view イベントの比較
ユニバーサル アナリティクスでは、最も一般的なヒットタイプは、pageview
(ほとんどの場合、物理的なページ読み込みに対応)と event
(他のタイプのユーザー操作の送信に使用可能)です。
Google アナリティクス 4 では、ページビューはイベントとして送信されます。pageview
ヒット(またはヒットタイプ)といった概念はなく、Google アナリティクス 4 ではすべての操作がイベントとして送信されます。たとえば、Google アナリティクスでは page_view
イベントを受信するとページビューが記録されます。page_view
イベントには、URL やページタイトルなどを示すパラメータが含まれています。
詳しくは、GA4 で自動的に収集されるイベントをご確認ください。
ユニバーサル アナリティクスの「目標」に対し、GA4 では「コンバージョン イベント」
GA4 では、限定されたコンバージョンの条件に基づいて目標を設定する必要がなくなりました。代わりに、収集した 4 つのモバイルアプリ イベントが自動的にコンバージョンとして扱われます。さらに、最大 30 個(Google アナリティクス 360 の場合は 50 個)のアプリイベントまたはウェブイベントをコンバージョンとして扱うように設定することもできます。これにより、重要なユーザー アクションを柔軟かつ正確に測定できるようになります。
コンバージョンの基準は event_name
すべてのイベントには、共通のパラメータとして event_name が含まれています。このパラメータの値は各イベントの名前になります。
Google アナリティクスでは、イベントをコンバージョンとして扱うように設定すると、event_name が送信されるたびにコンバージョンが記録されます。別のパラメータ値をコンバージョンの基準にすることはできません。
例
「XYZ」という名前のイベントを作成し、コンバージョンとして扱うように設定したとします。GA4 ではイベント「XYZ」を検知するたびにコンバージョンが送信されます。
ここで、XYZ が特定の条件を満たしている場合のみ、コンバージョンとして扱うことにするとします。イベント「XYZ」のパラメータの値に基づいてコンバージョンを作成するには、XYZ のパラメータが特定の条件を満たしている場合にのみ発行される新しいイベントを作成します。詳しくは、GA4 の到達ページの目標を複製するをご覧ください。
手順については、GA4 のコンバージョン イベントのセットアップと管理と管理画面でのイベントの変更と作成をご覧ください。
各種マッチタイプ
ユニバーサル アナリティクスと GA4 では、マッチタイプのオプションが異なります。たとえば、ユニバーサル アナリティクスで到達ページの目標を設定する場合は、コンバージョンにマッピングするページ ディメンションに対し、次の 3 つのマッチタイプのいずれかを選択します。
- 完全一致
- 前方一致
- 正規表現
GA4 の管理画面でイベントを変更および作成する場合は、条件ステートメントに対し、以下のマッチタイプを使用できます。
- equals/does not equal(次と等しい / 次と等しくない)
- contains(次を含む)
- starts with(次で始まる)
- ends with(次で終わる)
GA4 ではイベントを定義する際、正規表現がサポートされない点にご注意ください。ユニバーサル アナリティクスの目標設定でマッチタイプとして正規表現を使用していた場合は、GA4 では代わりに、starts with または ends with をマッチタイプとして使用できる場合があります。
starts with または ends with のマッチングでは不十分な場合(例: 同じコンバージョンに対して、/contact-us-1-confirmed、/contact-us-2-confirmed、および /contact-us-3-confirmed を一致させる場合)、GA4 でイベントを設定して、以下の表に示すように、同一のコンバージョン イベントにページビューの各バリエーションを個別にマッピングできます。
イベントルールの作成 | 生成されるイベント |
---|---|
event_name - equals - page_view page - equals - /contact-us-1-confirmed |
generate_lead |
event_name - equals - page_view page - equals - /contact-us-2-confirmed |
generate_lead |
event_name - equals - page_view page - equals - /contact-us-3-confirmed |
generate_lead |
そのうえで、generate_lead をコンバージョンとして扱うように設定します。
高度なコンバージョンを設定する新しい方法
ユニバーサル アナリティクスのスマートゴールでは、機械学習を活用してコンバージョンにつながる可能性を示すシグナルを判別します。スマートゴールを使用すると、アナリティクスの明示的な目標を Google 広告にインポートしていないユーザーや、Google 広告のネイティブ コンバージョン コードを使用していないユーザーは、そうしたシグナルに基づいて Google 広告の広告キャンペーンを最適化できます。
スマートゴールは Google アナリティクス 4 ではサポートされていません。そこでご検討いただきたいのが予測オーディエンスです。これは機械学習を活用して、今後のユーザーの行動(購入の可能性を含む)を予測する機能です。さらに、オーディエンス トリガーを使用して、予測オーディエンスをコンバージョンとしてマークできるイベントに変換できます。
詳しくは、Google 広告での Google アナリティクス 4 のコンバージョンへの入札に関する記事をご覧ください。
コンバージョン値を表現する新しい方法
ユニバーサル アナリティクス プロパティでは、設定した目標に値を割り当てることができます。目標値は、ページの価値や 1 回のセッションあたりの目標値といった指標を算出する際の基準となります。
一方 Google アナリティクス 4 でコンバージョン値を表すには、カスタム イベント パラメータ(例: event_value)として値をイベントに追加し、イベント パラメータに対応するカスタム指標(例: イベント値)を作成して、カスタム指標をレポートやデータ探索ツールに追加します。