自由形式のデータ探索は、データ探索手法の中で最も柔軟性が高く、ユニバーサル アナリティクスのカスタム レポートによく似ています。自由形式のデータ探索を使うと、データを表とグラフで表示したり、セグメントとフィルタを追加したり、最も関連性の高い情報に絞り込んだりすることができます。
この記事では、自由形式のデータ探索ツールを利用して以下の質問に答える方法を説明します。
- サイトやアプリで最も視聴回数が多いのはどのページまたはスクリーンか。
- 最も効果が高い(または最もコンバージョン数が多い)のはどのランディング ページか。
- ユーザーはサイトやアプリで何を検索しているか。サイト コンテンツまたはサイトの操作性を改善できる部分はどこか。
- ランディング ページのパフォーマンスはどう推移しているか。ユーザーはさまざまなページに同じ割合でアクセスしているか。
サイトやアプリで最も視聴回数が多いのはどのページまたはスクリーンか。
ユーザーに関する基本的な質問は、「ユーザーがどのページとスクリーンを見ているか」です。ユニバーサル アナリティクスでは、ページレポートでその質問の回答が得られます。Google アナリティクス 4 では、自由形式のデータ探索をカスタマイズすると、同じ情報などを得ることができます。
手順
1. 自由形式のデータ探索ツールを作成する
自由形式のテンプレートを使って始めます。
- Google アナリティクスで、GA4 - Google Merchandise Store プロパティを選択します。
- 左側のナビゲーションにある [探索] をクリックします。
- [新しいデータ探索を開始する] で、[自由形式] をクリックします。
2. 「ページ」ディメンションと指標を使用できるようにする
必要なディメンションと指標はデフォルトでは利用できないため、追加する必要があります。
- 左側の [ディメンション] の横にある
をクリックします。
- [ページ遷移 + クエリ文字列] と [ページタイトルとスクリーン名] のチェックボックスをオンにします。
- [インポート] をクリックします。
- 左側の [指標] の横にある
をクリックします。
- [ビュー] と、探索する他の指標のチェックボックスをオンにします。
- [インポート] をクリックします。
3. データ探索にデータを追加する
デフォルトのフィールドを削除して別のフィールドを追加します。
- [タブの設定] で、デフォルトのディメンションと指標を削除します。
- フィールドを削除するには、そのフィールドにカーソルを合わせて
をクリックします。
- [ページ遷移 + クエリ文字列] および [ページタイトルとスクリーン名] のディメンションを行のディメンションとして、[ビュー] を列の指標として追加します。
- データ探索にフィールドを追加するには、[ディメンションや指標をドロップするか選択してください] をクリックし、追加するフィールドを選択します。
- 比較する場合は、列の指標として「アクティブ ユーザー」を追加すると、各ページの人気度をユニーク ユーザーごとに把握できます。
- フィールドを削除するには、そのフィールドにカーソルを合わせて
4. 重要ではないページを除外する
データ探索をフィルタし、人気のあるページまたは重要なページのみを表示するようにします。次に例を示します。
- データ探索の最初の列にあるホームページ(/)にカーソルを合わせます。
- 右クリックして [選択項目を除外] を選択します。
- ショッピング カート(basket.html)のページで、この手順を繰り返します。
現時点で、最も人気のある商品ページは、ウェブサイトの「在庫処分品」と「紳士服」のセクションにあります。
ランディング ページのデータ探索
ユーザーがウェブサイトやアプリで最初にアクセスする場所を把握できれば、該当ページの関連性または利便性を高めて、ユーザー エクスペリエンスを最適化し、マーケティング活動を改善することができます。自由形式のデータ探索では、異なるランディング ページがコンバージョンにどう貢献したかを比較することで、この最適化と改善ができるようになります。
このデータ探索を作成するには、「ランディング ページ」ディメンションのいずれかを使ってセグメントを追加し、コンバージョンに至ったセッションとコンバージョンに至らなかったセッションを比較します。
手順
1. 新しいタブをデータ探索に追加する
複数のソリューションを同じデータ探索で維持するには、複数のタブを追加します。
- 現在のタブ名の右側にある
をクリックします。
- [自由形式] を選択します。
- 現在の名前(「自由形式 2」)を新しい名前(「ランディング ページ」)に置き換えて、タブ名を変更します。
2. 「ランディング ページ」ディメンションを使用できるようにする
必要なディメンションと指標はデフォルトでは利用できないため、追加する必要があります。
- 左側の [ディメンション] の横にある
をクリックします。
- [ランディング ページ] のチェックボックスをオンにします。
- [インポート] をクリックします。
[変数] に [アクティブ ユーザー] 指標が表示されますが、表示されない場合は次の手順で指標を追加します。
- 左側の [指標] の横にある
をクリックします。
- [アクティブ ユーザー] のチェックボックスをオンにします。
- [インポート] をクリックします。
3. データ探索にデータを追加する
- 「ランディング ページ」ディメンションを [行] セクションにドラッグ&ドロップします。
- 「アクティブ ユーザー数」ディメンションを [値] セクションにドラッグ&ドロップします。
4. 「コンバージョンに至ったセッション」と「コンバージョンに至らなかったセッション」を比較する
データ探索には、ユーザーのセッションを開始したランディング ページのみが含まれるようになりました。コンバージョンに至ったセッションに含まれるランディング ページを確認するには、次の 2 つのセグメントを追加します。
「購入が発生したセッション」のセグメントを作成する
- 左側の [セグメント] の横にある
をクリックします。
- [カスタム セグメントを作成] で、[セッション セグメント] をクリックします。
- セグメントに「購入が発生したセッション」という名前を付けます。
- [次の条件に当てはまるセッションを含める] で [新しい条件を追加] をクリックします。
- 「イベント」で [イベント] > [アプリ内購入] を選択します。
- [OR] をクリックして、別の条件を追加します。
- 「イベント」で [イベント] > [購入] を選択します。
- [保存して適用] をクリックします。
「購入が発生しなかったセッション」のセグメントを作成する
- 左側の [セグメント] の横にある
をクリックします。
- [カスタム セグメントを作成] で、[セッション セグメント] をクリックします。
- セグメントに「購入が発生しなかったセッション」という名前を付けます。
- [次の条件に当てはまるセッションを含める] で [新しい条件を追加] をクリックします。
- 「イベント」で [イベント] > [非購入者] を選択します。
- [保存して適用] をクリックします。
これで、コンバージョンに最も貢献しているページと、成果が上がらないと思われるページの状況を確認できるようになりました。
サイト内検索のデータ探索
ユーザーの検索語句に基づいてコンテンツをカスタマイズすると、ユーザーのエンゲージメントと満足度を高めることができます。たとえば、特定の語句で検索が増えた場合、その語句を使用しているコンテンツをさらに追加すると、ユーザーが探している商品を見つけたり、疑問を解決したりしやすくなります。
始める前に
サイト内検索のデータ探索を作成するには、まずユーザーの検索語句を収集する必要があります。これを行うには、拡張計測機能の view_search_results イベントを使用するか、アプリケーション コードから Google アナリティクスに渡されるカスタム イベントを使用します。また、プロパティで「search_term」カスタム ディメンションも作成する必要があります。
手順
1. 新しいタブをデータ探索に追加する
複数のソリューションを同じデータ探索で維持するには、複数のタブを追加します。
- 現在のタブ名の右側にある
をクリックします。
- [自由形式] を選択します。
- タブ名を変更するには、現在の名前(「自由形式 3」)をクリックして新しい名前(「サイト内検索」)を入力します。
2. 「search_term」ディメンションと「イベント数」指標を使用できるようにする
- 左側の [ディメンション] の横にある
をクリックします。
- 「search_term」のチェックボックスをオンにします。
- [インポート] をクリックします。
- [タブの設定] の [行] セクションに「search_term」を追加します。
- [タブの設定] の [値] セクションに「イベント数」指標を追加します。
3. 「(not set)」値をフィルタで除外する
このデータ探索ではすべてのイベントを対象に検索しており、またすべてのイベントにサイト内検索が含まれているわけではないため、多くの「(not set)」値が表示されることがあります。これらを除外するには、「view_search_results」と完全に一致する「イベント名」のフィルタを作成します。
- 下部にある [タブの設定] の [フィルタ] で、[ディメンションや指標をドロップするか選択してください] > [イベント名] をクリックします。
- [マッチ タイプを選択してください] をクリックし、[完全一致] を選択します。
- [マッチタイプを入力] をクリックし、「view_search_results」を選択します。
- [適用] をクリックします。
これで、特定の語句におけるユーザーの検索回数を確認できるようになりました。この情報を使用して、ユーザーが検索している内容に合わせてコンテンツを細かく調整できます。
傾向の推移
円グラフ、棒グラフ、地域マップなど、さまざまな種類のビジュアリゼーションを使用して、自由形式のデータ探索を表示できます。各ビジュアリゼーションの種類には、特定の用途があります。たとえば、折れ線グラフでは、データの傾向が時系列で示されます。
手順
- 左側の [ビジュアリゼーション] で [折れ線グラフ] をクリックします。
- [ディメンションあたりの線数] を増減して、グラフ上の線の数を調整します。
- グラフにカーソルを合わせると、その日のデータポイントを確認できます。
異常検出
折れ線グラフの空の円は、アナリティクスでデータ内での異常が検出されたことを示します。円にカーソルを合わせると、異常の詳細が表示されます。
たとえば、次のスクリーンショットは、Google アナリティクスが過去に収集したデータに基づき、2 月 2 日に約 1,000 人のアクティブ ユーザーがホームページにアクセスすると予測したことを示すものです。実際に測定されたアクティブ ユーザー数は、予想を 116% 上回る 2,200 人でした。これは異常検出のトリガーとなり得る数値です。
詳しくは異常検出をご覧ください。